覚せい剤事件の懲罰は恐ろしい!弁護士に依頼する際のコツと費用
- 「覚せい剤事件で家族が逮捕されてしまったので、弁護士に依頼したい」
- 「覚せい剤事件で早く釈放されるためにはどうしたらよい?」
ご自身や家族が覚せい剤事件で逮捕されてしまい、弁護士に相談・依頼したいと考えている方は多いのではないでしょうか?
覚せい剤事件を弁護士に依頼すると、早期釈放や減刑などのさまざまなメリットを受けられる可能性があります。
本記事では、覚せい剤事件について弁護士に依頼するメリット、覚せい剤事件に強い弁護士の探し方などについて解説します。
覚せい剤事件の種類や、覚せい剤事件について依頼できる弁護士についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
覚せい剤事件を起こしたらどうなる?刑事罰と逮捕率
覚せい剤とは、脳内の中枢神経を刺激する薬物のことで、主にアンフェタミンやメタンフェタミンなどがあります。
使用し続けると幻覚や被害妄想などによる強い不安感やパニック状態に陥り、場合によっては死に至ることもあります。
覚せい剤には強い依存性があるため、使用した場合覚醒剤取締法により厳しく処罰されます。
それでは、具体的にどのような処罰を受けるのでしょうか?
まずは、覚せい剤によって逮捕された場合に受ける処罰の内容や、覚せい剤事件の逮捕率について解説します。
覚せい剤事件の5つの種類
覚せい剤事件は、大きく5種類に分かれます。
それぞれの具体的な内容は以下のとおりです。
種類 |
内容 |
使用 |
注射や吸引などにより覚せい剤を使用すること。 尿検査で覚せい剤成分が検出された場合、検察官によって起訴される。 ただし、故意でない場合は不起訴処分となることもある。 |
所持 |
覚せい剤を自宅や職場などで所持していること。 自宅や職場などで押収された薬剤が覚せい剤であると判明した場合に起訴される。 ただし、押収された覚せい剤が極微量である場合や、覚せい剤が他人の所有物であり、その存在を知らなかった場合などは不起訴処分となることがある。 |
譲渡し・譲受け |
覚せい剤を他人に譲渡、または他人から譲り受けること。 逮捕された際に覚せい剤を持っていなくても起訴される。 |
輸出・輸入 |
覚せい剤を国外に輸出したり、海外から輸入したりすること。 覚せい剤を持ち運んだ場合や、覚せい剤を荷物に入れて送った場合などに起訴される。 ただし、覚せい剤であることを知らずにおこなっていた場合は不起訴処分となることがある。 |
製造 |
覚せい剤を自分で製造すること。 |
覚せい剤事件の刑事罰|罰金だけでは済まない
覚せい剤事件で逮捕された場合、覚醒剤取締法によって処罰されます。
罰則は、それぞれ以下のとおりです。
【覚せい剤】
|
単純 |
営利目的 |
輸入・輸出・製造 (覚醒剤取締法第41条) |
1年以上の有期懲役 |
無期もしくは3年以上の懲役 または情状により無期もしくは3年以上の懲役および1,000万円以下の罰金 |
所持・譲り渡し・譲り受け (覚醒剤取締法第41条の2) |
10年以下の懲役 |
1年以上の有期懲役 または情状により1年以上の有期懲役および500万円以下の罰金 |
使用 (覚醒剤取締法第41条の3) |
10年以下の懲役 |
― |
【覚せい剤原料】
|
単純 |
営利目的 |
輸入・輸出・製造 (覚醒剤取締法第41条の4) |
10年以下の有期懲役 |
10年以下の懲役、情状により300万円以下の罰金 |
所持・譲り渡し・譲り受け (覚醒剤取締法第41条の4) |
7年以下の懲役 |
10年以下の懲役,情状により300万円以下の罰金 |
使用 (覚醒剤取締法第41条の4) |
7年以下の懲役 |
― |
上記のとおり、覚せい剤事件の種類によって罰則が異なります。
また、非営利目的の場合よりも営利目的の場合のほうが重い処罰を科せられます。
営利目的で覚せい剤を製造・輸入・輸出した場合、最大で無期懲役に処せられることもあります。
覚せい剤事件の逮捕率は70%、勾留率はほぼ100%
令和3年の検察統計年報によると、覚せい剤事件で逮捕される割合は70%、このうち勾留される割合は99.7%です。
勾留率が非常に高いのは、覚せい剤の入手ルートの証拠隠滅を避けるためであるといえます。
