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沖縄県で薬物・大麻に強い弁護士一覧

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沖縄県で利用できる公的な相談窓口

当番弁護士の番号は平日1本、土日祝は勾留場所で2つ

沖縄弁護士会の当番弁護士は、平日なら身柄のある署に関係なく098-865-3737で受け付けます。土曜・日曜・祝日は留守番電話が受け、本人が勾留されている場所に応じて098-865-3737か098-894-8663のどちらかにかけます。派遣を頼むと原則24時間以内に当番の弁護士が本人と面会し、初回の費用はかかりません。本人も、警察官などに「当番弁護士を頼みたい」と申し出れば呼べます。

留守番電話に録音する7つの内容(沖縄弁護士会の案内)

  • 電話をかけた人の名前
  • 電話をかけた人の連絡先
  • 逮捕された人との関係
  • 逮捕された人の名前
  • 容疑の内容(大麻の所持か使用かなど、分かる範囲で)
  • 逮捕された日時
  • 身柄を拘束されている警察署や施設の名前

※日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」(2026年6月24日現在)に載っている沖縄の番号は098-865-3737です。土日祝の2番号の振り分けは、沖縄弁護士会のページと日本弁護士連合会の別資料とで一部の警察署の扱いが一致していません。

逮捕される前や在宅で捜査を受けている段階なら、沖縄弁護士会の法律相談センター(那覇・沖縄市知花の沖縄支部・名護支部の3か所。30分5,500円で、資力が一定以下なら無料)で「刑事弁護に関する相談」を予約できます。宮古・八重山には会の相談センターがありません。島で警察の呼び出しを受けているなら、薬物事件を扱う事務所へ直接連絡してください。

大麻の使用や依存を相談できる窓口

窓口 対象・場所 電話と受付
沖縄県立総合精神保健福祉センター「こころの電話相談」県の依存症相談拠点(南風原町)。本人も家族も相談でき、来所相談は予約制・無料098-888-1450
月・水・木・金の9時〜11時、13時〜16時(火曜・土日祝・慰霊の日は休み)
県の保健所・那覇市保健所地域の依存症相談支援機関。那覇市民は那覇市保健所北部 0980-52-2734/中部 098-938-9700/南部 098-851-3458/宮古 0980-72-8447/八重山 0980-82-3241/那覇市 098-853-7973
沖縄県警察 ヤングテレホン(少年サポートセンター)少年本人と保護者0120-276-556
平日8時30分〜17時15分

※保健所の一覧は、県の依存症の案内に「令和3年4月1日時点の情報」として載っているものです。

県が選んだ依存症専門医療機関のうち、薬物を扱うのは金武町の琉球病院と沖縄市の沖縄リハビリテーションセンター病院です。弁護士に依頼した日のうちに、家族がこころの電話相談で来所の予約を入れてください。火曜日と土日祝は電話がつながらないので、その日に逮捕されたなら次の受付日の朝に電話しましょう。

出典:沖縄弁護士会「当番弁護士」、日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」、沖縄弁護士会「法律相談」、沖縄県立総合精神保健福祉センター「精神保健福祉相談」、沖縄県「依存症の相談窓口」、沖縄県「依存症専門医療機関」、沖縄県警察「窓口一覧」

沖縄県で大麻の容疑をかけられた本人と家族が最初にすること

沖縄県警察の「令和6年犯罪統計書」によると、令和6年に県内で大麻の事件により検挙された人は161人で、覚醒剤の25人の約6.4倍(算出)にのぼりました。大麻は令和6年12月12日から麻薬及び向精神薬取締法の「麻薬」として扱われ、持っていることだけでなく使ったことも7年以下の拘禁刑の対象です。本島でも宮古・八重山でも、当番弁護士を派遣するのは沖縄弁護士会で、平日は098-865-3737が県内共通の受付です。家族が連れて行かれた警察署の名前を聞いたら、すぐにこの会へ連絡してください。

