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福島県で利用できる公的な相談窓口
当番弁護士は会津でも浜通りでも024-534-2334
福島地裁は1つなので、弁護士会も福島県弁護士会の1会です(弁護士法第32条)。当番弁護士は024-534-2334で受け付け、支部ごとの番号はありません。会の案内では、平日・休日を問わず原則48時間以内に面会に行き、初回の接見手数料は無料です。逮捕された本人も、警察官や検察官、勾留質問の裁判官に「当番弁護士を呼んでください」と伝えれば依頼できます。
※夜間・休日など弁護士会の業務時間外は留守番電話です。18歳未満の少年が逮捕された事件(道路交通法違反だけの事件を除く)は、申し出がなくても当番弁護士が接見します。逮捕される前に取調べを受けた人は、業務時間内に弁護士会へ連絡すれば当番弁護士と有料で相談できます。
出頭前に相談したいときの法律相談センター
福島県弁護士会の法律相談は30分5,500円(税込)の予約制で、相談内容の例に刑事事件が挙がっています。郡山法律相談センター(024-936-4515・予約は平日9時〜15時30分)、福島法律相談センター(024-536-2710・予約は火〜木9時〜15時)のほか、白河・会津若松・いわき・相馬の各支部でも予約を受けています。呼び出しの日が決まっているなら、最寄りの支部か刑事事件を扱う事務所に早めに予約を入れましょう。
自分もけがをしたときの相談先
身を守ったと主張する人は、相手から攻撃を受けた側でもあります。自分のけがや壊された物については、次の福島県内の窓口に相談できます。
| 窓口 | 電話 | 受付 |
|---|---|---|
| 福島県警察 警察安全相談 | #9110/024-525-8055 | 月〜金9時〜17時(祝日・年末年始を除く) |
| (公社)ふくしま被害者支援センター | 024-563-3724 | 月〜金9時〜17時 |
| 福島地方検察庁 被害者ホットライン | 024-534-5135 | 月〜金9時〜17時。メールも可 |
| 福島県 犯罪被害者等の総合対応窓口 | 024-521-8718 | 月〜金8時30分〜17時15分 |
| 女性のための相談支援センター(配偶者からの暴力など) | 024-522-1010 | 9時〜21時(祝日・年末年始を除く) |
※ふくしま被害者支援センターは、福島県公安委員会が指定した犯罪被害者等早期援助団体です。犯罪被害者等への見舞金は県ではなく市町村の制度で、実施していない市町村もあります。
相手を被害届や告訴で訴えるかどうかは、争う方針と合わせて弁護士と決めてください。自分の被害の訴えと、取調べでの正当防衛の説明が食い違う事態を避けられます。
出典:福島県弁護士会「刑事事件」、福島県弁護士会「当番弁護士について」、福島県弁護士会「有料法律相談のご案内」、e-Gov法令検索「弁護士法」第32条、福島県警察「各種相談窓口」、福島県警察「犯罪被害者支援」、福島地方検察庁「管内検察庁の所在地・交通アクセス」、福島県「犯罪被害者等に関する支援について」、福島県「県内の女性相談窓口」
福島県で正当防衛を主張したいときに最初にすること
このページは、福島県内で起きたけんかやもみ合いで相手にけがをさせてしまい、「身を守っただけだ」と考えている本人と家族に向けたものです。正当防衛は罪の名前ではなく、暴行や傷害の疑いに対して「罰せられない」と主張する立場のことです。暴行・傷害そのものの刑罰や示談の進め方は福島県の暴行・傷害のページで扱い、ここでは先に手を出されたのに疑われている人が、福島県警の捜査と福島地方検察庁の判断にどう向き合うかに絞って説明します。郡山でもいわきでも会津でも、最初の説明は調書に残るので、いきさつを詳しく語る前に弁護士の助言を受けてください。
いまの状況別・最初にすること
- 繁華街や自宅でもみ合いになり、駆けつけた警察官に事情を聞かれている
