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沖縄県で暴行罪・傷害罪に強い弁護士一覧

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沖縄県で利用できる公的な相談窓口

当番弁護士の番号は平日1本、土日祝は勾留場所で2つ

当番弁護士は沖縄弁護士会が県内全域を受け持ち、宮古・八重山の事件も同じ会が派遣します。逮捕された本人も、警察官や検察官に申し出れば当番弁護士を呼べます。

曜日と勾留場所 電話
平日(県内のどの警察署でも)098-865-3737
土日祝:那覇・豊見城・浦添・宮古島・八重山の警察署、那覇・宮古の拘置支所098-865-3737(留守番電話)
土日祝:宜野湾・沖縄・うるま・石川・名護の警察署098-894-8663(留守番電話)

※沖縄弁護士会「当番弁護士」のページによります。糸満・与那原・嘉手納・本部の各署は、弁護士会のページと日本弁護士連合会の資料とで記載が一致しないか記載がないため、表に入れていません。日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」(2026年6月24日現在)の沖縄の番号は098-865-3737です。

留守番電話に録音する7項目(沖縄弁護士会の案内)

  • 電話をかけた人の氏名
  • 折り返しの連絡先
  • 逮捕された人との続柄
  • 逮捕された人の氏名
  • 容疑の内容(暴行か傷害か、分かる範囲で)
  • 逮捕された日時
  • 身柄のある警察署や施設

呼び出しを受けた段階の相談先

沖縄弁護士会の法律相談センターは那覇(弁護士会館)・沖縄支部(沖縄市知花)・名護支部の3か所で、30分5,500円(資力が一定以下なら無料)の相談の中に「刑事弁護に関する相談」があります。電話予約は平日10時〜15時、Web予約は24時間です。宮古・八重山には弁護士会の相談センターがないので、島で出頭を求められているなら、刑事事件を扱う事務所に直接予約を入れてください。制度の案内は法テラス・サポートダイヤル(0570-078374)でも受けられます。

暴力を受けた人・家庭内の暴力に悩む人の窓口

沖縄県は令和6年4月1日以後の故意の犯罪による被害に見舞金を設けており、治療に1か月以上かかる重傷病には20万円が支給されます(犯罪のときに県内に住所があることが条件)。

窓口 電話 受付
沖縄県女性相談支援センター(配偶者暴力相談支援センター)098-854-1172平日8時30分〜17時15分、土日祝8時30分〜12時・13時〜16時30分
(公社)沖縄被害者支援ゆいセンター098-866-7830平日10時〜16時
沖縄県犯罪被害者等支援総合窓口(見舞金の申請先)098-866-4115平日9時〜17時(12時〜13時を除く)
那覇地方検察庁 被害者ホットライン098-835-9997平日9時〜17時(時間外は留守番電話・FAX)
沖縄弁護士会(犯罪被害の法律相談)098-865-3737初回30分無料

※ゆいセンターは沖縄県公安委員会が指定した県内唯一の犯罪被害者等早期援助団体で、県の総合窓口の業務も受託しています。慰霊の日(6月23日)は、県の窓口もゆいセンターも閉まります。宮古地域には宮古配偶者暴力相談支援センター(0980-72-3132)もあります。警察本部の#9110(098-863-9110)と各署の警察安全相談は、平日8時30分〜17時15分だけの受付です。

出典:沖縄弁護士会「当番弁護士」、日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」、沖縄弁護士会「法律相談」、沖縄弁護士会「犯罪被害に関する相談」、沖縄県「沖縄県犯罪被害者等見舞金」、沖縄県「犯罪被害者等支援(相談窓口)」、沖縄県「DV相談」、那覇地方検察庁「被害者支援」、沖縄県警察「窓口一覧」

沖縄県で暴行・傷害事件を起こしてしまった直後にすること

沖縄県では暴行・傷害で検挙された人が逮捕される割合が高く、令和6年は傷害で検挙された452人のうち255人(56.4%・算出)、暴行では280人のうち106人(37.9%・算出)が逮捕されました。人口1万人当たりの粗暴犯の認知件数も全国2位(令和6年・県警の都道府県別の表から算出した順位)です。家族が警察に連れて行かれたら、身柄のある警察署の名前を聞き取り、沖縄弁護士会へ当番弁護士の派遣を申し込んでください。弁護士は原則として24時間以内に本人と面会し、1回目の費用はかかりません。

