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沖縄県で利用できる公的な相談窓口
当番弁護士の受付は沖縄弁護士会
当番弁護士の平日の受付は、沖縄弁護士会の代表と同じ098-865-3737で、留置されている署がどこでも変わりません。土日祝は留守番電話が受け、留置・勾留の場所に応じて098-865-3737か098-894-8663を使います。本人は警察官などに申し出れば依頼できます。
留守番電話に残す内容(沖縄弁護士会の案内の7項目)
- 電話をかけた人の名前
- 折り返しの連絡先
- 検挙された人との関係
- 検挙された人の名前
- 容疑の内容(酒気帯びか酒酔いか、人身事故の有無)
- 逮捕された日時
- 留置されている警察署や施設の名前
※日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」(2026年6月24日現在)の沖縄の番号は098-865-3737です。土日祝の番号の振り分けは、沖縄弁護士会のページと日本弁護士連合会の別資料とで一部の警察署の扱いが異なります。
在宅で呼び出しを待つ段階の法律相談
沖縄弁護士会の法律相談センターは那覇(弁護士会館)・沖縄支部(沖縄市知花)・名護支部(名護市)の3か所で、相談の種類に「刑事弁護に関する相談」が含まれます。相談料は30分5,500円(資力が一定以下なら無料)で、予約は電話なら平日10時〜15時、Webなら時間を問いません。宮古・八重山には弁護士会の相談センターがないので、島で呼び出しを受けているなら刑事事件を扱う事務所へ直接相談してください。
事故の賠償は交通事故の相談窓口へ
賠償の進め方は、日弁連交通事故相談センター沖縄県支部(受付098-865-3737)が那覇とコザの相談所で無料で受けますが、刑事事件の相談は対象外です。県の沖縄県交通事故相談所(那覇市旭町の県南部合同庁舎5階・098-866-2185)も平日に無料で応じ、中部・名護・宮古・八重山では巡回相談を開いています。賠償の話し合いはこれらの窓口も使い、処分の前にまとめたい示談は弁護士に任せましょう。
事故の被害を受けた側の相談先
| 窓口 | 電話 | 受付 |
|---|---|---|
| (公社)沖縄被害者支援ゆいセンター | 098-866-7830 | 平日10時〜16時 |
| 沖縄県犯罪被害者等支援総合窓口 | 098-866-4115 | 平日9時〜17時(12時〜13時を除く) |
| 那覇地方検察庁 被害者ホットライン | 098-835-9997 | 平日9時〜17時。時間外は留守番電話・FAX |
| 法テラス 犯罪被害者支援ダイヤル | 0120-079714 | 平日9時〜21時、土曜9時〜17時 |
※ゆいセンターは沖縄県公安委員会が指定した県内唯一の犯罪被害者等早期援助団体です。県の総合窓口とゆいセンターは慰霊の日(6月23日)も休みです。
出典:沖縄弁護士会「当番弁護士」、日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」、沖縄弁護士会「法律相談」、沖縄弁護士会「交通事故に関する相談」、沖縄県「沖縄県交通事故相談所」、沖縄県「犯罪被害者等支援(相談窓口)」、那覇地方検察庁「被害者支援」、法テラス「法テラス沖縄」
沖縄県で飲酒運転をして検挙されたら最初にすること
ここでは、沖縄県内で飲酒運転をして検挙された本人と、その家族に向けて、加害者側の刑事手続と運転免許の処分の進み方を説明します。検挙されると、那覇地方検察庁と裁判所が決める刑事の処分と、住所地の公安委員会が決める免許の処分が、別々の手続として動き出します。家族が警察署に留置されたときの弁護士の派遣は沖縄弁護士会が受け付け、平日は098-865-3737、土日祝は留置先によって098-865-3737か098-894-8663の留守番電話です。依頼すれば原則24時間以内に当番弁護士が本人と会い、この初回の面会に費用はかかりません。
いまの状況別・最初にすること
- 検問や事故の現場で呼気検査を受け、その日は帰宅できた
- 逮捕されなくても捜査は在宅で続きます。検知器の数値と測った時刻、飲み始めと飲み終わりの時刻を今日のうちに書き留め、呼び出しの前に弁護士へ見せてください。罰金で終わる見込みかを最初の相談で聞けます。
