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刑事事件の用語集

難解な刑事事件用語をわかりやすく解説します

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刑事事件で頻出する用語の意味

刑事事件にはさまざまな専門用語が使用されていますが、比較的わかりやすいものから、解釈が難解なものまであります。

 

実際の刑事事件で頻繁に耳にする用語について、以下から参考にしてみてください。

刑事事件用語集 あ行

違法性阻却事由(いほうせいそきゃくじゆう)

解説
違法性阻却事由とは、通常は違法行為とされる行為であっても、その違法性を否定する根拠・原因を指します。

違法性阻却事由のわかりやすい例が、刑法第36条で定められた正当防衛です。
たとえば相手に暴力を振るわれそうになったとき、相手を突き飛ばすと暴行罪・傷害罪などの違法行為が成立します。
しかし正当防衛という違法性阻却事由があるため、暴行罪・傷害罪としての違法性を否定されるのです。

冤罪(えんざい)

解説
冤罪とは、犯罪をしていないのに被疑者として逮捕されることや、無罪なのに刑事裁判で有罪判決を受けることです。

法律上の用語ではありませんが、近年では冤罪を題材にした映画が公開されるなど、社会問題とされています。
たとえば暴行や痴漢など、物的証拠がない場合がある事件だと、被害者の証言のみが採用されて冤罪が起きてしまうことがあるようです。

刑事事件用語集 か行

過失(かしつ)

解説
過失とは、どのような結果に至るのか予見して避けられたにもかかわらず、不注意や怠慢などによって避ける義務を怠ることです。

過失により人を死亡させた場合には過失致死罪、過失の程度が重大な場合には重過失致死傷罪、業務上で発生した場合には業務上過失致死傷罪など、行為によって犯罪の種類は細分化されます。
殺人罪と類似する部分もありますが「故意かどうか(殺意の有無)」という点で異なり、殺意がなければ殺人罪にはなりません。

家宅捜索(かたくそうさく)

解説
家宅捜索とは、裁判所の令状に基づいて、警察官や検察官が刑事事件の被疑者の自宅などを捜索することです。

家宅捜索では寝室や車など隅々まで捜索され、事件の証拠となり得る物品が押収されます。
被疑者に対して事前通知などはなく突然行われ、時間帯なども決まっていません。
また押収物については、警察・検察が必要ないと判断した段階で返却されます。

家庭裁判所(かていさいばんしょ)

解説
家庭裁判所とは、家事事件(調停・審判)や少年事件などを扱う裁判所のことです。

家事調停では裁判官・調停委員などによって手続きが進められますが、民事裁判、刑事裁判とは異なり非公開で進められます。
家庭裁判所は全国に設置されており、出張所が設置されているところもあります。

仮釈放(かりしゃくほう)

解説
仮釈放とは、一定期間の服役を終えて反省・更生がみられる受刑者について、刑期満了前に釈放することです。

仮釈放が認められるには条件があり、一定期間の服役を終えている・受刑態度が優れている・事件を起こしたことを反省している・再犯の可能性がない・受刑者が仮釈放を望んでいるなどを満たしている必要があります。
主な流れとして、受刑者の身元引受人を確認したのち数回の面接が行われ、申請書を提出して承認されれば仮釈放となります。

科料(かりょう)

解説
科料とは、軽微な犯罪を起こした際に金額を徴収される財産刑のことです。

金額は1,000円以上1万円未満と定められており、刑法の主刑のなかでは最も軽いものとなります。
一例として、暴行罪・侮辱罪・遺失物等横領罪・軽犯罪法違反などを犯した際に適用されます。
同じ財産刑として罰金刑もありますが、罰金の場合は原則1万円以上で科料よりも高額です。

過料(かりょう)

解説
過料とは、行政上の違反行為を犯した際に徴収される行政上の罰則のことです。

金額は違反行為や各地方公共団体ごとに異なるため、2,000円程度で収まるケースもあれば100万円近くになるケースもあります。
一例として、喫煙禁止場所での喫煙・出生届の提出忘れ・会社登記の手続き忘れなどを犯した際に適用されます。
なお科料の場合は前科がつきますが、過料ではつきません。

既遂(きすい)

解説
既遂とは、犯罪行為を実行し終えて犯罪が完了することです。

例えば、人を殺害しようと包丁で襲い掛かった結果、実際に殺人を犯せば既遂となり殺人罪が成立します。
一方、相手に抵抗されるなどして殺害にまで至らなかった場合には、既遂にはならず殺人未遂罪となります。

起訴(きそ)

解説
起訴とは、裁判所に対して、刑事事件の被疑者に関する審判を求めることです。

事件捜査をもとに検察官が「被疑者に犯罪の疑いがある」と判断した場合には起訴され、裁判手続きに進みます。
刑事裁判の場合、起訴された場合の有罪率は99.9%とされており、無罪になることはほとんどありません。

起訴猶予(きそゆうよ)

解説
起訴猶予とは、罪を犯している事実は明確だが、犯罪の重さや情状など諸般の事情を考慮して起訴しない、という不起訴処分の一つです。

事件内容ごとに起訴猶予の条件は異なりますが、基本的には、犯罪の程度が軽く本人が深く反省している・被害者との示談が成立しているなどの場合に認められることが多いようです。
不起訴処分の種類としては起訴猶予のほかにも、被疑者に犯罪の疑いが一切ないとする「嫌疑なし」や、犯罪の疑いがあるものの証拠が十分にないという「嫌疑不十分」などがあります。

逆送(ぎゃくそう)

解説
逆送とは、家庭裁判所へ送致された少年事件について調査・審判を行った結果、事件を検察官へ送ることです。

調査・審判の際に少年が20歳以上であることが判明したケースや、殺人罪や放火罪など重い犯罪を犯したケースで行われます。
逆送された場合、通常の刑事事件と同様の手続きがとられるため、起訴されて有罪判決が下れば懲役刑や罰金刑などの刑事罰が科されることになります。

求刑(きゅうけい)

解説
求刑とは、刑事裁判にて検察官が、被疑者に対してどのような刑罰を下すのが適切か述べることです。

あくまで求刑は検察官の意見にすぎませんが、実務上は求刑をもとに判決が言い渡されます。
執行猶予であれば求刑がそのまま適用され、実刑であれば求刑の7~8割の内容(求刑が懲役10年であれば7~8年)となるケースが多いようです。

供述調書(きょうじゅつちょうしょ)

解説
供述調書とは、刑事事件の被疑者や参考人などの供述内容を記録した書面のことです。

事件までの経緯や被害者との関係性などの事件詳細のほか、住所・氏名・生年月日・電話番号・職業などの事項も細かく記載されます。
供述調書は裁判にて重要な証拠となるため、なかには強引な取り調べが行われて被疑者側に不利な供述調書が作成されたりするなど、しばしば問題となることもあります。

強制わいせつ(きょうせいわいせつ)

