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勾留とは|勾留される要件と早期に身柄を釈放してもらうための対処法
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勾留とは|勾留される要件と早期に身柄を釈放してもらうための対処法

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勾留(こうりゅう)とは、逮捕された被疑者、もしくは被告人を刑事施設に留置して拘束することで、逃亡や証拠隠蔽を防ぐために行います。

 

通常、逮捕されると取り調べなどの警察の捜査が入ります。しかし、罪を犯した嫌疑があるなかで被疑者をそのまま釈放してしまうと、刑を免れる目的で逃亡や証拠隠滅を図る場合があります。特に、殺人、強盗などの重大事件を起こした被疑者については、重い刑から逃れるために逃亡や証拠隠滅を図るおそれが高いと判断されます。

 

そのため、逃亡や証拠隠滅のおそれのある被疑者に対しては、たとえ有罪判決が下る前であっても勾留を行い、身柄を拘束しておくのです。

 

今回はどのようなケースで勾留されて、勾留されたときにはどのような対処法によって早期の釈放になるのかをご説明していきます。

 

 【目次】
勾留とは|勾留の要件
勾留は必ずされるものではない
勾留される要件
勾留を受けない場合
勾留と拘留の違い
勾留までの手続きと流れ|勾留時の拘束期間
検察官が勾留請求を行う
裁判官が勾留を決定
被疑者の陳述
勾留期間中の生活
起訴前の勾留期間は原則として10日間|最大でも20日間
起訴後の勾留期間は原則として2ヶ月間
勾留を免れるための方法
当番弁護士に一度相談する
きちんと反省を示す
勾留されても早く釈放される方法
私選弁護士・国選弁護士に依頼をする
準抗告・抗告を申し立てる
勾留取り消しを申し立てる
不起訴をもらう
保釈される
まとめ    

 

勾留とは|勾留の要件

冒頭でもお伝えしましたが、勾留とは刑事事件において、被疑者や被告人を刑事施設に留置して拘束しておく処分です。逮捕されればそのまま勾留されるようなイメージもありますが、勾留には条件があります。
 

勾留は必ずされるものではない

刑事事件に携わらない一般の方々は「逮捕されるとそのまま牢屋に入れられて、裁判を待つ・・・」というようなイメージが有るのではないでしょうか。この、「牢屋に入れられて裁判を待つ」というイメージを抱かれている期間が勾留になるわけですが、全ての事件で勾留されるわけでもありません。

 

犯罪には、人を殺してしまうような殺人事件から、ちょっと口論になり相手を殴ってしまうような暴行事件まで多種多様にあります。住所も分からない、いかにも不審な人物や、普段は真面目で家庭も仕事もしっかりある人物など、被疑者の種類も様々です。

 

ですので、勾留は逮捕されると必ず行なわれるわけではなく、むしろ「この被疑者には勾留しないと捜査や裁判に支障が出る」と判断された場合に勾留が行なわれるのです。
 

勾留される要件

お伝えのように被疑者・被告人を勾留するには、勾留をするための要件を満たしている必要があります。捜査機関は被疑者の逮捕後、捜査を進めて行きますが、その捜査に支障が出るようであれば、被疑者を勾留して身柄を拘束します。
 

住居が定まっていない

ニュースなどでたまに「住所不定」の逮捕者を見ますが、住所不定の被疑者の身柄を解放すると、その後どこに行かれるか分かりませんし、召喚をしようとしてもその旨を伝える郵便も送れません。住所が定まっていない被疑者は原則的に勾留されます。
 

証拠隠滅のおそれがある

住所は定まっていても、証拠隠滅のおそれがある人物も勾留されることになります。これはある程度犯した罪の大きさと比例しており、罪が重ければ勾留の可能性も高まります。被疑者は重い刑から逃れるために証拠隠滅するおそれがあるからです。

 