- その場を離れずに、氏名と連絡先だけは警察官に伝えてください。犯行の直後に呼び止められて逃げようとした人は、現行犯人とみなされます(刑事訴訟法第212条第2項第4号)。自分のけがはその日のうちに受診して診断書を取り、どちらが先に何をしたかの細かな説明は、弁護士と順序を整えてから話しましょう。
- 家族が福島県内の警察署に留置された
- 福島県弁護士会(024-534-2334)へ当番弁護士の派遣を頼んでください。番号は県内22署のどこでも同じです。夜間や休日は留守番電話になるので、「当番弁護士の派遣要請」であること、本人の氏名・生年月日・罪名・留置されている警察署名、電話した人の氏名と連絡先を吹き込みます。「本人は相手から先に攻撃されたと言っている」と添えると、弁護士が接見の準備を整えやすくなります。
- 逮捕はされず、後日の出頭を求められている
- 令和7年に福島県警が刑法犯で検挙した2,139人のうち、1,551人は逮捕されずに捜査を受けています。在宅でも、福島地検の検察官が起訴するかを決める流れは同じです。出頭日より前に弁護士へ相談し、正当防衛の説明を固めてから署へ向かってください。
- 宮城県や首都圏に住んでいて、福島県内で逮捕された家族を支えたい
- 家族が県外に住んでいても、当番弁護士の申し込み先は福島県弁護士会の024-534-2334です。控訴審は仙台市の仙台高等裁判所ですが、起訴されるかどうかと第一審は福島県内の検察庁と裁判所で決まります。郡山・いわき・会津若松など留置先に通える事務所を選び、移動の日当と交通費を依頼前に見積もってもらいましょう。
出典:福島県弁護士会「刑事事件」、日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」、警察庁「犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)」第10表、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第212条
福島県で正当防衛を主張する事件の流れと手続きの場所
逮捕されると、警察は48時間以内に事件を検察官へ送り、検察官は24時間以内に勾留を請求するかを決めます。勾留は原則10日、延長されると通算20日までです(刑事訴訟法第203条・第205条・第208条)。区切りごとの動きは逮捕後の流れを解説した記事にまとめています。
この短い期間に、言い分は警察官・検察官・勾留を決める裁判官の3人に聞かれます(第203条・第205条・第61条)。3回の説明のずれは、正当防衛の主張を疑わせる材料になりえます。福島署でも郡山北署でもいわき東署でも、最初の接見で弁護士と説明の骨組みを決めてください。
中通り・浜通り・会津で分かれる裁判所の受け持ち
福島県警の警察署は22署で、方面本部はありません。起訴を決める福島地方検察庁は、福島市の本庁と郡山・白河・会津若松・いわきの各支部で事件を扱い、相馬支部は福島市狐塚の本庁と同じ所に置かれています。福島地方裁判所は福島市の本庁と相馬・郡山・白河・会津若松・いわきの5支部です。
| 地方・事件のあった市町村 | 主な警察署 | 地裁(単独事件) | 合議事件 | 裁判員裁判 |
|---|---|---|---|---|
| 中通り北部:福島市・二本松市・伊達市・桑折町・国見町・川俣町・飯舘村 | 福島・福島北・伊達・二本松 | 本庁(福島市) | 本庁 | 本庁 |
| 中通り中部:郡山市・須賀川市・田村市・本宮市・鏡石町・天栄村・三春町・小野町・大玉村 | 郡山・郡山北・須賀川・田村 | 郡山支部 | 郡山支部 | 郡山支部 |
| 中通り南部:白河市・西白河郡・東白川郡・石川郡 | 白河・棚倉・石川 | 白河支部 | 郡山支部 | 郡山支部 |
| 浜通り北部:相馬市・南相馬市・新地町 | 相馬・南相馬 | 相馬支部 | 本庁 | 本庁 |
| 浜通り南部:いわき市・双葉郡8町村 | いわき中央・いわき東・いわき南・双葉 | いわき支部 | いわき支部 | 郡山支部 |
| 会津:会津若松市・喜多方市・耶麻郡・河沼郡・大沼郡・南会津郡 | 会津若松・喜多方・猪苗代・会津坂下・南会津 | 会津若松支部 | 会津若松支部 | 郡山支部 |