解説
強制わいせつとは、相手の同意なくわいせつな行為を働くことです。

相手の年齢によって成立条件が異なり、13歳以上の場合は暴力や脅迫などによってわいせつな行為を働くことで成立します。一方、13歳未満の場合は、わいせつな行為を働くだけで成立します。
わいせつな行為の一例としては、服を脱がせる・キスをする・陰部を触るなどの行為が該当します。
上記行為によって強制わいせつ罪が成立した場合、6ヶ月以上10年以下の懲役が科されます。

供託(きょうたく)

解説
供託とは、債権者が金銭を受け取ってくれない場合に、供託所へ金銭を納付することです。

刑事事件では、示談を持ち掛けても被害者が応じてくれないケースも多々あります。
そのような場合には、示談金を供託することで被疑者にとって有利な情状として働くことがあります。

共同正犯(きょうどうせいはん)

解説
共同正犯とは、複数人で犯罪行為を行う者のことです。

共同正犯が成立するためには、共同意思と共同実行の2つの要件を満たしている必要があります。
共同意思とは「お互いの行為を利用し合って犯罪を成立させようとする意思」、共同実行とは「お互いの行為を利用し合う関係」のことを指します。
一例として「A・Bが窃盗を計画し、Aが被害者を襲っている間、Bが被害者の金品などを盗んだ」というケースなどで成立します。

共謀共同正犯(きょうぼうきょうどうせいはん)

解説
共謀共同正犯とは、複数人による犯罪行為について、実行犯ではないが計画などに関わった者のことです。

例えば「A・B・Cが窃盗を計画したとして、Cによる指示のもと、Aが被害者を襲ってBが被害者の金品などを盗んだ」とします。
この場合、実行犯であるA・Bは当然処罰の対象となります。
そしてCは被害者に手を加えたわけではありませんが、共謀共同正犯として処罰対象となります。

緊急逮捕(きんきゅうたいほ)

解説
緊急逮捕とは、重大な犯罪事件について、裁判所の令状無しで逮捕することです。

緊急逮捕の要件としては、被疑者が死刑・無期懲役・3年以上の懲役または禁錮にあたる罪を犯した疑いがある、裁判所へ令状発行を依頼するだけの猶予がない、逮捕の必要性がある、などがあります。
別の事件で事情聴取していた被疑者が重大事件への関与を自白した場合や、指名手配犯を発見して逮捕する際などに用いられます。

禁錮(きんこ)

解説
禁錮とは、受刑者の身柄を刑務所に拘束することです。

禁錮には有期と無期があり、有期の場合は1ヶ月以上20年以下と定められています。なお減刑・加重によって増減することもあります。
また禁錮の場合、あくまで身柄が拘束されるだけですので、刑務作業を行うことはありません。

刑務所(けいむしょ)

解説
刑務所とは、犯罪を犯して実刑判決が下された者が収容される刑事施設のことです。

懲役刑が下された者には刑務作業が課せられ、技能習得の訓練などの更生プログラムも組まれています。
一室に一人が収容される単独室や、複数人が収容される雑居房などがあり、最近では過剰収容問題やいじめ問題なども深刻化しているようです。

K(けー)

解説
Kとは、警察官を指す略語のことです。

法律関係の業務においては、Keisatsukanの頭文字を取って「K」と呼ばれることがあります。
ちなみに検察官(Prosecutor)が「P」と呼ばれているため、PoliceではなくKeisatsukanが採用されています。

嫌疑(けんぎ)

解説
嫌疑とは、「犯罪を犯したのではないか」という疑いのことです。

嫌疑がある者は、刑事事件の被疑者として取り調べなどの捜査を受けることになります。
捜査内容をもとに検察官が起訴・不起訴を判断し、嫌疑がない場合には「嫌疑なし」、有罪の証明が困難と判断された場合には「嫌疑不十分」として不起訴となります。
もし起訴された場合には、裁判にて有罪・無罪が争われます。

嫌疑なし(けんぎなし)

解説
嫌疑なしとは、検察官が被疑者の嫌疑について「犯罪に関わっていない」と判断して、不起訴処分とすることです。

例として、被疑者に完全なアリバイがあることが判明した場合や、真犯人が見つかった場合などが挙げられます。
被疑者にとっては「犯罪の疑いが晴れた」という状態ですので、前科もつきません。

嫌疑不十分(けんぎふじゅうぶん)

解説
嫌疑不十分とは、検察官が被疑者の嫌疑について「疑いは残っているが有罪の証明が困難」と判断して、不起訴処分とすることです。

特に身柄事件の場合は「被疑者の身柄を勾留できるのは最大23日間まで」という制限があるため、それまでの間に十分な証拠が集められなければ不起訴処分となります。
疑いが残ったままとはいえ、不起訴処分であることに変わりはありませんので、刑事裁判を受けることもありませんし前科もつきません。

検挙(けんきょ)

解説
検挙とは、警察や検察が、犯罪の被疑者や犯罪行為を特定することです。

あくまで警察内部で使われる用語ですが、定義は広く、刑事捜査・任意の取り調べ・逮捕・送検なども含まれます。
逮捕と混同されやすい用語ではありますが、検挙という大きなくくりの中に、逮捕という行為があるイメージです。
ケースによっては、任意での同行を求められたり、在宅で捜査手続きが進められることもあります。

現行犯逮捕(げんこうはんたいほ)

解説
現行犯逮捕とは、実際に犯罪行為を行っている最中、または犯行直後の状態の相手を逮捕することです。

通常逮捕の場合には裁判所が発行する令状が必要です。しかし現行犯逮捕の場合は不要で、警察だけでなく一般人でも逮捕可能です。
例として「包丁で人を刺している場面に出くわした」「血がついた包丁を持っている男を事件現場付近で見つけた」という場合などは、現行犯逮捕が可能です。

検察官(けんさつかん)

解説
検察官とは、刑事事件の捜査から裁判の執行まで執り行う職業のことです。

刑事事件が発生した場合、まずは警察が被疑者を特定して身柄確保などが行われますが、検察官の方でも事件捜査を担当します。
捜査書類などをもとに被疑者の起訴・不起訴を判断し、起訴した場合には刑事裁判に出廷して犯罪の立証なども行います。

検事調書(けんじちょうしょ)

解説
検事調書とは、検察官に対する被疑者や参考人の供述を記録した書面のことです。「検面調書」や「検察官面前調書」とも呼ばれます。

刑事事件では警察が取り調べをして供述調査を作成しますが、その後に検察官の方でも調書が作成されます。
双方の供述調書は裁判時に証拠として用いられ、法律上は「検事調書の方が証拠能力が高い」とされていますが、実務上は同等で扱われることが多いようです。

故意(こい)

解説
故意とは、犯罪を犯す意思があることを言います。

法律用語では「未必の故意」と「確定的故意」の2種類に分類されます。
未必の故意とは「犯罪行為にあたるかもしれないと思いながら行動に起こすこと」を指し、飛び出しそうな歩行者を確認したにもかかわらず減速せず走行する行為などが該当します。
確定的故意とは「犯罪行為あたると知っていながら行動に起こすこと」を指し、殺人を犯そうと包丁で人を刺す行為などが該当します。

勾引(こういん)