また、共犯者のいる事件や詐欺などの組織犯罪は、仲間と口裏合わせをしたり、逃亡の指示をしたりすることも考えられるので、勾留される可能性が非常に高いです。
 

逃亡のおそれがある

逃亡のおそれがあれば勾留されることになります。こちらも上記と同じく、罪の重さに比例しています。一方で、家族がいたり、定職に就いていれば逃亡の危険性も下がるので、罪によっては勾留されない可能性もあります。
 

勾留を受けない場合

このように逮捕されたからと言って、必ずしも勾留されるわけではありません。しかし、勾留されなかったからと言って、そのまま刑事手続きが終了するわけではありません。では、勾留されなかった場合、どのようにして刑事手続きは進められていくのでしょうか。
 

微罪処分

逮捕されたとしても、犯罪が軽微であれば数日中に身柄解放される微罪処分と言うものがあります。上記の要件を満たしていないことに加え、身元引受人に警察署まで迎えに来てもらう必要があります。
 
身柄解放の後は、それまで通りの生活を送れますが、事件に進展があった時などは再び警察に呼び出されることもあります。微罪処分では前歴が付き、再び罪を起こしてしまうと、初犯としては扱われなくなります。
 
【関連記事】
微罪処分は逮捕後の最速の釈放|微罪処分となるための基準
 

在宅事件

身柄を拘束されなくても、刑事事件として捜査がされることが在宅事件です。家宅捜索をされる場合があり、原則として書類送検され、犯罪が立証されれば、起訴され刑罰を受けることもあります。
 
【関連記事】
家にいながら起訴される在宅起訴と状況による事件の解決方法

 

勾留と拘留の違い

少し話が変わりますが、勾留に似た言葉に「拘留」という言葉があります。同じく、刑事事件の専門用語で読みも同じため、よく混同されがちですが全くの別ものになります。

 

ご説明の通り「勾留」は、判決が下る前の被疑者・被告人の身柄を拘束することで、漢字の部首名から「かぎこうりゅう」とも呼ばれます。

 

一方、「拘留」は判決が下った後の、刑罰のうちの一つで、1日以上30日未満刑事施設に拘束しておく刑罰です。いわゆる懲役刑や禁固刑などの軽いものです。しかし、現在拘留の判決を受ける被告人は年間数件と非常に少なくなっています。漢字の書きから「てこうりゅう」とも呼ばれています。


【関連記事】
刑罰の「拘留」と処分の「勾留」|拘留と勾留の違い
 

勾留までの手続きと流れ|勾留時の拘束期間

では、実際に勾留されるとなると、どのような流れや手続きが進められていくのでしょうか。こちらでは勾留までの手続きと流れ、勾留期間の長さについて解説いたします。
 

検察官が勾留請求を行う

逮捕後に警察からの取り調べが済むと、逮捕から48時間以内に被疑者の身柄は検察へと移されます。検察も同じく取り調べを行ないますが、身柄拘束期間は24時間以内と決められています。
 

被疑者をそのまま釈放すると逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合、検察官が被疑者を勾留するように裁判官に請求します。このことを勾留請求と言います。
 

裁判官が勾留を決定

勾留請求を受けた裁判官は、検察が提出した資料を検討し、上記の要件を満たしているかを判断します。その結果、被疑者の勾留決定・勾留請求却下決定の判断が下されます。
 

被疑者の陳述

勾留請求を受けた裁判官は、被疑者に対して、被疑事実(起こしたと疑われている犯罪に該当する事実)の要旨を告げて、これについての被疑者の陳述を聴きます。このことを勾留質問と言いますが、内容としては「あなたはこのような罪で勾留請求を受けていますが、その事実に間違いはありますか?」と、いったものです。
 
ここでどのような対応を取ろうとも勾留されることがほとんどですが、もしも身に覚えのない罪で拘束されていたり、お伝えした勾留の要件に当てはまらない不当な勾留がされるようであればそのことをきちんと主張しましょう。