- 家族が本島や宮古・八重山の警察署に留置された
- 平日は署の場所を問わず098-865-3737で受け付けます。土日祝は、那覇・豊見城・浦添・宮古島・八重山の署と那覇・宮古の拘置支所なら098-865-3737、宜野湾・沖縄・うるま・石川・名護の署なら098-894-8663に電話し、本人の名前と留置先、折り返しの番号を吹き込んでください。
- 飲んだあとの運転で人身事故を起こした
- アルコールの影響の程度によっては、過失運転致傷ではなく危険運転致傷(15年以下の拘禁刑)として捜査されます。店の名前と飲んだ量、運転を始めた場所をまとめ、事故の相手への連絡は弁護士に任せてください。
- 旅行や出張で沖縄に来ていて検挙され、自宅は県外にある
- 刑事の手続は沖縄県警と那覇地検が進め、免許の処分は住所のある都道府県の公安委員会が決めます。県外の自宅へ戻る前に、呼び出しへの応じ方を沖縄の弁護士と決めておきましょう。
出典:沖縄弁護士会「当番弁護士」、日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」、警察庁「令和8年7月21日施行の改正に関するリーフレット」、e-Gov法令検索「道路交通法」第103条
沖縄県で飲酒運転により逮捕・在宅捜査となったあとの流れ
飲酒運転は、呼気検査で発覚してもその場で逮捕されず、在宅のまま捜査が進むことがあります。逮捕された場合の時間の区切りは那覇でも石垣でも変わらず、警察は48時間以内に事件を検察官へ送り、検察官は24時間以内に勾留を請求するかを判断します。勾留は原則10日で、延長を含めて最長20日です(刑事訴訟法第203条・第205条・第208条)。その間に、略式命令の罰金、公判請求、不起訴のどれにするかが決まります。手続の段階ごとの説明は逮捕後の流れを解説した記事にあります。
警察署ごとに見る、罰金の簡裁と公判を開く庁
沖縄県警の警察署は14署です。事件を処分する那覇地方検察庁は本庁と沖縄・名護・平良・石垣の4支部に分かれ、罰金の略式命令を出す簡易裁判所も那覇・沖縄・名護・平良・石垣の5庁で、どれも那覇地裁の本庁か支部と同じ建物に入っています。
| 検挙した警察署 | 主な受け持ち地域 | 罰金(略式命令)の簡裁 | 公判の庁(合議事件の庁) |
|---|---|---|---|
| 那覇・豊見城・糸満・与那原・浦添 | 那覇市・浦添市・糸満市・豊見城市・南城市・八重瀬町・南風原町・与那原町・西原町、久米島・慶良間・大東諸島など | 那覇簡裁 | 本庁(本庁) |
| 宜野湾・沖縄・嘉手納・うるま・石川(うるま市石川) | 沖縄市・宜野湾市・うるま市・北谷町・北中城村・中城村・嘉手納町・読谷村 | 沖縄簡裁 | 沖縄支部(沖縄支部) |
| 名護・本部・石川(恩納村・金武町・宜野座村) | 名護市と国頭郡の9町村、伊是名村・伊平屋村 | 名護簡裁 | 名護支部(本庁) |
| 宮古島 | 宮古島市・多良間村 | 平良簡裁 | 平良支部(平良支部) |
| 八重山 | 石垣市・竹富町・与那国町 | 石垣簡裁 | 石垣支部(石垣支部) |
※裁判所の欄は裁判所「沖縄県内の管轄区域表」(市町村名は平成18年4月1日現在の行政区画による表示)、警察署の欄は「沖縄県警察の組織に関する条例」の別表によります。控訴審はどの地域の事件も、那覇地裁と同じ那覇市樋川の建物にある福岡高等裁判所那覇支部が扱います。
事故の相手が亡くなり危険運転致死罪で起訴されると裁判員裁判となり、宮古島や石垣島で起きた事故でも那覇の本庁で審理されます。名護支部の区域の合議事件も本庁へ回ります。検挙した署と裁判所の区域が一致しない地域もあります。那覇市小禄地区の事件は豊見城署が扱っても裁判所は本庁、恩納村・金武町・宜野座村の事件は石川署が扱っても名護支部です。弁護士には署の名前に加えて、検問や事故のあった市町村と地区まで伝えてください。接見と公判の両方を見込んだ見積もりが出せます。
拘置支所は県内に2つあり、那覇地裁に隣接する那覇拘置支所と、平良支部に隣接する宮古拘置支所です。石垣市の施設は八重山刑務支所で、いずれも沖縄刑務所の支所にあたります。宮古・八重山の署へ本島から接見に向かうには空路を使うため、台風で便が欠航すると面会や打ち合わせが先へ延びます。島の署に家族がいるなら、私選で頼む先として宮古島や石垣島で活動する事務所も候補に入れましょう。移動の待ち時間なく接見を重ねられます。