解説
勾引とは、刑事事件の被疑者・被告人を裁判所や警察署などに強制的に連れていくことです。

在宅事件のようなケースでは、尋問などのために裁判所への出頭が求められますが、召喚に応じない場合には勾引されることがあります(特別な事情がある場合は除く)。
なお勾引期間には期限があり、引致から24時間以内に釈放しなければなりません。

控訴棄却(こうそききゃく)

解説
控訴棄却とは、第一審の判決内容に対する不服申し立てについて「正当な理由がない」として退けることです。

第一審の判決内容に大きく影響しない限り控訴は認められず、一例としては、証拠が偽造されていた・法律の解釈で間違いがあった・裁判手続きの際に法律上の違反があった、などが挙げられます。
また控訴するには「控訴申立書」「控訴趣意書」などの提出書類が必要となりますが、これらの提出期限を過ぎたり手続きに誤りがあった場合も控訴棄却となります。

公訴(こうそ)

解説
公訴とは、検察官が裁判所へ起訴状を提出し、刑事裁判を開始するよう求めることです。

刑事事件では、捜査書類などをもとに検察官が被疑者の起訴・不起訴を判断することになります。
なお起訴状には公訴事実や罪名のほか、氏名・年齢・職業・住居・本籍などの事項も記載されます。

控訴(こうそ)

解説
控訴とは、第一審の判決内容に関する不服を上級裁判所に申し立てることです。

具体的には、地方裁判所または簡易裁判所で下された判決内容について、高等裁判所へ控訴することになります。
控訴内容が認められれば裁判が継続し、「第一審の判決が正当」と判断されれば棄却、「第一審の判決は誤っていた」と判断されれば破棄などの判決が下されます。

控訴審(こうそしん)

解説
控訴審とは、控訴事件の審理や、控訴事件の審理を行う裁判所のことを言います。第二審とも呼ばれます。

第一審で提出された訴訟資料と、新たに提出された訴訟資料をもとに裁判が進められ、基本的には1回のみで終了します。
控訴する側としては、新たに証拠を集めて第一審の判決内容が不当である旨を主張立証しなければならず、実際に判決内容が覆るケースは少ないようです。

拘置所(こうちしょ)

解説
拘置所とは、刑事事件で刑が未確定の被告人や、死刑判決を受けた受刑者などが収容される刑事施設のことです。

東京・大阪・名古屋・福岡などの主要都市8ヶ所に設置されており、拘置支所も含めると全国111ヶ所にあります。
刑事事件で逮捕された場合、まず基本的には留置所に収容されることになりますが、その後に送致されるのが拘置所です。

高等裁判所(こうとうさいばんしょ)

解説
高等裁判所とは、主に地方裁判所や簡易裁判所で下された判決について、控訴審や上告審が行われる裁判所のことです。

東京・大阪・名古屋・福岡などの主要都市8ヶ所にあり、さらに支部が6都市に設置されています。
また2005年には特別支部として、知的財産事件を扱う知的財産高等裁判所も新設されました。

公判(こうはん)

解説
公判とは、裁判官・検察官・被告人・被告人の弁護人などによる立ち合いのもと、公開した法廷で被告人の審理を進めることです。

公判では、まず被告人の身分や犯した犯罪などが確認されたのち、捜査などで集められた証拠をもとに検察官による冒頭陳述が行われます。
そして被告人が述べた求刑などについて弁護士が意見を述べ、裁判長による判決が下されます。

公判前整理手続(こうはんまえせいりてつづき)

解説
公判前整理手続とは、第1回期日を開く前に、証拠を厳選して争点を整理しておく手続きのことです。

迅速に裁判を進めるために設けられた制度で、2005年の刑事訴訟法改正の際に導入されました。
検察官・被告人ともに、第1回期日で証明予定の事実や、証明の際に用いる証拠などについて開示し、争点を整理していきます。

勾留(こうりゅう)

解説
勾留とは、刑事事件の被疑者・被告人の身柄を刑事施設に拘束することです。

被疑者・被告人による証拠隠滅や逃亡などの恐れがある場合に行われ、裁判官が拘留状の発行を認めれば10日間拘束されます。
また10日間のうちに十分な証拠が得られなければ10日間延長されることもあり、最大20日間(逮捕時から含めると23日間)拘束される可能性があります。

拘留(こうりゅう)

解説
拘留とは「被告人の身柄を刑事施設に収監する」という刑罰の一つです。

拘留期間は1日以上30日未満と定められており、例えば暴行罪・公然わいせつ罪・侮辱罪・軽犯罪法違反などを犯した際に適用されます。
ただし法定刑として拘留が設けられている犯罪は僅かで、実際に拘留判決が下るケースも滅多にありません。

勾留延長請求(こうりゅうえんちょうせいきゅう)

解説
勾留延長請求とは、勾留中の被疑者・被告人の勾留期間を延長するよう、検察官が裁判官へ求めることです。

基本的に勾留期間は10日間ですが、検察官が起訴・不起訴を決められない・10日間では捜査が終わらない・勾留延長すれば捜査終了の見込みがある、などを満たしていれば延長請求が認められます。
裁判官が請求を認めれば、さらに10日間延長され、取り調べなどが継続することになります。

勾留執行停止(こうりゅうしっこうていし)

解説
勾留執行停止とは、被疑者・被告人の勾留を一時的に停止して、身柄を解放することです。

すべてのケースで勾留執行停止が認められるわけではなく、病気の治療が必要なケースや親の葬式に参列するケースなど、ある程度条件は限られます。
また解放期間は必要最小限と定められ、付添人の同行が求められることもあります。

勾留状(こうりゅうじょう)

解説
勾留状とは、被疑者・被告人を勾留する際に裁判所が発行する書類のことです。

住所・氏名・年齢・職業などの個人情報のほか、犯行内容・勾留理由・勾留請求年月日・執行年月日などの項目が記載されます。
また検察官による延長請求が認められた場合には、延長期間・延長理由・交付年月日などの項目が追加されます。

勾留取消し請求(こうりゅうとりけしせいきゅう)

解説
勾留取消し請求とは、被疑者・被告人が裁判所に対して、勾留の取り消しを求めることです。

裁判所は被疑者・被告人について、勾留する理由・必要性がなくなった時点で勾留を取り消すことが規定されています。
しかし実務上は請求が通らないことも多く、被害者との示談が成立しているようなケースでは比較的認められやすいようです。

勾留理由開示請求(こうりゅうりゆうかいじせいきゅう)

解説
勾留理由開示請求とは、裁判所に対して、被疑者・被告人の勾留理由を開示するよう請求することです。

勾留時は勾留状が発行されますが、最低限の内容しか記載されておらず、勾留に至った詳細理由まではわかりません。
勾留理由開示請求が認められれば理由を知れるほか、開示時は法廷で行われるため意見陳述などの機会も生まれます。
請求を行えるのは本人だけでなく、家族や弁護士なども可能です。

国選弁護人(こくせんべんごにん)

解説
国選弁護人とは、被疑者・被告人が経済的事情などで弁護人を雇えない場合、国が費用負担したうえで依頼できる弁護人のことです。

勾留状が発せられており資産が50万円以下であれば依頼可能で、逮捕後の勾留質問時に依頼する旨を伝えれば選任されます。
無償で弁護活動を行ってくれるという大きなメリットがある一方で、自由に依頼先を選べないため、期待通りの結果が得られない可能性があるなどのデメリットもあります。

