熊本県で闇バイトに強い弁護士一覧

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熊本県で利用できる公的な相談窓口

抜けたい本人と、子どもが巻き込まれていそうな家族

窓口電話受付と対象
最寄りの警察署県内23署危険が迫っているときは110番へ。
熊本県警察 警察安全相談#9110
096-383-9110
防犯・暴力団・子どもの非行などの相談を、電話でも警察の窓口でも受け付けます。
肥後っ子テレホン(県警 生活安全企画課)096-384-4976
0120-02-4976
少年に関する悩みごとの相談先です。
法務少年支援センターくまもと096-325-4700非行や犯罪行為の相談を無料で受け、秘密は守られます。来所は電話で予約します。
熊本県暴力追放運動推進センター096-382-0333暴力団が関係する事件やトラブルの相談先です。

逮捕されたときの当番弁護士

弁護士会は地方裁判所の管轄区域ごとに置かれ(弁護士法第32条)、熊本県は地裁が1つなので熊本県弁護士会の1会だけです。当番弁護士には専用電話(090-3661-3133)があり、申込みがあれば弁護士が24時間以内に本人のもとへ面会に行きます。午後5時から翌朝9時までは留守番電話ですが、伝言を録音すれば当番弁護士から連絡があり、休日も受付があります。対象は本人が熊本県内で身柄を拘束されている場合に限られ、すでに弁護士と面会した後は使えません。弁護士会の代表番号(096-325-0913)や法律相談の予約番号(096-325-0009)にかけても、当番弁護士の申込みにはなりません。逮捕を知ったその日のうちに、家族から専用電話へかけてください。

被害を受けた側の相談先

現金をだまし取られた人や強盗の被害に遭った人は、熊本地方検察庁の被害者ホットライン(096-323-9068・平日9時〜17時)、熊本県公安委員会が犯罪被害者等早期援助団体に指定する公益社団法人くまもと被害者支援センター(096-386-1033・月〜金曜10時〜16時)、法テラスの犯罪被害者支援ダイヤル(0120-079714)で相談できます。不起訴の判断に納得できない被害者は、熊本と八代の2つの検察審査会に審査を申し立てられます。だまし取られたお金を取り戻す話は、詐欺事件の熊本県ページで扱っています。

出典:熊本県警察「警察安全相談」、熊本県警察「各種相談電話番号」、法務省「熊本少年鑑別所(法務少年支援センターくまもと)」、熊本県弁護士会「逮捕・刑事事件」、熊本県弁護士会「各種相談先一覧」、e-Gov法令検索「弁護士法」第32条、熊本地方検察庁「被害者ホットライン」、警察庁「くまもと被害者支援センター」、裁判所「検察審査会」

熊本県で闇バイトに加担してしまった・家族が逮捕されたときに最初にすること

闇バイトとは、SNSで高い報酬をうたう書き込みに応じた人に、特殊詐欺の受け子・出し子や、住宅に押し入る強盗の実行役を担わせる募集のことです。熊本県内でその役を引き受けてしまった本人と、逮捕の知らせを受けた家族に向けて書いています。熊本県警察は特殊詐欺を「電話で『お金』詐欺」と呼んでおり、その手口の全体像やだまされた側の相談先は、詐欺事件の熊本県ページで扱っています。ここでは指示を受けて動いた実行役が問われる罪と、八代・天草・玉名などで逮捕されたときに熊本県内のどこで手続きが進むかに絞って説明します。抜けたい人は県警の#9110か最寄りの警察署へ、家族が逮捕された人は熊本県弁護士会の当番弁護士専用電話(090-3661-3133)へかけてください。

