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刑事事件弁護士ナビ > 刑事事件コラム > 刑事処分の種類と内容 > 【5分でわかる】執行猶予の仕組みを徹底解説!最長期間や条件は?
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公開日:2018.2.14  更新日:2021.3.4

【5分でわかる】執行猶予の仕組みを徹底解説!最長期間や条件は?

銀座さいとう法律事務所
齋藤健博 弁護士
監修記事

執行猶予を受けることで直ちに刑が執行されるのを回避し、社会内で更生するチャンスが与えられます。そのため、懲役刑を受けても執行猶予が認められれば、今まで通り通勤や通学が可能です。

ニュースでもよく耳にする言葉ですが、令和元年では有期の懲役や禁錮判決を受けた4万9,162人のうち3万1,065人が全部執行猶予付きの判決が認められました。

令和元年における処遇の概要

ただし、執行猶予はどのような犯罪でも認められるものではありません。また、執行猶予が一部しか認められなかった場合では、実刑も受けることになります。

この記事では、執行猶予についてわかりやすく解説します。

裁判することになったとしても執行猶予を獲得できれば実刑を受けない可能性があります。そのやめ、起訴されても諦めないで執行猶予判決を目指してください。

実刑判決を回避するためには、起訴されても諦めないで弁護士に依頼するのがオススメです。

依頼を受けた弁護士は、加害者と示談交渉したり、示談交渉の内容をまとめて裁判所に提出したりなどの弁護活動に尽力します

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この記事に記載の情報は2021年03月04日時点のものです

執行猶予とは?

執行猶予はどのような制度なのでしょうか。ここでは、執行猶予の目的や実刑との違い、全部の執行猶予と一部執行猶予の違いなどについて紹介します。

執行猶予の目的と意味

執行猶予とは、被告人(加害者)の状況を踏まえ、実刑判決を受けなくとも深く反省し更生するための環境が整っているケースにおいて、更生を促す方がよいという考えのもと、認められている制度です。

執行猶予がつくことで、社会内での生活を許され一時的に懲役や禁錮を回避できます。また、執行猶予期間中に別の犯罪により、懲役や禁錮刑を受けることなく、満了できれば刑の免除を受けられます。

執行猶予の目的・意味

簡単にまとめると「執行猶予期間に別の犯罪を起こし懲役や禁錮処分を受けなければ、判決の効力をなかったこととする」という制度です。

執行猶予では刑を回避できることから「被告人は反省しないのではないか」と思う人もいるかもしれません。しかし、判決の宣告を受けるまでに逮捕・勾留などの身柄拘束を受けたり、場合によっては事件が報道されたりすることで、反省を促せるでしょう。

有罪判決を受け何年も刑務所で暮らすのと、判決後直ちに社会に戻り、通常の生活を送るのでは大きな違いがあります。そのため、刑事裁判の判決で執行猶予が付くかどうかは、被告人にとって大きな分かれ道です

ニュースでよくある「懲役〇年執行猶予〇年」の意味とは

ニュースではよく「懲役〇年、執行猶予〇年」として報道されます。

このような場合、例えば「懲役3年執行猶予4年」の判決を下されたケースでは、「刑罰は3年の懲役とするが、直ちにこれを執行せず、これから4年間様子をみて犯罪を起こさなければその刑罰はかったことにする」という意味です。

そのため、懲役刑を受けているものの、すぐに刑務所に収監されるのではなく、社会生活のなかで更生していくことになります。

実刑と執行猶予のちがい

実刑とは一般的に懲役や禁錮、拘留などの自由刑(自由を奪う刑罰)を指します。

執行猶予は、懲役や禁錮を受けるものの猶予があり直ちに自由を奪われるものではないため、実刑には分類されません。

ただし、執行猶予を受けた場合、有罪判決を受けていることに変わりないため、実刑と同じく前科がつきます。執行猶予がつけば前科を回避できるわけではないため、注意が必要です。

全部の執行猶予と一部執行猶予のちがい

執行猶予には「全部の執行猶予」と「一部執行猶予」の2つの種類があります。

全部の執行猶予では「懲役3年に処する。この裁判確定の日から5年間その刑の執行を猶予する」などの主文(裁判の結論を記載した部分)になりますが、一部執行猶予では「懲役3年に処する。その刑の一部である懲役6月の執行を2年間猶予する。被告人をその猶予の期間中保護観察に付する」となります。

