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刑事事件弁護士ナビ > 刑事事件コラム > 刑事処分の種類と内容 > 起訴猶予とは|処分の内容と早期釈放のために出来ること
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公開日:2018.5.2  更新日:2021.7.27

起訴猶予とは|処分の内容と早期釈放のために出来ること

この記事を監修した弁護士

当社在籍弁護士

弁護士登録後、地方で一般民事・家事、刑事事件を中心に様々な案件を手掛ける。次第に司法アクセスの改善に課題を感じ、2020年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。

起訴猶予(きそゆうよ)とは、不起訴処分となる理由の一つで、『犯人の性格や年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況』を考えて以下に該当するようなケースで起訴されないことを言います。

  • 起訴をすれば有罪は確実だが、罪が軽い・反省している
  • 被害者と示談により和解している

(不起訴の裁定)
第75条 検察官は,事件を不起訴処分に付するときは,不起訴・中止裁定書(様式第117号)により不起訴の裁定をする。検察官が少年事件を家庭裁判所に送致しない処分に付するときも,同様とする。
2 不起訴裁定の主文は,次の各号に掲げる区分による。
(20)起訴猶予 被疑事実が明白な場合において,被疑者の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないとき。

引用元:事件事務規程第75条2項20号|法務省

刑事ドラマやニュースなどでよく耳にする『起訴猶予』ですが、実際はどのようなものなのかわからない方も多いでしょう。

  1. そもそも『起訴』と何が違うのか?
  2. 起訴猶予はどういった処分が下されるのか?
  3. どのような場合に起訴猶予になるのか?
  4. 起訴猶予でも『前科』や『前歴』は付くのか?

この記事をお読みいただいている方の中には、突然身の回りに逮捕者が出てしまったという方もおられるのではないでしょうか。逮捕されたり犯罪を疑われたりしている方でも、起訴猶予になることで刑事罰を受けずに済みます

本記事では、起訴猶予を中心とした法的知識と、逮捕されてしまった方を起訴猶予という形で助ける方法などをご説明しますので、どのようにして起訴猶予にするのかをご自身の状況に当てはめて考えてみてください。

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この記事に記載の情報は2021年07月27日時点のものです

起訴猶予は不起訴の理由の1つ

冒頭で簡単に解説しましたが、起訴猶予とは、不起訴の中の理由の一つで、犯罪を起こしていて起訴すれば有罪は確実だが、事件の状況や被疑者の性格などを考慮して、検察が起訴しない判断をしたことを言います。

不起訴になる理由の種類

起訴猶予も不起訴の1つの理由で、不起訴の理由には起訴猶予以外にも理由がいくつかあります。

起訴猶予

繰り返しますが、起訴猶予は、被疑者が犯罪を起こしたことは確実だけれども、犯罪自体が軽い、本人が深く反省している、被害者と示談による和解が済んでいるなどの情状を考慮して不起訴になることです。

現在の日本の捜査実務では、逮捕に至ったにもかかわらず「嫌疑なし」となったり、取り調べや捜査を続けても有力な証拠が出てこない「嫌疑不十分」になってしまったりすることは多くはありません。

その結果、不起訴の理由のうちの70%以上がこの「起訴猶予」によるものとなっています

嫌疑(けんぎ)なし

被疑者の無実が確実と判断したということです。無実が証明される証拠が出てきた、別の真犯人が見つかったなどの際は嫌疑なしとして釈放されます。

嫌疑不十分

被疑者の犯罪の疑いは依然としてあるが、物証や証言、自供などの決定的な証拠が出てこない場合、嫌疑不十分で釈放されることになります。

告訴の取消し

被害者の刑事告訴によって事件発覚・逮捕に至るケースも多いのですが、被害者から告訴を取り消してもらうことができれば、犯罪の種類によっては不起訴になる場合があります。被害者との示談の結果、告訴が取り消されることもあります。

心神喪失

心神喪失状態とは、行為の善悪や是非についての判断がまったくできず、意思に伴った行動もできない状態のことで、多くの場合は、重度の精神障害や知的障害の状態を指します。

心神喪失状態の場合、刑事責任能力がないとして処罰の対象外になりますが、検察の捜査の段階で心神喪失と判断されて不起訴になることもあります(精神科医からの鑑定は受けます)。

不起訴の70%以上が起訴猶予によるもの

犯罪白書によると、毎年70%以上が起訴猶予によって不起訴となっています。言い換えれば、実際に犯罪を行って逮捕された人であっても、その後の捜査や対応によっては不起訴を獲得できることになります。

引用:令和元年版 犯罪白書

不起訴の理由

よく、有名人が逮捕されて数週間後には「不起訴で釈放された」というニュースを見ることがあります。

これは、捜査の結果無実だと判明したのではなく、初犯であったり本人が反省している、示談が済んでいるなどの事情から起訴猶予による不起訴になっていることが多いと考えられます。

