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詐欺罪で逮捕されたら?逮捕後の流れ5ステップと回避方法を弁護士が解説

詐欺罪で逮捕されたら?逮捕後の流れ5ステップと回避方法を弁護士が解説

詐欺罪に関与してしまい、「いつ逮捕されるのか」「家族や職場に知られたくない」と不安な日々を過ごしていませんか。

結論から言うと、詐欺罪は示談や自首など早めの対応によって、逮捕の回避や刑罰の軽減を目指せる犯罪です。

本記事では、詐欺罪の逮捕率や逮捕までの期間、逮捕後の手続きの流れをわかりやすく解説します。

あわせて、逮捕を避けるために今すぐ取るべき行動もお伝えしますので最後までご覧ください。

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目次

詐欺罪とは|人を欺いてお金や品物などの経済的な利益を奪う犯罪

詐欺罪とは、人を欺(あざむ)いてお金や品物、経済的な利益を奪う犯罪です。刑法246条に規定されています。

重要な事実について嘘をつき、相手を誤解させて財産を差し出させる行為は、個人の財産権を大きく侵害します。

悪質性が高いため、法律で厳しい処罰の対象とされています。

詐欺罪は、大きく1項詐欺と2項詐欺に分かれます。

振り込め詐欺のように現金や品物をだまし取るのが1項です。

無銭飲食やタクシーの無賃乗車など、支払いを免れて利益を得るのが2項に該当します。

適用される範囲は幅広く、日常的なトラブルの延長線上にある行為も対象となります。

被害額の大小は問わず、たとえ1万円程度の被害でも詐欺罪は成立します。

法定刑は10年以下の拘禁刑と定められており、財産犯の中でも重い部類に入る犯罪です。

詐欺罪で有罪判決となると「10年以下の拘禁刑」が科せられる

詐欺罪には罰金刑がなく、拘禁刑のみが定められた重い罪です。

書面のみで完結する略式手続きも認められていないため、起訴されれば必ず正式な公開裁判に出廷する必要があります。

執行猶予が付かなければ、判決の確定後ただちに刑務所へ収容される実刑となります。

執行猶予とは、有罪判決により言い渡された刑罰の執行を一定期間猶予し、その期間を社会で無事に過ごせば刑務所に入らずに済む制度です。

刑事弁護においては、一刻を争う緊迫した対応が求められるため、詐欺事件で逮捕されたらどう動くべきかを早い段階で描いておくことが重要です。

ただし、逮捕された時点で実刑が確定するわけではありません。

被害弁償や示談の進み具合次第では、不起訴処分や執行猶予を勝ち取れる可能性も十分に残されています。

詐欺罪による逮捕は主に3種類に分けられる

ひとくちに詐欺罪といっても、その形態はひとつではありません。

未遂に終わったケース・判断力の弱い相手を狙ったケース・コンピューターを悪用したケースなど、複数の類型が刑法で処罰の対象とされています。

共通するのは、いずれも法定刑が10年以下の拘禁刑という重さです。

未遂だから・直接騙していないからといった理由で軽く済むとは限りません。

以下では、代表的な3種類の詐欺罪を順に確認します。

①詐欺未遂罪|詐欺を働こうとして未遂に終わった場合の犯罪

詐欺未遂罪とは、詐欺を実行しようとしたものの、財物を奪えずに終わった場合に成立する罪です。

途中で断念したり、相手に見破られたりしても詐欺未遂罪を犯したとして処罰されます。

(未遂罪)