いまの状況別・最初にすること

家族が那覇・沖縄市・うるま市など本島の警察署で逮捕された
平日は098-865-3737で、どの署の事件でも受け付けます。土日祝は留守番電話になり、宜野湾・沖縄・うるま・石川・名護の署なら098-894-8663、那覇・豊見城・浦添の署なら098-865-3737に、本人の名前と警察署名を録音してください。
その日のうちに帰され、後日の呼び出しを待っている
県内で令和6年に暴行で検挙された人の6割あまり(62.1%・算出)は、逮捕されないまま捜査を受けています。呼び出しの日より前に弁護士へ相談し、取調べで話す中身と示談の進め方を決めておきましょう。
宮古島署・八重山署に身柄がある
島の事件も申し込み先は沖縄弁護士会で、土日祝の番号は098-865-3737です。起訴されれば平良支部か石垣支部で審理されるので、島で動ける弁護士か、空路の交通費まで見積もってくれる事務所に依頼してください。
けがをさせた相手が亡くなった
傷害致死は裁判員裁判の対象で、県内では那覇市樋川の那覇地裁本庁だけが審理し、宮古・八重山の事件も那覇で裁かれます。逮捕の段階から、裁判員裁判の弁護を経験した弁護士に任せてください。

出典:沖縄弁護士会「当番弁護士」、沖縄県警察「令和6年犯罪統計書」、那覇地方裁判所「県内の裁判員制度関連の情報」

沖縄県で暴行・傷害の容疑により逮捕されたあとの流れ

身柄を拘束されてからの時間の制限は、本島でも離島でも同じです。警察は48時間以内に事件を検察官へ送り、検察官はそれから24時間以内に勾留を請求するかを決めます。勾留は10日間で、延長されると最長20日間に及び、その間に起訴か不起訴かが判断されます(刑事訴訟法第203条・第205条・第208条)。県内では暴行の逮捕の大半がその場での逮捕で、令和6年に暴行で逮捕された106人のうち92人が現行犯逮捕でした。段階ごとの手続きは逮捕後の流れを解説した記事で扱っています。

けんかの起きた地域で、担当する支部と家庭裁判所が決まる

沖縄県警は方面本部を置かず、14の警察署で県内を分担しています。起訴するかを決める那覇地方検察庁と、起訴後に審理する那覇地方裁判所は、どちらも那覇市の本庁と沖縄・名護・平良・石垣の4支部で事件を受け持ちます。

事件が起きた地域 受け持つ警察署 暴行・傷害を扱う地検・地裁 傷害致死(裁判員裁判) 少年事件の家裁
本島南部(那覇市・浦添市・糸満市・豊見城市・南城市・西原町など)と久米島・慶良間・粟国・渡名喜・大東諸島那覇・豊見城・糸満・与那原・浦添本庁(那覇市樋川)本庁本庁
本島中部(沖縄市・宜野湾市・うるま市・北谷町・嘉手納町・読谷村・北中城村・中城村)沖縄・宜野湾・うるま・嘉手納・石川沖縄支部(沖縄市知花)本庁沖縄支部
本島北部(名護市と国頭郡の9町村)と伊是名村・伊平屋村名護・本部・石川名護支部(名護市宮里)本庁名護支部
宮古(宮古島市・多良間村)宮古島平良支部(宮古島市平良)本庁平良支部
八重山(石垣市・竹富町・与那国町)八重山石垣支部(石垣市登野城)本庁石垣支部

※地域の区分は裁判所「沖縄県内の管轄区域表」(平成18年4月1日現在の行政区画による表示)、警察署の受け持ちは「沖縄県警察の組織に関する条例」の別表を整理したものです。那覇地検の4支部は、地裁の支部と同じ市に置かれています。