起訴猶予となった場合の影響と起訴との違い

起訴猶予は「前歴」が付く

起訴猶予には「前歴」というものが付きます。「前科」という言葉は聞いたことがあっても「前歴」という言葉を聞いたことがない方も多いでしょう。

簡単に説明すると、逮捕、起訴されて、裁判で有罪判決を受けた人は前科が付きますが、これに対し、逮捕されたが起訴されず、裁判にかけられなかった人は前歴が付きます。

前歴は再犯を起こした時に不利となる

前歴の情報は一生警察機関に残ることになります。その後警察のお世話にならなければ何の問題もないのですが、問題は再び何かしらの犯罪を起こしてしまった時です。

再犯を起こしてしまった時に本人に前歴があると、たとえ同じ犯罪行為でも状況が悪くなり、起訴や厳しい罰則を受ける可能性が高くなります。

起訴されて有罪判決が確定すると「前科」が付く

起訴されて有罪判決が確定することで前科が付くことになります。前科と前歴には社会生活での影響はそこまで大きくないのですが、起訴されて受けた刑罰の内容によっては一定期間就けない職業が出てきてしまいます。

起訴猶予と起訴の違い

「起訴猶予」は言葉が似ているせいか、よく「起訴」の一部と誤解されてしまうこともあります。

刑事事件でいう起訴とは、簡単に言えば、検察官が裁判所に対し「この被告人に刑事裁判で罰を科して下さい」という申し出をすることです。

それに対して、起訴猶予は上記で説明した通り、不起訴の理由の1つですから、正反対の意味です。ちなみに、不起訴とは検察が起訴をしないと判断したことです。

上記の通り、捜査の段階で捜査機関は証拠・証言・事件内容・被疑者の状況などをきっちり調べ上げ、完璧な自信を持って起訴していますので、刑事裁判で無罪になるようなことは、よほどのことが無い限りあり得ません。

起訴された後の刑事裁判での有罪率は99.9%になります。したがって、『起訴される=何かしらの刑事罰を受ける』と認識していても間違いではないでしょう。

刑事裁判に関して詳しく知りたい方は「刑事裁判の全て|知っておくべき基礎知識」をご一読ください。

起訴猶予になるまでの期間と逮捕の流れ

逮捕 流れ

起訴猶予は、上の図の『不起訴』の部分で受ける処分です。逮捕されて身柄拘束を受けた場合、決められた期間と流れで刑事手続きが進められます。

もっと具体的に言うと、逮捕されて23日以内に検察から起訴・不起訴の判断をされるので、それまでに後述する起訴猶予を獲得するための方法を取っておかなくてはなりません。

例えば、検察がすでに起訴しようとしている段階から示談交渉を開始し始めても、時すでに遅しという場合があるのです。

現在、こちらの記事をご覧の方がどのような状態にあるかは不明ですが、身近な方が逮捕されているのであれば、特に早急な対応を取るようにしてください。

まず、何をどうすれば良いのかわからないことがほとんどでしょうから、第一に弁護士に直接相談してみて、状況に合った適切なアドバイスをもらうことをおすすめします。

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起訴猶予になる要件と起訴猶予を獲得するためにできること

「反省している」「被害者と和解が成立している」などといった対応をしていると主張していくことが、刑事弁護の主な方法になります。それぞれを弁護していくには以下の方法が考えられます。

反省の姿勢を見せる

反省文」という書面で反省の意思を示すことが有効です。反省文の書き方にこれといって決まりはありませんが、

  • なぜ事件を起こしていしまったのか
  • 犯罪を起こした時はどう思ったのか
  • 今はどう思っているのか
  • 今後どうしていくのか

などを自分の言葉で、なるべく多い文字量で書いたほうが良いでしょう。

反対に、実際に犯した罪について、嘘をつくなどして否定したり、黙秘によって捜査に協力しないなどの姿勢を見せれば、起訴猶予からは遠のくでしょう

検察官が「この人は、罪を犯したことは明らかなのに、反省していないようだから、起訴して罰を与えられるべきだ」と思うことは自然なことではないでしょうか。

被害者と示談をする

示談とは、被害者のいる事件で主に金銭で和解する方法です。反省をしているとも受け取られますし、被害者が告訴や被害届を取り下げてくれれば釈放されることもあります。

示談が成立すれば、不起訴もしくは起訴され有罪となっても量刑に有利な材料になることは確実です。

被害者との示談は、加害者本人や加害者の家族・知人が行うことは心情的にも難しく、弁護士を通して行うことがほとんどです。

再犯を防ぐ

万引きや性犯罪などは再犯率の高い事件です。家族や知人から監督してもらうという約束を貰うことも不起訴獲得のための有効な方法です。

また、薬物事件や性犯罪などの依存性が高い犯罪を起こした場合には、更生施設に通うことが再犯防止のための努力と判断されて、起訴猶予に繋がる場合もあります。

弁護士に弁護してもらう

例えば、取り調べで本人が「反省している」「事件が起きるまでには経緯があって…」などと証言をしても、その言葉通りに誠意や謝意が伝わるとも限りません。

もちろんこのような発言も重要な証言の一つとしてしっかり残されるものの、それらを代弁し、適切なアドバイスをくれる弁護士がいることでさらに有利になります。

既に刑事事件を起こしてしまった方へ

犯罪の大きさや種類、被疑者の状況などで適切な方法は変わってきますので、家族や知人に逮捕者が出てしまって困っている方は即刻、弁護士の無料相談を受けることをおすすめします