いまの状況別・最初にすること

家族が大麻の容疑で本島の警察署に留め置かれている
平日は098-865-3737へ当番弁護士の派遣を頼んでください。土日祝は留守番電話になり、那覇・豊見城・浦添・宮古島・八重山の署と那覇・宮古の拘置支所は 098-865-3737、宜野湾・沖縄・うるま・石川・名護の署は 098-894-8663 です。入手先の捜査を理由に家族の面会が止められても、弁護士は立会人なしで本人と話せます。
路上や車内で、所持品の確認や尿の提出を求められている
任意の求めに応じないでいると、裁判官の令状による捜索や採尿に切り替わることがあります。どう対応するかを決める前に薬物事件を扱う弁護士へ電話し、押収品目録の控えは捨てずに持っておいてください。何を持って行かれたのかを弁護士が正確に把握できます。
宮古島署や八重山署に家族がいる、または旅行中に沖縄で検挙された
島の署でも県外からの電話でも、申込先は同じ沖縄弁護士会です。逮捕されずに県外の自宅へ戻る場合は、鑑定のあとに届く呼び出しへの対応を、帰る前に弁護士と決めておきましょう。

出典:沖縄県警察「令和6年犯罪統計書」、厚生労働省「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律」、沖縄弁護士会「当番弁護士」、日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」

沖縄県で大麻の容疑により逮捕されたあとの流れと裁判を開く庁

逮捕から処分が決まるまでの時間の区切りは全国共通です。警察は48時間以内に事件を検察官へ引き継ぎ、検察官は24時間以内に勾留を求めるかを決めます。勾留は10日間で、延長されると最長20日間になり、その間に那覇地方検察庁が起訴か不起訴かを判断します(刑事訴訟法第203条・第205条・第208条)。大麻の事件では、入手先や一緒に使った人を調べるために延長や接見禁止が付くことがあります。段階ごとの手続きは逮捕後の流れを解説した記事で詳しく扱っています。

罰金のない大麻は簡易裁判所で扱われず、営利目的は合議の4庁が審理する

県警の14署のどこで捜査を受けても、処分を決めるのは那覇地検の本庁か沖縄・名護・平良・石垣の4支部です。大麻の単純な所持や使用には罰金刑が定められていないため、県内5か所の簡易裁判所ではなく、那覇地方裁判所の本庁か4つの支部で裁判官1人が審理します(裁判所法第33条第1項第2号)。営利目的の所持・譲渡、輸入、栽培は法定刑の下限が1年の拘禁刑なので3人の裁判官による合議事件となり(同法第26条第2項第2号)、本庁・沖縄支部・平良支部・石垣支部の4庁が扱います。名護支部の区域で起きた合議事件は、那覇の本庁へ回ります。

所持・使用を審理する庁 営利目的・輸入・栽培を審理する庁 事件のあった地域・島 捜査を受け持つ主な警察署
本庁(那覇市樋川)本庁本島南部(那覇市・浦添市・糸満市・豊見城市・南城市・南風原町・与那原町・八重瀬町・西原町)と久米島町・渡嘉敷村・座間味村・粟国村・渡名喜村・南大東村・北大東村那覇・豊見城・糸満・与那原・浦添
沖縄支部(沖縄市知花)沖縄支部本島中部(沖縄市・宜野湾市・うるま市・読谷村・嘉手納町・北谷町・北中城村・中城村)沖縄・宜野湾・うるま・石川・嘉手納
名護支部(名護市宮里)本庁本島北部(名護市と国頭郡の9町村)・伊是名村・伊平屋村名護・本部・石川(恩納村・金武町・宜野座村)
平良支部(宮古島市平良)平良支部宮古島市・多良間村宮古島
石垣支部(石垣市登野城)石垣支部石垣市・竹富町・与那国町八重山
判決に控訴すると、どの地域の事件も那覇市樋川の福岡高等裁判所那覇支部が審理します