告訴(こくそ)

解説
告訴とは、刑事事件の被害者・被害者の親族・法定代理人などが、警察や検察に犯罪事実を申告して訴追を求める意思を示すことです。

告訴が受理されて捜査開始した結果、被疑者に起訴または不起訴の処分が下された際は、告訴人へ処分内容が通知されます。
告訴の取り消しも可能ですが、裁判が始まってから取り消すことはできません。
なお虚偽の告訴をした場合には、虚偽告訴罪として3ヶ月以上10年以下の懲役刑が科されます。

告訴状(こくそじょう)

解説
告訴状とは、告訴時に警察などに提出する、告訴事実や経緯などを記載した書類のことです。

告訴は口頭でも可能ですが、告訴状を作成するのが通常です。
作成年月日・宛先・告訴人情報(住所・氏名・連絡先)・被告訴人情報・告訴理由・告訴事実・証拠資料などを記載し、署名捺印して警察などに提出します。
作成内容に問題がなければ受理され、捜査が開始されます。

告発(こくはつ)

解説
告発とは、告訴権者や犯人以外の第三者が、警察や検察に犯罪事実を申告して訴追を求める意思を示すことです。

告発は誰でも行うことができ、告訴と同様に捜査開始のきっかけとなり犯人特定に至ることもあります。
しかし親告罪と呼ばれる犯罪については、告訴権者による申し出が必要となるため、告発することはできません。
親告罪の一例としては、器物損壊罪・過失傷害罪・名誉棄損罪・侮辱罪などがあります。

刑事事件用語集 さ行

最高裁判所(さいこうさいばんしょ)

解説
最高裁判所とは、日本で最上位にあたる裁判所のことです。

東京に一ヶ所のみ設置されており、15名の裁判官によって構成されています。
他の裁判所での判決内容について不服がある場合の最終的な審理を担当していることから、終審裁判所とも呼ばれています。
最高裁判所の判例が持つ影響力は非常に大きく、大規模な事件や複雑な事件などが扱われます。

再逮捕(さいたいほ)

解説
再逮捕とは、法律上では「逮捕されていた者が同じ罪で再び逮捕されること」を指します。

しかし実際のところ、一つの犯罪事実につき逮捕できる回数は原則1回のみであり、上記の意味での再逮捕が行われることは通常ありません。
また現在では「別の事件への関与が発覚するなどして、逮捕されていた者が別の罪で再び逮捕されること」という意味で広く使われており、こちらが世間一般での認識となっています。

在宅起訴(ざいたくきそ)

解説
在宅起訴とは、被疑者の身柄を拘束せずに起訴する手続きのことです。

軽度な犯罪や、逃亡・証拠隠滅の恐れがない場合に適用され、基本的には罰金刑となることがほとんどです。
被疑者としては日常生活への支障を最小限に抑えられる点はメリットですが、もし罰金刑などの有罪判決が下れば身柄事件と同様に前科がつくことになります。

在宅事件(ざいたくじけん)

解説
在宅事件とは、被疑者の身柄を拘束せずに事件処理が進められる事件のことです。

被疑者が逃亡したり証拠隠滅する恐れがない場合にとられる手法で、被疑者は日常生活を送りながら捜査や裁判などに対応することになります。
身柄拘束がなく自由度が高い反面、身柄事件のように拘束期間に定めがないため、捜査期間が数ヶ月に及ぶこともあります。

裁判員裁判(さいばんいんさいばん)

解説
裁判員裁判とは、無作為に選出された20歳以上の一般市民が、裁判官とともに刑事裁判に参加する制度です。

2009年より導入された制度で、一事件につき裁判員6名・裁判官3名という形式で裁判が行われます。
裁判員裁判の対象となる事件は、殺人・放火・強盗致死傷・危険運転致死などの重大犯罪に限られます。

裁判官(さいばんかん)

解説
裁判官とは、刑事事件や民事事件などの裁判にて判決を下す職業のことです。

法律に則って中立な立場から判断を下す役割を果たし、刑事事件では双方の主張内容や証拠などを判断材料として被告人の有罪・無罪を判断します。
また他の先進国と比べると、日本は裁判官の数が圧倒的に少ないと言われており、一人あたりの仕事量の多さなども問題視されています。

裁判所(さいばんしょ)

解説
裁判所とは、刑事事件や民事事件などを裁く国家機関のことです。

日本には最高裁判所・高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所の5種類があり、刑事事件では原則として簡易裁判所か地方裁判所にて第一審が開かれます。
第一審の判決内容に納得いかなければ高等裁判所(控訴審)、それでも納得いかなければ最高裁判所(上告審)へと審理が進められることになります。

差し入れ(さしいれ)

解説
差し入れとは、刑事事件を起こして留置所や拘置所に収容されている者に対して、金銭や物品を渡すことです。

特に現金・衣服・本などの差し入れが喜ばれるようで、靴・タオル・シャンプー・タバコ・飲食物・ゲームなどは禁止されているところが多いようです。
また一般の方は「差し入れは平日の日中、1日1回のみ」「接見禁止中は不可」などの制限がありますが、弁護士が代行する場合はこれらの制限がありません。

J(じぇい)

解説
Jとは、裁判官を指す略語のことです。

裁判官(Judge)の頭文字を取って「J」と呼ばれており、法曹界特有の業界用語です。
例として「どこ志望?」「自分はJ志望(裁判官志望)」のような使われ方をします。

死刑(しけい)

解説
死刑とは、受刑者を死亡させる刑罰のことです。

日本では絞首刑が採用されており、殺人・強盗殺人・放火などのような重大犯罪にのみ適用されます。
日本のように先進国で死刑を採用している国は少なく、人道主義のもと「死刑制度は廃止すべき」という声もしばしばあがっています。

時効(じこう)

解説
時効とは、一定期間が経過した犯罪行為については刑事訴追できなくなる、という制度のことです。刑事訴訟法では「公訴時効」と定義されています。

時効の認識としては上記が一般的ですが、刑事事件の時効は2種類あり、もう一つが「刑の時効」です。
これは「被告人に言い渡された刑が執行されずに一定期間が経過した場合、刑の執行が免除される(死刑は除く)」という制度です。

自首(じしゅ)

解説
自首とは、事件の犯人が特定されていない状態で、犯人自ら警察署または検察庁に名乗り出ることです。

刑法では減刑事由の一つとして自首が記載されており、自首することによって刑が軽くなることがあります。
また犯人が自首した場合には「逃亡の恐れがない」と判断されて、勾留されないこともあります。

事情聴取(じじょうちょうしゅ)

解説
事情聴取とは、警察官・検察官が刑事事件の証人や参考人に対して供述を求めることです。

ただし明確に定義された法律用語ではないため「逮捕された被疑者や嫌疑のある者に対して行われる取り調べ」という意味合いで使われることもあります。
基本的に事情聴取は任意という形で求められますが、何度も拒否すると逮捕などへ発展する恐れもあります。

私人による逮捕(しじんによるたいほ)