出典:裁判所「沖縄県内の管轄区域表」、那覇地方裁判所「県内の裁判員制度関連の情報」、那覇地方裁判所「所在地一覧」、福岡高等裁判所「所在地一覧」、那覇地方検察庁「交通案内」、沖縄県警察「県内の警察署」、沖縄県法規集「沖縄県警察の組織に関する条例」、法務省「刑事施設の所在地一覧」、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」
沖縄県の飲酒運転に科される刑罰と免許の処分
飲酒運転を罰するのは全国共通の道路交通法で、那覇でも宮古島でも区分の線と法定刑は同じです。令和8年7月21日の改正により、呼気1リットルあたり0.5mg以上のアルコールが検出されれば酒酔い運転として扱われます。
| 区分(条文) | 呼気1Lあたりの濃度など | 刑事の法定刑 | 免許(前歴・累積点数なし) |
|---|---|---|---|
| 酒酔い運転(第117条の2第1項第1号) | 0.5mg以上、またはアルコールの影響で正常な運転ができないおそれがある状態 | 5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 | 35点・取消し(欠格期間3年) |
| 酒気帯び運転(第117条の2の2第1項第3号) | 0.25mg以上0.5mg未満 | 3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 | 25点・取消し(欠格期間2年) |
| 酒気帯び運転(同じ号) | 0.15mg以上0.25mg未満 | 3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 | 13点・停止90日 |
※0.15mg/Lの基準は道路交通法施行令第44条の3によります。免許の欄は、過去に処分を受けておらず累積点数もない人の場合です。
0.5mg/Lに届かなくても、歩き方や受け答えの記録から酒酔いとされる余地があります。現場で受けた指示と自分の対応を、思い出せる順に弁護士へ話してください。
人を死傷させると自動車運転死傷処罰法の罪になる
| 罪名(条文)と当てはまる状態 | 負傷 | 死亡 |
|---|---|---|
| 危険運転致死傷(第2条第1号):アルコールの影響で正常な運転が困難な状態 | 15年以下の拘禁刑 | 1年以上の有期拘禁刑 |
| 準危険運転致死傷(第3条第1項):正常な運転に支障が生じるおそれがある状態 | 12年以下の拘禁刑 | 15年以下の拘禁刑 |
| 発覚免脱(第4条):飲酒の発覚を免れようと、その場を離れるなどした | 12年以下の拘禁刑 | |
| 過失運転致死傷(第5条):運転上の注意を怠った | 7年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 | |
令和8年7月21日の改正で、危険運転致死傷の飲酒の類型にも呼気0.5mg/L以上という数値の目安が加わりました。全国の検察統計(令和6年)では、起訴された割合が過失運転致死傷等は15.3%、危険運転致死傷は76.1%で、危険運転の起訴413人は全員が公判請求でした(割合は算出)。事故のあと現場を離れた時間があれば、その間の行動を隠さず弁護士に伝えてください。
刑事の処分と免許の処分は、決める機関が違う
| 比べる点 | 刑事の処分 | 免許の処分 |
|---|---|---|
| 決める機関 | 那覇地検の検察官(起訴か不起訴か)と裁判所 | 違反の時点で住所がある都道府県の公安委員会(県内在住なら沖縄県公安委員会) |
| 結論の種類 | 不起訴・罰金・拘禁刑(執行猶予を含む) | 免許の取消し・停止 |
| 本人が意見を述べる場 | 取調べ、弁護人の意見書、公判 | 取消しや90日以上の停止の前に開かれる意見の聴取(道路交通法第104条) |
不起訴になっても罰金で済んでも、免許の処分はそれとは別に進みます。意見の聴取の通知が届いたら、通勤や仕事に車が欠かせない事情を示す書類を弁護士と一緒にそろえてください。
沖縄県飲酒運転根絶条例に罰則はない
