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処分保留とは|処分保留になる経緯とその後の傾向

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
処分保留とは|処分保留になる経緯とその後の傾向

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処分保留とは、刑事手続きが進められていく上で、期間内に十分な証拠が揃わなかった場合、起訴・不起訴の判断を保留して釈放させることです。
 
「処分保留で釈放」という言葉は、ニュースなどでも耳にしたことがあるでしょう。砕けた言い方をすると、「白か黒かはっきりしなかったから時間切れで一旦身柄を釈放する」ということが処分保留になります。

今回は、処分保留の詳細や処分保留後の傾向などをご説明します。

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処分保留は十分な証拠が出てこなかったこと

まず、処分保留とは、「確実な証拠が出てこず、起訴か不起訴かの処分を保留する」ことです。被疑者は逮捕された段階では、まだ有罪判決の出ていない、嫌疑の身です。

その後確実に有罪にするために捜査が進められていきます。
 
被疑者の自供を得るための取調べが捜査の主になりますが、自供が無く、確実な証拠も無ければ、「あなたが罪を犯したのだから、裁判をしてもらう」ということで起訴をすることもできません。起訴したところで、裁判でも証拠が無く、結局無罪になってしまえば、無罪の人を長々と拘束してしまいます。

そのような事態を捜査機関も防ぎたいのです。とは言え、十分な捜査ができず、怪しいままの人物を取り逃がしてしまい、また事件を起こしてしまえば大問題です。
 
そこで、刑事手続きは慎重に、段階を分けて行なわれます。基本的に「逮捕→検察→勾留→起訴→裁判→判決」という流れで行なわれてきます。

特に検察から起訴・不起訴の判断を受けるまでが重要になります。
 
刑事事件の流れについては、「逮捕から釈放・有罪までの流れ|フローチャートで全体像や期間を解説」を、取調べでの注意点は、「取調べの実態と有効に進めていくための3つの方法」をご覧ください。
 

起訴とは

刑事事件の中で「起訴・不起訴」の分かれ目はとても重要になります。起訴という言葉に「?」が浮かんだ方もいるでしょう。

起訴とは、簡単に言うと、検察が捜査を進めていく上で、被疑者を確実に有罪にできるような証拠が揃った時に「この被疑者を裁判にかけてください」とお願いすることです。つまり、テレビで見るような裁判が行われる前に、起訴がされていなければ、裁判を行なうことができません。

起訴については、「刑事事件の流れ|重要な48時間・72時間・23日以内の対応」をご覧ください。

不起訴とは

一方、起訴しないと判断されることを不起訴と言います。不起訴になるには、以下の3つの理由があります。
 

嫌疑なし

被疑者が犯人ではないという証拠が出てきた、真犯人が現れたなど
 

嫌疑不十分

被疑者が犯人であるという十分な証拠がない
 

起訴猶予

被疑者が犯人なのは認めているし、証拠もあるが、犯罪が軽微で反省もしており、再犯可能性が乏しい

となります。

お気づきの方もいるでしょうが、処分保留と嫌疑不十分は、非常に似ています。そこで出てくるのが下記で説明する、刑事手続きで決められた期間です。
 
刑事手続きの期限を超えたのであれば「処分保留」、期限前に能動的に不起訴の処分が下されれば「嫌疑不十分の不起訴」となります。しかし、実際のところ証拠が出ないと捜査は期間ギリギリまで行われますし、そもそも誤認逮捕で犯人でもない人物を逮捕してしまうこと自体滅多にありません。

ですので、不起訴の理由の90%程度は起訴猶予によるものです。
 
これらの内容は、「起訴されると99.9%の確率で有罪|不起訴処分となる3つのポイント」「起訴猶予とは|処分の内容と早期釈放のために出来ること」に詳しく記載していますので、お時間のある方は一度目を通してみてください。

刑事手続きには決められた期間がある

上記で少し触れましたが、刑事手続きには決められた期間があります。被疑者を長期間(最大20日)身体拘束する期間のことを「勾留期間」と言いますが、もちろんこの勾留期間が長引けば長引くほど、被疑者の生活に影響が及び不利益を被ります。

