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取り調べとは?流れ・受ける際の注意点・不利にならないためのポイントを解説

取り調べとは?流れ・受ける際の注意点・不利にならないためのポイントを解説

取り調べとは、捜査機関が被疑者や参考人などから事件に関する情報を聞くことです。

刑事事件の取り調べで供述した内容は、検察官による起訴・不起訴の決定や、裁判官による刑事裁判での判決などの場面で重要な判断材料となります。

警察官や検察官からの誘導に乗せられたりして不用意な発言をした場合、長期間の身柄拘束を受けたり、重い判決が下されたりするおそれがあります。

取り調べでの失敗を避けたいなら、早いうちに弁護士に相談しておきましょう。

本記事では、刑事事件の被疑者として取り調べの対象になった方に向けて、取り調べで聞かれる内容や流れ、取り調べを受ける際の注意点などを解説します。

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取り調べとは

取り調べとは、捜査機関が被疑者や参考人などから事件に関する情報を聞くことです。

刑事事件の被疑者になった場合、警察官や検察官による取り調べがおこなわれます。

被疑者が取り調べで話した内容は「供述調書」という書面に記録されます。

なお、刑事事件でおこなわれる取り調べは「在宅事件の取り調べ」と「身柄事件の取り調べ」の2種類に分けられます。

以下では、それぞれの取り調べの特徴や違いについて解説します。

1.在宅事件の取り調べ

在宅事件の取り調べ

在宅事件とは、被疑者が身柄拘束を受けない状態で捜査手続きが進行する事件のことです。

警察や検察から出頭要請を受けて取り調べがおこなわれ、基本的に取り調べが終了すれば帰宅できるものの、状況次第では取り調べ後にそのまま逮捕されるケースもあります。

あくまでも取り調べは任意であり強制的なものではないため、被疑者は出頭要請を拒否したり途中退去したりすることも可能です(刑事訴訟法第198条1項)。

ただし、取り調べに応じなければ「逃亡や証拠隠滅のおそれがある」と判断されて逮捕となる可能性が高まります。

やむを得ない事情がないかぎり、出頭要請を受けた際は素直に応じましょう

2.身柄事件の取り調べ

身柄事件とは、被疑者が身柄拘束を受けた状態で捜査手続きが進行する事件のことです。

在宅事件とは違って刑事手続きにはタイムリミットが設けられており、警察官や検察官による取り調べ・勾留請求・起訴不起訴の決定などがスピーディに進められます。

取り調べは身柄を拘束された状態でおこなわれるため、基本的には応じることになります(刑事訴訟法第198条1項)。

なお、なかには逮捕後に身柄拘束が解かれて在宅事件に切り替わるケースもあります。

取り調べの時間・回数

刑事事件の取り調べの時間や回数は、事件内容や刑事手続きの進行状況などによっても大きく変わります。

たとえば「被疑者本人が犯罪事実を認めている自白事件であり、被害が軽微」というケースであれば、数十分程度の取り調べが数回ほどおこなわれるだけで済む場合もあります。

一方で「被疑者本人が犯罪事実を認めていない否認事件であり、被害が甚大」というケースでは、数時間に及ぶ取り調べが何十回もおこなわれる可能性があります。

参考のひとつとして、2011年の警察庁の公表資料によると、取り調べの平均日数・平均回数・平均時間は以下のとおりです。

項目 一般事件(捜査本部事件以外のもの) 捜査本部事件(殺人や傷害致死などの重大事件)
取調べの平均日数 5.7日 17.6日
取調べの平均回数 10.1回 41.0回
取調べの平均時間 15時間15分 65時間31分
1日あたりの取調べの平均回数 1.8回 2.3回
1日あたりの取調べの平均時間 2時間41分 3時間43分