一審の判決に不服があれば、県内のどの地域の事件でも福岡高等裁判所那覇支部が控訴審を開き、その庁舎は那覇地裁と同じ建物です。合議事件は本庁・沖縄支部・平良支部・石垣支部が扱い、名護支部の区域の合議事件だけは那覇の本庁へ回されます。警察と裁判所の受け持ちが食い違う地区もあり、那覇市の小禄地区は豊見城署が捜査しても裁判は本庁、恩納村・金武町・宜野座村は石川署の担当でも裁判は名護支部です。警察署の名前に加えて、けんかのあった店や路上の住所を字名まで弁護士に伝えてください。

県内の拘置支所は、那覇地裁の隣の那覇拘置支所と、平良支部の隣の宮古拘置支所の2か所で、石垣市には拘置支所ではなく八重山刑務支所があります。本島の事務所から宮古島署や八重山署へ接見に行くには飛行機を使うので、台風で便が止まれば面会や打ち合わせの日程がずれます。島での接見の回数を確保したいなら、宮古島や石垣島に拠点のある弁護士に依頼するか、本島の事務所に航空運賃込みの費用を先に示してもらいましょう。

出典:裁判所「沖縄県内の管轄区域表」、那覇地方裁判所「所在地一覧」、福岡高等裁判所「所在地一覧」、那覇地方検察庁「交通案内」、沖縄県警察「県内の警察署」、沖縄県法規集「沖縄県警察の組織に関する条例」、法務省「刑事施設の所在地一覧」、沖縄県警察「令和6年犯罪統計書」、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」

沖縄県で暴行・傷害に問われる罪と刑罰

暴行罪と傷害罪は刑法に定められた罪なので、那覇の繁華街でも石垣島の飲食店でも法定刑は変わりません。線を引くのは相手がけがをしたかどうかで、けががなければ第208条の暴行罪、打撲やすり傷でも生じていれば第204条の傷害罪となり、拘禁刑の上限は2年から15年に上がります。後から診断書が出て罪名が傷害に変わることもあるため、相手のけがについて警察から聞いた話は、そのまま接見の弁護士に伝えてください。

行為 罪名・条文 法定刑 罰金刑
殴る・突き飛ばす(けがなし)暴行(刑法第208条)2年以下の拘禁刑、30万円以下の罰金、拘留または科料あり
殴ってけがをさせた傷害(刑法第204条)15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金あり
けががもとで相手が亡くなった傷害致死(刑法第205条)3年以上の有期拘禁刑なし
大勢の威力や凶器を示しての暴行など暴力行為等処罰法第1条3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金あり
常習としての傷害同法第1条ノ31年以上15年以下の拘禁刑なし
すごむ・言いがかりをつける・祭礼などで混乱を招く沖縄県迷惑行為防止条例 第2条・第14条50万円以下の罰金または拘留・科料(常習は6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)あり
遊泳者の近くでボートなどを疾走・蛇行させる、遊泳者にいたずらをする同条例 第6条・第17条5万円以下の罰金または拘留・科料(常習は6月以下の拘禁刑または20万円以下の罰金)あり

※刑名は令和7年6月1日から拘禁刑です。沖縄県迷惑行為防止条例の常習の罰則も、令和7年3月31日沖縄県条例第4号によって拘禁刑の表記になりました。条文は沖縄県法規集の現行版(令和8年9月29日時点)で読んでおり、県警・県が掲載する条例のPDFは改正前の表記のままです。

拳が当たらなくても、相手のすぐ脇へ物を投げつける、胸ぐらをつかんで揺さぶるといった行為は暴行にあたり得ます。数人でけがを負わせた事件では、誰の手によるけがか特定できなくても、加わった全員が傷害の責任を問われることがあります(刑法第207条)。その場に何人いて、自分がいつ、どう動いたかを、順を追って接見の弁護士に話してください。

手を出す前のすごみや言いがかりも、県の条例が罰する

沖縄県迷惑行為防止条例の第2条は、うろつく・たむろする・すごむ・言いがかりをつけるといった粗暴な行為と、祭礼などの人出の中で混乱を招く行為を禁じ、第14条で50万円以下の罰金を定めています。相手の体に力が加われば、刑法の暴行罪として捜査されます。県のちゅらうちなー安全なまちづくり条例も「アルコール関連犯罪の防止」に1章を充てていますが、こちらに罰則はありません。被疑事実に書かれた行為が条例の粗暴行為か刑法の暴行かを弁護士に読み解いてもらえば、罰金で終わる見込みがあるかを早い段階でつかめます。