※裁判所「福島県内の管轄区域表」(市町村名は平成20年7月1日現在の行政区画による表示)と、福島県警察の組織に関する条例の別表によります。飯舘村は警察では南相馬署の管轄ですが、裁判所は本庁の区域です。双葉郡を受け持つ福島富岡簡易裁判所は事務移転中で、刑事事件の事務はいわき簡易裁判所が扱っています。控訴審はどの地方の事件も仙台市青葉区片平の仙台高等裁判所(本庁)です。
相手が亡くなり傷害致死や殺人で起訴されると裁判員裁判となり、福島県内で開かれるのは福島地裁本庁と郡山支部の2か所だけです。いわき・会津若松・白河の区域で起きた事件は郡山支部へ、相馬・南相馬の事件は福島市の本庁へ移ります。家族が裁判に通う先も変わるので、弁護士には留置先の署の名前と、もみ合いのあった場所を町名まで伝えてください。
出典:裁判所「福島県内の管轄区域表」、福島地方裁判所「裁判員制度」、福島地方・家庭裁判所「紹介」、裁判所「福島富岡簡易裁判所の事務移転」、仙台高等裁判所「所在地一覧」、福島地方検察庁「管内検察庁の所在地・交通アクセス」、福島県警察 例規集「福島県警察の組織に関する条例」、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第61条・第203条・第205条・第208条
正当防衛が認められる3つの条件と、福島県警が捜査する罪
福島県内のもみ合いも、正当防衛かどうかは刑法第36条第1項で判断されます。条文は「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない」で、検察官や裁判所は次の3点に分けて検討します。
| 条件 | 意味 | 崩れやすい例 |
|---|---|---|
| 急迫不正の侵害 | 違法な攻撃が現に加えられているか、すぐ目の前に迫っている | 殴るのをやめて帰りかけた相手を追いかけて殴った |
| 防衛の意思 | 自分や他人の身体・財産を守るために動いた | 守るためではなく、仕返しの気持ちだけで手を出した |
| やむを得ずにした行為 | 反撃が身を守るのに必要な範囲にとどまっている | 素手の相手に物を振り回した、倒れた相手を踏みつけた |
3つがそろえば犯罪は成立せず、不起訴や無罪となって前科もつきません。必要な範囲を超えた反撃は過剰防衛で、罪は成立し、情状によって刑が軽くなるか免除されるにとどまります(同条第2項)。攻撃してきた人以外の人や物を傷つけた場面は、第37条の緊急避難として検討されます。
疑われる罪ごとの刑の重さと時効
刑の重さと時効は、福島県警がどの罪名で調べているかで決まります。告げられた罪名は書き留めて、接見に来た弁護士に見せてください。
| 疑われる罪 | 法定刑 | 公訴時効 | 福島県内で審理する庁 |
|---|---|---|---|
| 福島県迷惑行為等防止条例の粗野又は乱暴な行為(第2条) | 3月以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金 | 3年 | 本庁・各支部・簡裁 |
| 暴行(刑法第208条) | 2年以下の拘禁刑、30万円以下の罰金、拘留又は科料 | 3年 | 本庁・各支部・簡裁 |
| 傷害(刑法第204条) | 15年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 | 10年 | 本庁・各支部 |
| 傷害致死(刑法第205条) | 3年以上の有期拘禁刑 | 20年 | 本庁か郡山支部(裁判員裁判) |
| 殺人(刑法第199条) | 死刑、無期又は5年以上の拘禁刑 | なし | 本庁か郡山支部(裁判員裁判) |
※条例の罰則は第11条第1項で、令和6年12月24日福島県条例第82号により令和7年6月1日から拘禁刑の表記です。公訴時効は刑事訴訟法第250条によります。複数人で、または凶器を示して暴行した場合は、暴力行為等処罰法第1条(3年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金)で調べられることもあります。
