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経歴詐称とは|成立要件と問われる罪・逮捕された場合の対処法

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
経歴詐称とは|成立要件と問われる罪・逮捕された場合の対処法

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経歴詐称(けいれきさしょう)とは、一般的に学歴や職歴を偽ることです。簡単に言うと自分の経歴について、うそをついたということですが、経歴詐称のケースによっては、うそでは済まされない場合があります。

 

最近では、芸能人や著名人が卒業していない学校を語っていたり、関係のない人物や企業名をWebサイトに使っていたりして報道沙汰になることも珍しくありません。もっとも、経歴詐称はそもそも罪に問われるようなものなのでしょうか。

 

この記事では、経歴詐称について詳しく解説いたします。

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経歴詐称は犯罪ではない

実は経歴詐称は、基本的に犯罪となりません。そのため、経歴を詐称したというだけで罪に問われるということはないでしょう。

 

まず、世間一般で言う『経歴詐称』とはどのようなものでしょうか。主に、以下の2つがあります。

学歴詐称

学歴詐称は、自分の学業についての経歴を偽ることです。学歴詐称と言うと、一般的に実際の学歴よりも有利な学歴、つまり高学歴に詐称するように思われますが、低学歴に詐称する場合もあります。

 

高学歴詐称は、最終学歴を事実よりも上位の学歴と偽ることです。たとえば、高校卒業を大学卒業などとすると、高学歴詐称になります。

 

また、中退や聴講生などで、その教育機関を卒業していないのに『卒業』とする詐称もあります。

 

逆に低学歴詐称は、大学卒業などを高校卒業または中退などと偽って、最終学歴を下げることです。一見不利なように思えますが、高校卒業者限定の採用試験を受けたい、無名の教育機関の卒業履歴を書きたくないなど、低学歴詐称をするケースもあります。

職歴詐称

職歴詐称は、自分の職務経歴について偽ることです。企業名や雇用形態、職務内容、在籍期間、転職回数などを偽ることであり、保有資格や職位についても同様です。

 

就職活動や転職活動の際は、職歴を記載した履歴書と職務経歴書を作成します。しかし、限られた文字数や決められたフォーマットの中で、事実を正確に記載することは難しいものです。

 

一般的にも履歴の一部を省略したり、採用されるために事実を多少脚色したりすることが行われていますが、積極的に虚偽の経歴を記載すれば、経歴詐称と言われてしまう可能性があります。

経歴詐称と関係しそうな罪

経歴詐称行為は基本的には犯罪ではありません。しかし、一定の状況下で経歴詐称行為を行うことが犯罪につながる可能性がありますので、ご紹介します。

文書偽造

他人の名義を許可なく使用し、権利や義務、事実を証明する文書などを作成することです。たとえば、卒業していない教育機関の卒業証書や、保有していない民間資格の取得証明書、偽名(架空)の履歴書などを作成すると、私文書偽造となります。

 

また、国家が作成するような文書(免許証や保険証、パスポート、住民票、戸籍謄本、印鑑証明書、国公立教育機関の卒業証明書等)を偽造した場合は、公文書偽造となります。経歴詐称のために、上記のような文書偽造行為に手を染めれば、私文書・公文書偽造の罪に問われる可能性があります

関連記事:公文書偽造の罪とは|私文書偽造との違い・罪の重さと事例を解説

詐欺(財産を得る目的で詐称した場合)

経歴詐称行為が、相手から金銭等を得る目的で行われた場合には、詐欺罪が成立する可能性があります。たとえば、とある資格を保有しているコンサルタントと称して相手を騙し、コンサルティング料金を取った場合や、鑑定士と偽り、価値のない品物をあたかも価値のあるように鑑定して売りつけたりした場合、詐欺罪に問われる可能性があります

関連記事:詐欺罪で逮捕されたら|懲役?初犯なら執行猶予?その後の流れを解説

軽犯罪法違反

軽犯罪法第1条15号には、以下のようにあります。

官公職、位階勲等、学位その他法令により定められた称号若しくは外国におけるこれらに準ずるものを詐称し、又は資格がないのにかかわらず、法令により定められた制服若しくは勲章、記章その他の標章若しくはこれらに似せて作つた物を用いた者

引用元:軽犯罪法 第1条15号

つまり、警察など官公職ではないのにそれらの職名を語ったり、学位や資格がないのにあると偽ったりして相手を騙した場合は、軽犯罪法違反になる可能性があります。経歴詐称行為そのものが規制されているので、この点は注意したいところです。