※裁判所「沖縄県内の管轄区域表」(市町村名は平成18年4月1日現在の行政区画による表示)と「沖縄県警察の組織に関する条例」の別表をもとに整理しました。国頭郡には国頭村・大宜味村・東村・今帰仁村・本部町・恩納村・宜野座村・金武町・伊江村が含まれます。大麻の罪には無期刑がないため、那覇の本庁だけで開かれる裁判員裁判の対象にはなりません。

警察の受け持ちと裁判所の区分が食い違う地域もあります。那覇市の小禄地区は豊見城署の担当でも公判は本庁、恩納村・金武町・宜野座村は石川署の担当でも、所持・使用なら名護支部、営利目的なら本庁で審理されます。伊江村・伊是名村・伊平屋村は本部署が捜査し、裁判所の区分は名護支部です。弁護士には、本人のいる署の名前に加えて、大麻が見つかった市町村と地区まで伝えてください。接見と公判の段取りを最初の面会で組み立ててもらえます。

起訴後に移されることがある拘置支所は、地裁本庁の隣の那覇拘置支所と平良支部の隣の宮古拘置支所だけで、石垣市にある刑事施設は八重山刑務支所です。宮古・八重山の署へ本島から接見に向かうには航空便を使うため、台風で欠航すると面会や打ち合わせが後ろへずれます。島の署に家族がいるなら、面会に来た当番弁護士にそのまま弁護を頼む道も選べます。島で動ける弁護士なら、接見の間隔を詰められます。

出典:裁判所「沖縄県内の管轄区域表」、那覇地方・家庭裁判所「紹介」、那覇地方裁判所「所在地一覧」、福岡高等裁判所「所在地一覧」、那覇地方検察庁「交通案内」、沖縄県警察「県内の警察署」、沖縄県法規集「沖縄県警察の組織に関する条例」、法務省「刑事施設の所在地一覧」、e-Gov法令検索「裁判所法」第26条・第33条、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」

沖縄県で大麻が問われる罪と刑罰

県内で見つかった大麻の事件にも国の法律がそのまま当てはまり、法定刑は全国で同じです。重さを分けるのは、自分で持つ・使うだけなのか、売る目的があったのか、輸入や栽培のような出どころ側の行為なのかという点です。取調べや勾留質問で告げられた罪名と行為の中身を書き留め、接見に来た弁護士へ伝えてください。どの庁で裁かれ、どこまで重くなりうるかをその場で説明してもらえます。

罰せられる行為 法定刑 公訴時効 条文
所持・譲渡・譲受7年以下の拘禁刑(罰金刑なし)5年麻薬及び向精神薬取締法 第66条第1項
使用(施用)7年以下の拘禁刑(罰金刑なし)5年同法 第66条の2第1項
営利目的の所持・譲渡・使用など1年以上10年以下の拘禁刑(情状により300万円以下の罰金を併科)7年同法 第66条第2項・第66条の2第2項
輸入・輸出・製造1年以上10年以下の拘禁刑7年同法 第65条第1項
営利目的の輸入・輸出・製造1年以上の有期拘禁刑(情状により500万円以下の罰金を併科)10年同法 第65条第2項
栽培1年以上10年以下の拘禁刑7年大麻草の栽培の規制に関する法律 第24条第1項

※表のどの行為にも未遂罪の規定があります。時効の年数は、各罪の法定刑の上限を刑事訴訟法第250条第2項の区分に当てはめて出しています。

令和6年12月11日までの使用は処罰されない

改正前の大麻取締法には、使うこと自体を罰する規定がありませんでした。大麻が「麻薬」に加わったことで使用にも所持と同じ上限7年の拘禁刑が設けられ、もとの法律は「大麻草の栽培の規制に関する法律」に改められて栽培の罰則を受け持っています。乾燥大麻だけでなく、成分を抽出したリキッドや、Δ9-THCが基準値(油脂・粉末は10ppm)を超えて残る製品も麻薬にあたります。使った日付を推測で答えず、覚えている範囲のまま弁護士に話してください。施行の前か後かで、罪に問えるかどうかが分かれます。

