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強制性交(旧強姦罪)初犯の量刑相場は?裁判事例と家族がすべきこと

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
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強制性交(旧強姦罪)初犯の量刑相場は?裁判事例と家族がすべきこと

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強制性交等罪(旧強姦罪)の初犯の量刑はどのくらいになるのでしょうか。逮捕された方のご家族は非常に不安に感じますよね。

強姦罪は、2017年に改正され、強制性交等罪(きょうせいせいこうとうざい)と名称を変更、法定刑も5年以上の有期懲役と以前より重くなりました。

懲役の上限は原則20年ですので、5年以上20年以下の範囲で、個々の事情を考慮して量刑が下されることになります。

また、非親告罪となりましたので、被害者の告訴がなくても、事件化され、起訴される可能性があります。

この記事では、ご家族などが強制性交で逮捕された方に向けて、以下の4点を解説します。

  1. 強制性交の初犯の量刑相場や執行猶予について
  2. 強制性交の初犯の裁判事例
  3. 家族が強制性交で逮捕された場合にすべきこと
  4. 強制性交の初犯の逮捕後の流れと処分の傾向
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起訴され有罪判決が下されると、前科がつきます。

前科がつくデメリットは…

  • 退学・解雇になる恐れ
  • 履歴書に『前科』を記入しなければいけなくなる
  • 実名報道されればネットに名前が残る恐れがある

しかし、不起訴を得られれば前科はつかないので

上記のような心配をしながら過ごさないで良くなります

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強制性交の初犯の量刑相場は?

ここでは、強制性交の初犯の量刑相場や、執行猶予などについて、犯罪白書の統計を用いて解説します。

強制性交の初犯の量刑相場は?懲役?

強制性交の初犯の量刑相場に関しては公表されているデータはありませんが、初犯であっても被害者との示談が成立していないのであれば、実刑になることがほとんどです。

強制性交等罪は、旧強姦罪を厳罰化した流れを重視すれば、初犯実刑の場合は減刑された上で2.5年~3年くらいになることが想定されますが、事案次第です。

行為態様が悪質であったり、被害者が複数いたりするような場合は、重大事案であり、より重い刑罰も想定されます。

強制性交の初犯なら執行猶予がつく?

法律上の減刑事由がある場合や減刑すべき事由がある場合、裁判所は量刑判断の中で減刑をすることができます。

強制性交等罪の場合、減刑されなければ短期刑が5年以上であるため執行猶予を付けることはできません(執行猶予を付けることができるのは3年以下の懲役刑のみ)。

しかし、減刑されれば短期刑は2年半以上からとなりますのでギリギリ執行猶予を付けることはできます。

(法律上の減軽の方法)

第六十八条 法律上刑を減軽すべき一個又は二個以上の事由があるときは、次の例による。

一 死刑を減軽するときは、無期の懲役若しくは禁錮又は十年以上の懲役若しくは禁錮とする。

二 無期の懲役又は禁錮を減軽するときは、七年以上の有期の懲役又は禁錮とする。

三 有期の懲役又は禁錮を減軽するときは、その長期及び短期の二分の一を減ずる。

四 罰金を減軽するときは、その多額及び寡額の二分の一を減ずる。

一部抜粋:刑法 第68条

強制性交初犯の量刑が決まる基準

刑事裁判の量刑は、以下のような事情を考慮して決められます。

  • 犯罪行為の結果の重大性
  • 犯罪行為の悪質性
  • 被害者との示談の成否
  • 加害者の立場・被害者の年齢
  • 犯行に至る経緯や動機

犯罪行為の悪質性とは、例えば凶器を用いて暴行・脅迫して性交に及んだケースなどが挙げられます。

また、犯行が計画的であるような場合や常習性があるような場合には、悪質だと判断されます。

強制性交等罪の初犯の裁判事例

ここでは、強制性交等罪の初犯の裁判事例をご紹介します。

強制性交の初犯で示談が成立した裁判事例

飲食店で飲酒していた同僚に介抱させる形で自宅に付き添わせ、被害者の抵抗を無視して犯行に及んだ被告人に、懲役3年、執行猶予5年の判決が言い渡されました。

被害者の人格を無視した自己中心的な本件犯行は、被害者の抵抗も意に介さず、その犯意は強固であり、卑劣という他はなく、その刑事責任は重いとしながらも、以下の点を考慮して、上記量刑が下されたということです。