解説
私人による逮捕とは、一般人が犯人を逮捕することです。

通常、犯人を逮捕するには裁判官が発行する令状が必要ですが、現行犯の場合は令状不要で一般人でも逮捕できます。
ただし軽度な犯罪(30万円以下の罰金・拘留・過料にあたる犯罪)については逮捕条件があり、犯人の住所・氏名が不明で逃走の恐れがある場合しか逮捕できません。
現行犯であっても、犯人の身元が特定できている場合には逮捕できません。

私選弁護人(しせんべんごにん)

解説
私選弁護人とは、刑事事件の弁護について、依頼費用を支払って選任する弁護人のことです。

被疑者や被疑者の家族であれば依頼でき、どのタイミングでも依頼可能です(逮捕前でも可能)。
弁護士費用を負担しなければならないのはデメリットですが、好きなタイミングで自由に依頼先を選択できるのは大きなメリットです。

示談(じだん)

解説
示談とは、刑事事件の加害者と被害者が話し合い、被害者に対して示談金を支払って和解することです。

示談が成立することで、被害者が被害届や告訴を取り下げて事件終了となったり、検察官が不起訴処分と判断することもあります。
また起訴されたとしても「すでに当事者間では問題解決している」と判断され、減刑されたり執行猶予がついたりする可能性があります。

示談金(じだんきん)

解説
示談金とは、刑事事件の加害者と被害者が示談を結んだ際、加害者から被害者に対して支払われる金銭のことです。

金額について決まりはないため、いくら少額でも双方が合意さえしていれば示談成立となります。
一例として、暴行事件・傷害事件では5~200万円、痴漢事件では20~100万円程度になるケースが多いようですが、当事者間の意向などによっては大きく異なることもあります。

実刑(じっけい)

解説
実刑とは、執行猶予無しの禁固刑・懲役刑が下され、直ちに刑務所に収容されることです。

実刑判決となるか執行猶予がつくかどうかは、事故態様や被告人の態度などをもとにケースに応じて判断されることになります。
殺人や強盗などの重罪であるケースや、被告人に反省の色が見えず再犯の恐れがあるケースなどは、実刑となることが多いようです。

執行猶予(しっこうゆうよ)

解説
執行猶予とは、刑事事件の被告人に下された判決について、一時的に刑の執行を猶予することです。

執行猶予の場合、被告人は収監されず身柄が解放され、執行猶予期間中に他の犯罪を犯さなければ判決の効力が消滅します。
懲役3年または50万円以下の罰金にあたる犯罪や、被告人が初犯のケースなどでは、執行猶予がつくことが多いようです。

自白事件(じはくじけん)

解説
自白事件とは、刑事事件の被疑者・被告人が検察の起訴事実を認めた事件のことです。

自白事件では検察側との主張対立などもあまり起こらないため、公判回数も数回程度で早期に判決が下ることも多いようです。
また被疑者・被告人が罪を認めている以上、弁護人としては事件の被害回復や反省文の提出などの対応によって、減刑に向けて動くことになります。

釈放(しゃくほう)

解説
釈放とは、収容施設に身柄拘束されていた被疑者・被告人が解放されることです。

釈放するかどうか判断を下すのは検察官で、被疑者・被告人側が請求するものではありません。また釈放にあたって金銭を納めることもありません。
不起訴処分により釈放となった場合は、日常生活に復帰することになります。しかし処分保留・在宅事件などで釈放された場合は、有罪判決が下れば再度拘束されることがあります。

出頭(しゅっとう)

解説
出頭とは、警察・裁判所などの公的な場所に行くことです。

法律用語ではありませんが、すでに身元特定されている事件の犯人が警察へ行く際などに使われる言葉です。
また出頭については減刑事由として法律上定義されていません。ただし実務上は、量刑判断の際に考慮されることが多いようです。

準抗告(じゅんこうこく)

解説
準抗告とは、裁判官が下した身柄拘束や接見などの処分について、裁判所に対して不服を申し立てることです。

状況に応じて資料なども用いながら、裁判官による処分が適切ではない旨を主張することになります。
例として、被疑者が逮捕されて勾留が決まった場合、保釈が認められなかった場合、家宅捜索で押収された物品の還付が認められなかった場合などに行われます。

上告(じょうこく)

解説
上告とは、第二審の判決に納得がいかない場合、上級の裁判所に判断を求めることです。

具体的には、高等裁判所の判決について、最高裁判所へ移行して裁判が継続することになります。また第二審が地方裁判所で開かれることもあり、その場合は高等裁判所へ移行することになります。
上告を行うには、判決の翌日から14日以内に申立書を提出しなければなりません。

情状証人(じょうじょうしょうにん)

解説
情状証人とは、刑事裁判にて、被告人の量刑判断に影響し得る事情を証言する人のことです。

例えば、被告人の家族を呼んで「本来このような事件を起こす人間ではない」と普段の生活ぶりを証言してもらったり、「二度と再犯がないよう監視する」と今後について証言してもらったりします。
また弁護側が情状証人を呼ぶのが通常ですが、なかには検察側が呼ぶケースもあります。

少年(しょうねん)

解説
少年とは、満20歳に満たない者(女子も含む)のことです。

刑事事件の犯人が14歳未満の場合は、「刑事責任能力がない」とみなされて刑事責任には問われません(身柄を保護されることはあります)。
14歳以上20歳未満であれば刑事責任に問われる可能性がありますが、成人が起こした事件とは手続きが異なり、量刑判断の際には年齢が考慮されることもあります。

少年法(しょうねんほう)

解説
少年法とは、14歳以上20歳未満の者を適用対象とする法律のことです。

非行と保護処分について定められており、例えば「成人事件では死刑にあたる犯罪を犯した場合には無期懲役が適用される」など、罰則については成人事件よりも緩和された内容となっています。
また最近では、適用年齢の引き下げについて争われたり、18歳・19歳の厳罰化が進められたりするなど、各所見直しが行われています。

贖罪寄付(しょくざいきふ)

解説
贖罪寄付とは、刑事事件の加害者が、弁護士会や慈善団体などに寄付することです。

被害者の意思にかかわらず行えるため、被害者が示談に応じてくれない場合に行われるケースが多いようです。
刑事事件の場合は量刑判断の材料として考慮され、起訴前であれば不起訴処分になったり、起訴後であれば執行猶予が付いて減刑されたりすることがあります。

職務質問(しょくむしつもん)

解説
職務質問とは、警察官が、犯罪を犯した者や「犯罪を犯す可能性がある」と判断した者に対して質問することです。

「今何をしていたのか」「どんな職業に就いているのか」などと質問されたり、所持品を確認されたり交番に連れていかれたりすることもあります。
あくまで任意的なものであるため、制度上は拒否することができます。しかし実際のところは、長時間説得されるなどして煩雑なやり取りが続くことになるでしょう。

親告罪(しんこくざい)

解説
親告罪とは、検察が起訴する際に被害者の告訴が必要な犯罪のことです。

原則として犯人発覚から6ヶ月以内に告訴がなければ、検察も警察も捜査できません。
親告罪の一例としては、強制わいせつ罪・強姦罪・名誉棄損罪・侮辱罪・過失傷害罪などが挙げられます。
なお被害者が未成年の場合や死亡している場合には、代わりに被害者の法定代理人や親族などが告訴できます。