いまの状況別・最初にすること

応募して個人情報を送ったが、まだ指示どおりには動いていない
指示役への返信をやめ、やり取りの画面は消さずに残します。熊本県警察の警察安全相談(#9110・096-383-9110)か、県内23署のうち最寄りの署に相談してください。実行に移る前に離れれば、それ以上罪を重ねずに済みます。
「家族に危害を加える」と脅されて抜けられない
危険が差し迫っているなら、ためらわず110番してください。警察庁は、相談してきた本人と家族を警察が保護すると呼びかけています。
現金やカードを受け取った・ATMで引き出した
詐欺や窃盗の共犯として捜査される立場です。熊本県では逮捕される人の約4分の3が令状による逮捕で、後日になって警察が訪ねてくる形もあります。出頭する前に刑事事件を扱う弁護士へ連絡し、同行してもらってください。
家族が熊本県内の警察署に逮捕された
当番弁護士専用電話(090-3661-3133)に申し込んでください。午後5時から翌朝9時までは留守番電話ですが、伝言を残せば当番弁護士から連絡が入り、土日・祝日でも申し込めます。無料で頼めるのは1回だけです。

出典:熊本県警察「闇バイト(犯罪実行者募集情報)に注意」、熊本県警察「警察安全相談」、警察庁「いわゆる『闇バイト』の危険性について」、熊本県弁護士会「逮捕・刑事事件」、熊本県弁護士会「各種相談先一覧」

闇バイトで逮捕されたあと、熊本県内で手続きが進む場所

逮捕されると、警察での最大48時間と検察官のもとでの24時間のうちに、勾留を求めるかどうかが決まります。勾留されれば原則10日、延長されると最長20日にわたって身柄を拘束されます(刑事訴訟法第203条・第205条・第208条)。受け子や出し子の事件は共犯者との口裏合わせが警戒されるため、弁護士以外との面会を禁じる接見禁止が付くことも少なくありません。手続きの全体像は逮捕後の流れを解説した記事にまとめています。

熊本県警察の警察署は23署で、熊本市内は熊本中央・熊本南・熊本東・熊本北合志の4署です。熊本北合志署は署名に「合志」と入っていますが、熊本市北区にあります。県警本部の中には「熊本市警察部」という部もあります。留置施設は警察本部直轄のほか、常設8署・非常設7署にあり(令和6年4月時点)、すべての署にあるわけではありません。警察から連絡を受けたら、逮捕した署と本人が留置されている場所の両方を聞き取り、弁護士に伝えてください。接見に向かう先を取り違えずに済みます。

強盗致傷になれば、人吉や天草の事件も熊本市の本庁で裁判員裁判

事件の処分を決めるのは熊本地方検察庁の本庁(熊本市中央区京町)と玉名・山鹿・阿蘇・八代・人吉・天草の6支部で、熊本地方裁判所も同じ6支部を持ちます。ただし裁判員裁判と3人の裁判官による合議事件は、県内のどこで起きた事件でも熊本市の本庁だけで扱われます。受け子の詐欺や出し子の窃盗なら地元の支部で裁かれることもありますが、押し入った先で住人にけがをさせて強盗致傷に問われれば、八代・人吉・天草の事件でも熊本市で審理されます。

地域 所在する主な警察署 地検 地裁 裁判員裁判・合議 少年事件の家裁 控訴審
熊本市・宇土市・宇城市・合志市・大津町・菊陽町・西原村熊本中央・熊本南・熊本東・熊本北合志・宇城・大津本庁本庁本庁本庁福岡高裁
御船町・益城町・嘉島町・甲佐町・山都町・美里町御船・山都本庁(御船区検)本庁(御船簡裁)本庁本庁福岡高裁
玉名市・荒尾市・玉東町・南関町・和水町・長洲町(県北)玉名・荒尾玉名支部玉名支部本庁本庁福岡高裁
山鹿市・菊池市(県北)山鹿・菊池山鹿支部山鹿支部本庁本庁福岡高裁
阿蘇市・小国町・南小国町・産山村・高森町・南阿蘇村阿蘇・小国・高森阿蘇支部阿蘇支部本庁本庁福岡高裁
八代市・氷川町(県南)八代八代支部八代支部本庁八代支部福岡高裁
水俣市・芦北町・津奈木町(県南)水俣・芦北八代支部八代支部本庁八代支部福岡高裁
人吉市・球磨郡(人吉球磨)人吉・多良木人吉支部人吉支部本庁八代支部福岡高裁
天草市・上天草市・苓北町天草・上天草・牛深天草支部天草支部本庁天草支部福岡高裁