第二百五十条 この章の罪の未遂は、罰する。

引用元:刑法第250条

人を騙して財産を奪おうとしたという実行の着手があった時点で、社会的な危険性が認められるためです。

たとえば、振り込め詐欺の電話をかけたものの途中で嘘を見破られたケース・被害者が銀行の窓口で職員に振込を止められたケースが典型例です。

法定刑は既遂と同じく、10年以下の拘禁刑です。

「お金を受け取っていないから大丈夫」とは言えない点には注意が必要です。

詐欺未遂罪は結果ではなく行為そのものを重くみる、法律の厳格な姿勢がうかがえます。

②準詐欺罪|未成年者や心神耗弱の人をだまして財物を奪い取る犯罪

準詐欺罪とは、判断能力が不十分な人につけ込み、金品や利益を奪う罪です。

判断力の弱さを利用して財産を奪う行為自体が詐欺と同じく悪質とみなされるため、欺く行為に至らない誘惑などの手段であっても成立します。

(準詐欺)

第二百四十八条 未成年者の知慮浅薄又は人の心神耗弱に乗じて、その財物を交付させ、又は財産上不法の利益を得、若しくは他人にこれを得させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。

引用元:刑法第248条

準詐欺罪の典型例は、知識の乏しい未成年者に甘い言葉で高額な契約をさせる行為などです。

ほかにも、認知症や精神疾患などで判断力が著しく低下した人に現金を差し出させる行為も該当します。

積極的な嘘がなくても成立するため、「はっきり騙したわけではない」という言い分は通用しにくい類型です。法定刑は詐欺罪と同じく、10年以下の拘禁刑と定められています。

③電子計算機使用詐欺罪|コンピューターなどを操作して他人を騙し金銭や利益を奪う犯罪

電子計算機使用詐欺罪とは、コンピューター(電子計算機)に偽のデータや不正な命令を入力し、不当に金銭的な利益を得る罪です。

人を介さず機械が自動で決済や送金をおこなう現代では、従来の詐欺罪だけでは裁けない不正が生じます。

(電子計算機使用詐欺)

第二百四十六条の二 前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。

引用元:刑法第246条の2

電子計算機使用詐欺罪は、コンピューター経由の詐欺罪特有のすき間を埋めるために設けられた罪といえます。

たとえば、他人のクレジットカード情報を使ったネット決済や銀行システムの操作による不正送金、プリペイドカードの残高改ざんなどが該当します。

人を騙したわけではないと考えていても、システムを欺いて利益を得れば処罰の対象です。

詐欺罪を補完する重要な規定であり、法定刑は詐欺罪と同じく10年以下の拘禁刑と定められています。

詐欺罪の逮捕率

詐欺罪で捜査対象となった人が、どれくらいの割合で逮捕されるのか気になる方も多いはずです。

法務省が公表している令和7年版の犯罪白書によると、詐欺事件の逮捕率は約54%となっています。

詐欺事件に関する項目 件数・割合
検挙件数 1万6,288件
逮捕された件数 8,825件
逮捕されていない件数 7,463件
逮捕率 約54%

また、逮捕後の勾留状況としては以下のとおりです。

詐欺事件に関する項目 件数・割合
検察官による勾留請求の件数 8,623件
勾留請求が認められた件数 8,552件
勾留請求が却下された件数 71件
勾留率 約99%

約2件に1件の割合で逮捕されている計算です。

さらに、逮捕された後の勾留率は約99%と高い水準です。

勾留請求のうち却下されたのはごくわずかで、ほとんどのケースで身柄拘束が続きます。

「逮捕されなければ大丈夫」ではなく、「逮捕されればほぼ拘束が続く」という前提で備えることが大切です。

詐欺罪の拘禁刑(懲役)年数の平均・中央値

詐欺罪で有罪判決を受けた場合、どの程度の刑期になるのでしょうか。

令和7年版の犯罪白書をもとに、科刑状況をまとめました。

刑期 人数
6ヵ月未満 5人(うち執行猶予1人)
6ヵ月以上1年未満 66人(うち執行猶予17人)
1年以上2年未満 984人(うち執行猶予707人)
2年以上3年以下 1,576人(うち執行猶予975人)
3年を超え5年以下 337人
5年を超え7年以下 77人
7年を超え10年以下 16人
10年を超え15年以下 2人