仲間どうしのけんかで誰の暴行がけがを生んだか分からないときは、共同していなくても共犯の例によります(刑法第207条)。居合わせた人ごとに何をしたかを書き分けて、県内の留置先へ来た弁護士に渡しましょう。
制度の参考:福島県警察 例規集「福島県迷惑行為等防止条例」、福島県報 令和6年12月24日 号外第77号、e-Gov法令検索「刑法」第36条・第37条・第199条・第204条・第205条・第207条・第208条、e-Gov法令検索「暴力行為等処罰ニ関スル法律」第1条、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第250条
正当防衛を最後まで争うか、示談で区切るか
主張が通った場合の目標は、嫌疑不十分や「罪とならず」を理由とする不起訴です。福島県内の事件では、福島地検の本庁か郡山・白河・会津若松・いわきの支部の検察官がこれを判断します。法務省の検察統計(令和6年・全国)では、暴行の不起訴12,099人のうち嫌疑不十分は1,585人、起訴猶予が10,427人でした。起訴猶予は罪の成立を前提に起訴を見送る処分で、示談を尽くすほど近づく一方、手を出したことを認めた供述が記録に残ります。
争うか示談で区切るかは、映像や診断書を見た弁護士と一緒に、勾留中なら最初の数日で、在宅なら初めての出頭より前に決めてください。示談の手順は被害者との示談交渉に関する記事で詳しく解説しています。
福島県内の取調べで気をつけたい言葉
「やりすぎた」「頭に血がのぼった」といった言葉は、防衛の程度を超えたことや仕返しの気持ちを自分で認めた供述として書き取られることがあります。取調べの前には、言いたくないことは言わなくてよいと告げられます(刑事訴訟法第198条第2項)。調書は読み聞かせのあとに訂正を申し立てられ、署名押印を断ることもできます(同条第4項・第5項)。
取調べの録音・録画が義務になるのは裁判員裁判の対象事件などに限られ(第301条の2)、暴行や傷害として郡山署やいわき中央署で調べられている事件は対象外です。記録が残らない取調べでは、聞かれたことと答えたことをその日のうちに書き留め、接見のたびに弁護士へ見せてください。
出典:法務省「検察統計調査」令和6年年報、制度の参考:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第198条・第301条の2
正当防衛の事件の保釈・公訴時効・在留資格
保釈は起訴されたあとに請求する
保釈を請求できるのは起訴された被告人だけです(刑事訴訟法第88条第1項・第207条第1項ただし書)。暴行・傷害の起訴は権利保釈の除外事由の第89条第1号に当たりませんが、傷害致死や殺人は第1号に当たり、第90条の裁量保釈で判断されます。争う事件で問題になりやすいのは、証拠を隠すおそれ(第4号)と、被害者や目撃者に害を加えたり脅したりするおそれ(第5号)です。居合わせた人への連絡は本人や家族が控え、弁護人に任せてください。
司法統計年報によると、令和7年に第一審を終えた人のうち勾留されていたのは福島地裁管内(管内の簡裁を含む)で502人、そのうち保釈されたのは136人(27.1%・算出)で、全国の31.7%(35,125人中11,132人・算出)を下回ります。起訴後に移される先になりうるのは、郡山・会津若松・いわき・白河の4つの拘置支所で、面会の受付はいずれも8時30分〜11時30分と13時〜16時です。相馬市・南相馬市には刑事施設がありません。起訴の知らせを受けたら、その日のうちに保釈請求の準備を弁護人に頼んでください。
時効と、相手からの損害賠償の期限
公訴時効は行為が終わった時から進み(第253条第1項)、起訴で止まり(第254条第1項)、国外にいる間も止まります(第255条第1項)。相手が損害賠償を求められる期間は、身体を害された場合、損害と加害者を知った時から5年、行為の時から20年です(民法第724条・第724条の2)。福島地検で不起訴になっても民事の請求は残るので、自分のけがの診断書と写真は手元に保管しましょう。
外国籍の人の在留資格