心神耗弱(しんしんこうじゃく)

解説
心神耗弱とは、精神が衰弱しており、善悪の判断力や判断に基づいた行動力がひどく低下した状態のことです。

例として認知症や薬物中毒などにより心神耗弱が認められた場合には、刑罰が減刑されることなります。
裁判では、精神鑑定の結果をもとに裁判所が判断することになりますが、詐病の疑いなどもあるため認められるハードルは高いようです。

心神喪失(しんしんそうしつ)

解説
心神喪失とは、精神が衰弱しており、善悪の判断力や判断に基づいた行動力が全くない状態のことです。

心神喪失が認められた場合には「刑事責任能力がない」と判断され、犯罪は成立せず罰則も科されません。
裁判にて心神喪失が認められて釈放されると、基本的には病院にて治療が行われ、裁判官や専門医の判断のもと退院可否が決められます。

責任能力(せきにんのうりょく)

解説
責任能力とは、物事の善悪を判断したうえで行動する能力のことです。

責任能力の有無については、専門家などの意見を参考に裁判所で判断されます。
精神障害などにより責任能力が著しく低下している場合には「限定責任能力」として、罰則が減刑されます。
また責任能力が全くない場合には「責任無能力」として、罰則が科されません。

接見(せっけん)

解説
接見とは、身柄拘束中の被疑者・被告人と面会することです。

接見は家族だけでなく友人なども可能ですが、面会時間は15~20分程度・接見回数は一日一回、などの制限があります。
ただし組織犯罪である・共犯者がいる・逮捕後72時間以内である、などのケースについては、弁護士を除いて接見禁止となります。

接見交通権(せっけんこうつうけん)

解説
接見交通権とは、身柄拘束中の被疑者・被告人が、外部の者と面会したり物品を受け取ったりする権利のことです。

接見は基本的に誰でも可能ですが、検察・警察が「捜査のために必要がある」と判断した場合には、接見日時や場所などが指定されることがあります。
また同様に「逃亡や証拠隠滅の恐れがある」などと判断された場合には、弁護士以外の者は接見禁止となることもあります。

前科(ぜんか)

解説
前科とは、刑事裁判にて有罪判決が下った事実のことです。

懲役刑や禁錮刑などはもちろん、略式起訴で有罪になった場合や罰金刑の場合でも前科が付きます。
例として弁護士・弁理士・教員などの職業においては、前科者に対して一定期間の就業制限があります。
一般企業の場合は前科に関する申告義務はありませんが、もし確認された場合には正直に申告しないと経歴詐称にあたります。

前歴(ぜんれき)

解説
前歴とは、刑事事件で逮捕されたものの不起訴処分となった事実のことです。

前科の場合、裁判で無罪判決が下ればつきません。
ただし前歴の場合、裁判に至らず罪に問われなかったとしても付きます。
前科・前歴ともに警察や検察のデータベースに保管され、消すことはできません。

捜査(そうさ)

解説
捜査とは、犯罪の疑義がある場合、警察や検察が証拠収集・犯人特定などを行うことです。

捜査には任意捜査と強制捜査の2種類があります。
任意捜査とは、事件に関する実況見分や事件関係者への取り調べなど、あくまで相手の承諾や同意を前提にする捜査のことです。
強制捜査とは、被疑者の逮捕や物品の差押えなど、相手の承諾や同意を前提にしない捜査のことです。

送致(そうち)

解説
送致とは、警察が検察に対して、被疑者の身柄や証拠品などを送ることです。

刑事事件で逮捕されれば送致まで進むのが通常です。
ただし初犯のケースや素行不良でないケースなどでは「微罪処分」として、送致されずに事件終了となることもあります。
微罪処分となった場合には、警察が毎月作成する微罪処分事件報告書に記載され、検察へ報告されます。​​

即決裁判(そっけつさいばん)

解説
即決裁判とは、通常よりも手続きが簡略化された裁判のことです。

即決裁判の場合、公判は1度しか行われず、基本的に審理は30分ほどで終了します。
なお即決裁判が行われるのは、事案が明白かつ犯罪が軽微であり、証拠調べの迅速な終了が見込める場合に限られます。

刑事事件用語集 た行

逮捕(たいほ)

解説
逮捕とは、刑事事件の被疑者の身柄を拘束して、留置施設に収容することです。

通常逮捕・現行犯逮捕・緊急逮捕の3種類があり、それぞれ逮捕時の手続きが異なります。
逮捕後は警察による取り調べが行われ、原則48時間以内に検察へ送致するかどうか判断されます。
送致後は検察による取り調べが行われ、24時間以内に釈放・勾留請求・起訴などの処分が下されます。

逮捕状(たいほじょう)

解説
逮捕状とは、刑事事件の被疑者を逮捕する際に必要な書類のことで、捜査機関による請求のもと裁判官が発行します。

逮捕状には、被疑者の住所・氏名・罪名・連行先の警察署名・有効期間などが記載されています。
有効期間は原則7日間であり、7日を過ぎると逮捕状の効力は失効します。
また現行犯逮捕や緊急逮捕にあたるケースでは、例外的に逮捕状無しで逮捕できます。

地方裁判所(ちほうさいばんしょ)

解説
地方裁判所とは、下級裁判所の一つのことで、地裁とも呼ばれます。

各都道府県に1ヶ所ずつ設置されており(北海道のみ4ヶ所)、刑事事件では基本的に第一審を取り扱っています。
裁判は原則裁判官1人で進められますが、重要な案件では3人に増員されることもあります。

懲役(ちょうえき)

解説
懲役とは、有罪判決が下った者を刑務所に収容して、刑務作業を科す刑罰のことです。

自由を奪う自由刑の一つにあたり、有期懲役と無期懲役の2種類に分類されます。
有期懲役の場合、上限は20年とされています。ただし例外的に、複数の犯罪を犯している場合には20年を超えることもあります。
無期懲役の場合、上限はありません。ただし終身刑とは異なるため、一定期間の服役を終えると仮釈放されることもあります。

追起訴(ついきそ)

解説
追起訴とは、刑事事件の裁判中に別の事件について起訴することです。

追起訴事件では、それぞれ個別に審理を行うこともありますが、一度にまとめて済ませることもあります。
また追起訴の件数には縛りがありません。1、2件程度で済むケースが多いようですが、なかには5回以上も追起訴が続くこともあります。

通常逮捕(つうじょうたいほ)

解説
通常逮捕とは、裁判官が発行した逮捕状をもって、刑事事件の被疑者を逮捕することです。

基本的な逮捕方式であり、逮捕時は被疑者に対して「犯罪事実の要旨」や「弁護人が選任可能な旨」などを伝えたうえで逮捕します。
多くの場合、早朝に警察が被疑者のもとへ訪れ、逮捕にあたって家宅捜索が行われることもあります。
逮捕後は身柄が拘束され、刑事手続きへと進められます。

当番弁護士(とうばんべんごし)