沖縄県には「沖縄県飲酒運転根絶条例」(平成21年沖縄県条例第38号・同年10月1日施行)がありますが、罰則の規定はなく、刑の重さは道路交通法と自動車運転死傷処罰法だけで決まります。条例は、県民に飲酒運転を「しない、させない、許さない」という意志で取り組むよう求め(第5条)、公安委員会が飲酒運転をした人に指導・教育・指導書の交付などを行い、飲んだ店の営業者にも指導書を交付できると定めます(第11条)。飲酒運転をした人と家族の相談に県が応じて再発防止を助言すること(第12条)も定めています。公安委員会から指導や教育を受けたら、日付と内容を控えて弁護士に渡しましょう。再発防止の材料として検察官に示せます。
出典:e-Gov法令検索「道路交通法」第65条・第103条・第104条・第117条の2・第117条の2の2、e-Gov法令検索「道路交通法施行令」、e-Gov法令検索「自動車運転死傷処罰法」、法務省「危険運転致死傷罪の法改正Q&A」、法務省「検察統計調査」令和6年年報、警察庁「令和8年7月21日施行の改正に関するリーフレット」、沖縄県法規集「沖縄県飲酒運転根絶条例」
容疑を認めるときと争うときの進め方
認めるなら、飲んだら運転しない仕組みを処分の前に示す
飲酒運転を認める場合、処分が決まる前に示せるのは、飲酒と運転を切り離す具体的な手だてと、事故の相手がいれば謝罪と賠償の進み具合です。鍵を家族に預ける、車を手放すといった対策に加え、飲み方に不安があれば県の依存症相談拠点である沖縄県立総合精神保健福祉センター(南風原町)に相談しましょう。窓口はすべて「こころの電話相談」(098-888-1450)からで、受付は月・水・木・金の9時〜11時と13時〜16時です(火曜・土日祝・慰霊の日は休み)。県の案内には、匿名で相談でき、相談によって警察へ通報されることはないと書かれています。通い始めた日と回数を記録しておけば、弁護士がその記録を検察官へ再発防止の取り組みとして示せます。
事故の相手への連絡は、本人も家族も控えてください。任意保険の会社が賠償を扱っていても、処分に向けた謝罪と示談は弁護士が別に進めます。
争うなら、取調べで話したことを接見のたびに伝える
争点になりやすいのは、運転していたのが本人か、飲んだのは運転の前か後か、呼気検査の手順に問題がなかったかです。取調べの前には言いたくないことを言わなくてよいと告げられ(刑事訴訟法第198条第2項)、調書は読み聞かされたうえで誤りがないかを問われ、署名押印を断ることもできます(同条第4項・第5項)。道路交通法違反や過失運転致傷の取調べは録音・録画の義務がないため(同法第301条の2)、その日に聞かれたことと答えた内容を、面会のたびに弁護士へ話してください。危険運転致死の疑いで逮捕・勾留されていれば、裁判員裁判の対象事件として録音・録画されます。
出典:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第198条・第301条の2、沖縄県立総合精神保健福祉センター「精神保健福祉相談」、沖縄県立総合精神保健福祉センター「業務案内」、沖縄県「依存症の相談窓口」、沖縄県「依存症専門医療機関」
飲酒運転事件の保釈・公訴時効・在留資格と米軍関係者の扱い
保釈を請求できるのは起訴のあと
保釈を請求できるのは起訴された被告人です(刑事訴訟法第88条第1項・第207条第1項ただし書)。酒酔い運転と酒気帯び運転は法定刑に下限がないため、権利保釈の除外事由である第89条第1号には当たりません。妨げになりやすいのは、同乗者や店の関係者と口裏を合わせるおそれ(第4号)と、事故の相手に働きかけるおそれ(第5号)です。危険運転致死での起訴なら第1号に当たるため、裁判所の裁量(第90条)で保釈の可否が決まります。令和7年の全国では、勾留された被告人35,125人のうち11,132人が保釈されました(31.7%・算出)。釈放後は、同乗者や店の人と事件の話をしないでください。
公訴時効は酒気帯び3年・酒酔い5年
起訴できる期間は、酒気帯び運転3年、酒酔い運転5年、過失運転致傷5年、危険運転致傷10年、危険運転致死20年です(刑事訴訟法第250条)。時効は運転や事故の行為が終わった時から進み(第253条第1項)、起訴で止まります(第254条第1項)。国外にいる間は、時効の進行が止まります(第255条第1項)。
外国籍の人の在留資格