取り調べで聞かれること

刑事事件の取り調べで聞かれる内容としては、以下の2つに大きく分けられます。

  1. 捜査中の事件に関する内容
  2. 被疑者本人の身上に関する内容

ここでは、取り調べで具体的にどのようなことを話すのかを解説します。

1.捜査中の事件に関する内容

取り調べでは、主に以下のような捜査中の事件に関することを聞かれます。

  • 犯行日時
  • 犯行場所
  • 犯行に及んだときの状況
  • 犯行に及んだ動機
  • 犯行に及ぶまでの経緯・背景
  • 被害者との関係性
  • 余罪の有無 など

たとえば「街中で被害者が所持するカバンを盗んだ」というような窃盗事件では、以下のようなことを聞かれる可能性があります。

  • 〇月〇日〇時頃、どこで何をしていましたか?
  • 被害者のカバンを奪ったのは間違いないですか?
  • なぜそのようなことをしたのですか?
  • お酒は飲んでいましたか?
  • 事件の直前はどこにいましたか?
  • 被害者とは以前からの知り合いですか?
  • ほかに何か隠していることはないですか? など

2.被疑者本人の身上に関する内容

取り調べでは、氏名・生年月日・年齢・住所などのほか、以下のような被疑者本人の身上に関することを聞かれる場合もあります。

  1. 学歴
  2. 職歴
  3. 家族構成
  4. 交友関係
  5. 健康状態
  6. 趣味・嗜好
  7. 日常生活の送り方
  8. これまでの生い立ち など

被疑者の緊張をほぐして話しやすい雰囲気を作るために、雑談のような形で聞かれるのが一般的です。

ただし、受け答えの内容によっては、刑事処分を決定する際の判断材料として用いられる場合もあります。

取り調べの流れ

刑事事件の取り調べは、基本的に以下のような流れで進行します。

  • 黙秘権が告知される
  • 犯罪事実の説明や事情聴取がおこなわれる
  • 供述調書が作成されて内容が読み上げられる
  • 供述調書にサイン・押印する

ここでは、各手続きの流れについて解説します。

1.黙秘権が告知される

取り調べでは、はじめに被疑者に対して黙秘権の告知がおこなわれます。

黙秘権とは、話したくないことは話さなくてもよい権利のことです。

刑事事件の被疑者・被告人には黙秘権が認められており、答えたくない質問を受けた際は回答を拒むことも可能です(日本国憲法第38条1項)。

黙秘権の行使の仕方としては、捜査機関からの全ての質問に答えない「完全黙秘」や、一部の質問にだけは答える「一部黙秘」などがあります。

申請手続きなどは不要で、捜査機関に対して「私は黙秘権を行使します」と伝えるか、ただ黙っているだけでも問題ありません。

2.犯罪事実の説明や事情聴取がおこなわれる

黙秘権が告知されたあとは、疑いのかかっている犯罪事実について説明されます。

一通り説明が終わったら、捜査中の事件や被疑者本人の身上などについて詳しく聞かれます。

もし答えたくない質問を受けた場合は、黙秘権を行使して回答を拒むことも可能です。

3.供述調書が作成されて内容が読み上げられる

取り調べでは、被疑者の供述内容をまとめた供述調書という書面が作成されます。

たとえば「私は〇月〇日〇時頃、△駅で◇の所持するカバンを盗みました」というような、一人称形式の文章で作成されるのが通常です。

一通り聞き取りが終わって供述調書の作成が済んだら、プリントアウトされたものが渡されて内容が読み上げられます。

4.供述調書にサイン・押印する

供述調書の内容に誤りがないかどうか確認したあとは、供述調書へのサイン・押印が求められます。

サイン・押印を済ませると供述調書が完成となり、取り調べは終了です。

供述調書は公的な文書であり、取り調べ後の刑事手続きでは証拠として用いられます

取り調べを受ける場合の5つの注意点

刑事事件の取り調べでの失敗を避けるためには、以下のようなポイントを押さえておくことが大切です。

  • 供述調書に誤りがある場合はサイン・押印しない
  • 正直に覚えている事実だけを話す
  • 警察官や検察官の誘導には乗らない
  • 黙秘権は安易に行使しない
  • 取り調べでの失敗が不安な場合は弁護士に相談する