もっとも多いのは、2年以上3年以下の1,576人。

次いで1年以上2年未満が984人と続きます。

両者だけで全体の約84%を占めており、詐欺罪の刑期は1年以上3年以下が平均的な水準といえます。

見逃せないのは、執行猶予が付いた人が一定数いる点です。

示談や反省など、有利な事情を積み上げられれば、実刑を避けられる余地があることを示しています。

詐欺罪で逮捕される主な4つの条件

詐欺罪が成立するためには、以下の4つの構成要件を全て満たしていなければなりません。

構成要件 内容 例
①欺罔行為 人を錯誤に陥らせる行為のこと 偽りの条件を提示するなど
②錯誤 いわゆる勘違い 被害者が加害者の嘘を信じ込んでいる (「どうせ嘘だろう」と思っている場合は該当しない)
③財物の処分行為・財物や財産上の利益の移転 被害者の錯誤に基づく処分行為により、加害者が財物や財産上の利益を得ること 被害者がお金を振り込んで加害者が受け取る、被害者が宝石や貴金属を加害者に渡すなど
④因果関係 欺罔・錯誤に基づき財物の処分行為がおこなわれ、財物や財産上の利益が移転したこと ①②③について因果関係がある

どこか一箇所でも欠ければ、詐欺罪は不成立もしくは未遂として扱われます。

たとえば、「嘘の投資話(①)を信じ(②)、お金を振り込み(③)、それが嘘によるものだった(④)」という流れが証明されなければなりません。

逆にいえば、4つの要素がそろえば、被害額が少額でも詐欺罪は成立するということです。

詐欺罪による逮捕が成立する主な具体例

詐欺罪は、相手の善意や無知、恐怖心につけ込み、嘘によって金品を差し出させる行為が該当します。

嘘をついて相手を勘違いさせ、本来なら払わなくてよいお金を自分の意思で払わせるプロセスが悪質とみなされます。

具体例としては、以下のとおりです。

  • 身内を装って現金を要求する電話
  • 実態のない嘘の投資話を持ちかける
  • 最初から支払う気がないのに契約をする など

一見は金銭トラブルに見えるケースでも、詐欺罪となるケースがあります。

例えば、最初から金銭を騙し取ろうとするつもりがあったという場合です。

反対に、契約後にたまたま支払えなくなったような場合は当初から騙す意図がなかったと評価されやすく、詐欺罪の成立は難しくなります。

詐欺罪で逮捕されるまでの期間

詐欺罪で逮捕されるまでの期間は数日から数ヵ月、場合によっては1年以上と非常に幅広く、ケースによって幅があります。

通常は、被害届の提出から捜査・証拠収集を経て、逮捕状の請求へと進みます。

証拠を固める時間がかかるため、一定の期間を要するケースが多い傾向です。

一方で、特殊詐欺の受け子・出し子は現行犯逮捕となりやすく、逮捕までの期間が短くなる傾向です。

逮捕には、主に以下の3パターンがあります。

逮捕の種類 内容
通常逮捕 裁判官が発付する逮捕状に基づく逮捕
現行犯逮捕 犯行の最中や直後に逮捕状なしでおこなわれる逮捕
緊急逮捕 重大な犯罪で逮捕状の発付を待つ余裕がない場合の逮捕