 

勾留期間中の生活

勾留されると、拘置所や留置所といった施設に収監されその中で取り調べを受けながら生活をします。勾留中の生活の詳しくは「拘置所の中での一日の流れ」をご覧ください。
 

起訴前の勾留期間は原則として10日間|最大でも20日間

勾留されたと言っても、まだ判決を受ける前の被疑者をいつまでも勾留しておくことは推定無罪(何人も有罪と宣告されるまでは無罪)に反することになりますので、被疑者が不利益を被る勾留には期間が設けられています。
 
起訴前の勾留期間は原則として10日間という決まりがあります。10日経ったのであれば、検察官が起訴か不起訴か決めなくてはなりません。しかし、例外的に勾留延長があり更に最大10日間勾留期間を延長することも出来ます。すなわち、起訴前の勾留期間は最長で20日となります。
 

勾留延長になりやすいケース

勾留延長は、捜査状況にもよりますので一概には言えませんが
 

  • 被疑者が罪を認めていない
  • 罪が重い
  • 組織的犯罪

 
の場合、捜査も慎重になり長引く可能性が高いので、勾留延長される可能性が高くなります。
 

最大勾留期間を過ぎてしまった場合

それでも捜査が終了しなければ、「処分保留」で釈放されることがほとんどなのですが、重罪や複雑な犯罪は別の罪名での「再逮捕」という方法で再び警察から捜査が進められていくこともあります。例えば、始めは死体遺棄の容疑で逮捕し、勾留期間が過ぎたら殺人の容疑で逮捕するような形です。
 
【関連記事】
刑事事件の流れ|重要な48時間・72時間・23日以内の対応
処分保留とは|処分保留になる経緯とその後の傾向
再逮捕されることで勾留期間が延長される|仕組みと対策
 

起訴後の勾留期間は原則として2ヶ月間

被疑者が勾留中に起訴されたのであれば、被疑者は被告人と呼び名が変わり、そのまま勾留され続けます。起訴されなければ、不起訴になりそのまま釈放されます。この起訴後の勾留期間は原則として2ヶ月間です。その後1ヶ月毎に更新され、判決が下るまで続きます。
 

 

勾留を免れるための方法

逮捕されても取り調べが済んで、すぐに家に帰してもらえるようであれば、誰もがそれを望むでしょう。もちろん、殺人や強盗などの重大事件や詐欺などの組織犯罪の場合は、記述の通り、勾留を免れることは難しいでしょう。

 

しかし、勾留するかどうかが微妙な犯罪の場合は、こちらの出方次第で勾留を免れることも可能です。

 

当番弁護士に一度相談する

そこで、「勾留をされたくない」と思われているのであれば、必ず一度は弁護士の相談を受けるようにして下さい。「弁護士なんて敷居が高い」と思われている方も多いと思いますが、逮捕後、一度なら無料で接見(面会)してくれる当番弁護士制度というものが有ります。詳しくは「無料で簡単に呼べる当番弁護士は困った被疑者の味方」をご覧ください。

 

勾留を免れたり、これからの状況を説明したり、早い段階から出来る有効なアドバイスを貰うことが出来ます。

 

きちんと反省を示す

逮捕された被疑者が早期釈放されるためには、本人がしっかりと反省することが最も大切です。罪を認めなかったり、反省をしていないようでしたら、勾留の要件の「証拠隠滅のおそれ」「逃亡のおそれ」によって勾留請求されやすくなります。

 

一方で、本当に身に覚えがない「冤罪」のような場合は、そのことを捜査機関に対してしっかり主張していきます。しかし、被疑者1人で経験豊富な捜査機関を相手にしても上手くまるめ込まれて勾留期間が長引くことも考えられるので、冤罪のような場合は弁護士に相談し、場合によっては刑事弁護を依頼することも検討してください。

 