出典:e-Gov法令検索「刑法」第204条・第205条・第207条・第208条、e-Gov法令検索「暴力行為等処罰ニ関スル法律」、沖縄県法規集「沖縄県迷惑行為防止条例」、沖縄県法規集「ちゅらうちなー安全なまちづくり条例」、沖縄県公報 号外第10号(令和7年3月31日・沖縄県条例第4号)

容疑を認める場合と否認する場合

認めるなら、処分が決まる前に弁償と示談を

暴行も傷害も、被害者の告訴がなくても起訴できる罪です。それでも検察官は、起訴するかを決めるときに犯罪後の情況を考え合わせます(刑事訴訟法第248条)。法務省の検察統計(令和6年・全国)では、起訴された人のうち略式命令の請求が暴行で85.3%、傷害で64.2%を占め、多くは法廷を開かずに罰金で終わりました。県内では令和6年に、暴行で検挙された280人のうち93人(33.2%・算出)が検察官に送られない微罪処分で済んでいます。罰金も前科として残るので、那覇地検が処分を出す前に、治療費と慰謝料を盛り込んだ示談書を弁護士から届けてもらいましょう。

居酒屋の常連どうしや同僚、近所の人のように今後も顔を合わせる相手ほど、本人が謝りに行くと圧力と受け取られかねません。観光で来ていた相手がすでに県外へ帰っていても、窓口を弁護士に一本化すれば話し合いは続けられます。相手の連絡先を知っていても自分からは連絡せず、謝罪も支払いの申し出も弁護士に任せてください。

否認するとき・先に手を出されたと主張するとき

取調べの初めには言いたくないことは言わなくてよいと告げられ(刑事訴訟法第198条第2項)、調書は読み聞かせのあとで署名押印を断ることもできます(同条第5項)。暴行と傷害の取調べは録音・録画の義務がなく、義務があるのは傷害致死のような裁判員裁判の事件です(同法第301条の2)。酒で記憶が途切れている場面は推測で埋めずに「覚えていない」と答え、その日のやり取りを接見で弁護士に再現してください。

相手の攻撃から身を守るために手を出したのなら、正当防衛(刑法第36条)の成否が争点です。相手が先に手を出したことを示す材料は、店や通りの防犯カメラの映像と、居合わせた人の話です。映像は上書きされて消えることがあるので、店名と時刻を弁護士に伝え、早いうちに保全の手続きを取ってもらってください。

出典:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第198条・第248条・第301条の2、e-Gov法令検索「刑法」第36条、法務省「検察統計調査」令和6年年報、沖縄県警察「令和6年犯罪統計書」

暴行・傷害事件の保釈と時効、外国籍・米軍関係者の場合

保釈の請求は起訴のあと

保釈を請求できるのは起訴された被告人だけです(刑事訴訟法第88条第1項・第207条第1項ただし書)。暴行・傷害で保釈を妨げやすいのは、目撃者との口裏合わせを疑われる罪証隠滅のおそれ(第89条第4号)と、家族や同僚など相手との接点が続く場合の被害者への働きかけのおそれ(同条第5号)です。傷害致死は短期3年の罪なので第89条第1号にあたり、第90条の裁量で判断されます。相手と同じ家に住んでいたなら、釈放後に身を寄せる先を決めて弁護人に伝え、保釈請求の材料にしてもらってください。

全国では、令和7年に第一審を終えて勾留されていた被告人35,125人のうち11,132人(31.7%・算出)が保釈されました。那覇地裁本庁で保釈保証金を扱うのは会計課(098-918-3310)です。

時効は暴行3年・傷害10年、民事の請求は5年

刑事訴訟法第250条を当てはめると、公訴時効は暴行3年(第2項第6号)、傷害10年(同項第3号)、傷害致死20年(第1項第2号)で、国外にいる期間は進みません(第255条第1項)。治療費や慰謝料の請求は別の期限で、体を傷つけた不法行為は損害と加害者を知った時から5年です(民法第724条・第724条の2)。通院が長引いたときに改めて請求されないよう、示談書にどこまで清算するかを明記してもらいましょう。