ここでは、取り調べを受ける場合の注意点について解説します。

1.供述調書に誤りがある場合はサイン・押印しない

取り調べで作成された供述調書の内容に誤りがある場合、サイン・押印するのは止めましょう

供述調書は、検察官による起訴・不起訴の決定や、裁判官による刑事裁判での判決などの場面で判断材料として用いられます。

供述調書にサイン・押印した場合、あとから内容の訂正・撤回を求めても原則として認められません

細かな事柄やニュアンスが異なるだけでも印象が変わり、判決などに影響が出る可能性があるため、少しでも違和感を覚えた場合は訂正を求めてください。

2.正直に覚えている事実だけを話す

取り調べでは、正直に覚えている事実だけを話すことも大切です。

刑事事件では捜査機関による徹底的な捜査がおこなわれ、なかには供述内容に一貫性があるかどうか確認するために、何度も同じ内容を質問してくる場合もあります。

あいまいな記憶で供述すると、これまでの供述と食い違いが生じて「信用性が低い」と判断されたりして不利に働くおそれがあります。

明確な回答が難しい場合は、無理に答えようとせずに「覚えていない」と正直に伝えて、くれぐれも嘘をついたりするのは避けましょう

3.警察官や検察官の誘導には乗らない

取り調べでは、警察官や検察官の誘導に乗らないように注意しましょう。

警察官や検察官は取り調べに慣れており、なかには事前に用意されたストーリーに沿って取り調べの質問が構成されている場合もあります。

取り調べに慣れていない素人では、捜査機関側の誘導に乗せられていることに気付かないまま取り調べが進行し、最終的に不利な供述調書が作成されるおそれがあります。

ひとつひとつの質問に対しては慎重に回答するようにして、供述調書の内容確認を求められた際は細かい部分まで間違いがないかチェックしましょう。

4.黙秘権は安易に行使しない

取り調べでは、黙秘権を安易に行使しないことも大切です。

黙秘権を行使すれば、不用意な供述をせずに済み、不利な供述調書の作成を避けられるというメリットがあります。

ただし、安易に黙秘すると「反省していない」と判断されて長期間の身柄拘束が続いたり、取り調べが厳しくなったりして疲弊するおそれがあります。

素人では黙秘すべき状況かどうか適切に判断できないおそれがあるため、まずは一度弁護士に相談しておくのがおすすめです。

5.取り調べでの失敗が不安な場合は弁護士に相談する

取り調べでの失敗を避けたいなら、早いうちに弁護士に相談しておきましょう。

弁護士なら、取り調べでの受け答えの仕方をアドバイスしてくれたり、不当な取り調べを受けた際は捜査機関に対する抗議などのサポートも依頼できます。

当サイト「ベンナビ刑事事件」では、刑事事件の加害者弁護が得意な全国の弁護士を掲載しています。

夜間休日対応・スピード対応などの法律事務所も多くあり、刑事事件で取り調べを受けることになった際は、ぜひ一度ご利用ください。

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取り調べで弁護士に相談・依頼するメリット

刑事事件で取り調べを受ける際は、弁護士が心強い味方として尽力してくれます。

弁護士に相談すれば、取り調べで想定される質問・回答の仕方・黙秘権を行使すべきかどうかなど、状況に応じた最適なアドバイスが望めます。

なお、弁護士による取り調べの立ち会いは基本的に認められませんが、待合室などの近場で待機してもらうことは可能です。

取り調べで回答に困った際は中断を申し入れて、近くで待機している弁護士に相談しに行けば不適切な供述をせずに済みます。

もし自白強要や長時間拘束などがあった場合は、適切な方法で抗議してもらうこともでき、不当な取り調べの防止も望めます。

取り調べに関するよくある質問5選

ここでは、取り調べに関するよくある質問について解説します。

1.取り調べは拒否できる?無視・拒否したらどうなる?