福島県の在留外国人は21,598人(令和7年末)で、在留資格は技能実習5,690人が最も多く、国籍はベトナムが5,213人で最多です。暴行・傷害(刑法第2編第27章)と殺人(第26章)は入管法第24条第4号の2に挙がっており、技能実習や特定技能など別表第一の資格の人は、拘禁刑に全部の執行猶予が付いても退去強制の対象になります。永住者など別表第二の人は、第24条第4号リにより1年を超える拘禁刑の実刑かどうかで判断されます。
どちらも刑に処せられたことが前提なので、正当防衛が認められて不起訴になれば退去強制の理由にはなりません。勾留で3か月以上働けない状態が続くと、在留資格の取消し(第22条の4第6号)が問題になることもあります。在留カードの資格と期限を最初の接見で弁護士に伝えてください。福島県国際交流協会の外国人住民のための相談窓口(024-524-1316・火〜土9時〜17時15分)は13言語に対応し、三者通話での通訳もしています。
出典:裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」第32表、法務省「刑事施設の所在地一覧」、法務省「面会受付時間一覧」、出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数」第4〜6表、福島県「外国人住民のための相談窓口」、制度の参考:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第88条〜第90条・第207条・第253条〜第255条、e-Gov法令検索「民法」第724条・第724条の2、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」第22条の4・第24条
正当防衛を争うとき弁護士に依頼できることと選び方・費用
正当防衛は、本人の話だけでは通りにくい主張です。相手が先に攻撃してきたことと、反撃が身を守る範囲だったことを、客観的な材料で固めていきます。福島県内の事件で弁護士に任せる柱は次の2つです。
駅前や飲食店、コンビニの防犯カメラの映像は上書きされる前に保存を申し入れ、捜査機関にも確保を求めます。診断書、居合わせた人の連絡先、当日のメッセージや通話の記録も一緒に整理します。
接見で説明の順番と言葉をそろえ、勾留を請求しないよう検察官に意見を伝えます。勾留が決まれば準抗告、起訴後は保釈を求めます。不起訴の考え方は不起訴・刑罰・刑事処分に関する記事で解説しています。
郡山・いわき・会津の留置先へ通えるかで選ぶ
福島県の面積は13,784.41km²で全国3位の広さで、福島県弁護士会の会員は192人(2026年9月1日現在)で、会は福島・郡山・白河・会津若松・いわき・相馬に支部を置いています。南会津署や双葉署など県の端にある署に身柄があると、郡山や福島市からの接見は長い移動になります。示談を急ぐ方針の事務所だと、争える余地があっても謝罪と弁償の話が先に進みます。次の4点を電話で聞き、条件の合う事務所に早く決めてください。
依頼前の電話で聞く4点
- 留置されている福島県内の警察署へ、今日か明日のうちに接見できるか
- 正当防衛や否認の事件を弁護した経験があるか
- 相手が亡くなった事件なら、郡山支部か本庁の裁判員裁判を担当した経験があるか
- 会津や浜通りの署へ通う日当・交通費と、分割払いに応じるか
当番弁護士の面会は1回目が無料で、そのまま頼むと私選の扱いになります。勾留が請求されたあとは、資力の基準を満たせば国選弁護人を請求できます。映像が消える前に動く必要がある正当防衛の事件では、逮捕や呼び出しの直後から動ける私選弁護人に頼みましょう。資力が乏しい人向けの被疑者弁護援助制度もあるので、面会に来た弁護士に相談できます。
費用の目安と、郡山・いわきに無い法テラスの事務所
正当防衛を主張して争う場合、総額は60万円から120万円程度がひとつの目安です。起訴されて本庁や支部で公判を争えば出廷の日当が加わり、会津若松支部やいわき支部の事件を福島市の事務所に頼むと移動の費用も積み上がります。着手金と合わせて、遠方の接見1回あたりの費用を見積もりに入れてもらってください。内訳は刑事事件の弁護士選び・費用に関する記事で解説しています。