外国籍の人は、執行猶予でも退去強制の対象になりうる

県内の在留外国人は33,402人(令和7年末)で、在留資格は永住者に次いで留学5,379人・特定技能4,651人が多くなっています。暴行・傷害・傷害致死は刑法第2編第27章「傷害の罪」の罪なので、入管法第24条第4号の2の対象です。留学・特定技能・技能実習など別表第一の資格の人は、拘禁刑に処せられれば執行猶予が付いても退去強制の対象となり、罰金なら当たりません。永住者や日本人の配偶者など別表第二の人は、1年を超える拘禁刑で刑の全部の執行猶予が付かなかった場合が対象です(第24条第4号リ)。在留カードの資格と期限を最初の接見で弁護士に見せ、罰金で終える道を探ってもらってください。宜野湾市の沖縄県国際交流・人材育成財団(098-942-9215)では、在留資格を問わず多言語で生活相談を受け、沖縄弁護士会と協力して法律相談にもつないでいます。

米軍関係者が暴行・傷害を疑われたとき

米軍の構成員(軍人)や軍属の刑事手続は、日米地位協定第17条が定めています。米軍側が裁判権を行使する第一次の権利を持つのは、公務執行中の作為または不作為から生ずる罪などに限られ、それ以外の罪は日本の当局が第一次の権利を持ちます(第17条3(a)・(b))。

公務の範囲については、2011年の日米合同委員会の合意が、宿舎や住居と勤務場所との直接の往復を公務に含める一方で、「飲酒したときは、その往復の行為は、公務たるの性格を失う」と定めました。酒を飲んだあとの帰り道で起きた暴行や傷害は、通勤の途中であっても公務としては扱われません。

日本の警察が米軍関係者を逮捕すると、直ちに最寄りの米軍の憲兵司令官へ通知され、公務中かどうかに疑問がある場合などは身柄が憲兵司令官へ引き渡されます(刑事裁判管轄権に関する合意事項9(a))。米側が先に身柄を押さえていると、日本が起訴するまでは米側が拘禁を続けます(第17条5(c))。起訴前の身柄の移転に米側が好意的な考慮を払うとした1995年の合意は、凶悪な犯罪の特定の場合についての取り決めで、合意の文言に暴行・傷害は挙がっていません。県警の集計では、令和7年の米軍人・軍属と家族による刑法犯の検挙101件・80人のうち、粗暴犯が19件・19人でした。家族が米軍関係者なら、飲酒していたか、公務中だったか、いま日米どちらが身柄を預かっているかを、最初の相談で弁護士に伝えてください。

出典:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第88条・第89条・第90条・第250条・第255条、裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」第32表、那覇地方裁判所「ダイヤルイン一覧」、e-Gov法令検索「民法」第724条・第724条の2、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」、出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数」第4〜6表、沖縄県国際交流・人材育成財団「法律・生活相談」、沖縄県「地位協定ポータルサイト」、日米地位協定 本文(沖縄県掲載)、第17条関係の日米合同委員会合意(沖縄県掲載)、沖縄県警察「刑法犯米軍人等犯罪総数(令和7年確定値)」

暴行・傷害事件で弁護士に任せられることと選び方・費用

県内の暴行・傷害事件で弁護士が担う仕事の柱は示談交渉と身柄の解放の2つで、逮捕されていない在宅の段階からでも依頼できます。

示談交渉

捜査機関を通じて相手の承諾を得たうえで連絡先を受け取り、治療費・休業による損害・慰謝料・壊れた物の弁償を1通の示談書にまとめます。話し合いの進め方は被害者との示談交渉に関する記事に詳しく載せています。

身柄の解放

勾留を請求しないよう検察官に意見書を出し、勾留が決まれば準抗告、起訴後は保釈を請求します。罰金・不起訴などの処分の違いは不起訴・刑罰・刑事処分に関する記事で説明しています。

本島北部や島の署なら、通える距離で選ぶ

沖縄弁護士会には301人(2026年9月1日現在)の弁護士が登録しています。日本弁護士連合会の紹介では、宮古島と石垣島のひまわり基金法律事務所が定着し、離島に住む人の相談に応じています。名護署・本部署や宮古島署・八重山署に身柄があるなら、依頼の電話で次の3点を伝えてください。接見の日程と、交通費を含めた費用の見積もりを早く受け取れます。