その他(公職選挙法違反)

国会議員や地方議員など公職選挙の候補者が経歴を詐称した場合は、公職選挙法第235条により罪に問われます。

当選を得又は得させる目的をもつて公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者の身分、職業若しくは経歴、その者の政党その他の団体への所属、その者に係る候補者届出政党の候補者の届出、その者に係る参議院名簿届出政党等の届出又はその者に対する人若しくは政党その他の団体の推薦若しくは支持に関し虚偽の事項を公にした者は、二年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。

引用元:公職選挙法 第235条

同罪は、当選・落選にかかわらず成立します。

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経歴詐称で逮捕された場合の流れと対処法

最後に、上記のような罪で刑事事件となった場合の流れを解説します。どのような罪でも、手続きの流れは同じです。

逮捕された後の流れ

48時間以内に検察庁に送致される

被疑者は逮捕後に警察から簡単な取調べを受け、48時間以内に検察庁に送致されます。なお、被疑者の身柄は事件を所管する警察署留置所に置かれるのが一般的です。

検察庁送致後24時間以内に送検

検察官は事件送致を受けると、被疑者について勾留が必要かどうかを24時間以内に判断しなければなりません。もしも勾留が必要となった場合、検察官は裁判所に勾留を請求し、裁判所は勾留質問の結果、拘束を要すると判断すれば勾留を認めます。

勾留決定までの72時間は面会できない

逮捕後から送検、勾留決定までの合計72時間は、家族を含め、誰も面会することができません。ただし、弁護士であれば面会することができます

 

一度であれば無料で面会を代行してくれる“当番弁護士”という制度があるので、すぐに状況を把握したい場合は頼みましょう。

 

なお、被害者がいる事件(詐欺罪など)であれば、逮捕から勾留までの間に、被害者との間で和解に至った場合は、この事実を重視して、勾留までされずに釈放されることがあります。

勾留決定後は10日間拘束

勾留決定後は10日間身柄を勾留されます。この間、取調べが続きます。

 

仮に捜査が10日間で終わらなかった場合は、検察官の判断で勾留の延長が請求され、裁判所がこれを認めれば、さらに最大10日間勾留期間を延長することができます。

 

勾留に接見禁止処分がついていなければ、警察官立ち合いのもと家族との面会(接見)ができます。とはいえ、面会時間は10~20分程度しか与えられないので、ゆっくり会話することはできないでしょう。

 

なお、弁護士が接見する場合は、警察官の立ち会いはなく、時間の制限もありません。

処分の決定

通常、勾留期間の満了までに検察官は起訴・不起訴の決定をします。起訴されると、被疑者は被告人として刑事裁判を受けることになり、裁判で有罪・無罪が判断されます。

 

不起訴の場合は、刑事手続きはその時点で終了し、釈放されます。その後は余程のことがない限り、再度捜査を受けるということはありません。

弁護士に相談する

刑事事件で逮捕されてしまうと多くの場合、72時間は弁護士以外と面会できない状態で留置所に拘束されます。その間は会社も欠勤せねばならず、家族はさまざまな対応に追われるでしょう。

 

被疑者も厳しい取調べに対して精神的に耐えきれず、やってもいない罪を認めてしまったり、不利な発言をしてしまったりすることも考えられます。

 

また、日本の刑事裁判の有罪率は統計上は99%以上とも言われています。そのため、検察官に起訴された場合、たとえ事件を否認していても、裁判で有罪となり前科がついてしまう可能性は十分あります。

 

逮捕後はなるべく早く弁護士に相談することをおすすめします。弁護士なら逮捕後でも面会ができ、捜査官の立ち合いや時間制限も設けられることがありません。

 

被疑者に対して取るべき対応や今後の流れなど、法的なアドバイスを的確に伝えられ、安心感も与えることができます。そのため、虚偽の自白などを防ぐことができますし、被害者との示談交渉も依頼することができます。

 

また、弁護士には被疑者段階で勾留の処分についても争うことや、被告人段階で保釈を認めてもらうなどの弁護活動も期待できます。

まとめ

経歴を詐称しただけでは罪に問われませんが、他人の名義を無断使用したり、詐称行為によって他人の金銭を巻き上げたりすると、単なるうそでは済まされません。刑事事件となって逮捕され、裁判で有罪となる可能性もあります。

 

逮捕されてしまったら、できるだけ早く弁護士へ相談することをおすすめします。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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