※弁護士費用の公的な集計はないため、金額は一般的な目安です。
法テラスの県内の事務所は、福島市の法テラス福島(0570-078370)と双葉郡広野町の法テラスふたば(0570-078376)で、どちらも平日9時〜17時です。郡山市・いわき市には法テラスの事務所がなく、無料法律相談の案内にも刑事事件は入っていません。費用の工面が難しいときは、接見に来た当番弁護士にその場で打ち明けてください。
出典:総務省統計局「令和7年国勢調査 人口等基本集計 結果の概要」、日本弁護士連合会「弁護士会別会員数」、福島県弁護士会「県内各支部のご紹介」、福島県弁護士会「刑事事件」、法テラス「法テラス福島」、法テラス福島「アクセス」
福島県の暴行・傷害事件の検挙状況
犯罪統計には正当防衛という区分がなく、争われる事件は暴行や傷害の件数に含まれます。福島県の暴行・傷害の罪種別の件数は、2026年9月の時点で令和6年(2024年)が最新です。
| 福島県 | 令和5年 | 令和6年 |
|---|---|---|
| 暴行 認知件数 | 274件 | 229件 |
| 暴行 検挙人員 | 230人 | 206人 |
| 傷害 認知件数 | 231件 | 172件 |
| 傷害 検挙人員 | 224人 | 153人 |
※警察庁「令和5年の犯罪」「令和6年の犯罪」第3表の福島県の値です。令和7年の暴行・傷害の福島県分は公表されていません。令和6年の検挙率(検挙件数÷認知件数・算出)は暴行97.4%、傷害88.4%です。
暴行・傷害・脅迫・恐喝をまとめた粗暴犯は、福島県警の集計で令和5年555件、令和6年445件のあと、令和7年は551件(23.8%増・算出)でした。刑法犯全体が8,674件(1.9%減)と減るなかでの増加で、令和8年1〜8月(暫定値)も445件と前年同期より25.7%多くなっています。令和7年の福島県分は罪種別の件数が公表されていないため、増えたのが暴行か傷害かまでは読み取れません。
逮捕されずに捜査を受ける人が多い
罪種別の逮捕の内訳は福島県分が公表されていませんが、刑法犯全体では、令和7年に検挙された2,139人のうち逮捕は588人(27.5%・算出)で、全国の32.2%(算出)より低い水準です。逮捕588人のうち現行犯は181人でした。在宅のまま呼び出しを受けた段階で弁護士に依頼してください。店や駅の映像が上書きされる前に、保存を申し入れる時間を確保できます。
郡山・いわき・福島の3市に事件が集まる
福島県警の市町村別の数字を合計すると、令和7年の刑法犯は郡山市が22.0%、いわき市が19.5%、福島市が14.5%を占め、地方別では中通り61.2%、浜通り26.6%、会津11.0%です(いずれも算出)。会津や双葉郡の警察署に身柄がある場合は、その署まで接見に通えるかを依頼の最初に聞きましょう。
正当防衛が認められた件数や割合を集計した公的な統計は、福島県警・警察庁・法務省の資料に見当たりません。福島県の事件でも、決め手になるのは、どちらが先に手を出したか、反撃がどこまでだったか、それを裏づける客観的な証拠が残っているかです。
出典:警察庁「令和6年の犯罪」、警察庁「令和5年の犯罪」、福島県警察「令和7年 確定値」、福島県警察「令和8年8月末(暫定値)」、警察庁「犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)」
福島県の正当防衛に関するよくある質問
Q1. 先に殴られたので殴り返しました。正当防衛になりますか?
相手の攻撃が続いている間に、身を守るのに必要な範囲で反撃したのであれば、刑法第36条第1項の正当防衛にあたる可能性があります。相手が倒れたあとや、立ち去りかけたあとの一撃は、急迫不正の侵害がない場面と評価されやすくなります。時系列を紙に書き出し、福島県内の留置先へ接見に来た弁護士に渡してください。
Q2. 本宮市でのけんかで郡山北署に留置されています。裁判はどこで開かれますか?