依頼の電話で最初に伝える3点

  • 身柄のある警察署の名前と、逮捕された日時
  • 相手のけがの程度と、治療費を負担するつもりがあること
  • 家族が用意できる費用の上限と、分割払いを望むかどうか

当番弁護士・国選弁護人・私選弁護人

区分 費用 暴行・傷害で使う場面
当番弁護士最初の面会1回は無料逮捕の直後で、まだ依頼先が決まっていないとき。家族からも本人からも呼べる
国選弁護人資力の要件があり、合計50万円以上の資力がある人は先に弁護士会へ私選の申出をする勾留が請求されたあと。在宅で捜査されている間は付かない
私選弁護人事務所ごとの料金。島の署への接見には航空運賃が加わる呼び出しを待つ段階や、処分の前に示談を急ぎたいとき

費用の目安と法テラス沖縄・宮古島

着手金・報酬金・接見の日当を合わせた総額は、おおむね50万円から90万円程度が目安で、治療費や示談金は別に用意します。着手金や日当の内訳は刑事事件の弁護士選び・費用に関する記事を参考にしてください。

法テラスの県内の拠点は、那覇市楚辺の法テラス沖縄(0570-078368・平日9時〜17時)と、スタッフ弁護士が勤める法テラス沖縄法律事務所・宮古合同庁舎内の法テラス宮古島法律事務所で、石垣・名護・沖縄市には事務所がありません。法テラス沖縄の無料法律相談は借金や離婚などの一般相談が対象です。手持ちの資金が足りないなら、依頼の前に資力の状況を弁護士へ正直に伝えてください。勾留が請求されたあとであれば、国選弁護人に切り替える手順を示してもらえます。

出典:日本弁護士連合会「弁護士会別会員数」、日本弁護士連合会「沖縄弁護士会」、沖縄弁護士会「刑事弁護に関する相談」、法テラス「法テラス沖縄」、法テラス沖縄「法テラス宮古島法律事務所」

沖縄県の暴行・傷害の検挙状況

県内の暴行・傷害は、起きる件数でも逮捕の割合でも全国の中で高い側にあります。暴行と傷害を分けた沖縄県の件数と身柄措置は令和6年分が最新で、令和7年以降は暴行・傷害・脅迫などをまとめた「粗暴犯」の件数だけが公表されています。

粗暴犯の人口当たり件数は全国2位

県警「令和6年犯罪統計書」の都道府県別の表で、沖縄県の粗暴犯の犯罪率は人口1万人当たり7.292件でした。全国の4.664件の約1.6倍(算出)で、47都道府県を並べると2番目に高い値です(順位は算出)。県内の粗暴犯の認知件数は令和6年の1,069件が過去10年で最多でしたが、令和7年は1,170件(9.4%増)とさらに増え、令和8年も1〜8月で926件(前年同期比27.4%増・暫定値)です。

区分 令和5年 令和6年
暴行 認知件数354件383件
暴行 検挙件数・検挙人員318件・304人295件・280人
傷害 認知件数526件557件
傷害 検挙件数・検挙人員464件・473人457件・452人

※警察庁「令和5年の犯罪」「令和6年の犯罪」第3表の沖縄県の値で、県警「令和6年犯罪統計書」の値と一致します。令和6年の検挙率は暴行77.0%・傷害82.0%(検挙件数÷認知件数で算出)です。

傷害は検挙された人の半数超が逮捕される

令和6年 検挙人員 現行犯逮捕 通常・緊急逮捕 逮捕されず 逮捕率
暴行280人92人14人174人37.9%
傷害452人137人118人197人56.4%

※県警「令和6年犯罪統計書」第7-17表の値で、逮捕率は逮捕された人数を検挙人員で割った算出値です。警察の身柄措置の割合で、勾留や起訴の割合ではありません。

刑法犯全体でも、令和7年に県内で検挙された3,377人のうち1,198人(35.5%・算出)が逮捕されており、全国の32.2%(算出)を上回ります。現行犯で逮捕されても、勾留が決まる前に弁護士が付けば、検察官や裁判官へ釈放を求める意見を出せるので、逮捕を知った日のうちに依頼してください。