※裁判所「熊本県内の管轄区域表」と熊本地方検察庁の所在地一覧をもとにした、警察署の所在地からの目安です(県警は署ごとの受け持ち区域を公表していません)。菊池市の旧泗水町と上天草市大矢野町の一部は本庁の区域、山都町の蘇陽総合支所の区域は阿蘇支部の区域です。控訴審は県内全域が福岡市の福岡高等裁判所(本庁)です。

熊本県内には拘置所も拘置支所もなく、刑事施設は熊本市中央区渡鹿の熊本刑務所1か所です。20歳未満の人が観護措置を受けると、天草や人吉の事件でも熊本市西区池田の熊本少年鑑別所に入ります。接見に来た弁護士には、指示を受けて動いた市町村と日時を、関わった回数の分だけ伝えてください。どの庁で裁かれ、家族が熊本市や福岡市まで何度通うことになるかを、早い段階で見通してもらえます。

福岡県など県外で動いた場合と、控訴審が福岡高裁になること

福岡県や鹿児島県など県外で受け取りや引き出しをした場合は、その地の警察が捜査し、処分も裁判も県外で進みます。同じグループの事件が熊本県内にもあれば、起訴のあとで熊本県警察に改めて逮捕されることがあります。熊本県内の事件の控訴審は、県内に高裁の支部がないため、福岡市中央区六本松の福岡高等裁判所の本庁で開かれ、宮崎支部に回ることもありません。県外に住む家族が支える場合も、本人が県内の署にいれば、当番弁護士の申込み先は専用電話の1つだけです。県外で関わった分も含めて、事件の場所と回数をすべて弁護士に打ち明けてください。再逮捕があり得るかを見越して、保釈を請求するタイミングを考えてもらえます。

出典:裁判所「熊本県内の管轄区域表」、熊本地方裁判所「熊本県内の裁判所の名称」、福岡高等裁判所「所在地」、熊本地方検察庁「所在地一覧」、熊本県警察「各所属の住所等一覧」、熊本県警察「教育警察常任委員会説明資料(令和6年6月)」、法務省「熊本刑務所」、法務省「熊本少年鑑別所(法務少年支援センターくまもと)」、制度の参考:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」

熊本県で闇バイトに加担すると問われる罪と刑罰

闇バイトという名前の罪はなく、裁かれるのは指示されて実際に行った一つ一つの行為です。担わされた役割ごとの罪名と法定刑、公訴時効、起訴後の保釈との関係を並べると次のようになります。

担わされた役割問われる罪(刑法)法定刑公訴時効権利保釈の除外(第89条第1号)
受け子:被害者の自宅などで現金やキャッシュカードを受け取る詐欺(第246条)10年以下の拘禁刑7年当たらない
出し子・すり替え役:カードで現金を引き出す、偽物のカードとすり替える窃盗(第235条)10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金7年当たらない
侵入役:住宅や店舗に入り込んで金品を盗む住居侵入(第130条)と窃盗住居侵入は3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金住居侵入3年当たらない
強盗の実行役:暴行や脅迫で金品を奪う強盗(第236条第1項)5年以上の有期拘禁刑10年当たる
奪う際に住人にけがをさせた強盗致傷(第240条)無期または6年以上の拘禁刑15年当たる
住人を死亡させた強盗致死(第240条)死刑または無期拘禁刑なし当たる

※刑名は令和7年6月1日施行の拘禁刑で記載しています。公訴時効の年数は刑事訴訟法第250条、権利保釈の除外は同法第89条第1号に基づきます。

受け子は現金やカードを受け取った段階で詐欺に加わったと扱われ、カードをすり替えて持ち去る役は窃盗に問われます。熊本県には「県民を特殊詐欺被害から守る条例」がありますが、県・県民・事業者の責務や通報の努力を定めたもので罰則の規定はなく、実行役を罰するのは刑法です。