沖縄県に危険ドラッグを罰する条例はなく、県条例が関わるのは18歳未満への場所の提供

沖縄県法規集には、危険ドラッグなどを県が独自に指定して罰する条例がありません。県内で薬物の所持や使用を罰するのは国の法律だけで、知事が指定した物を持っているだけで罰せられる仕組みは沖縄県にはありません。大麻にかかわる県の条例は沖縄県青少年保護育成条例で、第18条は、18歳未満の青少年が大麻・麻薬・覚醒剤を使うと知りながら、そのための場所を提供したり周旋したりすることを禁じ、2年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金を定めています(第22条第2項第2号)。相手の年齢を知らなかったことだけでは処罰を免れず(第22条第8項。過失がない場合を除く)、違反したのが青少年本人ならこの罰則は適用されません(第24条)。自宅や車を年下の知人のたまり場にしていた事情があれば、相手を何歳と思っていたかも含めて弁護士に話してください。大麻の罪とは別に条例違反を問われるおそれがあるかを、早いうちに見きわめてもらえます。

※条例の刑名は、令和7年3月31日沖縄県条例第4号により令和7年6月1日から拘禁刑です。県や県警が掲載している条例のPDFは改正前の表記のため、条文は沖縄県法規集(令和8年9月29日時点)によっています。

出典:e-Gov法令検索「麻薬及び向精神薬取締法」第65条・第66条・第66条の2、e-Gov法令検索「大麻草の栽培の規制に関する法律」第24条、厚生労働省「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律」、沖縄県法規集「沖縄県青少年保護育成条例」、沖縄県公報 号外第10号(令和7年3月31日・沖縄県条例第4号)、那覇地方裁判所「県内の裁判員制度関連の情報」

容疑を認める場合と否認する場合

認めるなら、処分の前に再び使わない態勢を書面で示す

大麻の所持や使用には被害者がいないため、示談で処分を軽くする道はありません。それでも、令和6年に全国の検察庁が大麻取締法違反で処理した事件では起訴猶予が35.5%を占め、覚醒剤取締法違反の8.5%の4倍を超えています(算出)。量が少なく初めての事件なら、再使用を防ぐ環境をどこまで整えたかが検察官の判断材料になります。

沖縄県の依存症相談拠点は、南風原町宮平の沖縄県立総合精神保健福祉センターです。窓口は「こころの電話相談」(098-888-1450)にまとめられていて、来所相談は予約制・無料です。県の依存症の案内は、匿名で相談でき、相談したことで警察へ通報されることもないと明記しています。勾留中から家族がこの電話で相談を始め、相談した日と内容を書面にして弁護士へ渡してください。起訴を決める前の那覇地検の検察官に示せます。

否認するなら、職務質問から押収までの経緯を書き残す

警察官職務執行法第2条第3項は、刑事訴訟に関する法律によらない限り、意思に反して警察署へ連行されたり答弁を強いられたりしないと定めています。最高裁判所は、承諾を得ないまま上着の内ポケットに手を入れて所持品を取り出した行為を、所持品検査として許される限度を超えると判断しました(昭和53年9月7日判決。その事件では証拠として使うことは否定されていません)。取調べでは黙っていてよく(刑事訴訟法第198条第2項)、納得できない調書には署名押印を拒めます(同条第5項)。大麻事件の取調べは、録音・録画が義務づけられた事件に入っていません(同法第301条の2)。

レンタカーや同居する部屋から見つかった場合は、誰の大麻だったのかが争いになります。声をかけられた場所と時刻、荷物を開けたのは誰か、同乗者や同居人が何と言ったかを、その日のうちに紙に書き出して接見の弁護士へ渡してください。捜査の手順に違法がなかったかを検討する手がかりになります。