本宮市と大玉村は郡山北署の管轄で、裁判所も郡山支部の区域です。一方、飯舘村は警察が南相馬署でも裁判所は福島市の本庁の区域になるなど、警察と裁判所の区分が食い違う地域もあります。もみ合いのあった市町村名を弁護士に伝えてください。手続きが進む庁の見通しを早く立てられます。
Q3. いわき市で起きた事件で相手が亡くなりました。裁判員裁判はいわき支部で開かれますか?
開かれません。福島県で裁判員裁判を扱うのは福島地裁本庁と郡山支部だけで、いわき・会津若松・白河の区域の事件は郡山支部、相馬支部の区域の事件は本庁で審理されます。逮捕・勾留中の取調べは録音・録画が義務になります(刑事訴訟法第301条の2)。裁判員裁判の弁護経験を確かめたうえで、起訴される前から弁護士に依頼しましょう。
Q4. 南会津署に留置されました。郡山や福島市の弁護士に頼めますか?
頼めます。南会津郡の事件は会津若松支部の区域で、会津若松市の事務所のほか、郡山や福島市の事務所にも依頼できます。ただ、県内は面積が全国3位と広く、遠方の事務所ほど接見1回ごとの日当と交通費がかさみます。会津の署へどのくらいの頻度で通えるかを、契約前に弁護士と取り決めてください。
Q5. 有罪になり控訴したら、裁判はどこで続きますか?
福島県内に高等裁判所はなく、どの地方の事件も仙台市の仙台高等裁判所(本庁)が控訴審を扱います。控訴の申立ては判決の言渡しから14日以内です(刑事訴訟法第373条)。正当防衛を最後まで争うなら、控訴審まで担当できるかを依頼の段階で弁護士と話し合いましょう。
Q6. 高校生の子どもがけんかで逮捕されました。正当防衛だと話しています。
18歳未満の少年が逮捕された事件は、申し出がなくても福島県弁護士会の当番弁護士が接見に行きます。少年の事件は家庭裁判所が扱い、福島家裁の本庁と相馬・郡山・白河・会津若松・いわきの5支部のすべてが少年保護事件を受け持ちます。観護措置がとられると、福島市南沢又の福島少年鑑別所に収容されます。少年も黙秘や署名の拒否ができるので、取調べが続く前に少年事件を扱う弁護士へ相談してください。県警のヤングテレホン(024-525-8060・平日9時〜17時)でも相談を受けています。
Q7. 罰金で終わることはありますか?
暴行には罰金刑があり、略式手続で罰金を納めて終わる場合があります。略式命令は簡易裁判所が出し、双葉郡の事件はいわき簡易裁判所が刑事の事務を扱っています。本人が書面で同意しない限り、略式手続には進みません(刑事訴訟法第461条の2)。罰金も前科として残るため、正当防衛で争うつもりなら、同意の書面に署名する前に弁護士へ相談してください。告知から14日以内なら正式裁判を請求できます(第465条第1項)。
Q8. 福島県職員や教員が暴行・傷害で検挙されたら、職はどうなりますか?
地方公務員法は、拘禁刑以上の刑に処せられた職員は、条例に特別の定めがない限り職を失うと定めています(第16条第1号・第28条第4項)。拘禁刑なら執行猶予付きでも対象で、罰金にとどまれば対象外です。起訴された段階で休職となる場合があり(第28条第2項第2号)、懲戒処分(第29条)は刑事手続の結論とは別に判断されます。県庁や市町村、公立学校に勤める人は、起訴が決まる前に弁護士へ依頼し、正当防衛を理由とする不起訴を目指してください。
Q9. 自分もけがをしています。相手を訴えられますか?