逮捕するかどうかは、逃亡もしくは証拠隠滅のおそれの有無で判断されます。

なお、詐欺罪の公訴時効は7年であり、起算点は犯罪行為が終わったとき(被害に気が付いたときからではありません)とされています。

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詐欺罪で逮捕された後の5ステップ

詐欺事件で逮捕されると、法律で定められたタイムリミットのなかで手続きが進みます。

各段階で身柄拘束が続くのか、いつ釈放されるのかが決まっていきます。

手続きの流れを知っておけば、次に何が起こるかを見通せます。

逮捕から最長でも23日間という、限られた時間のなかで勝負が決まる点も特徴です。

以下では、逮捕から事件終了までの流れを5つのステップに分けて解説します。

①警察による逮捕・取り調べ|逮捕後48時間以内

逮捕されると警察署の留置場に身柄を拘束され、警察官による取り調べを受けます。

警察には逮捕後48時間以内に検察官へ送致するか、身柄を解放するかを判断するタイムリミットがあるためです。

逮捕直後の段階では、主に犯行を認めるか・認めないかを焦点に取り調べが進みます。

うかつな供述が、後の裁判で不利に働くおそれもあるため注意が必要です。

ここで注意したいのは、逮捕後72時間は弁護士を除いてほとんどの面会が認められない点です。

家族との連絡も取りづらくなるため、いち早く弁護士を呼び、取り調べへの対応方針を固めることが重要になります。

②検察による勾留請求の判断|送検後24時間以内

事件を引き継いだ検察官が、さらに身柄拘束を続ける必要があるかを判断します。

証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断されると、検察官は裁判所に対して勾留(こうりゅう)を請求します。