警察署・年齢・前科と、家庭内や少年の暴力

令和6年の警察署別の認知件数は、那覇署が暴行81件・傷害133件、沖縄署が63件・89件、浦添署が35件・61件でした。離島では八重山署の傷害が53件で、宮古島署(26件)の約2倍です。検挙された人は、傷害では452人のうち30歳代104人・40歳代81人が多く、暴行では280人のうち70歳以上が34人いました。前科のある人の割合は、成人の傷害で31.6%(414人中131人)、暴行で22.1%(272人中60人)です(いずれも算出)。

家庭の中では、県警が令和6年に受けたDVの相談等が1,297件、DVに関連する刑法犯・特別法犯の検挙が129件でした。令和7年に検挙・補導された刑法犯少年832人のうち粗暴犯は121人で、補導された不良行為のうち粗暴行為は162人(70.5%増)です。家族や子どもが当事者の事件では、相手の安全をどう守るかが釈放や処分の判断材料になるため、家の事情を包み隠さず弁護士に話してください。

出典:沖縄県警察「令和6年犯罪統計書」、警察庁「令和6年の犯罪」、警察庁「令和5年の犯罪」、沖縄県警察「犯罪統計資料 令和7年(確定値)」、沖縄県警察「犯罪統計資料 令和8年8月末(暫定値)」、警察庁「犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)」、沖縄県警察「配偶者からの暴力相談等の概況(令和6年中暫定値)」、沖縄県警察「令和7年 少年非行等の概況」

沖縄県の暴行・傷害事件でよくある質問

Q1. 旅行で那覇に来た家族が、飲んだあとのけんかで逮捕されました。本土にいる私たちはどう動けばいいですか?

弁護士会は地方裁判所の区域ごとに置かれるので(弁護士法第32条)、県外からでも沖縄弁護士会の番号へ申し込めば、那覇の署へ当番弁護士が向かいます。令和7年に沖縄を訪れた観光客は過去最高の1,075万6,000人で、県の人口のおよそ7.3倍(算出)です。釈放されて自宅へ戻ったあとも、取調べや示談は沖縄で続くことがあります。県外へ帰る前に、呼び出しへの対応と相手との示談を沖縄の弁護士に任せる段取りをつけてください。

Q2. 石垣島の飲食店でけんかになり、相手に重いけがをさせました。裁判は島で開かれますか?

石垣市・竹富町・与那国町の事件は那覇地裁石垣支部が扱い、傷害の裁判は合議になっても石垣支部で開かれます。相手が亡くなって傷害致死に問われた場合だけは裁判員裁判となり、那覇の本庁で審理されます。公判のたびに石垣支部へ出廷できる、島内の弁護士か空路で通える弁護士に依頼してください。

Q3. 米軍関係者の夫が、基地の外で飲んだ帰りに人を殴りました。日本の警察が捜査するのですか?

公務の執行中でなければ、裁判権を行使する第一次の権利は日本の当局にあります(日米地位協定第17条3(b))。2011年の合意で、住居と勤務場所の往復であっても飲酒していれば公務の性格を失うとされています。米側が先に身柄を確保していれば、日本が起訴するまでは米側が拘禁します。日本の刑事手続を前提に、通訳が必要かどうかも含めて弁護士と方針を決めてください。

Q4. 夫婦げんかで配偶者をたたき、宜野湾署に連れて行かれました。家に戻れますか?

すぐ戻れるかは、勾留や保釈の判断しだいです。家庭の中でも、けががなければ暴行罪、けががあれば傷害罪で捜査され、同居を続けると相手への働きかけのおそれ(刑事訴訟法第89条第5号)が勾留や保釈の判断で問題になります。しばらく暮らせる実家や知人宅を決め、その住所を弁護士から検察官や裁判所に示してもらってください。配偶者の側は、沖縄県女性相談支援センター(098-854-1172)に土日祝も相談できます。

Q5. 中学生の息子が同級生にけがをさせ、警察に呼ばれました。どこの家庭裁判所が扱いますか?