沖縄県の在留外国人は33,402人(令和7年末)です。道路交通法違反の飲酒運転は、執行猶予が付いても退去強制になる入管法第24条第4号の2の対象に入っておらず、1年を超える拘禁刑の実刑かどうか(第24条第4号リ)で判断されます。一方、人身事故が第2条の危険運転致死傷とされると第4号の2の対象となり、留学・特定技能など別表第一の在留資格の人は、執行猶予付きの判決でも退去強制の対象です。在留カードの資格と期限を、最初の面会で弁護士に伝えてください。通訳が要るときは、宜野湾市の沖縄県国際交流・人材育成財団(098-942-9215)が多言語の相談を受け、沖縄弁護士会と協力して法律相談にもつないでいます。
米軍の軍人・軍属が飲酒運転で検挙されたとき
米軍の構成員(軍人)や軍属の刑事手続は日米地位協定第17条が定めます。公務の執行中の作為・不作為から生じた罪は米軍当局に、それ以外の罪は日本の当局に、裁判権を行使する第一次の権利があります(第17条3(a)・(b))。
飲酒運転で分かれ目になるのが「公務」の範囲です。2011年(平成23年12月)の日米合同委員会の合意は、宿舎や住居と勤務場所との直接の往復を公務に含める一方、「飲酒したときは、その往復の行為は、公務たるの性格を失う」としています。酒を飲んでから基地を出て帰宅する途中の運転や事故は、通勤の経路上であっても公務としては扱われず、日本の当局が第一次の権利を持ちます。
身柄の扱いにも決まりがあります。日本の当局が米軍関係者を逮捕したときは、直ちに最寄りの米軍の憲兵司令官へ通知されます(刑事裁判管轄権に関する合意事項9(a))。身柄を先に押さえたのが米側なら、日本が公訴を提起するまで拘禁は米側が行います(第17条5(c))。起訴前の身柄の移転は、1995年の合意で凶悪な犯罪の特定の場合に米側が好意的な考慮を払うとされています。沖縄県警の集計では、令和7年の米軍人・軍属とその家族による刑法犯の検挙は101件・80人で、道路交通法違反の飲酒運転はこの数に入っていません。家族が米軍関係者なら、勤務との関係(勤務後の帰り道か、どこで飲んだか)と、いま日米どちらに身柄があるかを最初の相談で弁護士に伝えてください。通訳の手配も含めて方針を立てられます。
出典:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第88条〜第90条・第250条・第253条〜第255条、裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」第32表、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」、出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数」第4〜6表、沖縄県国際交流・人材育成財団「法律・生活相談」、沖縄県「地位協定ポータルサイト」、日米地位協定 本文(沖縄県掲載)、第17条関係の日米合同委員会合意(沖縄県掲載)、沖縄県警察「犯罪統計資料 令和7年(確定値)」
飲酒運転事件で弁護士に任せられることと選び方・費用
弁護士に任せる柱は次の3つで、どれも検察官や公安委員会が結論を出す前に動かします。
事故の相手に謝罪と治療費・慰謝料の支払いを申し入れ、示談書を交わすまでを引き受けます。申し入れの手順は被害者との示談交渉に関する記事で解説しています。
検察官へ勾留請求を見送るよう意見書を出し、勾留が付けば準抗告、起訴されたあとは保釈を請求します。処分の考え方は不起訴・刑罰・刑事処分に関する記事で整理しています。
免許の処分の前に開かれる意見の聴取に向けて、車が必要な事情の資料を集めます。
留置先の署と、起訴後の庁まで通える弁護士を選ぶ
沖縄弁護士会の会員は301人(2026年9月1日現在)です。日本弁護士連合会の紹介によると、本島中部・北部の支部で登録する会員が増え、宮古島と石垣島に置かれたひまわり基金法律事務所も定着して島の相談に応じています。名護・本部や宮古島・八重山の署に留置されているなら、まず当番弁護士を呼び、私選は次の点を聞いてから決めてください。
私選を決める前に事務所へ聞くこと
- 留置先の署へ、最初の接見に何日以内に行けるか(離島への航空運賃を含む費用も)
- 危険運転か過失運転かが争われた人身事故を扱ったことがあるか
- 公安委員会の意見の聴取に向けた準備まで引き受けるか
国選弁護人は勾留が請求されたあとに本人が裁判官へ求めるもので、在宅で捜査されている間は付きません。