出典:法務省「検察統計調査」令和6年年報、沖縄県「依存症の相談窓口」、沖縄県立総合精神保健福祉センター「精神保健福祉相談」、沖縄県立総合精神保健福祉センター「業務案内」、e-Gov法令検索「警察官職務執行法」第2条、最高裁判所 昭和53年9月7日第一小法廷判決、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第198条・第301条の2

大麻事件の保釈・公訴時効・在留資格と米軍関係者の扱い

営利目的で起訴されると、保釈は裁判所の裁量で決まる

保釈を請求できるのは起訴されたあとの被告人で(刑事訴訟法第88条第1項・第207条第1項ただし書)、起訴前の身柄は勾留に対する準抗告などで争います。単純な所持や使用で問題になりやすいのは、入手先や一緒に使った人と口裏を合わせるおそれ(第89条第4号)です。営利目的・輸入・栽培は法定刑の下限が1年以上なので権利保釈の対象から外れ(第89条第1号)、第90条の裁量保釈として判断されます。スマートフォンを家族に預ける、県外の実家へ移るなど、連絡を絶つ具体策を決めて弁護人に伝えてください。弁護人が保釈の条件として裁判所へ提案できます。

令和7年に全国の裁判所で第一審を終えた被告人では、勾留されていた35,125人のうち11,132人(31.7%・算出)が保釈保証金を納めて釈放されました。那覇地裁本庁で保証金の納付を扱うのは会計課(098-918-3310)です。

公訴時効は所持・使用が5年、営利目的・栽培が7年

時効の期間は、所持や使用が5年、営利目的の所持・使用や輸入・栽培が7年、営利目的の輸入が10年です(刑事訴訟法第250条第2項)。使用は回ごとに別の罪として扱われ、時効はそれぞれの使用が終わった時点から進みます(第253条第1項)。本人が国外にいる間は時効が進みません(第255条第1項)。海外に住んでいた期間があれば、パスポートなど出入国の日付を示す書類を弁護士に渡してください。残りの時効期間を正確に割り出してもらえます。

外国籍の人は、執行猶予が付いても退去強制の対象になる

沖縄県の在留外国人は令和7年末で33,402人と前年から13.7%増え、在留資格は永住者・留学・特定技能が上位です。入管法第24条第4号チは、大麻を含む薬物の法令に違反して有罪判決を受けた人を、刑の長さや執行猶予の有無に関係なく退去強制の対象としています。刑に処せられた人はその後の入国も期限なく拒まれ(第5条第1項第5号)、勾留で学校や仕事に3か月以上通えなくなると在留資格の取消し(第22条の4第6号)も問題になります。当番弁護士を頼む電話で通訳が要ると伝え、起訴が決まる前に入管の手続きに詳しい弁護士へつないでください。外国語での相談先としては、宜野湾市の沖縄県国際交流・人材育成財団(098-942-9215)が、在留資格に関係なく多言語の生活相談に応じ、必要に応じて沖縄弁護士会と連携した法律相談を設けています。

米軍関係者が大麻で疑われたとき

米軍の軍人や軍属の事件は、日米地位協定第17条の定めに従います。大麻の所持や使用のように公務の執行と関係のない罪では、第一次の裁判権は日本の当局にあります(第17条3(b))。一方で、先に米側の手中に身柄がある被疑者は、日本が公訴を提起するまで米側のもとで拘禁されます(第17条5(c))。沖縄県警の集計では、令和7年に米軍人・軍属とその家族による刑法犯の検挙は101件・80人で、大麻などの特別法犯はこの数に入っていません。家族が米軍関係者なら、日米どちらの当局に身柄があるかを最初の相談で弁護士に伝えてください。

出典:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第88条〜第90条・第250条・第253条・第255条、裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」第32表、那覇地方裁判所「ダイヤルイン一覧」、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」第5条・第22条の4・第24条、出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数」第4〜6表、沖縄県国際交流・人材育成財団「法律・生活相談」、沖縄県「地位協定ポータルサイト」、日米地位協定 本文(沖縄県掲載)、沖縄県警察「犯罪統計資料 令和7年(確定値)」