勾留されても早く釈放される方法

しかし、勾留を免れるために手を打っても勾留されることはありますし、もう既に勾留されている方もいるでしょう。そのために、勾留されても早く釈放される方法をお伝えします。

 

私選弁護士・国選弁護士に依頼をする

まず、「本当に早く釈放されたい」とお考えのようであれば、必ず、どのような形でもいいので、弁護士に依頼するようにしてください。法律に詳しくない人が、どう弁解しても刑事事件の流れを覆すことはほとんど無理と言っても良いでしょう。

 

ここで依頼できる弁護士の種類は、「私選弁護人」「国選弁護人」の2種類です。私選弁護人は、自身でお金を払って、自分の選んだ弁護士に依頼をすることです。費用に関しては「刑事事件の弁護士費用と弁護士費用を抑える3つの方法」をご覧ください。

 

一方、「弁護士に依頼するような貯蓄がない」といった方には、ある条件を満たすと国選弁護人に依頼することが出来ます。

 

弁護士費用を国が立て替えてくれるという、大きなメリットが有りますが、どのような弁護士が来て、真面目に取り組んでくれるかも分からない、というデメリットも有ります。詳しくは「国が弁護士費用を負担する国選弁護人にはデメリットも多い」をご覧ください。

 

準抗告・抗告を申し立てる

抗告とは、簡単に説明すると、裁判官が出した結果に不服を申し立てることです。ここで言うと「容疑者の状況は◯◯で、勾留する程ではない」と、裁判官に申し立てることです。法律の知識がないと徒労に終わるだけですので、弁護士に依頼の上、行うようにして下さい。

 

勾留取り消しを申し立てる

勾留決定時とは状況が変わってくる事もあります。例えば、示談交渉が済んだり、証拠が出尽くしたりした場合です。この場合も、「状況は◯◯になり、これ以上勾留する必要はない」と勾留取り消しを申し立てることが出来ます。

 

不起訴をもらう

既に記述しましたが、勾留には、起訴前の勾留と起訴後の勾留があります。起訴前の勾留は最大でも20日間です。しかし、起訴されてその後も勾留され続けると、判決が下るまで社会に戻ることが出来ません。

 

場合によっては、1年近く勾留されることだってあります。勾留を長引かせるかそうでないかは、起訴・不起訴で大きく分かれてくるでしょう。ですので、不起訴を獲得するかどうかが勾留期間を短くするために重要な場合もあります。不起訴については「不起訴を獲得するための全手法」をご覧ください。

 

保釈される

保釈とは、起訴後に保釈金を支払って、第1審の判決が言い渡されるまでの間、身柄を開放されることです。保釈金の相場は、被告人の収入・社会的地位などに比例して上がりますが、裁判終了後に手元に戻ってくる、担保のようなものです。

 

保釈をされれば、起訴されてから判決の言渡しまでの期間に社会に戻ることが出来ます。詳しくは「合法的に被告人を拘置所から出す方法」をご覧ください。

 

 

まとめ    

いかがでしょうか。勾留に関して理解していただけたでしょうか。勾留は刑罰ではありませんが、何週間も社会から隔離されてしまうと、ご自身の仕事・家庭・経済などに影響をおよぼすのは重々承知ではないでしょうか。

 

そのような事態を防ぐために、刑事弁護があり、弁護士がいます。少しでも状況を良くするためにも困っているのであれば、弁護士を頼りましょう。

 

弁護士への相談で刑事事件の早期解決が望めます


刑事事件に関する専門知識もつ弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。

・罪に問われた身内を助けたい
・窃盗罪や傷害罪で捕まってしまった
・痴漢冤罪などの冤罪から逃れたい

など、刑事事件でお困りの事を、【刑事事件を得意とする弁護士】に相談することで、刑事事件の早期解決となる可能性が高まります。

お一人で悩まず、まずはご相談ください。あなたの相談に、必ず役立つことをお約束します。

編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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