費用の目安と法テラス沖縄
着手金・報酬金・接見の日当を合わせた弁護士費用は、40万円から90万円ほどが目安で、危険運転致死傷として扱われる事件ではこれより高くなります。賠償金や示談金はこれとは別です。本島から宮古・八重山の署へ通えば、接見ごとに航空運賃と日当が上乗せされます。費用の項目は刑事事件の弁護士選び・費用に関する記事で確認できます。
法テラスの県内拠点は、那覇市楚辺の法テラス沖縄(0570-078368・平日9時〜17時)と、スタッフ弁護士が勤める法テラス沖縄法律事務所・法テラス宮古島法律事務所で、石垣市・名護市・沖縄市には事務所がありません。費用の用意が難しいときは、面会に来た当番弁護士にそのまま打ち明けてください。国選弁護人を選べるかどうかを含め、使える制度の説明を受けられます。
出典:日本弁護士連合会「沖縄弁護士会」、日本弁護士連合会「弁護士会別会員数」、沖縄弁護士会「刑事弁護に関する相談」、法テラス「法テラス沖縄」、法テラス沖縄「法テラス宮古島法律事務所」、e-Gov法令検索「道路交通法」第104条
沖縄県の飲酒運転の検挙状況と事故のデータ
「沖縄は飲酒運転が多いのか」という疑問には、沖縄県警が公表している事故と検挙の数字で答えられます。
交通事故に占める飲酒絡みの割合は全国ワースト
沖縄県警の「交通白書」(令和5年版ダイジェスト)は、交通事故に占める飲酒絡み事故の構成率が3年連続で全国ワーストだとしています。令和5年の構成率は2.77%で、全国平均0.86%の約3.2倍でした。
| 年 | 飲酒絡みの交通事故 |
|---|---|
| 平成26年(2014年) | 117件 |
| 令和2年(2020年) | 45件 |
| 令和3年(2021年) | 50件 |
| 令和4年(2022年) | 57件 |
| 令和5年(2023年) | 82件 |
※沖縄県警察「交通白書」令和5年版ダイジェストの推移です。令和2年が最も少なく、令和5年の飲酒絡み事故による死者は5人でした。令和6年以降の全国順位が載った県警の資料は、2026年9月末の時点で見当たりません。
令和7年は飲酒運転の検挙者1,097人
県警は沖縄県飲酒運転根絶条例に基づき、3か月ごとに飲酒運転の検挙者と飲酒絡みの人身事故を公表しています。令和7年の4回分を合計すると、検挙者は1,097人(算出)でした。
| 区分 | 令和7年の検挙者 |
|---|---|
| 酒酔い運転 | 15人 |
| 酒気帯び運転(0.25mg/L以上) | 835人 |
| 酒気帯び運転(0.25mg/L未満) | 247人 |
| 計(算出) | 1,097人 |
住所で見ると県内居住が912人、県外などが185人です。10月〜12月の人口1,000人あたりの検挙者は、沖縄市0.36・北谷町0.38・嘉手納町0.39が高い値として公表されています。同じ資料の合計で、令和7年の飲酒絡みの人身事故は82件(算出)、県内の人身事故2,809件の2.92%(算出)にあたります。
12月末の県警の資料では、令和7年の死亡事故40件のうち飲酒絡みが5件(12.5%)でした。令和8年は1月〜8月だけで飲酒絡みの死亡事故が4件と、前年同期の1件を上回っています(暫定値)。検挙者の8割近く(835人・76.1%・算出)は0.25mg/L以上の酒気帯びで免許の取消しに当たる区分なので、刑事と免許の両方の手続を見すえて早めに弁護士へ相談してください。
危険運転やひき逃げに結びついた例(令和6年)
警察庁の統計では、令和6年に県内で検挙された危険運転致傷のうち、アルコールの影響によるものは第2条で2件、第3条で7件あり、第4条の発覚免脱致傷も2件ありました。同じ年に人身事故のひき逃げで逃げた動機が集計された33人のうち、5人が「飲酒運転中」を挙げています。事故の現場を一度でも離れたなら、ひき逃げや第4条の罪まで見込んだ弁護を早めに依頼してください。
出典:沖縄県警察「交通白書(令和5年版ダイジェスト)」、沖縄県警察「飲酒運転根絶条例 施行後3ヶ月毎公表資料」、沖縄県警察「令和7年 交通事故情報」、沖縄県警察「令和8年8月末 人身事故発生状況」、警察庁「令和6年の犯罪」第94表・第95表
沖縄県の飲酒運転事件でよくある質問
Q1. 日曜の夜、夫が沖縄署に留置されました。当番弁護士はどの番号ですか?