大麻事件で弁護士に依頼できることと選び方・費用

県内の大麻事件で弁護士に任せる仕事は、身柄の解放と面会の確保、そして処分や判決に向けた材料づくりの2つです。

身柄と面会

勾留を請求しないよう検察官に意見を出し、決まった勾留には準抗告で争います。接見禁止の一部解除を求めて家族が会えるようにし、起訴後は保釈を請求します。起訴・不起訴の分かれ目は不起訴・刑罰・刑事処分に関する記事で詳しく紹介しています。

処分と判決への準備

総合精神保健福祉センターでの相談や専門医療機関への通院の記録、家族が生活を見守る計画を書面にまとめ、那覇地検の検察官や裁判所に示します。

本島から離れた署なら、島まで通える体制で選ぶ

沖縄弁護士会の会員は301人(2026年9月1日現在)です。日本弁護士連合会の紹介では、本島の中部・北部の支部で登録する会員が増え、宮古島と石垣島に開かれたひまわり基金法律事務所も地元に定着しています。身柄が北部や島の署にあるなら、次の3点を満たす事務所へ依頼してください。

依頼先を決める3つの目安

  • 本人のいる署(宮古島署・八重山署を含む)へ、依頼した当日か翌日に最初の接見に行ける
  • 大麻などの薬物事件で、接見禁止の一部解除や保釈を求めた経験がある
  • 島への航空運賃を含む接見1回ごとの日当・交通費と、公判までの総額を書面で示せる

逮捕の直後に1回無料で呼べるのが当番弁護士、勾留後に本人が裁判官へ求めるのが国選弁護人です。国選では弁護士を選べず、資力が合計50万円以上ある人は、先に弁護士会へ私選弁護人の選任を申し出る必要があります。逮捕される前や在宅捜査の段階から弁護を頼むなら、私選弁護人として事務所と契約を結んでください。

費用の目安と法テラス沖縄

着手金・報酬金・日当を合わせた総額は、おおむね60万円から110万円が目安です。示談金はかかりませんが、営利目的を争う事件や公判が長引く事件では上がり、宮古・八重山の署へ通う回数が増えると航空運賃と日当が加わります。内訳の考え方は刑事事件の弁護士選び・費用に関する記事にまとめています。

法テラスの県内拠点は、那覇市楚辺の法テラス沖縄(0570-078368・平日9時〜17時)と、スタッフ弁護士が勤める法テラス沖縄法律事務所・法テラス宮古島法律事務所です。石垣・名護・沖縄市には法テラスの事務所がなく、法テラス沖縄の無料法律相談も刑事事件を対象に挙げていません。私選の費用を用意できないときは、面会に来た当番弁護士に最初にそう伝えてください。国選弁護人への切り替えも含めて段取りを組んでもらえます。

出典:日本弁護士連合会「沖縄弁護士会」、日本弁護士連合会「弁護士会別会員数」、沖縄弁護士会「刑事弁護に関する相談」、法テラス「法テラス沖縄」、法テラス沖縄「アクセス」、法テラス沖縄「法テラス宮古島法律事務所」

沖縄県の大麻事件の検挙状況

県内の薬物事件の件数は、沖縄県警察が毎年まとめる「犯罪統計書」と警察庁の法令別の統計に載っています。令和6年は大麻の検挙人員が覚醒剤の約6.4倍(算出)で、大麻は令和5年から件数・人員とも増えました。

令和6年は大麻201件・161人、覚醒剤は47件・25人

薬物の種類 令和5年の検挙 令和6年の検挙
大麻160件・132人201件・161人
覚醒剤70件・46人47件・25人
麻薬等(麻薬及び向精神薬取締法)19件・11人51件・33人

※沖縄県警察「令和6年犯罪統計書」と警察庁「令和6年の犯罪」第61表の値です。令和6年12月12日の法改正で大麻の所持・使用は麻薬及び向精神薬取締法の対象へ移り、犯罪統計書の表の見出しはすでに「大麻草栽培規制法」になっています。大人を含む県全体の令和7年の薬物事犯の人数は、2026年9月末の時点で公表資料に見当たりません。