また、勾留されると最大20日間身柄を拘束されます。
勾留決定に際して、接見等禁止処分が付されると、家族や職場など弁護士以外の外部とは一切連絡できなくなります。
覚せい剤事件で弁護士に依頼するメリット3つ
覚せい剤事件について弁護士に依頼すると、さまざまなメリットがあります。
ここでは、覚せい剤事件を弁護士に依頼するメリットを3つ紹介します。
早期釈放が期待できる
1つ目のメリットは、早期釈放を実現できる可能性があることです。
覚せい剤事件で逮捕されると、警察で取調べがおこなわれます。
取調べの内容によって、身柄を引き続き拘束すべきかどうかの判断がなされるため、取調べで何を話すかは重要なポイントです。
しかし、弁護士のサポートがないと、自分に不利な内容をつい話してしまったり、話さなくてもよいことを話してしまったりして、身柄の拘束が長引いてしまうリスクがあります。
弁護士に早い段階で依頼すれば、取調べで気をつけるべきポイントを教えてもらえるので、早期釈放を実現できる可能性も高くなります。
執行猶予の獲得や減刑が期待できる
2つ目のメリットは、執行猶予の獲得や減刑が期待できることです。
弁護士のアドバイスがあれば、取調べで不利な内容を話してしまうリスクを抑えることができます。
会社に解雇されるリスクを下げられる
3つ目のメリットは、会社に解雇されるリスクを抑えられることです。
警察に逮捕されて身柄を拘束された場合、接見禁止処分が付されると、外部との連絡が一切できなくなります。
会社に欠勤の連絡を入れることも、家族に代わりに連絡してもらうこともできないため、無断欠勤となることがほとんどです。
しかし、弁護士であれば被疑者本人と接見することができます。
欠勤理由について会社にどのように伝えればよいかも考えてもらえるので、家族を通じて安全に職場に連絡してもらえます。
弁護士のアドバイスにより、単に「覚せい剤事件で身柄を拘束されている」と伝えるよりも、解雇のリスクを抑えられるでしょう。
覚せい剤事件における弁護士の弁護活動の内容
覚せい剤事件に関して、弁護士にはどのようなことを依頼できるのでしょうか?
ここからは、覚せい剤事件における弁護士の活動内容について解説します。
【認める場合】更生意欲があることや再犯の可能性が低いことを主張
覚せい剤の罪を認める場合は、覚せい剤を二度と使用・所持しないことを主張する必要があります。
「薬物依存から脱却しようとしている」「覚せい剤を二度と使用しないだろう」と裁判所に判断されれば、執行猶予がついたり早期に保釈されたりする可能性が高くなります。
早い段階で弁護士に依頼すれば、再犯の可能性が低いと判断してもらうためにやるべきことや、注意すべきことについて適切なアドバイスを受けられます。
【否認する場合】客観的な証拠に基づき故意がなかったことを主張
覚せい剤の罪を否認する場合は、故意ではなかったことを主張する必要があります。
弁護士に依頼すれば、取調べでどのように話せばよいかアドバイスを受けられるので、故意ではないことを説得力をもって伝えられるでしょう。
故意ではないことをきちんと主張できれば、不起訴処分や早期の釈放を実現できる可能性があるといえます。
覚せい剤事件について相談できる弁護士の種類と特徴
覚せい剤事件について相談できる弁護士は、大きく3つの種類に分かれます。
ここでは、覚せい剤事件について相談できる弁護士の特徴をそれぞれ解説します。
当番弁護士|逮捕後に1回だけ被疑者のもとに駆け付けてくれる弁護士
当番弁護士とは、弁護士会から留置場に派遣されている弁護士のことで、無料で1回に限り接見することが可能です。
被疑者本人や家族が弁護士を選ぶことはできず、弁護士会がランダムに派遣します。
そのため、覚せい剤事件にあまり詳しくない弁護士が来る可能性もある点には注意が必要です。
また、2回目以降も同じ弁護士に依頼するには弁護士費用を支払う必要がある点も覚えておきましょう。
国選弁護人|勾留決定後に国が被疑者のために付けてくれる弁護士
国選弁護人とは、経済的な事情により私選弁護人に依頼できない人のために、裁判所が選任している弁護人のことです。
国選弁護人を利用できる要件を満たした場合、弁護士費用は国が負担してくれるので、出費を抑えたい人にとっては大きなメリットがあります。