土日祝は留守番電話での受付で、宜野湾・沖縄・うるま・石川・名護の署なら098-894-8663、那覇・豊見城・浦添・宮古島・八重山の署と那覇・宮古の拘置支所なら098-865-3737です。本人の名前、署の名前、折り返しの番号を録音してください。当番の弁護士が面会に向かいます。
Q2. 宮古島で飲酒運転をして検挙されました。裁判はどこで開かれ、弁護士は島に来てくれますか?
宮古島市と多良間村の事件は、罰金なら平良簡裁、公判になれば平良支部が扱います。島内の刑事施設は、平良支部の隣にある宮古拘置支所です。当番弁護士の申込先は本島と同じ沖縄弁護士会で、島には法テラス宮古島法律事務所もあります。本島の事務所に私選で頼むなら、接見1回ごとの航空運賃と日当を契約前に書面で出してもらいましょう。
Q3. 出張中に那覇で飲酒運転をして検挙されました。住まいは県外です。免許の処分はどこが決めますか?
免許の処分は、違反した時点で住所のある都道府県の公安委員会が決めます(道路交通法第103条第1項)。刑事の手続は沖縄県警と那覇地検が進めるため、帰宅後も沖縄から呼び出しが来ることがあります。令和7年に県内で検挙された人のうち185人は県外などの住民でした。刑事は沖縄の弁護士、免許は住所地の意見の聴取と、2つの手続の窓口を分けて段取りを決めましょう。
Q4. 米軍に勤める夫が、基地で飲んだあと車で帰宅する途中に検挙されました。公務中として扱われますか?
2011年の日米合同委員会の合意では、住居と勤務場所の往復は公務に含まれますが、飲酒したときは往復の行為が公務の性格を失うとされています。公務外の罪なので、日本の当局が裁判権を行使する第一次の権利を持ちます(日米地位協定第17条3(b))。身柄が日米どちらにあるかを弁護士に伝え、日本での手続に備えてください。
Q5. 一緒に飲んだ友人を車に乗せていました。店の人や友人も罪になりますか?
道路交通法第65条は、飲酒運転のおそれがある人に酒を出すこと、飲んでいると知りながら送ってほしいと頼んで同乗することも禁じています。運転者が酒酔いなら3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、酒気帯びなら2年以下または30万円以下で、車を貸した人はさらに重くなります。店には沖縄県飲酒運転根絶条例に基づく公安委員会の指導書の交付もあります(第11条)。同乗者と店の関係者とは、処分が決まるまで事件の話をしないでください。
Q6. 事故の相手が亡くなりました。裁判は那覇で開かれますか?控訴すると福岡まで行きますか?
危険運転致死罪で起訴されると裁判員裁判の対象となり、県内では那覇地裁の本庁だけが扱います。過失運転致死なら、事故の地域の本庁か支部が扱います。控訴審はどちらも那覇市にある福岡高等裁判所那覇支部で開かれ、福岡へ行く必要はありません。どちらの罪で起訴されるかは処分前の弁護で争う余地があるので、起訴の判断が出る前に弁護士へ依頼してください。
Q7. 罰金で終わる場合、正式な裁判を求めることはできますか?
略式の手続は本人が書面で異議がないと示したときだけ使われ(刑事訴訟法第461条の2)、告知から14日以内なら正式な裁判を請求できます(同法第465条)。命令を出すのは県内5つの簡易裁判所です。呼気の数値や運転した事実を争うつもりなら、同意の書面に署名する前に弁護士へ相談してください。罰金も前科として残ります。
Q8. 県や市町村の職員、公立学校の教員が飲酒運転で起訴されたら、職を失いますか?