詐欺事件は組織的な関与が疑われやすく、証拠隠滅の余地も大きい犯罪です。

高い確率で勾留が認められ、拘束が継続する傾向にあります。

判断のタイムリミットは、送検後24時間以内という短さです。

限られた時間の中で身柄解放を目指すなら、弁護士が検察官へ働きかけ、勾留の必要性が低いことを主張する必要があります。

③起訴・不起訴の判断|原則10日間・最長20日間

裁判所が認めた勾留期間内に、検察官が裁判にかける(起訴)か、釈放する(不起訴)かを決定します。

詐欺事件は全容の解明に時間がかかるため、通常10日間の勾留がさらに10日間延長され、計20日間となるケースが多いです。

大きな分かれ目となるのが、勾留期間内に被害者との示談を成立させられるかどうかです。

示談が成立して被害が回復されれば、検察官が「起訴までは必要ない」と判断する可能性が高まります。

不起訴や減刑を目指すうえで、勾留期間はまさに正念場となる時間です。

④刑事裁判・判決|起訴された場合

起訴されると、公開の裁判所で審理がおこなわれ、最終的な有罪・無罪および刑期が言い渡されます。

詐欺罪には罰金刑がなく書面だけで終わる略式裁判にはならないため、必ず法廷に出廷する必要があります。

有罪となった場合でも、刑期が3年以下であり、諸般の事情が考慮されれば執行猶予が付く可能性もゼロではありません。

執行猶予が付けば、ただちに刑務所へ収容されることはなく、社会のなかで生活を続けることが可能です。

執行猶予になるには、被害弁償や反省の姿勢をいかに裁判官へ伝えられるかが重要です。

⑤事件終了|不起訴になった場合

検察官が「裁判にかける必要なし」と判断すれば、その時点で釈放されます。

証拠不十分、あるいは示談成立による起訴猶予などが認められた結果です。

不起訴は前科が付かないため、社会復帰へのハードルが特に低い解決の形といえます。

逮捕の事実が周囲に広まる前に、日常へ戻れる可能性も高まるでしょう。

もっとも、不起訴は自動的に得られるものではありません。

勾留期間という限られた時間のなかで、示談交渉や意見書の提出といった弁護活動を尽くせるかどうかにかかっています。

詐欺罪で逮捕された場合に生じる4つのリスク

詐欺罪での逮捕は、刑罰そのもの以外にも、生活に大きな影響を及ぼします。

実名報道や職場・学校での処分など、社会的な不利益が生じるおそれがあるためです。

刑罰を免れても、これらのダメージだけが残ってしまうこともあります。

以下では、詐欺罪で逮捕された場合に生じる主な4つのリスクを解説します。

①実名報道される可能性がある

被害額の大小にかかわらず、マスコミの判断で実名や顔写真が報じられるリスクがあります。

詐欺事件は社会的な関心が強く、一度報じられるとインターネット上に情報が残り続けるデジタルタトゥーとなります。

報道は有罪が確定する前の逮捕段階でなされるケースも多く、まだ犯人と決まっていなくても情報が広まってしまうのが実情です。

SNSなどで拡散されれば、将来の就職や結婚といったライフイベントに、長期的な悪影響を及ぼしかねません。

氏名で検索されるたびに、過去の記事が表示され続けるおそれがあります。

一度広まった情報を、あとから完全に消し去ることは極めて困難です。

報道を避けるためにも、逮捕そのものを回避する早期の対応が重要になります。

②懲戒処分・退学処分となる可能性がある

勤務先や学校に逮捕の事実が知られ、厳しい処分を受けるおそれがあります。

多くの企業や学校では、就業規則や学則で逮捕・起訴された場合の処分を定めています。

詐欺事件では最長23日間の身柄拘束が続くケースが多いため、無断欠勤・欠席を隠し通すのが物理的に困難です。

体調不良などでは説明しきれず、長期の不在から逮捕が発覚してしまうケースも少なくありません。

発覚すれば、懲戒解雇や退学といった重い処分につながるおそれがあるため注意が必要です。

中には、会社や学校に居づらくなって自主退職や自主退学を促される場合もゼロではありません。

早期の身柄解放がなされない限り、現在のキャリアや学業を続けることが難しくなります。

③逮捕後に起訴されて前科が付く可能性がある

起訴されれば、極めて高い確率で有罪となり、一生消えない前科が付きます。

日本の刑事裁判の有罪率は約99.9%とされ、初犯であっても事案の悪質性によっては実刑判決が下る可能性があります。

前科が付くと、医師や弁護士などの一定の資格が制限されたり、再就職の場面で不利になったりします。

警備員や一部の公務員など、就ける職業の幅が狭まるため注意が必要です。

そのほか、海外への渡航が制限されるなど思わぬところで影響が及ぶ場合もあります。

前科は時間が経っても自動的に消えるものではなく、仮に再び罪を犯した場合には量刑を重くする要因にもなり得ます。

社会復帰後の人生に長く制約が残るからこそ、起訴される前の段階での対応が欠かせません。