指示役の背後に暴力団や大きなグループがいる場合

熊本県警察は、県内でも地元の暴力団を首魁とするグループや、全国で活動するスカウトグループなどが動いている実態を確認しており、令和8年春に組織犯罪対策課の中へ「匿名・流動型犯罪グループ対策室」を新設しました。県内に主たる事務所を置く指定暴力団はありませんが、県内の勢力は19組織・約290人(令和7年末)です。身分証や自宅の写真を握られ、脅されて動いた場合でも、行った行為はそれぞれ犯罪として扱われ、回数を重ねるほど処分は重くなります。脅しのメッセージは消さずに画面ごと保存し、家族と一緒に県内の警察署へ相談に行ってください。早い段階でグループとの関係を断った事実は、処分を決める場面で本人に有利な事情として考慮される可能性があります。

出典:熊本県例規集「県民を特殊詐欺被害から守る条例」、熊本県警察「教育警察常任委員会説明資料(令和8年4月)」、熊本県警察「闇バイト(犯罪実行者募集情報)に注意」、制度の参考:e-Gov法令検索「刑法」第130条・第235条・第236条・第240条・第246条

闇バイトの容疑を認めるとき・争うとき

認めるなら、役割と回数を整理して弁償の計画を立てる

熊本地方検察庁や各支部の検察官が処分を決めるときに重く見るのは、グループの中での役回り、関わった件数、被害の回復がどこまで進んだかです。応募したきっかけ、指示を受けた日時と内容、受け取った報酬、脅しの有無を時系列のメモにして、接見のたびに弁護士へ渡しましょう。被害者が複数いて一度に弁償できないときは、家族が用意できる金額と時期を弁護士に示し、分割も含めた弁償の順番を組んでもらいましょう。勾留中に紹介者や仲間へ連絡を取ると罪証隠滅を疑われ、勾留の延長や保釈が認められない原因になります(刑事訴訟法第60条第1項第2号・第89条第4号)。

捜査機関に発覚する前に自分から申し出れば自首となり、刑が軽くなる可能性があります(刑法第42条第1項)。警察が犯人をすでに特定していれば自首には当たりませんが、自分から出頭した事実は処分の判断で考慮されます。熊本市内の署へ行くときも、八代や天草の署へ行くときも、出頭の日取りを決める前に弁護士へ同行を頼んでください。

「犯罪とは知らなかった」と争うなら、取調べの受け答えを先に決める

否認事件で争点になるのは、自分が犯罪の一部を担っていると、どの時点でどこまで分かっていたかです。取調べの前には供述を拒めることが告げられ(刑事訴訟法第198条第2項)、読み聞かされた調書に誤りがあれば訂正を申し立てられます。内容に納得できない調書には、署名も押印もしなくて構いません(同条第4項・第5項)。取調べの録音・録画が義務になるのは強盗致傷・強盗致死のような裁判員裁判の対象事件などに限られ、詐欺・窃盗・強盗の取調べには録画の義務がありません(同法第301条の2)。その日に聞かれた質問と自分の答えを、次の接見で弁護士に再現してください。弁護士とは警察官の立会いなしに話せます(同法第39条第1項)。

出典:熊本地方検察庁「所在地一覧」、制度の参考:e-Gov法令検索「刑法」第42条、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第39条・第60条・第89条・第198条・第301条の2

起訴後の保釈と公訴時効、外国籍の人の在留資格

強盗は裁判所の裁量、詐欺・窃盗は口裏合わせのおそれが焦点

保釈を求められるのは、起訴されて被告人になってからです(刑事訴訟法第88条第1項・第207条第1項ただし書)。強盗と強盗致傷は権利保釈の例外を定めた第89条第1号の罪に当たるため、保釈を許すかどうかは裁判所が第90条の裁量で決めます。その際には、拘束が続くことで本人が受ける健康上・経済上・社会生活上の不利益や、裁判の準備への支障も考慮されます。詐欺と窃盗は第1号に当たりませんが、共犯者が多い事件では罪証隠滅のおそれ(第4号)が保釈を退ける理由として挙げられがちです。前科による除外(第2号)は、長期10年を超える罪で有罪になった場合に限られるため、詐欺や窃盗の前科だけなら当たりません。