解説
当番弁護士とは、刑事事件の逮捕後から起訴前までの期間、面会できる弁護士のことです。

日弁連が設けた制度であり、弁護士費用は初回無料で逮捕後すぐに面会できる点が特徴です。また少年事件の場合も利用できます。
ただし起訴後は利用できないほか、再度面会を希望する際は弁護士費用が発生する点などは注意が必要です。

刑事事件用語集 は行

賠償(ばいしょう)

解説
賠償とは、事件の被害者に生じた損害について補填する目的で金銭を支払うことです。

一例として、窃盗・傷害・強制性交・強制わいせつ・詐欺などが関わる事件では、賠償金の支払いが発生する可能性があります。
損害賠償請求は民事裁判にて行われますが、損害賠償命令制度を利用した場合には、刑事裁判と同様の裁判官が対応を引き継ぐことになります。

罰金(ばっきん)

解説
罰金とは、刑事裁判にて罰金刑が言い渡された場合、国家に納付しなければならない金銭のことです。

判決後に送付される納付書にしたがって、金融機関または検察庁にて納めます。
金額は1万円以上と定められており、10~50万円程度で収まるケースが多いようです。
なお罰金が支払えない場合は、労役場留置にて作業を強いられることになります。

B(びー)

解説
Bとは、弁護士を指す略語のことです。

弁護士(Bengoshi)の頭文字を取って「B」と呼ばれており、法曹界特有の業界用語です。
日本語読みを採用している理由は不明です。ただし一説によると、英語読み「Attorney」の場合、被疑者・被告人を指す「Accused」と被るため避けた、と言われています。

P(ぴー)

解説
Pとは、検察官を指す略語のことです。

検察官(Prosecutor)の頭文字を取って「P」と呼ばれており、法曹界特有の業界用語です。
一例として「自分はP志望(検察官を志望している)」「P庁に行ってくる(検察庁に行ってくる)」などと使われたりします。

被害届(ひがいとどけ)

解説
被害届とは、犯罪の被害者が捜査機関に対して、被害内容などを伝えるために提出する書類のことです。

基本的には、被害者の個人情報・被害内容や場所日時・犯人の身元や特徴、などの事項を記載します。
被害届が受理されたからといって必ずしも捜査されるわけではありませんが、捜査を決める判断材料の一つにはなります。

被疑者(ひぎしゃ)

解説
被疑者とは、警察・検察により犯罪の疑いがかけられている者のことです。

捜査が開始してから起訴されるまでは被疑者と呼ばれ、起訴後は被告人へと名称が変わります。
社会的な影響力が大きい事件の場合には、被疑者として逮捕された時点で大々的に報道されることもあります。

被疑者国選(ひぎしゃこくせん)

解説
被疑者国選とは、勾留中の被疑者が経済的理由により私選弁護人を選任できない場合、国選弁護人の選任を請求できる制度です。

2004年の刑事訴訟法改正にともない導入され、2018年6月より対象範囲が拡大されて現在は全犯罪の被疑者が利用可能です。
なお請求には条件があり、資力が50万円以上の場合は却下されます。

被疑者ノート(ひぎしゃのーと)

解説
被疑者ノートとは、日本弁護士連合会が発行するノートのことで、被疑者自身が取り調べ内容などについて記入するものです。

日弁連HPや弁護士会などから入手でき、初回接見の際に弁護士が差し入れることが多いようです。
取り調べ状況について逐一記入しておくことで、被疑者の言い分を記録として残せたり、違法な取り調べを証明する際の証拠となります。

被告人(ひこくにん)

解説
被告人とは、検察によって起訴された者のことです。

起訴されて判決が下るまでは被告人と呼ばれ、無罪判決や執行猶予付き判決が下れば被告人ではなくなります。一方、実刑判決が下れば受刑者へと名称が変わります。
なお有罪判決が下るまでは無罪推定の考えが適用されるため、被告人=犯罪者という認識は誤りです。

被告人国選(ひこくにんこくせん)

解説
被告人国選とは、被告人につく弁護人を国が選任する制度のことです。

手続きとしては、被告人自身が請求する方法と、裁判所が主体となって行う方法の2種類があります。
経済的理由などで被告人が弁護人を自選できない場合には、被告人自身が請求手続きを行います。
死刑・無期懲役・3年以上の懲役刑または禁錮刑に関する事件や、被告人が未成年または70歳以上などの場合は、裁判所が主体となって行います。

微罪処分(びざいしょぶん)

解説
微罪処分とは、逮捕後に検察へ送致せず、警察内で事件処理を済ませることです。

厳重注意や書類手続きのみで事件終了となり、身元確認が済めば即座に釈放されることになります。
犯罪が軽微・悪質性が低い・被害者が被疑者の処罰を望んでいない、などのケースで適用されることが多いようです。

非親告罪(ひしんこくざい)

解説
非親告罪とは、被害者の告訴がなくても起訴できる犯罪のことです。

多くの犯罪は非親告罪に該当します。
当事者間での解決が望める軽微な犯罪や、被害者のプライバシーに関わる犯罪など、一部のものについては親告罪に分類されています。
また2017年には、強姦罪が親告罪から非親告罪へと変更されました。

人質司法(ひとじちしほう)

解説
人質司法とは、「被疑者は犯行を認めるまで身柄を拘束され続ける」という、刑事司法制度の実情を称した言葉です。

刑事司法では推定無罪の原則が設けられており、また被疑者は勾留決定に関する不服申し立てなども可能であるなど、人権保障に十分配慮した体制が構築されています。
ただしその一方で、弁護人が取り調べに同席できなかったり、全国的に保釈率が低かったりするなど、まだいくつかの問題点を抱えているとの声もあがっています。

否認事件(ひにんじけん)

解説
否認事件とは、刑事事件の被疑者・被告人が犯行を認めない事件のことです。

否認事件の場合、被疑者・被告人側と警察・検察側の主張が対立することになります。
証人尋問が請求されたりして公判が複数回行われることも多く、判決までにかかる時間も長引くことが多いようです。

不起訴処分(ふきそしょぶん)

解説
不起訴処分とは、検察が「刑事裁判にかけない」と判断することです。

事件態様に応じて、嫌疑なし・嫌疑不十分・起訴猶予の3種類に分類されます。
不起訴処分が下ればお咎めなしとなり、被疑者は解放されて前科もつきません。
ここ10年間は、検察に送致された事件の不起訴率60%以上という状態が続いています。

弁護人(べんごにん)

解説
弁護人とは、刑事事件の被疑者・被告人を弁護する者のことです。

私選弁護人・国選弁護人・当番弁護人の3種類に分類され、それぞれ依頼できるタイミングや依頼費用の有無などが異なります。
事件態様や犯罪に応じて弁護活動の内容は変わり、弁護人一人一人の能力にも差があります。したがって「どの弁護人を選任するか」によって判決にも大きくかかわります。

暴行または脅迫を用いて(ぼうこうまたはきょうはくをもちいて)