県内では那覇家裁の本庁と沖縄・名護・平良・石垣の4支部の5庁すべてが少年事件を扱い、事件のあった地域の庁が担当します。観護措置がとられると、那覇市西の那覇少年鑑別所(098-862-4606)に入ります。令和7年に県内で検挙・補導された刑法犯少年の54.2%が中学生で、全国の29.1%を大きく上回ります。けがの治療費の弁償は家裁の判断材料にもなるので、付添人となる弁護士に早めに進めてもらいましょう。

Q6. 暴行で罰金になる場合、裁判所へ出向く必要はありますか?

略式手続になれば、簡易裁判所が書面の審理だけで罰金を命じるので、公開の法廷に立つことはありません。罰金の略式命令は、那覇・沖縄・名護・平良・石垣にある県内5か所の簡易裁判所が出します。罰金で終わっても前科の記録は残ります。前科を避けたいなら、那覇地検が処分を決める前に示談をまとめ、不起訴を目指してください。

Q7. 一審の判決に納得できないとき、次の裁判はどこで開かれますか?

県内の事件の控訴審は、すべて那覇市樋川の福岡高等裁判所那覇支部が扱います。那覇地裁本庁と同じ建物で、宮古島や石垣島の事件も控訴審は那覇です。正当防衛を最後まで争うつもりなら、控訴審まで同じ弁護士に任せられるかを依頼の時点で話し合っておきましょう。

Q8. 起訴されて拘置支所へ移った家族には、何時に面会できますか?

那覇拘置支所(098-832-4593)と宮古拘置支所(0980-72-3118)の面会受付は、どちらも8時30分〜11時30分と13時〜16時で、石垣市の八重山刑務支所も同じ時間です。接見禁止が付いている間は家族は会えず、弁護士だけが面会できます。接見禁止が付いているかは弁護人が把握しているので、面会に出かける日取りは弁護人と相談して決めてください。

出典:e-Gov法令検索「弁護士法」第32条、沖縄県「令和7年(暦年)沖縄県入域観光客統計概況(確定版)」、総務省統計局「令和7年国勢調査 人口等基本集計 結果の概要」、裁判所「沖縄県内の管轄区域表」、第17条関係の日米合同委員会合意(沖縄県掲載)、法務省「少年鑑別所の所在地一覧」、沖縄県警察「令和7年 少年非行等の概況」、福岡高等裁判所「所在地一覧」、法務省「面会受付時間一覧」

沖縄県で暴行・傷害事件の弁護士を探す 身柄のある署へすぐ接見でき、示談まで任せられる事務所を選んでください

県内の暴行・傷害事件は那覇地裁の本庁と沖縄・名護・平良・石垣の4支部で審理され、傷害で検挙された人の半数を超える人が逮捕されています。家族がすでに逮捕されているなら、今日のうちにその署へ接見に行ける事務所へ電話してください。在宅で呼び出しを待っている人は、出頭の日より前に相談の予約を入れましょう。

参考資料・更新情報

※本コンテンツは2026年9月30日時点で確認できた公表情報をもとに作成しています。暴行・傷害の罪種別の件数・身柄措置・警察署別の件数・年齢・前科は沖縄県警察「令和6年犯罪統計書」と警察庁「令和6年の犯罪」「令和5年の犯罪」、粗暴犯と刑法犯全体・米軍人等の検挙は沖縄県警察の犯罪統計資料(令和7年確定値・令和8年8月末暫定値)、刑法犯全体の身柄措置は警察庁「犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)」の値です。逮捕率・粗暴犯の犯罪率の全国順位・観光客の人口比は、これらの値と令和7年国勢調査の確定人口(1,466,548人)から算出しました。略式命令の割合は法務省「検察統計調査」(令和6年・全国)、保釈の人員は裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」の全国値、DV相談は令和6年中の暫定値、在留外国人数は令和7年末、弁護士会の会員数は2026年9月1日現在の値です。沖縄県迷惑行為防止条例の刑名は令和7年6月1日施行の改正後の拘禁刑表記です。制度や窓口の内容は変更されることがあり、最新の案内は各機関と法律事務所の公式情報に掲載されます。本コンテンツは一般的な情報提供を目的とするもので、個別の事件についての法的助言ではありません。

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