全国では令和7年、第一審を終えた被告人のうち勾留されていた35,125人中11,132人(31.7%・算出)が保釈されました。熊本地方裁判所での保釈請求や期日の問い合わせは刑事部・刑事訟廷(096-241-8932)、八代支部では刑事係(0965-31-0725)が窓口です。身元を引き受ける家族の誓約書と、勤め先や学校の書面は、起訴前から用意しておきましょう。

時効は罪ごとに、共犯なら最後の行為から全員に進む

共犯事件の公訴時効は、同じ事件の最後の行為が終わった時点から、共犯者全員について進みます(刑事訴訟法第253条第2項)。仲間のうち誰か1人が起訴されれば、その時点でほかの共犯者の時効も進行が止まります(第254条第2項)。犯人が国外にいる間に時効が止まる規定(第255条第1項)はその本人だけに働くため、指示役が海外にいても、熊本県内で暮らす実行役の時効が一緒に止まるわけではありません。関わった日付を事件ごとに書き出して弁護士に渡してください。それぞれの時効がいつ完成するかを整理してもらえます。

技能実習・特定技能・留学の人は、執行猶予でも退去強制の対象

熊本県の在留外国人は32,372人(令和7年末)で、在留資格は技能実習の10,007人、特定技能の8,151人が上位で、どちらも留学と同じ入管法の別表第一の資格です。入管法第24条第4号の2は刑法第2編第36章(窃盗・強盗)と第37章(詐欺)の罪を対象にしているため、別表第一の資格で暮らす人は、執行猶予付きの拘禁刑でも退去強制の手続きに入ります。永住者や日本人の配偶者などの別表第二の人は、第24条第4号リの「1年を超える拘禁刑」に当たるかで判断され、全部執行猶予なら該当しません。勾留で就労や通学が3か月以上途切れると、在留資格の取消し(第22条の4第1項第6号)も問題になります。在留カードの資格と期限は、最初の接見で弁護士に伝えてください。生活面の相談は、熊本県外国人サポートセンター(080-4275-4489・平日8時30分〜17時15分・19言語)で受けられます。

出典:裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」第32表、熊本地方裁判所「ダイヤルイン」、熊本地方裁判所「八代支部 ダイヤルイン」、出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数」、熊本県「熊本県外国人サポートセンター」、制度の参考:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第88条〜第90条・第253条〜第255条、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」第22条の4・第24条

闇バイトの事件で弁護士に依頼できることと選び方・費用

熊本県内の闇バイト事件で弁護士が担う中心は、身柄を早く解くことと、被害者への弁償の2つです。まだ逮捕されていない段階なら、県内の署への出頭に付き添いも頼めます。

身柄の解放

勾留を請求しないよう検察官に意見書を出し、勾留が決まれば準抗告で争い、起訴後は保釈を請求します。処分の見通しは不起訴・刑罰・刑事処分に関する記事で詳しく読めます。

弁償と示談

被害者の了解を得て連絡先を教えてもらい、分割払いや一部の先払いも含めて弁償を申し入れます。被害者が何人もいれば、払う順番も組み立てます。進め方は被害者との示談交渉に関する記事にあります。

八代・人吉・天草の署なら、通える事務所かを最初に聞く

熊本県弁護士会は県内でただ一つの弁護士会で、支部はなく、会員は292名(2026年4月1日現在)です。本人が八代・人吉・天草・阿蘇などの署にいると、熊本市の事務所からの接見は移動に時間がかかります。強盗致傷で裁判員裁判になれば熊本市の本庁へ、控訴すれば福岡市の高裁へ出向くため、移動の日当と交通費も総額に響きます。最初の電話で本人がいる署の名前を伝え、次の4点に答えてもらってから依頼先を決めてください。

依頼の前に答えてもらう4点

  • 本人が留置されている署へ、今日か明日のうちに接見に行けるか
  • 強盗致傷として熊本地裁本庁の裁判員裁判になっても、続けて担当できるか
  • 接見禁止の一部解除を申し立てた経験があるか
  • 八代・人吉・天草などへの接見1回ごとの日当・交通費と、福岡高裁での控訴審まで任せた場合の費用

