刑事事件の対処法

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刑事事件の対処法

刑事事件を犯してしまった、巻き込まれた・・・そんなときの対処法

刑事事件を犯してしまった、または巻き込まれてしまった・・・ 刑事事件は被害者も運が悪ければ冤罪として被害者と同じように罰せられ、更に、加害者側になってしまっても、その後の対処をしっかりとしなければ、最悪、刑務所に入ることになってしまいます。 そうならないためにも、慌てずに少しでも対処法を知っておくことで、いざというときに冷静に対処することができます。

対処法1 示談

刑事事件の中でも親告罪(被害者からの告訴がないと公訴を提起出来ない犯罪)の場合、被害者側が告訴しなければ、起訴されることもないので、示談(和解)をすることがますます重要となってきます。

単独犯による不同意わいせつ罪や強姦罪痴漢などの場合は、被害者のプライバシーを尊重しているため、親告罪とされているため、示談が成立されていれば、起訴されることはあまり考えられませんので被害者と示談して不起訴処分を目指すことをお勧めします。

この段階で押さえておきたいポイントは「起訴させない」ということです。 刑事事件の場合、起訴されてしまうと、ほぼ100%「有罪」になってしまうため、前科をつけないためにも、誠心誠意を示し、お金で解決することが最も有効な手段と言えます。

親告罪に当たらないその他の刑事事件でも、示談を行うことで、加害者側に有利に勘酌される可能性が高くなるので、示談は必ず行ったほうがよいでしょう。

対処法2「略式手続」

この方法は、有罪となり、前科はついてしまうが、罰金を払うことで、短期間で問題を解決し、職場に影響を与えない方法です。 「略式手続」と示談との違いは、有罪となり「前科」がついてしまうことです。

仮に、真実が証明され、不起訴や起訴された場合に逆転無罪を勝ち取ったとしても、裁判で無実を証明するをために費やす時間や生活、エネルギーは計り知れないでしょう。 長期間拘束されるリスクもでてくる可能性も高く、その間に、職場にこの事実が発覚し、最悪の場合、職を失ってしまうなどの自分の身に大きな迷惑を被ってしまう可能性も出てくるでしょう。

日本の痴漢犯罪の現状を見てみると、迷惑防止条例違反痴漢冤罪における無罪の割合は、東京都の場合でおよそ、毎年およそ2000件に3件ほどの割合で、よほど被害者の方の意見が食い違っているなど、証拠がない限り、判例裁判なので、際どい事例であれば、有罪になってしまう可能性が限りなく高くなります。

仮に、自分の有罪を認め、前科が付いてしまうと、日常生活において、一体どのような支障が生じてくるのでしょうか? 前科が付くことで、次のような影響が出てしまうことも考えられます。

  • ・職業上の不利

    代表例でいうと、国家公務員、地方公務員学校、検察官、弁護士、医師関連や看護師などは執行猶予であれば満了まで、実刑であれば1年から10年は職に就くことが制限されてしまいます。(ただし、職業によって認められる場合もある) しかし、前科がついてしまっても、その後は真面目に生活し、何も問題も起こさなかった場合は罰金以下の刑(罰金・拘留・前科)の場合は5年、禁錮系以上(死刑・懲役・禁錮)の場合は10年、罰金以上の犯罪を犯さなかった場合は前科が無くなり、資格制限も無くなるので、必ずなれなくなるというわけではありません。

    第34条の2(刑の消滅)
    禁錮以上の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで十年を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。罰金以下の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで五年を経過したときも、同様とする。

    民間企業については基本的に前科を把握する術はありませんし、前科の有無はプライバシー情報として会社側に申告する義務はないとも考えられるので、民間の企業が照会することは不可能です。 ただ、就職の際、履歴書の処罰欄に、前科があるにもかかわらず「前科なし」と書くことは虚偽記載に該当します。

  • ・海外渡航への影響

    日本から出国する場合、一定の犯罪歴があることにより、パスポートの発給が制限されることがあります

    (旅券法13条)

    • (1)死刑、無期もしくは長期2年以上の刑にあたる罪で訴追されている者、又はこれらの罪を犯した疑いを受け、逮捕状、勾留状、勾引状などが発行されている場合
    • (2)禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又は執行を受けることがなくなるまでの者(つまり、執行猶予中を含む)

      もっとも、迷惑防止条例違反の痴漢の場合、6ヶ月以下の懲役と2年以上の懲役になる可能性が無いことや、執行猶予(有罪であっても、すぐには刑罰を受けさせず、一定の期間何も悪いことをしなかったら、刑務所に行かずにそのまま生活をすることができること)がついたとしてもそこまで長い期間では無く、更に執行猶予期間が終わっている以上、パスポート発給の制限を受けることはありません。 もっとも、海外旅行先によっては、前科があることで渡航制限を受ける場合があります。 例えば、アメリカやオーストラリアのように逮捕歴や有罪判決の歴があるだけでビザ申請が必要とされている国もあります。

    前科があることで、これらの支障が生じてしまいますが、日常生活を送るうえで、そこまで弊害になってしまうことは無いでしょう。

    更に、最近は、プライバシー保護の問題から、被害者側の連絡先を教えてくれなかったり、接触が取れないパターンが多く、示談をすることができない場合が多いので、このような場合は「略式手続」を取ることをお勧めします。

対処法3 弁護士に弁護を依頼する

先ほど説明した略式手続はあくまでも最終手段であり、刑事事件を起こしてしまったら、弁護士に依頼することが一番でしょう。

警察の捜査官や検事は逮捕・拘留された被疑者を有罪にしようと、ありとあらゆる法知識と取り調べテクニックを駆使して自白を迫ったり、供述の揚げ足を取ろうとしてきます。

そして、そんな警察の捜査官や検察に対抗できるだけの法知識を持つ弁護士は、法知識の乏しい被疑者の唯一の味方であり、刑事事件の中で、その犯罪を行ってないことを主張したり、仮にその犯罪を行ったとしても、刑の軽減のために様々なを弁護してくれます。

更に、被害者側が被疑者を恐れて、連絡先を教えてくれず、示談すら難しい場合でも、弁護士であれば、連絡先を教えてくれる事例も多く、被害者側と直接示談交渉することで、不起訴を目指すこともできます。

被疑者は、「当番弁護士」、「私選弁護士」、「国選弁護士」のいずれかを選び呼ぶことができます。

  • ・当番弁護士・・・日本弁護士連合会と弁護士会が派遣している初回に限って無料で呼べる弁護士

    ★特徴
    当番弁護士は、呼べばほぼ24時間以内に留置所まで接見に来てくれることになっており、 引き続き、私選弁護士として契約を結んで依頼することもできる

  • ・私選弁護士・・・被疑者自身が自費で雇う弁護士

    ★特徴
    被疑者・被害者がいつでも好きな時に呼べ、自由に選ぶことができるので、依頼する前に十分に話を聞くことができ、信頼できる弁護士の選任が可能。 ただし、1回呼ぶごとに出張費や相談料といった費用が掛かる

  • ・国選弁護士・・・被疑者・被告人が貧困などの理由で私選弁護士を雇うことができない場合、被疑者・被告人の権利を守るために、国が弁護士費用を立て替えることで呼べる弁護士

    ★特徴
    逮捕容疑が比較的重い犯罪(死刑か無期懲役、あるいは最高懲役が3年以上)で逮捕・拘留されている被疑者に限り、政府の費用持ちで呼べる(ただし、裁判で有罪が下った場合、訴訟費用を請求されるケースもある)しかし、弁護士は政府がランダムに弁護士を呼ぶので、弁護士に当たり外れがある。

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