④逮捕・勾留中は家族との面会を制限される可能性がある

詐欺事件の中でも共犯者がいるケースでは、家族であっても面会できない接見禁止の処分が下される可能性が高いです。

共犯者がいる場合、外部との接触による口裏合わせ・証拠隠滅・逃亡を企てるリスクがあると裁判所が判断するためです。

接見禁止が決定されると、差し入れは可能ですが面会や手紙のやり取りは制限されます。

直接顔を見て話せるのは弁護人(弁護士)のみとなり、完全に孤立した状況に置かれます。

拘束が長期化して不安が募る中、本人と家族をつなぐ唯一の窓口となるのが弁護士です。

ただし、弁護士を通じて接見禁止の一部解除を申請すれば、事件に関与していない家族に限り、面会が許可される可能性があります。

詐欺罪で逮捕されないための対処法

詐欺事件を起こしてしまい、少しでも逮捕を回避したいなら、早めの対応が何より重要です。

主な手段は、大きく分けて「自首をする」「被害者との示談交渉」「弁護士への相談」の3つです。

いずれも逮捕や実刑を避けるうえで、加害者側に有利な事情として働くアクションです。

動き出すタイミングが早いほど、選べる選択肢の幅も広がります。

順を追って確認します。

自首をする

逮捕を回避したい場合、自首は有効な手段のひとつです。

自首は刑法で任意的減軽事由として定められているため、捜査機関が「逃亡や証拠隠滅のおそれが低い」と判断する材料になります。

自ら出頭すれば反省の意思を示せるため、身柄を拘束されずに在宅で捜査が進んだり、不起訴処分や執行猶予につながったりする可能性が高まります。

ただし、自首は捜査機関に事件や犯人が発覚する前におこなう必要があるなど、成立要件が定められています。

タイミングを誤ると、自首として扱われないおそれもあるので注意が必要です。

要件を満たしているか判断が難しいため、出頭の前に弁護士へ相談するのがおすすめです。

被害者と示談交渉する

被害者との示談成立も、逮捕回避に大きく働きます。

謝罪と被害弁償によって「当事者間で解決済み」と評価されれば、身柄拘束の必要性が下がると判断されやすくなるためです。

示談が成立していれば、不起訴処分や執行猶予を獲得できる可能性も高まります。

ただし、加害者本人が直接交渉すると被害者に警戒されて話し合いに応じてもらえないケースも多いです。

連絡先すら教えてもらえない場合もあるので、示談交渉を進めるのは決して容易ではありません。

冷静かつ適正に交渉を進めるためにも、弁護士などの第三者を介した対応が現実的です。

弁護士の力を借りれば、相場に見合った金額でまとめてもらえる点も安心材料になります。

弁護士に相談する

自首や示談を確実に進めるためにも、速やかに弁護士へ相談するのがおすすめです。

弁護士なら、自首の同行や意見書の作成、被害者との示談の代理交渉まで、一貫して任せられます。

第三者である弁護士が窓口に立てば被害者の警戒心も和らぎ、適切な金額で示談が成立しやすくなります。

被害者の連絡先がわからない場合でも、弁護士が間に入って交渉の糸口をつくれます。

逮捕前や逮捕直後の早いタイミングで動けば効果は高まり、とれる対策の幅が広がります。

弁護士は取調べでの受け答えに関するアドバイスをしてくれるのも大きなメリットです。

不安を抱えたまま時間を過ごすより、まずは一度、刑事事件が得意な弁護士の見立てを聞いてみましょう。

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詐欺罪で逮捕された際に弁護士へ相談した3つのケース

詐欺罪で逮捕されても、弁護士の迅速な対応によって、早期の身柄解放や刑罰の軽減につながったケースは少なくありません。

早期の保釈、求刑を大きく下回る判決、執行猶予の獲得など、弁護活動がもたらす成果を確認できます。

以下では、ベンナビ刑事事件に掲載された弁護士が実際に対応した3つの解決事例を紹介します。

複数の弁護士による迅速な対応で早期に保釈されたケース

逮捕されてから、複数の弁護士がチームで迅速に動き、早期の保釈を実現した事例です。

ご本人が逮捕された当日、ご家族から法律事務所へ電話で相談が入りました。

事務所はその日のうちに警察署へ接見に向かい、依頼を受けています。

依頼後は、複数の弁護士が連日接見に足を運び、本人から事情を聞き取りながら、取調べでの対応方針を丁寧にアドバイス。

公判請求はされたものの、すぐに保釈を申請し、数日後には保釈が認められました。

身柄を早期に解放できたことで、ご本人は日常生活へ復帰。

スピードのある初動と、複数体制での手厚い弁護活動が、早期解決につながった一例です。

投資詐欺事件を犯したが求刑の半分の判決を獲得したケース

被害額が数千万円にのぼる投資詐欺で、求刑の半分の判決を勝ち取った事例です。

30代男性の依頼者は、複数の被害者に対する投資詐欺で、詐欺罪により逮捕されました。

同種の前科が複数あり、犯罪事実自体は認めている状況でした。