  • 両親の協力を得て、被害者に示談金400万円を支払い示談が成立している
  • 被害者が宥恕(加害者を許す旨)の意思を示し、被害届、告訴も取り下げる意向を示している
  • 被告人に前科前歴がない
  • 母親が監督していく旨を述べている

量刑判断に大きく影響しているのは、示談が成立しており、かつ、被害者が宥恕の意思を示し、告訴を取り下げている点です。

このように被害者との示談の成立や、法的に有効となる宥恕や告訴取消を盛り込んだ示談書の作成が、非常に重要となってきます。

裁判年月日 平成29年11月15日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決

事件番号 平29(合わ)182号

事件名 強制性交等被告事件

参考:文献番号 2017WLJPCA11156007

強制性交等罪の初犯で執行猶予がついた裁判事例

同じ職場の部下を呼び出し、頭を手で押さえつけるなどの暴行を加え口腔性交に及んだ事件では、被告人に懲役3年、執行猶予5年の判決が言い渡されました。

自己の性的欲求を満たすために被害者の人格を軽んじ、心情を顧慮せず及んだ本件犯行は、自らの地位を利用するなど卑劣で悪質であり、信頼していた上司から被害に遭った被害者の精神的苦痛も大きく、被害者が厳罰を求めるのは当然、厳しい非難が向けられるべきとされました。

しかし、以下の点を考慮され、上記量刑下されたということです。

  • 同種事案の中では重い部類に属するとまではいえないこと
  • 被害者との示談の成立や、相当額の被害弁償をしていること
  • 被告人に前科前歴がなく、反省を示し、被害者にも謝罪していること
  • 母親が今後の監督を制約していること
  • 懲戒免職処分を受け一定の社会的制裁を受けていること

裁判年月日 平成30年 7月13日 裁判所名 松山地裁 裁判区分 判決

事件番号 平30(わ)108号

事件名 強制性交等被告事件

裁判結果 有罪(懲役3年・執行猶予5年(求刑 懲役5年)) 

参考:文献番号 2018WLJPCA07136005

家族が強制性交等罪の初犯で逮捕された場合にすべきこと

ここでは、家族が強制性交等罪の初犯で逮捕された場合に、あなたがすべきことについて解説します。

被害者と示談する

被害者との示談成立が減刑理由になった事例は上述した通りです。被害者との示談が成立していることは裁判所が減刑すべき理由となります。

強制性交等罪は減刑がなければ執行猶予がつきませんので、執行猶予を目指すのであれば被害者との示談は必須と考えたほうがよいでしょう。

倫理的な観点から考えても、可能であれば被害者に許しを乞い、示談交渉を行ってください。

ただし、当然被害者の処罰感情が強く、被疑者本人はもちろん被疑者関係者との接触を強く拒否することも予想されますので、必ず弁護士に依頼しましょう

弁護士に依頼することで、以下のメリットがあります。

  • 被害者が示談に応じる姿勢を示してくれる可能性を高められる
  • 被害者にとっても納得のいく示談条件を提案してもらえる
  • 適正な示談金の額が算出できる
  • 法的に有効な示談書を作成してもらえる
  • 謝罪文を渡してもらえる

被害者がどの程度応じてくれるかは、わかりませんが、何もせず傍観していても、よい方向には進みませんまずは弁護士にご相談ください

示談の際に支払う金額の相場

強制性交等罪の示談金相場は、50〜300万円です。ただし示談金は事件当事者の合意によって決定されるので、必ずしも相場どおりとは限りません。

基本的には、犯行内容が悪質と捉えられるものほど、示談金が高額になる傾向にあります。

お酒を飲んで判断能力が低下した状態の知り合いへの犯行と、夜道で知らない女性を脅して強制性交等にいたった犯行では、後者のほうが示談金は高額になる傾向にあるのです。

また加害者の社会的立場や、当事者同士の関係性などにもより、柔軟に対応する必要があります。

弁護士に依頼する

強制性交等罪の場合、以下のようなあらゆるリスクが想定されます。

  • 減刑されなければ、執行猶予がつかない
  • 初犯であっても重い処分が下される確率が高い
  • 逮捕から起訴されるまでは13~23日間の限られた時間しかない

取調べ時に作成される『供述調書』は、裁判時に重要な証拠として採用され、後から覆すことは困難となります。

冤罪であればなおさら、早い段階で弁護士に依頼し、弁護活動を行ってもらってください。

また、依頼する際は、刑事事件や強制性交等罪の解決実績がある私選弁護人を選任することを強くおすすめします

刑事事件を担当する弁護士には、当番弁護士や国選弁護人もいますが、あなたが直接選んで依頼することはできないため、刑事事件の経験が乏しい弁護士に当たるかもしれないなどのリスクがあるからです。