当番弁護士は逮捕直後に1回だけ無料で面会し、国選弁護人は勾留されたあとに付きますが、どちらも弁護士を選べません。当番弁護士として面会した弁護士に、そのまま私選で依頼することはできます。出頭の前から相談したいときや、強盗致傷で裁判員裁判になりそうなときは、家族が私選の弁護士を早めに決めましょう。

費用の目安と、法テラス熊本・高森の事務所

着手金・報酬金・接見の日当を合わせた総額は70万円から130万円程度が目安で、被害者への弁償金は別にかかります。費用の内訳は刑事事件の弁護士選び・費用に関する記事にまとめています。法テラスの拠点は、熊本市中央区水道町の法テラス熊本(0570-078365)と、阿蘇郡高森町の法テラス高森法律事務所(050-3383-0469)です。熊本県弁護士会の法律相談センターは熊本・山鹿菊池・荒尾玉名・天草・県南八代・阿蘇・益城・人吉球磨の8か所にあり、一般相談は30分5,500円(税込)で刑事事件も扱います(予約 096-325-0009)。費用を用意できそうにないときは、当番弁護士との面会でそのまま伝えてください。国選弁護人に切り替える道も含めて説明を受けられます。

出典:熊本県弁護士会「熊本県弁護士会とは」、熊本県弁護士会「逮捕・刑事事件」、熊本県弁護士会「各種相談先一覧」、法テラス「法テラス熊本」、法テラス熊本「アクセス」

熊本県の闇バイト関連事件の検挙状況

このページでは、闇バイトで担わされやすい特殊詐欺・強盗・侵入盗と、少年の検挙の数字から、熊本県内の状況を示します。県内の刑法犯は令和7年に7,529件(前年比12.0%増)で3年続けて増え、伸び率は全国(4.9%)の約2.4倍でした。平成29年以来の多さで、令和8年1〜8月も4,960件(前年同期比5.2%増・暫定値)と増加が続いています。検挙率は48.7%で全国の38.9%を上回る一方、5年続けて下がっています。

資金獲得犯罪で検挙された142人のうち、闇バイトからの加担は51人

熊本県警察は、令和7年に匿名・流動型犯罪グループによる資金獲得犯罪で142人(前年比3人増)を検挙し、そのうち51人(36%)がSNSの犯罪実行者募集に応じて加わった「闇バイト」だったと公表しています。対象は詐欺・窃盗・強盗・薬物などにまたがり、県警は令和8年春に組織犯罪対策課の中に「匿名・流動型犯罪グループ対策室」を設けました。募集に応じてしまった段階で、指示役とのやり取りを消さずに弁護士へ相談してください。役割の小ささや離脱の意思を、早い段階から捜査側に示せます。

出典:熊本県警察「教育警察常任委員会説明資料(令和8年4月)」

「電話で『お金』詐欺」は219件、件数は前年の1.9倍

熊本県警察の集計で、令和7年の「電話で『お金』詐欺」は219件・約10億9,982万円で、件数は前年の1.9倍でした。この分類に入らないSNS型投資・ロマンス詐欺は、別に196件・約19億5,899万円です。詐欺全体の認知件数は717件(44.6%増)と全国の伸び(26.5%)を大きく上回り、知能犯の検挙率は28.4%と前年の38.4%から下がりました。知人や先輩から「受け取るだけ」の仕事を持ちかけられたら、その場で断ってください。

※熊本県警察は令和8年からSNS型投資・ロマンス詐欺を一つの手口として統合し、ニセ警察詐欺を独立した手口にしたため、令和7年と令和8年の件数は並べて比べていません。

強盗を含む凶悪犯は98件、侵入盗は全国でも少ない水準

熊本県の刑法犯(区分)令和6年令和7年
凶悪犯の認知件数79件98件
凶悪犯の検挙率83.5%77.6%
知能犯の認知件数547件774件
知能犯の検挙人員143人151人

※熊本県警察「熊本県内の犯罪情勢」と教育警察常任委員会説明資料の包括罪種別の値です。凶悪犯は殺人・強盗・放火・不同意性交等をまとめた区分で、強盗だけの件数ではありません。闇バイトによるものに限らず、県内のすべての事件を数えています。