なお、訴訟費用免除の決定が出ない場合に費用は自己負担となります。
また、勾留開始前に国選弁護人を呼ぶことはできないため、早い段階からサポートを受けることはできません。
また、当番弁護士と同様、覚せい剤事件に詳しい弁護士が担当するとは限らない点にも注意が必要でしょう。
私選弁護人|本人や家族がサポートを依頼して付ける任意の弁護士
私選弁護人とは、本人や家族が自ら選んで依頼できる弁護士のことです。
覚せい剤事件に詳しい弁護士を自分で探して依頼できるので、事件の早期解決が期待できます。
弁護士費用はかかりますが、本人や家族が信頼できる弁護士に依頼できるうえ、早い段階から事件解決に向けた総合的なサポートを受けられます。
覚せい剤事件が得意な弁護士を探すならベンナビ刑事事件がおすすめ
覚せい剤事件に強い弁護士に依頼したいなら、「ベンナビ刑事事件」の利用がおすすめです。
ベンナビ刑事事件とは、お住まいの地域や相談内容に合った弁護士を検索できるポータルサイトです。
相談内容で「覚せい剤」を選択すれば、覚せい剤事件を多数解決してきた弁護士を探せます。
初回の相談を無料で実施したり、夜間および休日にも対応に応じたりしている法律事務所も多数掲載されているので、弁護士費用が気になる方も気軽に相談できるでしょう。
覚せい剤事件を依頼する私選弁護人の選び方
覚せい剤事件は、できるだけ早い段階で弁護士に依頼するのがおすすめです。
国選弁護人に依頼できるのは勾留開始後なので、私選弁護人に依頼したほうが早くからサポートを受けられます。
また、国選弁護人は覚せい剤事件が得意とは限らないので、覚せい剤事件に詳しい私選弁護人のほうが事件をよりスムーズに解決できるでしょう。
それでは、覚せい剤事件を依頼する弁護士はどのように選べばよいのでしょうか?
ここからは、覚せい剤事件を私選弁護人に依頼する際に注目するべきポイントについて解説します。
覚せい剤事件の対応実績が豊富か
まず、覚せい剤事件の対応実績や解決実績が豊富かどうかに注目しましょう。
弁護士とひと口にいっても、得意分野はそれぞれ異なります。
覚せい剤事件を多く扱ってきた弁護士なら、早期釈放や執行猶予獲得のための解決策を早く導き出すことができ、最良の条件で事件を解決できるでしょう。
平日夜間や休日でも対応してくれるか
夜間や休日も対応可能な弁護士に依頼するのがおすすめです。
覚せい剤事件では、検察官が起訴するか釈放するかを勾留期間内に判断しなければなりません。
そのため、釈放してもらうには勾留期間内に証拠隠滅や逃亡のおそれがないことをしっかりと主張する必要があります。
しかし、勾留期間は土日もカウント対象なので、土日に対応できない弁護士だと主張が間に合わず勾留延長や起訴に発展してしまうおそれがあります。
その点、夜間や土日も動ける弁護士なら、必要な主張を勾留期間内にしっかりおこなうことができ、早期の釈放や不起訴処分を実現できる可能性があるでしょう。
薬物治療の専門施設と連携しているか
薬物依存を治療できる専門施設と連携しているかもチェックしましょう。
専門施設と連携している弁護士なら適切なクリニックや施設を紹介してくれ、依存症の克服に向けた治療を早期に始められます。
治療を早い段階で開始することで、更生の意思があると判断されやすくなります。
仮に起訴されて裁判に発展しても、クリニックの医師に更生の見込みについて証言してもらったり、治療の成果を裁判に反映させたりすることで、減刑される可能性が高くなるでしょう。
覚せい剤事件を私選弁護人に依頼する際の費用
覚せい剤事件を私選弁護人に依頼した場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?
弁護士費用の種類と目安は、下表のとおりです。
【覚せい剤事件を弁護士に依頼した際の費用の目安・内訳】
費用の種類 |
費用の目安 |
相談料 |
1時間あたり1.1万円(無料の場合もあり) |
着手金 |
22万円〜55万円 |
成功報酬金 |
22万円〜88万円 |
接見費用 |
1回あたり2万円〜5万円 |
日当 |
1回あたり2万円〜5万円 |
覚せい剤事件で逮捕されたあとの流れ
覚せい剤事件で逮捕されると、どのような流れで進んでいくのでしょうか?
