傷害罪で取調べを受けていたが、示談成立で不起訴処分となった事例
罪名 | 解決結果 |
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傷害罪 | 不起訴 |
依頼者は、福岡で30年以上、個人タクシードライバー業を営んでいました。
依頼者はある日、天神の交差点で右折しようと停車していました。
右折レーンにいるにもかかわらず、泥酔した男性グループが、道路を横切り、タクシーに乗せるよう要求してきました。
依頼者は、「ここは危ないから乗せられません」と窓を開けて伝えました。
すると一人の男性が、憤激し大声を上げ、再度乗せるよう要求してきました。
依頼者は身の危険を感じ、信号が青に変わったこともあり、右折を開始しました。
上記男性が、窓に手をかけていたことから、腕を怪我してしまい、警察沙汰となりました。
依頼者は法律事務所を複数訪ね、当事務所にも相談にいらっしゃいました。
依頼者の言い分としては、①信号が変わったのにその場に留まった場合、後続の車に迷惑をかけてしまうと思った、②泥酔している様子から自身の身に危険を感じていた、③泥酔者が車の窓に手をかけていることに気がついていなかったといったものでした。
依頼者は、タクシードライバーを辞めなければならないリスクは避けたいとのことでしたので、犯罪の成否を真っ向から争うよりも、怪我をさせたことに対する民事上の解決をして刑事処罰を避けるという方向で進めることが穏当であるという結論に至りました。相手方は、自分の危険な行為は棚に上げて高額の示談金を要求してきたため、相手方の危険な行為に起因する事故で、相手方の非が大きいこと、高額な金額を要求するのであれば交渉は打ち切り一銭も支払わないということ、刑事裁判になっても、無罪判決になる可能性もある事案であることを説明した結果、最終的には妥当な示談金で示談が成立し、被害届の取り下げも行ってもらいました。