空き巣などの侵入盗は人口10万人当たり17.7件(算出)と全国の38.4件の半分以下で、47都道府県のうち多いほうから44番目です。

刑法犯の逮捕は2割強、少年の検挙は541人

令和7年に県内で刑法犯として検挙された2,852人のうち、逮捕されたのは648人(22.7%・算出)で、全国の32.2%より低く、残る77.3%は在宅のまま捜査を受けました。逮捕された648人のうち498人(76.9%・算出)は令状による通常逮捕で、現行犯逮捕の割合が全国より小さいのが熊本県の特徴です。罪種ごとの逮捕の割合は公表されていません。刑法犯で検挙された少年は541人(35.9%増)と令和3年の2.2倍になり、高校生は175人(62.0%増)、少年の詐欺の検挙は11人でした。県警は、少年を犯罪実行者募集に加担させないための広報啓発を強めています。全国では、匿名・流動型犯罪グループによるとみられる犯罪で検挙された人の約6割が20歳代以下で、約3割はSNSの募集に応じたことが加担のきっかけでした。警察から呼び出しの連絡が来た段階で、弁護士に依頼してください。処分が決まるまでの時間を、弁償の交渉と検察官への意見書づくりに充てられます。

出典:熊本県警察「熊本県内の犯罪情勢(令和7年中)」、熊本県警察「熊本県内の犯罪情勢(令和8年8月末)」、熊本県警察「教育警察常任委員会説明資料(令和8年4月)」、警察庁「犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)」、警察庁「令和7年における組織犯罪の情勢」、熊本県警察「闇バイト(犯罪実行者募集情報)に注意」

熊本県の闇バイト事件でよくある質問

Q1. 八代市や人吉市で起きた強盗致傷事件は、地元の支部で裁判になりますか?

なりません。熊本県では裁判員裁判を熊本地方裁判所の本庁(熊本市中央区京町)だけで行うため、八代支部や人吉支部、天草支部の区域で起きた事件も本庁で審理されます。家族が熊本市へ通う日程も含めて、公判の準備を早めに弁護士と相談しましょう。

Q2. 天草市の高校に通う子どもが受け子をして逮捕されました。家庭裁判所はどこですか?

天草市・苓北町と上天草市(大矢野町の一部を除く)の少年事件は、熊本家庭裁判所の天草支部が扱います。熊本家裁で少年事件を担当するのは本庁・八代支部・天草支部の3か所だけで、人吉や水俣の少年事件は八代支部、玉名・荒尾・山鹿の少年事件は熊本市の本庁です。疑いが強盗にまで及び、本人が18歳か19歳の特定少年であれば、家庭裁判所は原則として事件を検察官に送り返し、成人と同じ刑事裁判になります(少年法第62条第2項)。子どものスマートフォンは中身を消させずに、弁護士との相談に持参してください。

Q3. 夜中に家族の逮捕を知りました。当番弁護士の電話はつながりますか?

当番弁護士専用電話(090-3661-3133)は、午後5時から翌朝9時までは留守番電話になります。本人の氏名、留置されている警察署、罪名、あなたの名前と連絡先を録音しておけば、当番弁護士から連絡が入り、土曜・日曜・祝日も申込みができます。本人が熊本県内で身柄を拘束されている場合に限られるため、県外の署にいるときは、その地の弁護士会へ申し込みましょう。

Q4. 「熊本北合志署にいる」と言われました。合志市まで行けば会えますか?

熊本北合志警察署は、署名に「合志」と入っていますが熊本市北区飛田にあります。熊本市内の署は、熊本中央(中央区)・熊本南(南区)・熊本東(東区)・熊本北合志(北区)の4署です。逮捕の段階で会えるのは弁護士だけで、家族は勾留が決まった後、接見禁止が付いていなければ面会できます。勾留が決まるまでは、伝えたいことを弁護士に託してください。

Q5. 控訴したら、裁判はどこで開かれますか?