実際に犯行を起こした犯人であれば、罰則の一部としても捉えられますが、「万が一犯人ではなかったら」というような事態も考えられるので、逮捕後から起訴までには最大23日という期限が決められています。詳細としてはざっと、
 
逮捕~警察:48時間(2日)
検察~勾留:24時間(1日)
勾留期間:最大10~20日
 
となっています。

これはそれぞれ最大日数で、ご説明の通り合計を足した23日間を超えても十分な証拠が集まらず、起訴・不起訴の判断ができなければ、処分保留となります。

処分保留のその後

処分保留のその後

それでは、実際処分保留を受けた後はどうなるのでしょうか。お伝えしているとおり、処分保留は起訴か不起訴か決まっていない状態なので、釈放はされたもののいずれ起訴・不起訴の処分を受けます。
 

不起訴になることがほとんど

実態として、処分保留は不起訴になることが多いと言っていいでしょう。理由としては、上記で触れた嫌疑不十分での不起訴と似通った部分があり、さらには被疑者も釈放されたことから、これ以上の捜査は以前ほど期待できなくなるからです。
 
捜査が打ち切りになれば不起訴になります。とは言え、処分保留でも後に証拠が出てこれば、起訴になることももちろんあります。
 

重大な事件では再逮捕が行われる

ここまでお読みいただいて、あることを思った方もいるのではないでしょうか?「では、殺人事件でも期間内に証拠が出なければ、処分保留で釈放されるのか?」と。

いくら期間を超えたからと言って、処分保留で殺人犯の疑いがある人物が曖昧なまま釈放されれば、不安に思う方も多いでしょう。そこで、警察は再逮捕という方法を使い、逮捕を繰り返すことで、拘束期間を延長させます。

しかし、同じ罪名で二度逮捕できるのであれば、そもそも設けてある勾留期間が意味をなさなくなります。別の罪名で一度逮捕して、捜査が進んで行ったり、期間が終了した際は、もう一つの罪名で逮捕するのです。

たとえば、殺人事件の場合、まず「死体遺棄罪」などで逮捕します。そして、捜査が進んでいけば、殺人罪に切り替えるのです。

言われてみれば、殺人事件のニュースを見ても、いきなり殺人罪で逮捕されていないケースもありませんか?

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無実の罪で処分保留になったのであれば?

一方、「無実の罪で、結局証拠も出てくるはずもなく、処分保留で釈放された」ということが起こりうることも十分に考えられます。誤認逮捕という言葉もあります。

警察も完璧ではありません。万が一誤認逮捕されてしまったら、それまでの拘束期間・精神的苦痛・風評被害などの受けた被害は何か補償されるのでしょうか。

被疑者補償規定により、拘束期間1日あたり1,000~12,500円の補償が受けられるようです。しかし、数日間ならまだしも、何週間も拘束されれば、以前の生活に支障があることは、間違いないでしょう。

たかだか1日12,500円では納得行かないでしょう。その場合、うその告訴をした人物や国に対して訴訟を起こし、民事裁判(すなわち慰謝料)で解決する方法が取れます。
 
滅多にありませんが、もしそのような状況の方は、自分でなんとかしようとするのではなく、弁護士に相談するようにしてください。さらには、うその告訴をした人物に対しては、虚偽告訴罪として相手を訴えることも可能です。

まとめ

処分保留は、決められた期間内で捜査が完了せず、起訴か不起訴か決められずに釈放されることです。ただ、誤解してほしくないことが、容疑を否認し続けて時間稼ぎをすれば、時間切れで処分保留されるということではありません。
 
そもそも、警察も被疑者に対し何かしらの根拠があって逮捕という行動に出ます。つまり、うそを付けば付くほど印象は悪くなりますし、拘束期間が長くなります。

実際に犯行を行ない、逮捕されてしまった際の最善の方法は、罪を認めしっかりと反省することです。

一方、万が一誤認逮捕されてしまった方は、状況によって最善の方法も違いますので、早急に弁護士を依頼し、最善の方法を取る相談を受けてください。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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