まずは無料相談などを活用して、今後の見通しなどについても、弁護士に相談してください。

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強制性交等罪の初犯の逮捕後の流れ

強制性交で逮捕された場合の、逮捕後の流れは以下の通りです。

逮捕後の流れは、他の犯罪と同様ですので、「刑事事件の流れ|重要な48時間・72時間・23日以内の対応」もあわせてご覧ください。

簡単に説明すると、警察署は逮捕後、検察に事件と身柄を送致し、検察において勾留の要否が判断されます。

検察が勾留を請求して裁判所がこれを認めれば被疑者は勾留され、勾留満期までに、起訴・不起訴が判断されます。

不起訴となれば身柄が解放されて実質お咎めなしとなりますが、起訴となれば刑事裁判が行われ有罪・無罪が判断されることになります。

身柄拘束期間は以下の通りです。

拘束期間

説明

逮捕から送致|48時間以内

勾留決定まで弁護士しか接見できない

送致から勾留請求|24時間以内

勾留期間|10~20日間

勾留満期までに起訴・不起訴が判断される

起訴(正式裁判)

起訴後も保釈されない限り身体拘束が続く

【関連記事】

勾留とは|勾留される要件と早期に身柄を釈放してもらうための対処法

強制性交等罪の初犯の処分の傾向

ここでは、犯罪白書の統計を参考に、強制性交初犯の処分の傾向を解説します。

ただし、統計は2016年のデータとなり、法律改正以前のものであるため、参考程度にお考えいただければと思います。

強制性交事件で逮捕・勾留される割合

犯罪白書の2016年の強制性交罪の身柄率(逮捕される割合)は、63.8%と、主要な刑法犯の身柄率36.5%と比較しても高い割合となっています。

また、強制性交の勾留請求(※)率は98.7%、裁判所が勾留請求を却下する割合は約3%程度ともいわれているのを考えれば、そのほとんどが勾留されることになるということです。

勾留請求とは

勾留は法的身柄拘束ですが、被疑者の人権に配慮して行われます。検察の独断で行うことはできないため、裁判所に許可を求めます。その手続きが勾留請求です。

【参考】
法務省|平成29年版 犯罪白書 第2節 被疑者の逮捕と勾留
産経ニュース|容疑者の勾留請求却下率が急増している 過去10年で5倍超 最高裁判断も相次ぐ

強制性交等罪の起訴・不起訴の割合

2016年の強姦事件の起訴・不起訴の割合は以下の通りです。ただし、以下の図は、強制性交事件全体の起訴・不起訴の割合であり、初犯以外も含まれます。参考程度にお考えください。

【参考】法務省|平成29年版 犯罪白書 第3節 被疑事件の処理

改正前の強姦罪は、被害者の刑事告訴がなければ起訴できませんでしたので、上記の不起訴率の高さにはそういった事情も考えられるかもしれません。

なお、起訴された場合の有罪率は統計上約99%となっていますので、逮捕から起訴されるまでの13~23日間の弁護活動が非常に重要となってきます。

【関連記事】起訴されると99.9%の確率で有罪|不起訴処分となる3つのポイント

強制性交事件の保釈率

起訴後の勾留に対して、裁判所に保釈請求を行い、裁判所がこれを認めれば保釈金の支払を条件に身柄を一時的に解放してもらうことができます。

しかし、強制性交事件は実刑となる可能性も高い事件であり、被疑者の逃亡や罪証隠滅が強く疑われることから保釈が認められる可能性は高くないと考えられます。

【参考】一般社団法人 日本保釈支援協会|保釈について

まとめ

強制性交等罪は非常に重く、処分も懲役刑のみです。

仮に減軽(裁判所が刑を言い渡すさいに刑を軽くすること)が認められ、執行猶予がついたとしても、以下のような再犯防止策を検討したほうがよいでしょう。

  1. 性依存症を扱っている専門のクリニックを受診する
  2. 家族が同居して監督をする
  3. 加害者本人の行動を家族が把握する
  4. GPSで監視する

 

当サイトから、強制性交事件の解決実績がある弁護士を見つけることができます

起訴までには限られた時間しかありませんので、少しでも減軽を目指すのであれば、まずはただちに弁護士へご相談ください

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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