オレオレ詐欺のかけ子でしたが執行猶予が付いた事案
罪名 | 解決結果 |
---|---|
詐欺罪 | 裁判所に更生可能性を示し、執行猶予判決を獲得 |
生活に困ったときに自分が信頼していた人から仕事を紹介され、行ってみると詐欺グループでした。
グループから抜けようとした人は監禁されひどい目に合わされたと聞き逃げることもできず、上から言われるがままに電話をしていました。
何とかグループから逃げ出し、住み込みの美容院で拾われて美容師として勤務していました。
相談者が勤務している美容院の人たちの協力を得て、執行猶予の判決を獲得しました。
まず、被害者とされている方と、示談をしました。相談者に十分な資力はありませんでしたが、美容院の店長が立て替えてくれました。
次に、美容院の店長を含む従業員の方々に、相談者に対する思いとこれからどのように相談者を見守っていくか、そして寛大な処分を求めるという内容の嘆願書を作成いただきました。従業員の方々1人1人が、自分の思いを直筆にて綴った嘆願書が十数枚集まりました。
そして、裁判において、美容院の店長に、これから相談者をどのように支えていってくれるかお話しいただきました。
以上の結果として、オレオレ詐欺のかけ子という重い罪を犯しながら、執行猶予の判決を得ることができました。
勿論、重い罪を犯したのであれば、その罪に見合った刑が科されることが通常であり、必要であると思います。
ただ、刑罰には、刑罰によって罪を犯した人を更生し、社会秩序を維持するという目的もあります。
裁判官も、その人に刑罰を科すことが、その人の更生のため、そして社会のためになるのかということは考えてくれます。
詐欺罪に関わった後ですが、既に社会の中で更生に向けて多くの人との間で信頼関係を構築していっていることを説明し
刑務所に入れるよりも、社会の中で立ち直っていくことが、相談者の更生のため、ひいては社会のためになると、裁判官にわかってもらえたことは嬉しく思っています。