ここでは、覚せい剤事件で逮捕されたあとの流れについて解説します。
検察官送致(送検)
覚せい剤事件で逮捕されると、まずは警察で取調べを受けます。
警察で身柄を拘束できるのは最大で48時間までなので、その時間内に検察官へ身柄が送致されます。
検察官は、24時間以内に身柄を拘束し続ける必要があるかを判断し、身柄拘束の必要があると考えた場合は裁判官に勾留請求をします。
勾留決定・勾留延長
裁判官が勾留請求を認めたら裁判所に連行され、勾留質問を受けます。
勾留質問をふまえ、引き続き身柄を拘束する必要があると判断された場合、裁判官により勾留決定がおこなわれます。
勾留決定がなされると10日間身柄を拘束され、警察や検察官による捜査や取調べがおこなわれます。
10日経っても身柄を拘束する必要があると判断された場合は、検察官が裁判官に勾留延長を請求します。
裁判官が勾留延長を認めたら、さらに最大10日間勾留されます。
起訴
勾留満了日までに、検察官が起訴にするか不起訴にするかを判断します。
起訴された場合は、引続き身柄を拘束されるのが一般的です。
ただし、要件を満たせば保釈保証金を支払うことで、一時的に身柄を解放してもらえることもあります。
公判手続・判決
起訴されると、1〜2ヵ月後を目処に裁判が始まります。
裁判では、犯罪事実の認否、検察官や弁護士などによる立証、被告人に対する質問などがおこなわれます。
その後、1週間前後で再度裁判が開かれ、裁判官から判決が言い渡されます。
有罪となった場合は、覚醒剤取締法に基づき刑事罰に処せられます。
判決に不服がある場合、判決を言い渡された日の翌日から14日以内に控訴を申し立てることが可能です。
控訴した場合は控訴審がおこなわれ、再度判決を受けることになります。
覚せい剤事件についてよくある質問と回答
ここからは、覚せい剤事件についてよくある質問をまとめています。
覚せい剤事件について疑問や不安がある方は、ぜひ参考にしてください。
執行猶予中に再び覚せい剤所持で逮捕された。もう一度執行猶予判決は可能か?
執行猶予中に再犯してしまった場合、もう一度執行猶予を受けることは難しいでしょう。
むしろ、前回の判決で受けた懲役刑も加算されるため、より重い判決となる可能性が高いといえます。
また、執行猶予期間が終わったあとに再犯してしまった場合も、実刑判決となる可能性が高いでしょう。
家族が覚せい剤の使用で逮捕された。いつ面会できるか?
家族が覚せい剤事件で逮捕された場合、2〜3日間は面会できません。
覚せい剤事件は、証拠隠滅が比較的簡単であるため、接見禁止処分が付されることがあります。
接見禁止処分が付された場合は、弁護士以外の外部と一切連絡できないことになっています。
とくに覚せい剤仲間がいる場合は、口裏合わせや証拠隠滅をされてしまう可能性が高く、接見禁止となる可能性が高いです。
逮捕された家族と連絡を取りたい場合や面会をしたい場合は、弁護士に依頼するとよいでしょう。
接見禁止処分を一時的に解除できる場合もあるので、困ったら早めに弁護士に相談するのがおすすめです。
覚せい剤事件が得意な弁護士はどうやって探せばよいか?
覚せい剤事件が得意な弁護士は、ベンナビ刑事事件で探すのがおすすめです。
友人・知人に弁護士を紹介してもらう方法もありますが、紹介してもらった弁護士が覚せい剤事件に精通しているとは限りません。
ベンナビ刑事事件なら、覚せい剤事件に強い弁護士を簡単に検索できるため、信頼できる弁護士を手間なく効率的に見つけられます。
さいごに
覚せい剤事件で逮捕されてしまうと長期間身柄を拘束され、覚せい剤取締法により厳しく罰せられます。
また、取調べの際の警察からの圧力に耐えられず、自分に不利な内容を話してしまうこともあるでしょう。
早期の釈放や減刑ができないか悩んでいるなら、早い段階で弁護士に依頼するのがおすすめです。
弁護士に早く依頼すれば、取調べの際に注意すべきポイントを教えてもらえたり、事件解決に向けたサポートを総合的に受けたりできます。
覚せい剤事件が得意な弁護士は、ベンナビ刑事事件で簡単に検索できます。
お悩みに合った弁護士を楽に見つけられるので、気になる弁護士がいたら気軽に相談してみるとよいでしょう。
【迅速対応|弁護士直通ダイアル|夜間・休日対応可】早期の身柄釈放を第一に、スピーディーに対応いたします!裁判員裁判の経験あり◎|性犯罪の取り扱い実績も多数あり|万引き/窃盗/薬物/詐欺/オーバーステイなどの外国人事件の取り扱い多数
事務所詳細を見る【刑事少年事件専門・24時間365日受付・無料相談・全国に支店】年間相談数3000件超、年間解決事例数約500件、釈放保釈多数の圧倒的実績で社会復帰を強力に弁護する刑事特化のリーディングファーム
事務所詳細を見る当サイトでは、有料登録弁護士を優先的に表示しています。また、以下の条件も加味して並び順を決定しています。
・検索時に指定された都道府県に所在するかや事件対応を行っている事務所かどうか
・当サイト経由の問合せ量の多寡
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