上記のようなケースでは、2年半の懲役刑を受けた後で、残り6ヶ月の懲役刑に対し2年間の執行猶予が設けられます。

このように一部の期間に執行猶予を設けるのは、出所した被告人に対し保護観察をつけて再発を防止するためです。懲役や禁錮などを受けた被告人に対し保護観察はつけれないため、このような形をとっています。

罰則に懲役刑しかなく、再犯率の高い薬物事件では、一部執行猶予になるケースも多いようです。

全部の執行猶予・一部執行猶予できる条件

前科がなく反省しているからといって、どのような犯罪でも執行猶予を受けられるわけではありません。

執行猶予できる条件については刑法により定められています。ここでは、条件について紹介します。

刑の全部の執行猶予ができる条件

刑法25条では、刑の全部執行できる者を以下のように定めています。

第二十五条 次に掲げる者が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる。

一 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者

二 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者

2 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者が一年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする。ただし、次条第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでない。

【引用:刑法第25条

前提として、判決が3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金で収まることが必要です。その上で、以下の2つの条件に該当していれば受けられる可能性があります。

  1. 禁錮以上の刑を受けたことがない
  2. 禁錮以上の刑を受けたことがあっても執行後、もしくは免除後5年以内に禁錮以上の刑を受けていない

そのため初犯でなくても受けられる可能性があります。禁錮は刑の重さとしては罰金刑の次、懲役刑の前です(罰金>禁錮>懲役)。

殺人(傷害致死)などの深刻な事件では、執行猶予を期待できませんが、被告人の精神的な状況や障害の有無では執行猶予を受けられるケースもあります。

令和2年9月18日の大阪地裁では、軽度の知的障害を持つ被告人が当時3歳であるAの腹部を踏みつけ死亡させたことに対し、

  1. 酌むべき相当の事情がある
  2. 更生するにあたり手厚い支援体制が整っている
  3. 本人なりに反省する態度を示している
  4. 前科がない

などのことから、懲役3年執行猶予5年が認められました。

刑の一部執行猶予ができる条件

一部執行猶予では、少し条件が異なります。

第二十七条の二 次に掲げる者が三年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受けた場合において、犯情の軽重及び犯人の境遇その他の情状を考慮して、再び犯罪をすることを防ぐために必要であり、かつ、相当であると認められるときは、一年以上五年以下の期間、その刑の一部の執行を猶予することができる。

一 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者

二 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その刑の全部の執行を猶予された者

三 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者

【引用:刑法第27条

全部の執行猶予が「3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金」であったのに対し、一部執行猶予では罰金刑が除外されています。その代わり、再犯を防ぐために必要であり一部処分が相当であると認められることが必要です。

また、以前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、刑の全部の執行を猶予されていれば一部執行猶予を受けられる可能性があります。

執行猶予の期間は最長でも5年以下 

執行猶予の期間は1年以上5年以下

執行猶予期間が長ければ長いほど、再犯防止の効力があると思われますが、1年以上5年以下と決められています。犯行内容が悪質であればあるほど、執行猶予は長期的になるでしょう。

執行猶予が5年の判例

  1. 共犯者らと共謀し2回にわたり、うなぎの稚魚合計約58Kgを密輸出しようとした事件。懲役2年及び200万円の罰金のうち、懲役刑に関しては5年間の執行猶予がついた
  2. 自殺を決意した被告人が、家族のいる自宅の自室に灯油をまいて放火し、全焼させた事件。被告人が20歳と若いことやアスペルガー障害を持ていたことなどが考慮され、懲役3年執行猶予5年、執行猶予期間中に保護観察をつける判決がくだった

執行猶予の期間はおおよそ懲役刑の1.5~2倍

一概には言えませんが、過去の判例をみると執行猶予の期間はおおよそ懲役刑の1.5~2倍でつけられます。そのため、懲役2年の場合、執行猶予は3~4年になるケースがほとんどです。

執行猶予中に制限されること

執行猶予中に、日常生活に不自由するような制限はありませんが、前科がついてしまうため一定の制限が発生します。

また、事件の内容によって事件のきっかけや原因となったものに対し、制限されることもあるでしょう。ここでは、執行猶予中に制限されるものについて紹介します。

パスポート・ビザの発行や渡航制限

パスポートやビザを申請する際に、犯罪歴について記載する欄があり、執行猶予について申告が必要です。執行猶予を受けていると、パスポートやビザの発行を拒否されたり、期間や渡航できる国が制限されたりする可能性もあります。