熊本県内の事件の控訴審は、福岡市中央区六本松の福岡高等裁判所で開かれます。熊本県内に高裁の支部はなく、宮崎支部に回ることもありません。刑事控訴事件の問い合わせ先は、福岡高裁の刑事訟廷事務室(092-781-3141・代表)です。控訴審まで同じ弁護士に任せるなら、福岡への出張費の扱いを判決前に決めておきましょう。

Q6. 熊本県外に住む家族です。県内の署にいる本人のために何ができますか?

住まいに関係なく、熊本県弁護士会の当番弁護士専用電話に申し込めます。面会した弁護士から様子を聞いたうえで、私選で頼むかを決められます。熊本まで通えない日は、本人への伝言を弁護士に託しましょう。

Q7. 脅されてグループから抜けられません。暴力団の名前も出ています。

危険が差し迫っていれば110番してください。暴力団が関係するトラブルは熊本県暴力追放運動推進センター(096-382-0333)でも相談でき、熊本県警察は令和8年春に匿名・流動型犯罪グループの対策室を設けています。すでに受け取りや引き出しをしてしまったなら、警察に相談するのと同じ日に弁護士にも連絡を入れてください。自分の行為がどう扱われるかを見通したうえで、出頭の段取りを組めます。

Q8. 弁護士費用が払えそうにありません。阿蘇や天草でも相談できますか?

収入や資産が一定の基準以下なら、法テラス熊本(0570-078365)の無料法律相談を予約して使えます。面談は熊本市のほか、弁護士会の法律相談センターがある山鹿市・玉名市・天草市・八代市・阿蘇市・益城町・人吉市の会場でも受けられます。勾留された本人は、資力が一定以下であれば国選弁護人を請求できます(刑事訴訟法第37条の2)。まずは当番弁護士に費用の事情を伝え、国選に切り替えるかを相談しましょう。

出典:裁判所「熊本県内の管轄区域表」、福岡高等裁判所「窓口案内」、熊本県弁護士会「逮捕・刑事事件」、熊本県弁護士会「各種相談先一覧」、熊本県警察「各所属の住所等一覧」、熊本県警察「各種相談電話番号」、法テラス「法テラス熊本」、制度の参考:e-Gov法令検索「少年法」第62条、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第37条の2

熊本県で闇バイトの事件に対応する弁護士を探す グループからの次の指示を待たずに、弁護士へ連絡してください

熊本県内の事件は地裁の本庁と6つの支部に分かれますが、強盗致傷の裁判員裁判は熊本市の本庁に集まり、控訴すれば福岡高裁まで出向くことになります。八代・人吉・天草・阿蘇の署まで接見に通えるか、夜間や休日に動けるかは事務所によって違います。家族が県内の署にいるなら、今日か明日のうちに接見へ向かえる事務所を選んで電話をかけてください。脅されて抜け出せない人は、警察に相談する日に弁護士にも連絡しましょう。

参考資料・更新情報

※本コンテンツは2026年10月5日時点で確認できた公表情報をもとに作成しています。刑法犯の認知件数・検挙率・凶悪犯・知能犯・詐欺の件数は熊本県警察「熊本県内の犯罪情勢」(令和7年確定値・令和8年8月末暫定値)、「電話で『お金』詐欺」とSNS型投資・ロマンス詐欺、少年の検挙、暴力団の勢力、匿名・流動型犯罪グループ対策室は熊本県警察の教育警察常任委員会説明資料(令和8年4月)、刑法犯の身柄措置は警察庁「犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)」、匿名・流動型犯罪グループの検挙人員の内訳は警察庁「令和7年における組織犯罪の情勢」の全国値、保釈の人数は裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」第32表の全国値、在留外国人数は令和7年末、弁護士会の会員数は2026年4月1日現在の値です。人口10万人当たりの件数と逮捕の割合は公表値から算出しました。刑名は令和7年6月1日施行の拘禁刑に合わせて記載しています。制度や窓口の情報は変更される場合があるため、利用前に各機関および法律事務所の公式情報をご確認ください。本コンテンツは一般的な情報提供を目的とするもので、個別の事件についての法的助言ではありません。

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