量刑を左右するのは、それぞれの被害者と示談を交わせるかどうかです。

弁護士は、家族や勤務先とも連携しながら示談交渉を進めました。

粘り強い交渉の末、被害者全員との示談が成立。

被害額の大きさと前科の存在から執行猶予こそ得られなかったものの、検察官の求刑4年を大きく下回る、拘禁刑2年の判決を獲得しました。

特殊詐欺で逮捕されたが、執行猶予付き判決を獲得したケース

特殊詐欺の受け子・出し子として起訴されたものの、執行猶予付きの判決を獲得した事例です。

20代男性の依頼者は、被害者から200万円を騙し取ったとして逮捕され、接見禁止が付いた20日間の勾留を経て起訴されました。

被害額が100万円を超える特殊詐欺は、初犯でも実刑となる可能性が高い類型。

実刑を避けるには、被害者との示談が欠かせませんでした。

弁護士はまず家族の接見禁止を解除し、被害者との示談交渉を開始。

真摯な反省と更生計画を伝え、被害弁償をおこなうことで示談成立にこぎ着けました。

示談成立後は保釈が認められ、身柄を解放。

裁判でも更生方針や家族の協力を丁寧に示し、執行猶予付きの判決を勝ち取りました。

詐欺罪による逮捕に関してよくある質問

詐欺罪の逮捕については、逮捕される確率や実刑の可能性など、不安に感じやすいポイントがいくつもあります。

インターネット上には不正確な情報も多く、かえって不安が募ってしまうこともあります。

以下では、詐欺罪の逮捕についてよく寄せられる質問に、正確な情報をもとに回答します。

Q1.詐欺罪で捕まる確率はどれくらい?

詐欺事件の逮捕率は約54%で、一度逮捕されると約99%という高い確率で勾留(長期の身柄拘束)に発展します。

詐欺は証拠隠滅や共犯者との口裏合わせが容易なため、捜査機関が身柄拘束の必要性を高く見積もる傾向にあるからです。

逃げ切れるだろうと楽観的にならず、身柄拘束のリスクを抑えるための対策が欠かせません。

Q2.詐欺罪を犯すと一発で実刑になるの?

初犯であっても、被害額や手口の悪質性次第では執行猶予が付かずに一発で実刑となる可能性は十分にあります。

詐欺罪には罰金刑の規定がなく法定刑が重く、裁判官が「社会内での更生は不適当」と判断すれば、すぐに実刑となります。

たとえば、組織的な振り込め詐欺や数千万円規模の投資詐欺などは、初犯でも厳しい実刑判決が下されるケースは少なくないので注意が必要です。

一方で、被害額が小さく示談が成立していれば執行猶予が付く可能性が高まります。

Q3.詐欺罪を立件するのは難しいって本当?

「立件が難しい」と言われる場合もありますが、楽観視は禁物です。

近年はデジタルフォレンジックなどの捜査技術が向上しています。

デジタルフォレンジックとは、パソコンやスマートフォンなどの電磁的記録を収集・解析し、不正行為の法的証拠を明らかにする技術です。

詐欺罪の成立には、最初から騙すつもりだったという故意が必要ですが、メール・振込履歴・行動記録などの客観的な証拠から十分に立証できます。

たとえ小規模な事案でも、被害者の証言や矛盾する供述から欺罔行為が認定され、逮捕・起訴に至るケースは多々あります。

バレないだろうと放置せずに、捜査機関が動く前に弁護士を通じて状況を整理して防御態勢を整えることが重要です。

まとめ|詐欺罪で逮捕されたら速やかに弁護士へ相談しよう

詐欺罪の法定刑は10年以下の拘禁刑で、罰金刑は定められていません。

初犯でも、被害額や悪質性によっては実刑判決が下される重い犯罪です。

一方で、詐欺事件は約半数が逮捕されずに在宅で捜査を受けており、示談や自首など早めの対応で、逮捕や実刑を回避できる余地があります。

不起訴や執行猶予を左右するのは、勾留期間内のスピーディな弁護活動です。

自首の同行・被害者との示談交渉・意見書の作成など、弁護士に依頼できることは数多くあります。

家族に知られたくない・元の生活に戻りたいと願うなら、刑事事件が得意な弁護士へ相談し、最善の一手を打つのを強くおすすめします。

「ベンナビ刑事事件」には、初回無料相談OKの法律事務所が多数掲載されているので、まずは今後の見通しを立てるところから始めてください。

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この記事の監修者
上野 仁平 (第二東京弁護士会)
刑事事件の加害者とされる方々の弁護活動に注力しており、逮捕された方やそのご家族のサポートを行っております。英語・フランス語にも対応し、十分な意思疎通を図ったうえで弁護活動を行います。
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本記事はベンナビ刑事事件を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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