特に、アメリカのビザや渡航は制限される可能性が高く、発行審査にも時間がかかるため注意が必要です。

虚偽の申告を行うと偽証罪などの罪に問われる可能性があります。最悪の場合、執行猶予が取り消され実刑を受けることになるため、正直に申告しましょう。

なお、パスポートやビザが取れない理由は、自分で伝えない限り会社や学校には通達されません。

一部の仕事の制限・資格の取り消し

執行猶予により有罪判決を受けることで、公務員・弁護士・医師など国家資格を要したり、警備員など法律によって規制されている一部の仕事には就職できません。

また、ビザやパスポートの取得が難しい可能性があるため、海外出張が多い会社への就職が難しい可能性があります。

不起訴処分を受けたらクビになる?

不起訴処分を受けたといって必ずクビになるわけではありません。

会社から懲戒処分のような重い処分を下されるかどうかは、多面的な観点から判断されるため、懲戒処分を受けても不当な会社の対応と判断されるケースもあります。

保護観察がついている場合には制限も増える

保護観察とは全国にある保護観察所の保護観察官から再び犯罪を起こさないために更生のサポートを行う制度です。

保護観察処分がついた場合、保護観察官は対象者の事情を把握する必要があり、対象者はさまざまな情報を開示したり、報告したりする義務が発生します。

長期の旅行や転居は許可が必要になり、他にも犯罪の起因となった場所への立ち入り禁止(ギャンブルが原因で窃盗をしたならギャンブル禁止など)や、再犯率の高い性犯罪や薬物犯罪は、更生プログラムの受講が義務付けられるなど様々な制限が設けられます。

執行猶予が取り消されてしまう行為

折角執行猶予がついても、些細な行動により取り消しされてしまう可能性もあります。

ここでは、執行猶予が取り消しになる行為について紹介します。

情状の余地無くして執行猶予が一発取り消しになる行為【禁固刑以上の犯罪】

執行猶予中に禁固刑以上の刑を処せられてしまうと、執行猶予の条件から外れる事になりますので、情状の余地なくして執行猶予が一発取り消しになります。

そのため、依存性のある性犯罪、薬物事件、万引きなどで執行猶予がついている場合、専門機関に通院し、治療に専念することが重要です。

また、巻き込まれ型の人身事故の加害者になってしまった場合でも、このケースに該当しますので、執行猶予期間中の車の運転には最新の注意をはらいましょう。

場合によっては執行猶予が取り消しになる行為【罰金刑の犯罪】

執行猶予中に罰金刑を処せられてしまうと、執行猶予が取り消されてしまう可能性があります。

なお、罰金刑で発生しやすいのは「交通違反」です。駐車違反からスピード違反まで軽微なことで罰金刑を受ける可能性があります。

執行猶予が取り消されてしまったら

執行猶予中に犯罪を再び起こして有罪の判決となれば、執行猶予が取り消されてしまいます。

執行猶予制度は「執行猶予期間中に他の刑事事件を起こさなければその判決自体が無かったことになる」制度ですので、執行猶予が取り消されてしまうと判決で言い渡された刑罰が直ちに執行されます。

更には、執行猶予の取消原因となった犯罪についても有罪の判決となるので、当該新たな有罪判決の刑罰も、従前の有罪判決の刑罰に加算されます。

例えば、「懲役2年執行猶予3年」が言い渡されていた後、執行猶予期間中に再び犯罪を起こし、刑事裁判で新たに「懲役1年」の判決を受けた場合、当該懲役1年の刑罰と、もともとの懲役2年の刑罰が合計されることになり、計3年間刑務所で過ごさなくてはならないということになります。

まとめ

普段は真面目に生活していても「ほんの少しだけ魔が差した」ということもあります。「逮捕されてしまったら絶望」と自暴自棄になるのではなく、執行猶予判決を受けて社会内で更生すると、前向きな考えを持つことも大事です。

刑事弁護人は、執行猶予判決を得るための最善のサポートをしてくれます。もしも、身近な人が逮捕されてしまった場合は早急に弁護士に相談してみるのも一つです。

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この記事の監修者
銀座さいとう法律事務所
齋藤健博 弁護士 (東京弁護士会)
性犯罪・薬物・詐欺・暴行・窃盗など、あらゆる刑事事件分野に注力。解決実績は約2万件と多数。
編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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