急な出来事で混乱されている方も多いでしょうが、相談内容が支離滅裂だと弁護士の相談にも時間がかかってしまいますので、最低でも事件の内容と逮捕者の現状をまとめた上で、お近くの弁護士を探して、相談してみてください。

また、事件解決のために弁護士にお願いするには、弁護士費用もかかってきます。そこまで検討されている方は「刑事事件の私選弁護士費用相場|良い弁護士に出会う3つの方法」から刑事事件の弁護士費用の相場を確認してみてください。

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起訴猶予後の流れ|逮捕時は働いていた会社への弁解が難しい

逮捕されてしまった時に一番と言っていいほど心配になることが、今勤めている会社にどう説明するか?ということではないでしょうか。

起訴猶予になったとしても、逮捕された事実を会社に知られてしまったり、身柄拘束期間中に無断欠勤扱いになって、会社から解雇等の厳しい処分を受けたりする可能性が出てきます。

解雇される可能性はある

逮捕によって警察から会社に連絡が行くことはほぼありませんが、何日も捜査機関に拘束をされているとなると、事情を説明せざるを得ません。嘘でごまかすことはあまりにも建設的な考えではありません。

起訴猶予になるということはいわば「犯罪を認めている」ということになります。罪を犯したことで、その従業員をどう処分するかは、会社によって対応が異なるでしょう。

犯した犯罪や会社への影響等、ケースによっては解雇される可能性はあるでしょう。

罪を認めない|冤罪の場合

こちらは、本当に犯罪を起こしてもいないのに逮捕されてしまった場合の対策になります。痴漢による冤罪もその一つです。しかし念頭に置かなければいけないことは、罪を認めないことで拘束期間も長くなってしまう可能性があるということです。

弁護士が職場に事情を説明する

拘束が長くなればなるほど、職場への影響も大きくなります。しかし、本人は何もしていないのに身柄を押さえられているだけです。

弁護士に職場と話し合い事情を説明してもらうなどして、釈放後に問題なく社会に復活できるような環境を整備してもらいましょう。

場合によっては告訴した人物を訴える

無実の罪で身柄を拘束された場合は、拘束された期間の損害や精神的な苦痛を伴います。それらに対する損害賠償請求を請求することも考えられます。根拠なく、不当な告訴を行った告訴人に対する損害賠償の請求です。

また、国から一定の要件を満たした場合に金銭が補償される「被疑者補償」という制度も利用できるか検討してみても良いでしょう。

会社に影響なく事件を解決させる2種類の方法

上記のように会社のことを考えると、早期に釈放されて職場へ復帰する必要があります。冤罪の場合は、本当に犯罪はしていないという弁解が必要になります。

一刻も早く弁護士にお願いする

まずは何より、早期解決をしたいのであれば早急に弁護士に相談・依頼することです。逮捕後72時間はたとえ家族の方でも面会することができません。しかし、弁護士なら面会することが可能です。

実力のある弁護士ならば、早急の解決へ向けて可能な限りの適切な処置を施してくれるでしょう。また、逮捕後すぐに「当番弁護士(※)」が呼べます。

※…当番弁護士(とうばんべんごし)とは、刑事事件で逮捕された被疑者が、起訴前の段階でも弁護活動を受けやすくするために日弁連が設けた制度、または、それにより派遣される弁護士のことを言います。

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刑事事件で欲しい結果を得るには、一刻も早い対応が不可欠です。

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略式手続に同意する

刑事裁判手続を書面のみのシンプルな手続で済ませることを「略式手続」と言います。

略式手続によれば、身柄拘束されている被告人は略式命令交付により釈放されるため、早期の身柄解放に資するでしょう。

もっとも、有罪には変わりないので、前科はつきます。

また、略式手続は100万円以下の罰金または科料を科すことができる事件等、軽微な事件であることが前提です。略式手続については「略式起訴とは|概要と手続きの流れ・メリットなどを徹底解説」をご覧ください。

まとめ

起訴猶予とは、実際に罪は犯しているが、反省している・被疑者と和解しているなどの内容で起訴されないことです。

実際に罪を犯して逮捕されてしまっても、状況によっては起訴猶予になることもありますので、早めの対応を取ることを心掛けてください。

まずは、「事件内容・逮捕者の状況」などをまとめて「刑事事件弁護士ナビ」から、弁護士に無料相談してみることをおすすめします。

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この記事の監修者
当社在籍弁護士
編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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