地方公務員法では、拘禁刑以上の刑に処せられた職員は、条例に特別の定めがない限り失職します(第16条第1号・第28条第4項)。執行猶予が付いても拘禁刑なら当たり、罰金なら当たりません。懲戒処分(第29条)は刑事の結論とは別に判断されます。公判請求を避けたいなら、検察官が処分を決める前に、再発防止の取り組みと示談を弁護士と固めてください。
出典:沖縄弁護士会「当番弁護士」、裁判所「沖縄県内の管轄区域表」、那覇地方裁判所「県内の裁判員制度関連の情報」、福岡高等裁判所「所在地一覧」、法テラス沖縄「法テラス宮古島法律事務所」、e-Gov法令検索「道路交通法」第65条・第103条、第17条関係の日米合同委員会合意(沖縄県掲載)、沖縄県法規集「沖縄県飲酒運転根絶条例」、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第461条の2・第465条、e-Gov法令検索「地方公務員法」第16条・第28条・第29条
家族が県内の署に留置されているなら、今日のうちに接見へ行ける事務所へ電話してください。在宅で呼び出しを待っている段階なら、呼気の数値と事故の有無を伝え、初回の相談料がかからない事務所から当たりましょう。
参考資料・更新情報
- 沖縄県警察「交通白書(令和5年版ダイジェスト)」
- 沖縄県警察「飲酒運転根絶条例 施行後3ヶ月毎公表資料」(令和7年1〜3月・4〜6月・7〜9月・10〜12月)
- 沖縄県警察「令和7年 交通事故情報」(12月末 人身事故発生状況)
- 沖縄県警察「令和8年8月末 人身事故発生状況」(暫定)
- 沖縄県警察「犯罪統計資料 令和7年(確定値)」
- 沖縄県警察「県内の警察署」
- 沖縄県法規集「沖縄県飲酒運転根絶条例」(平成21年沖縄県条例第38号)
- 沖縄県法規集「沖縄県警察の組織に関する条例」
- 沖縄県立総合精神保健福祉センター「精神保健福祉相談」(2026年5月14日更新)
- 沖縄県立総合精神保健福祉センター「業務案内」
- 沖縄県「依存症の相談窓口」
- 沖縄県「依存症専門医療機関」
- 沖縄県「沖縄県交通事故相談所」(2025年4月21日更新)
- 沖縄県「犯罪被害者等支援(相談窓口)」
- 沖縄県「地位協定ポータルサイト」
- 日米地位協定 本文(沖縄県掲載)
- 第17条関係の日米合同委員会合意(沖縄県掲載)
- 裁判所「沖縄県内の管轄区域表」
- 那覇地方裁判所「県内の裁判員制度関連の情報」
- 那覇地方裁判所「所在地一覧」
- 福岡高等裁判所「所在地一覧」
- 裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」
- 那覇地方検察庁「交通案内」(2024年9月26日更新)
- 那覇地方検察庁「被害者支援」(2026年5月11日更新)
- 法務省「刑事施設の所在地一覧」(令和7年4月1日現在)
- 法務省「危険運転致死傷罪(自動車運転死傷処罰法)の法改正Q&A」
- 法務省「検察統計調査」令和6年年報
- 警察庁「令和8年7月21日施行の改正に関するリーフレット」
- 警察庁「令和6年の犯罪」
- 沖縄弁護士会「当番弁護士」
- 沖縄弁護士会「刑事弁護に関する相談」
- 沖縄弁護士会「法律相談」
- 沖縄弁護士会「交通事故に関する相談」
- 日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」(2026年6月24日現在)
- 日本弁護士連合会「沖縄弁護士会」
- 日本弁護士連合会「弁護士会別会員数」(2026年9月1日現在)
- 法テラス「法テラス沖縄」
- 法テラス沖縄「法テラス宮古島法律事務所」
- 出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数」第4〜6表
- 沖縄県国際交流・人材育成財団「法律・生活相談」
- e-Gov法令検索「道路交通法」
- e-Gov法令検索「道路交通法施行令」
- e-Gov法令検索「自動車運転死傷処罰法」
- e-Gov法令検索「刑事訴訟法」
- e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」
- e-Gov法令検索「地方公務員法」
※本コンテンツは2026年9月30日時点で確認できた公表情報をもとに作成しています。法令は令和8年7月21日施行の改正を反映しています。飲酒絡み事故の件数と構成率・全国順位は沖縄県警察「交通白書」令和5年版ダイジェスト(令和5年まで)、令和7年の飲酒運転の検挙者と飲酒絡みの人身事故は同「飲酒運転根絶条例 施行後3ヶ月毎公表資料」の4回分を合計した値(算出)、死亡事故は同「令和7年12月末 人身事故発生状況」、令和8年は8月末の暫定値です。危険運転とひき逃げの動機は警察庁「令和6年の犯罪」、処分の統計は法務省「検察統計調査」令和6年年報(全国)、保釈の人員は裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」の全国値、米軍人・軍属と家族の検挙は沖縄県警察の犯罪統計資料(令和7年確定値)、在留外国人数は令和7年末、弁護士会の会員数は2026年9月1日現在の値です。制度や窓口の情報は変更される場合があるため、利用前に各機関および法律事務所の公式情報をご確認ください。本コンテンツは一般的な情報提供を目的とするもので、個別の事件についての法的助言ではありません。