量が多い事件や、小分けの袋・計量器が見つかった事件は営利目的を疑われ、本庁・沖縄・平良・石垣の合議の庁で審理される事件になりえます。押収された量と、自分で使うためだった事情を最初の接見で弁護士に話してください。鑑定書の量と照らして、営利目的を争えるかを検討してもらえます。

令和7年の少年は「麻薬等取締法」58人。法改正で区分が移った点に注意

県警の「令和7年 少年非行等の概況」では、特別法犯で検挙された少年104人のうち58人(55.8%)が麻薬及び向精神薬取締法違反でした(前年は20人)。同じ表の大麻草栽培規制法は、前年の36人から0人になっています。大麻の所持・使用を罰する法律が令和6年12月に麻薬及び向精神薬取締法へ移ったため、この0人は少年の大麻事件がなくなったことを示す数字ではありません。大麻とほかの麻薬の内訳も、表には示されていません。子どもが検挙されたら、警察から告げられた法律名と押収された物を書き留めて弁護士に伝えてください。家庭裁判所での見通しを具体的に示してもらえます。

出典:沖縄県警察「令和6年犯罪統計書」、警察庁「令和6年の犯罪」、沖縄県警察「令和7年 少年非行等の概況」

沖縄県の大麻事件でよくある質問

Q1. 宮古島で大麻を持っていたとして家族が逮捕されました。裁判や面会はどこになりますか?

宮古島市と多良間村の事件は、所持・使用でも営利目的でも平良支部が審理し、起訴後に移されることがあるのは平良支部の隣の宮古拘置支所(0980-72-3118)で、面会受付は8時30分〜11時30分と13時〜16時です。島に弁護士会の相談センターはありませんが、法テラス宮古島法律事務所があります。当番弁護士は本島と同じ沖縄弁護士会に申し込み、面会に来た弁護士と以後の接見の段取りを決めてください。

Q2. 石垣島で売る目的があったと疑われています。3人の裁判官の裁判は那覇まで行きますか?

行きません。八重山の事件は、営利目的の合議事件も石垣支部が扱います。那覇の本庁へ回るのは、名護支部の区域(本島北部と伊是名村・伊平屋村)で営利目的などが問われた場合です。控訴すると、どの地域の事件も那覇市樋川の福岡高裁那覇支部が担当します。控訴審まで見すえて、石垣と那覇の両方に対応できる弁護士を選びましょう。

Q3. 祝日に家族がうるま署で逮捕されました。どこへ電話すればいいですか?

土日祝の当番弁護士は留守番電話で受け付けています。宜野湾・沖縄・うるま・石川・名護の署に勾留されているなら098-894-8663、那覇・豊見城・浦添・宮古島・八重山の署と那覇・宮古の拘置支所なら098-865-3737です。本人の名前と署の名前、電話した人の連絡先を録音すれば、当番の弁護士が面会に向かいます。

Q4. 旅行中に那覇で職務質問を受け、リキッドを押収されました。逮捕されずに県外の自宅へ戻れますか?

逮捕されていなければ帰宅はできますが、押収された物の鑑定が済むと、県内の警察署や那覇地検から呼び出しを受けることがあります。令和7年に沖縄県へ入った観光客は1,075万6,000人と暦年の最多を更新しており、旅先での検挙は珍しい話ではありません。県外へ戻る前に沖縄の弁護士に依頼し、呼び出しの日程や出頭の方法について窓口になってもらいましょう。

Q5. 中学生の子どもが大麻で補導されました。どこの家庭裁判所と鑑別所が関わりますか?