取り調べを無視・拒否できるかどうかは、取り調べの種類によって異なります

身柄事件の場合は、身柄拘束された状態でおこなわれるため、基本的には応じることになります。

一方、在宅事件の場合は、被疑者は出頭拒否や途中退去などが可能です。

ただし、取り調べの出頭要請を無視・拒否すると「逃亡や証拠隠滅のおそれがある」と判断されて逮捕となる可能性が高まるため、やむを得ない事情がないかぎりは素直に応じましょう。

2.取り調べでは何を聞かれる?

取り調べでは、以下のような「捜査中の事件に関する内容」や「被疑者本人の身上に関する内容」などについて詳しく聞かれます

捜査中の事件に関する内容 被疑者本人の身上に関する内容
・犯行日時
・犯行場所
・犯行に及んだときの状況
・犯行に及んだ動機
・犯行に及ぶまでの経緯・背景
・被害者との関係性
・余罪の有無 など
・学歴
・職歴
・家族構成
・交友関係
・健康状態
・趣味・嗜好
・日常生活の送り方
・これまでの生い立ち など

なお、刑事事件の被疑者・被告人には黙秘権が認められているため、答えたくない質問を受けた際は回答を拒むことも可能です。

3.取り調べでは携帯やスマホで録音してもよい?

取り調べの内容を録音しても、基本的に罪に問われることはありません

ただし、取り調べの前には電子機器の電源を切るように言われたり、録音の許可を求めても拒否されたりするのが通常です。

もし隠れて録音していることが見つかった場合は注意を受けるおそれもあり、基本的に録音は困難と考えておきましょう。

4.取り調べで嘘ついたらどうなる?

取り調べで嘘の供述をしたとしても、基本的に罪に問われることはありません

ただし、捜査機関の追及によって噓が発覚した場合は、供述全体の信用性が低下したりして不利に働くおそれがあります。

くれぐれも嘘やあいまいな回答は避けて、正直に覚えている事実だけを話しましょう。

5.取り調べにかかる時間は?取り調べは何回おこなわれる?

刑事事件の取り調べの時間や回数は、事件内容や刑事手続きの進行状況などによっても大きく変わります

参考までに、2011年の警察庁の公表資料によると、取り調べの平均日数・平均回数・平均時間は以下のとおりです。

項目 一般事件(捜査本部事件以外のもの) 捜査本部事件(殺人や傷害致死などの重大事件)
取調べの平均日数 5.7日 17.6日
取調べの平均回数 10.1回 41.0回
取調べの平均時間 15時間15分 65時間31分
1日あたりの取調べの平均回数 1.8回 2.3回
1日あたりの取調べの平均時間 2時間41分 3時間43分

さいごに|取り調べで弁護士に相談・依頼するなら、ベンナビ刑事事件がおすすめ

刑事事件の取り調べで話した内容は供述調書に記録され、取り調べ後の刑事手続きでは証拠として用いられます。

思わぬ発言が不利に働く場合もあるため、少しでも不安なら弁護士に相談しましょう

当サイト「ベンナビ刑事事件」では、取り調べなどの対応が得意な全国の弁護士を掲載しています。

都道府県・市区町村・駅などの地域検索や、初回相談料無料・電話相談可能・オンライン面談可能などの条件検索にも対応しており、今すぐ頼れる弁護士を探せます。

これから取り調べを受けることになった際は、ぜひ一度ご利用ください。

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この記事の監修者
濵門 俊也 (東京弁護士会)
常に依頼者様のお話に耳を傾け、お気持ちに寄り添うよう心がけています。ただの法律相談ではなく、カウンセリングのような面談をするようにしております。法律に関係のないことでもお気軽にお話ください。
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編集部

本記事はベンナビ刑事事件を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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