福島県警へ被害届を出すことも、告訴することもできます。警察安全相談(#9110)は平日の日中だけなので、夜間や休日は最寄りの警察署に連絡します。ただ、被害の訴えと正当防衛の説明が食い違うと、どちらも弱く受け取られます。警察へ相談する前に、弁護士と方針をそろえてください。
出典:裁判所「福島県内の管轄区域表」、福島地方裁判所「裁判員制度」、裁判所「福島富岡簡易裁判所の事務移転」、仙台高等裁判所「所在地一覧」、法務省「少年鑑別所の所在地一覧」、福島県弁護士会「刑事事件」、福島県警察「各種相談窓口」、制度の参考:e-Gov法令検索「刑法」第36条、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第301条の2・第373条・第461条の2・第465条、e-Gov法令検索「地方公務員法」第16条・第28条・第29条
福島県の事件は福島地裁の本庁と5支部に分かれて審理され、相手が亡くなった事件の裁判員裁判は福島市の本庁と郡山支部だけで開かれます。中通り・浜通り・会津のどこへ接見に通えるか、否認事件の経験、夜間・休日の対応は事務所ごとに異なります。家族が福島県内の署にすでに留置されているなら、今日中に接見へ行ける事務所へ電話してください。出頭の日を待っている段階なら、初回相談を無料にしている事務所から比べていきましょう。
参考資料・更新情報
- 警察庁「犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)」
- 警察庁「令和6年の犯罪」
- 警察庁「令和5年の犯罪」
- 福島県警察「令和7年 確定値」
- 福島県警察「令和8年8月末(暫定値)」
- 福島県警察 例規集「福島県警察の組織に関する条例」
- 福島県警察 例規集「福島県迷惑行為等防止条例」
- 福島県警察「各種相談窓口」
- 福島県警察「犯罪被害者支援」
- 福島県報 令和6年12月24日 号外第77号
- 福島県「犯罪被害者等に関する支援について」
- 福島県「県内の女性相談窓口」
- 福島県「外国人住民のための相談窓口」
- 総務省統計局「令和7年国勢調査 人口等基本集計 結果の概要」
- 裁判所「福島県内の管轄区域表」
- 福島地方・家庭裁判所「紹介」
- 福島地方裁判所「裁判員制度」
- 裁判所「福島富岡簡易裁判所の事務移転」
- 仙台高等裁判所「所在地一覧」
- 裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」
- 福島地方検察庁「管内検察庁の所在地・交通アクセス」(2026年5月11日更新)
- 法務省「検察統計調査」令和6年年報
- 法務省「刑事施設の所在地一覧」(令和7年4月1日現在)
- 法務省「面会受付時間一覧」(令和8年3月1日現在)
- 法務省「少年鑑別所の所在地一覧」(令和7年4月1日現在)
- 出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数」第4〜6表
- 福島県弁護士会「刑事事件」
- 福島県弁護士会「当番弁護士について」
- 福島県弁護士会「有料法律相談のご案内」
- 福島県弁護士会「県内各支部のご紹介」
- 日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」(2026年6月24日現在)
- 日本弁護士連合会「弁護士会別会員数」(2026年9月1日現在)
- 法テラス「法テラス福島」
- 法テラス福島「アクセス」
- e-Gov法令検索「刑法」
- e-Gov法令検索「暴力行為等処罰ニ関スル法律」
- e-Gov法令検索「刑事訴訟法」
- e-Gov法令検索「民法」
- e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」
- e-Gov法令検索「地方公務員法」
- e-Gov法令検索「弁護士法」
※本コンテンツは2026年9月30日時点で確認できた公表情報をもとに作成しています。福島県の暴行・傷害の件数は警察庁「令和5年の犯罪」「令和6年の犯罪」の値(令和7年の福島県分は未公表)、粗暴犯と刑法犯の件数・市町村別の内訳は福島県警察の確定値(令和7年)と暫定値(令和8年1〜8月)、刑法犯の身柄措置は警察庁「犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)」の値です。処分の統計は法務省「検察統計調査」令和6年年報の全国値、保釈の人員は裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」第32表、在留外国人数は令和7年末、弁護士会の会員数は2026年9月1日現在、面積は令和7年国勢調査の値です。正当防衛が認められた件数を集計した公的な統計は存在しません。刑名は令和7年6月1日施行の拘禁刑に合わせて記載しています。制度や窓口の情報は変更される場合があるため、利用前に各機関および法律事務所の公式情報をご確認ください。本コンテンツは一般的な情報提供を目的とするもので、個別の事件についての法的助言ではありません。