那覇家裁の本庁と沖縄・名護・平良・石垣の4支部の5庁すべてが少年事件を扱い、事件のあった地域の庁が担当します。観護措置が決まると、収容先は県内1か所の那覇少年鑑別所(098-862-4606)です。審判に向けて付添人になる弁護士を決め、学校への説明の仕方も一緒に方針を立ててください。

Q6. 初めての大麻事件でも、実刑になりますか?

令和6年に全国の地方裁判所で大麻取締法違反の判決を受けた2,326人のうち1,959人(84.2%・算出)に、刑の全部の執行猶予が付いています。営利目的や量の多い事件、繰り返しの事件では実刑の可能性が上がります。判決を待たずに県立総合精神保健福祉センターでの相談や専門医療機関への通院を始め、その記録を弁護人に預けてください。

Q7. 宮古・八重山に住んでいます。島で依存の相談ができる窓口はありますか?

県の依存症の案内では、宮古保健所(0980-72-8447)と八重山保健所(0980-82-3241)が地域の依存症相談支援機関に挙がっています。南風原町の県立総合精神保健福祉センターは、こころの電話相談(098-888-1450)で島からの電話も受けています。島の保健所か電話相談で相談を始め、その記録を弁護士へ届けてください。

Q8. CBD製品や電子たばこ用のリキッドでも罪になりますか?沖縄県独自の規制はありますか?

大麻草から作られた製品でも、Δ9-THCが基準値を超えて残っていれば麻薬にあたります。沖縄県には危険ドラッグを県独自に罰する条例がないため、成分のはっきりしない製品は、国の法律の規制対象に当たるかどうかで扱いが決まります。製品名と購入先が分かる包装や注文の記録を捨てずに残し、鑑定の結果が出る前に弁護士へ相談してください。

出典:裁判所「沖縄県内の管轄区域表」、福岡高等裁判所「所在地一覧」、法務省「面会受付時間一覧」、法務省「少年鑑別所の所在地一覧」、法テラス沖縄「法テラス宮古島法律事務所」、沖縄弁護士会「当番弁護士」、沖縄県「令和7年(暦年)沖縄県入域観光客統計概況(確定版)」、法務省「令和7年版犯罪白書」薬物犯罪の検察・裁判、沖縄県「依存症の相談窓口」、厚生労働省「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律」

沖縄県で薬物・大麻事件の弁護士を探す 本人のいる島と警察署へ通い、起訴後の庁まで担当できる事務所を選んでください

大麻の所持・使用は那覇地裁の本庁と4支部、営利目的や栽培は本庁・沖縄・平良・石垣の4庁で審理され、宮古・八重山の署への接見には航空便での移動が伴います。家族がすでに県内の署にいるなら、今日か明日のうちに接見へ向かえる事務所に電話してください。在宅で呼び出しを待っているなら、初回相談料のかからない事務所から話を聞きましょう。

参考資料・更新情報

※本コンテンツは2026年9月30日時点で確認できた公表情報をもとに作成しています。沖縄県内の大麻・覚醒剤・麻薬等の検挙件数と人員は沖縄県警察「令和6年犯罪統計書」と警察庁「令和6年の犯罪」の令和5年・令和6年の値、少年の特別法犯は沖縄県警察「令和7年 少年非行等の概況」、米軍人・軍属と家族による刑法犯は沖縄県警察の犯罪統計資料(令和7年確定値)の値です。令和6年12月12日の法改正で大麻の所持・使用の罰則は麻薬及び向精神薬取締法へ移っているため、法令別の人数は改正の前後で同じ区分とは限りません。大麻と覚醒剤の人員の比は算出した値です。全国の処分と判決は法務省「検察統計調査」令和6年年報と「令和7年版犯罪白書」、保釈の人員は裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」の全国値、在留外国人数は令和7年末、弁護士会の会員数は2026年9月1日現在の値です。刑名は令和7年6月1日施行の拘禁刑の表記です。制度や窓口の情報は変更される場合があるため、利用前に各機関および法律事務所の公式情報をご確認ください。本コンテンツは一般的な情報提供を目的とするもので、個別の事件についての法的助言ではありません。

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