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強盗致傷初犯の判例解説|情状酌量で量刑が減刑される事由とは

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
強盗致傷初犯の判例解説|情状酌量で量刑が減刑される事由とは

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強盗致傷は、『無期または6年以上の懲役刑』と非常に重い罰則が科されています。そのため、初犯であっても実刑判決が出るケースがほとんどです。

ただ、事件の状況によっては減刑される場合もあります。減刑がある場合、法理論的には執行猶予付きの判決も可能です。

この記事では、強盗致傷初犯の判例と減刑事由をご紹介します。万が一、強盗致傷で身近な人が逮捕された場合に、参考にしてみてください。

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強盗致傷初犯の量刑はどのくらい?判例をご紹介

まず、強盗致傷初犯の判例(過去の裁判の判決事例)を2つご紹介します。両方とも情状酌量で減刑があった事例です。

同じ状況なら必ず同様の判決が出るわけではありませんが、一例としてご参照ください。

判決1:懲役3年

判例の概要

罰則

懲役3年

犯行内容

おやじ狩り(金品の強奪は未遂)

被害内容

全治7日間の負傷

【詳細】平成16(わ)3638 強盗致傷被告事件 

通行人から金品を強奪する目的で、通行中の被害者(52歳男性)に対して背後から飛び蹴りをして転倒させる等の暴行を加える。しかし、付近のパトカーの存在に気がついて逃走を図り、未遂に終わった事件です。

被告人は中年男性の不意をついて金品を強奪する、いわゆるおやじ狩りを企てていました。この件に至る経緯・動機に対しては酌む要素がなく、悪質な事件であると判断されています。

しかし、被害者の被害が軽微で、かつ被害者が被告人への実刑判決を望んでおらず、被告人も初犯で非行歴がないことが考慮されて、懲役3年の実刑判決が下されました。

判決2:懲役3年、執行猶予4年の事例

判例の概要

罰則

懲役3年、執行猶予4年

犯行内容

盗難から追跡してきた被害者への暴行

被害内容

ダウンジャケット等7品(販売価格合計:2万1,455円)の盗難、全治7日間の負傷(被害者A)、全治20日間の負傷(被害者B)

【詳細】平成21年(わ)第540号 強盗致傷

大型小売店でダウンジャケット等の7点を窃盗して逃走。店員(被害者A)と警備員(被害者B)より追跡をされるが、逃れるために暴行を加えた事件です。

万引きによる金銭の被害は高額ではないが、2人に怪我を負わせる行為、特に女性警備員の顔を手加減せずに殴った行為は非常に悪質であると判断されています。

しかし、被害者は1年前に自宅が火事で全焼し不自由な生活を過ごしており、過剰な暴行に及んだ理由も同居する家族に迷惑をかけたくなかったためなどの事情が考慮され、情状酌量で懲役3年執行猶予4年間の判決となりました。

強盗致傷では執行猶予の獲得が難しい

執行猶予が適用される条件の1つに『懲役3年以下または50万円以下の罰金』の判決であるという条件があります。

しかし、強盗致傷の罰則は『無期または6年以上の懲役刑』なので、減刑がない限り、実刑判決を免れることはできません。

また、強盗致傷罪はそれ自体極めて深刻かつ悪質な犯罪行為であるため、その性質上そもそも執行猶予が付されることは多くありません。そのため、大半の事件では、実刑判決で懲役刑が言い渡されているのが実情です。

強盗致傷で情状酌量を受けるための減刑事由

強盗致傷の事件でも、被告人に汲むべき事情がある場合は情状酌量されるケースもあります。ここでは、このような情状の代表例を4つご紹介します。

  • 被害者との示談
  • 被害額の弁償
  • 犯行の動機
  • 更生の可能性

被害者との示談

判決前に被害者と示談(和解)できているかは、量刑に影響しやすい事由です。

上記の『判決1:懲役3年』の判例のように、被害者が加害者に対して実刑判決を望んでいない場合、これが被告人に有利な情状として考慮されます。

【詳細記事】【刑事事件】事件別の示談金相場一覧と示談交渉のポイント

被害額の弁償

強盗した金品を弁償しているかも、示談の成否とあわせて量刑に影響が出る事由です。通常は示談の際、被害弁償の話もセットですることになります。

犯行の動機

上記の『判決2:懲役3年、執行猶予4年の事例』の判例のように、犯行の動機に何かしら酌むべき事情があれば被告人に有利な情状として考慮されます。

更生の可能性

「逮捕後の取り調べで自身の犯した罪を素直に認めている」「被害者への謝罪も繰り返し行なっている」などの反省している様子がうかがえて、前科もないという状態であれば、更生の可能性があると判断され、罰則が減刑されやすいです。

なお、被告人の年齢が若いほど、更生の可能性が高いと判断されやすい傾向にあります。

強盗致傷で逮捕されてから刑事裁判までの流れ

逮捕から刑事裁判までのおおまかな流れは上図の通りです。逮捕後から最大23日の身体拘束があります。正式裁判で起訴された場合は、保釈されない限り裁判が終わるまで身体拘束が続きます。

強盗致傷の減刑には弁護士のサポートが有効

刑事裁判では、弁護士のサポートが必要不可欠です。少しでも逮捕者の罪を軽くしてあげたい場合には、弁護士への依頼を検討するべきでしょう。

ここでは、強盗致傷の刑事事件を弁護士に依頼するべき理由を2つご紹介します。

  • 示談交渉の代理を依頼できる
  • 刑事裁判で弁護をしてもらえる

示談交渉の代理を依頼できる

被害者感情が強いと、示談に応じてもらえないだけでなく、接触を禁止されてしまうケースもあります。そのような状況では、自分達だけで示談に臨むのは非常に難しいでしょう…。

しかし、弁護士ならそのような状況でも、被害者に示談を持ちかけることが可能です。また、相手も弁護士という第三者を介してなら冷静に対応しやすくなるので、示談が成立する可能性を高めることができます

刑事裁判で弁護をしてもらえる

刑事裁判で情状酌量を受けるには、有利な情状について適切な主張・立証をする必要があります。この点も弁護人の力は不可欠です。

まとめ

強盗致傷は初犯でも実刑判決になる可能性が高いです。減刑がない限り、執行猶予となることはありません。

このような重大事件については、弁護人と対応について十分協議する必要がありますので、私選弁護であれ国選弁護であれ、弁護人と密な連携を取ることが重要です。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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