■遠隔監視アプリってどんなもの?アプリを利用してできること

最近はスマホ向けの便利なアプリが開発されていて、多くの人がチャットなどのコミュニケーションツールやカメラアプリなどを使用しています。そんなスマホ用のアプリの中には遠隔監視アプリと呼ばれるものもあります。
遠隔監視アプリにはスマホの盗難・紛失に備えて持ち主が自分で使用する目的で開発された盗難対策用のアプリと、親が子供を監視したり会社が社員に貸与する端末を管理したりする目的で遠隔監視をするために開発されたスパイアプリの2種類があります。
このようなアプリを利用すれば、離れた場所からオンライン経由で
・スマホの現在位置
・通話記録や、LINEなどのSNSで送受信したメッセージ
・他のアプリの利用状況
・デバイスに保存されている画像や電話帳
などを閲覧することができます。中には遠隔操作をしてカメラやマイクを起動させ、写真・動画・音声などを撮影・録音したり、端末の機能をロックしたりできるものもあります。
こうした遠隔操作アプリの中には画面に何も表示することなく遠隔操作で撮影・録音ができるものがあり、多くはアンインストールされないようにするためにホーム画面にアイコンが作成されません。そのため遠隔監視アプリが仕込まれて監視が行われていても、端末の利用者本人は盗撮被害に遭っていることに気付かない場合がほとんどです。
■遠隔監視アプリによる巧妙な盗撮手口とは
遠隔監視アプリの本来の目的は、自分のスマホ端末が盗難または紛失した際に発見したり、子供や従業員に貸与したデバイスの管理を行ったりすることですが、悪用すれば勝手に他人の写真や動画を撮影したり、通話・通信記録を無断で閲覧したりすることも可能です。
実際に、スマホの使い方を教える振りをして他人のデバイスに勝手に遠隔監視アプリをインストールしておき、後で遠隔操作をしてカメラを起動させて写真や動画を無断で撮影した男性が逮捕されるというケースがありました。
持ち主が使用していない古いスマホ端末を盗んで充電し、勝手に遠隔監視アプリをインストールしてから元の場所に戻して、遠隔操作で盗撮を行ったというケースも存在します。
パソコンなどから遠隔監視アプリを遠隔操作してカメラを起動させもシャッター音や画面の表示が出ないため、本人が気付かない間に盗撮が行われてしまう恐れがあります。
■スマホ監視により逮捕された事例もある

盗難対策用や子供を監視するための遠隔操作アプリを他人のスマホに勝手にインストールし、遠隔で盗撮やデータ閲覧などを行うと、「不正指令電磁的記録共用罪」と呼ばれる罪で3年以下の懲役または50万円以下の罰金刑に処せられる恐れがあります。
過去には実際にスマホの遠隔監視アプリを悪用して盗撮を行った犯人が、警察に逮捕された事件もあります。 中でも、スマホの持ち主(盗撮被害者)がスマホをロックせずに放置していた一瞬の隙に、他人が勝手にアプリをインストールして犯行が行われるケースが多いです。
遠隔監視アプリを悪用した犯罪に巻き込まれないようにするためには、必ず端末にロックをかけておく、席を外す際は短時間でもスマホを持ち歩くなどの対策が必要です。
■自分のスマホに遠隔監視アプリが入っているかどうかチェックする方法
遠隔監視アプリの多くはホーム画面上にアイコンが表示されることがありません。そのため勝手にインストールされても見つけにくいのです。しかしホーム・デスクトップ画面にアイコンが表示されていなくてもアプリ一覧には表示されるため、不審なアプリを確認することができます。
設定画面を開いてアプリ一覧を開き、使用方法や機能が分からないアプリや見慣れないアプリあないかを探し、もしあれば削除しましょう。日頃から自分のスマホに保存されているデータやインストール済みのアプリをこまめにチェックすることが大切です。
また、セキュリティ対策用のアプリをインストールしておくことも盗撮や盗聴を防ぐのに有効です。