解説
暴行または脅迫を用いてとは、「強制わいせつ罪」や「強制性交等罪」の条文に定められている文言のことです。

わいせつ行為や性行為だけでは上記の犯罪は成立せず、暴行または脅迫を用いた上で行うことで成立します。
ただし被害者が放心状態で無抵抗の場合には、上記の犯罪が成立しない恐れがあるなど、この文言について問題視する声もあがっています。

幇助犯(ほうじょはん)

解説
幇助犯とは、犯罪の実行犯を手助けした者のことです。

幇助犯には物理的幇助と精神的幇助の2種類があります。
例えば「実行犯が使用する凶器を用意した」というケースでは物理的幇助に該当します。
また「犯罪を実行するよう励ました」というケースでは精神的幇助に該当します。
幇助犯の場合、実行犯よりも罰則は減刑されます。

保護観察(ほごかんさつ)

解説
保護観察とは、保護観察所による指導のもと社会生活を送る、という処分のことです。

保護観察処分を受けたり少年院から仮退院した少年のほか、保護観察付執行猶予や仮釈放を受けた成人なども保護観察の対象となります。
保護観察の対象者には、定期的に保護観察官や保護司との面接を受ける・再び犯罪を犯さない、などの遵守事項が定められています。
もし背くことがあれば、再度身柄拘束されることもあります。

保釈(ほしゃく)

解説
保釈とは、勾留中の被告人の身柄を一時的に解放することです。

被告人以外に弁護人・法定代理人・配偶者・直系親族や兄弟姉妹などにも請求権があり、起訴後のタイミングで請求できます。
なお保釈の際は、保釈金として年収の半分程度を納める必要があるほか、判決が下るまでの期間しか解放されません。

保釈保証金(ほしゃくほしょうきん)

解説
保釈保証金とは、勾留中の被告人が保釈される際に納める金銭のことです。保釈金と呼ばれることもあります。

基本的には年収の半分程度となることが多いようですが、被告人に資力がない場合は150~300万円程度に収まることもあるようです。
また裁判への出頭などきちんと対応していれば、のちに全額返金されるのが通常です。

刑事事件用語集 ま行

身柄事件(みがらじけん)

解説
身柄事件とは、被疑者・被告人の身柄を逮捕・勾留した状態で、捜査が進められる事件のことです。

被疑者・被告人は自由に外出できず、警察などによる取り調べを受けることになります。
逮捕後は3日間身柄が拘束され、この間は家族との面会もできません。
さらに勾留が決まった場合には、さらに最大20日間まで拘束が長引くこともあります。

未遂(みすい)

解説
未遂とは、犯罪行為を働いたものの成し遂げなかった状態のことです。

例として「加害者が財布を盗もうと襲い掛かったが、被害者が返り討ちにした」というようなケースが該当します。
犯罪行為による結果が発生していなければ、処罰対象にはなりません。
ただし殺人や窃盗などの重い犯罪の場合には、未遂罪として処罰対象となります。

未成年(みせいねん)

解説
未成年とは、満20歳に満たない者のことです。

ただし民法改正にともない、2022年4月1日以降は「満18歳に満たない者」に定義が変更されます。
2018年には選挙権年齢が18歳に引き下げられており、そのような情勢も加味した上で決定されました。
なお、お酒・たばこ・ギャンブルなどに関する年齢制限は20歳のまま維持されます。

認め事件(みとめじけん)

解説
認め事件とは、刑事事件の被疑者・被告人が検察の起訴事実を認めた事件のことです。

認め事件では検察側との主張対立などもあまり起こらないため、公判回数も数回程度で早期に判決が下ることも多いようです。
また被疑者・被告人が罪を認めている以上、弁護人としては事件の被害回復や反省文の提出などの対応によって、減刑に向けて動くことになります。

迷惑防止条例(めいわくぼうしじょうれい)

解説
迷惑防止条例とは、公衆に著しく迷惑をかける行為について取り締まる条例のことです。

自治体ごとに定められたものであるため、規制内容や刑罰は細かく異なります。
あくまで一例ですが、痴漢・盗撮・のぞきなどの行為については「6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金」や「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」を科している自治体もあり、常習性が認められればさらに重くなることもあります。

黙秘権(もくひけん)

解説
黙秘権とは、刑事事件の取り調べを受ける際、陳述を拒む権利のことです。

憲法・刑事訴訟法で認められた権利の一つであり、捜査機関は被疑者にとって不利益になる供述を強要できません。
ただし黙秘権を行使した場合、取り調べが長引いたり、「反省していない」とみなされて減刑されなかったりすることがあります。

刑事事件用語集 や行

有形力の行使(ゆうけいりょくのこうし)

解説
有形力の行使とは、暴行罪の構成要件に定められている文言のことです。

「物理的な攻撃を与える」という意味で、人を殴る・蹴るなどの行為が該当します。
一方、病菌・光・熱・電気・臭気・音波などによって人を攻撃する行為については、無形力の行使と呼びます。
無形力の行使により被害が生じた場合には、傷害罪が成立します。

宥恕意思(ゆうじょいし)

解説
宥恕意思とは、「寛大な心で罪を許す」という考えのことです。

刑事事件の場合、示談書の条項に使われることがあります。
宥恕意思について記載した示談書が取り交わされると、検察は「すでに被害者からの許しを得ている」と判断し、不起訴処分になったり減刑になったりすることもあります。

余罪(よざい)

解説
余罪とは、現在逮捕されている・起訴されている罪とは別の犯罪のことです。

警察・検察による取り調べの際に被疑者が自白したり、事件現場付近の捜査活動などによって発覚することが多いようです。
余罪が発覚した場合、被疑者は起訴される可能性が高まったり、被告人は追起訴されるなどして量刑が重くなる可能性があります。

刑事事件用語集 ら行

略式命令(りゃくしきめいれい)

解説
略式命令とは、略式手続きにて下される判決のことです。

略式手続きは犯罪が軽微な場合のみ行われ、書類審査によって量刑が決まります。
略式命令では、100万円以下の罰金または科料の判決が下されることになります。
また略式手続きの場合は言い分を主張する機会がないため無罪にはならず、罰金刑が下されれば前科がつきます。

留置場(りゅうちじょう)

解説
留置場とは、逮捕後の被疑者・被告人が収容される刑事施設のことです。

各都道府県の警察に設置されており、全国で約1300ヶ所あります。
多くの場合は「雑居」と呼ばれる相部屋に収容されますが、特別な事情がある場合には「独居」と呼ばれる1人部屋に収容されることもあります。

量刑(りょうけい)

解説
量刑とは、刑事裁判で被告人に下される刑の種類や重さなどのことです。

犯行内容・犯行動機・被害の程度・被告人の性格・被告人の反省の有無・再犯可能性など、さまざまな事情を考慮した上で量刑が判断されます。
したがって、同じ犯罪を犯したとしても量刑の内容には幅があります。

刑事事件用語集 わ行

わいせつ(わいせつ)

解説
わいせつとは、「みだらなこと」や「いやらしいこと」などを指す言葉です。

明確に定義されているわけではありませんが、わいせつな行為としては「キスをする」「服を脱がせる」「身体を触る」などが挙げられます。
わいせつと名の付く犯罪としては、強制わいせつ・公然わいせつ・わいせつ物頒布などがあります。