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福島県で示談交渉(加害者)に強い弁護士一覧

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深見愛一郎法律事務所

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弁護士法人エッグ

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グラディアトル法律事務所

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4件中 1~4件を表示

福島県で利用できる公的な相談窓口

当番弁護士は024-534-2334の1本

福島県弁護士会の当番弁護士は、県内のどの地域の事件でも024-534-2334で受け付け、支部ごとの番号はありません。弁護士会の業務時間外(夜間・休日など)は留守番電話になり、案内に従って派遣要請であることと本人・依頼者の情報を録音します。会の案内では、弁護士は平日休日を問わず原則48時間以内に接見に行き、初回の接見手数料は無料です。18歳未満が逮捕された事件(道路交通法違反だけの事件を除く)では、申出がなくても当番弁護士が接見に行く運用も示されています。

日本弁護士連合会の一覧では、福島県弁護士会は私選弁護人の紹介の申出も同じ番号で、平日(月〜金)9時〜17時に受け付けています(時間外は留守番電話)。在宅の段階で示談を任せる弁護士の当てがなければ、この紹介の申出を使いましょう。

弁護士会の法律相談は6支部で予約制

弁護士会の有料法律相談は30分5,500円(税込)で、相談内容の例に刑事事件も挙がっています。

支部予約の電話相談の日時
福島024-536-2710(火・水・木 9時〜15時)毎週火・水・金 14時〜16時
郡山024-936-4515(月〜金 9時〜15時30分)月〜金(水曜を除く)14時〜14時30分
いわき0246-22-1320(月〜金 9時〜17時)随時(担当弁護士の事務所)
会津若松0242-27-0264(月〜金 9時〜17時)毎週木 10時〜13時
白河0248-22-3381(月〜金 10時〜16時)担当弁護士と日時を調整
相馬0244-36-4789(月〜金 9時〜17時)毎週火 9時15分〜12時

被害を受けた側が使える窓口

県内の被害者は、次の窓口で支援を受けられます。被害者にも相談先があることを踏まえ、無理のない支払い条件で示談の案を組み立てましょう。

窓口役割電話と受付時間
(公社)ふくしま被害者支援センター県公安委員会が指定した犯罪被害者等早期援助団体024-563-3724・月〜金 9時〜17時
福島県警察 性犯罪被害110番性犯罪の被害の相談#8103/0120-503-732・24時間(夜間・休日は県警本部の当直が対応)
SACRAふくしま性暴力被害のワンストップ支援センター#8891/024-563-3722・平日9時〜17時(時間外は国のコールセンターにつながる)
福島地方検察庁 被害者ホットライン犯罪被害者の司法手続きに関する相談024-534-5135・月〜金 9時〜17時
法テラス 犯罪被害者支援ダイヤル被害者支援の制度や窓口の案内0120-079714・平日9時〜21時、土曜9時〜17時

示談がまとまらないまま有罪判決を受けても、故意に人を傷つけた罪や性犯罪などでは、被害者は刑事記録を使って賠償額を決めてもらう損害賠償命令(犯罪被害者保護法第24条)を申し立てられます。示談が成立しなくても賠償の請求は続く前提で、払える額と時期を早めに固めましょう。

出典:福島県弁護士会「刑事事件」、福島県弁護士会「当番弁護士について」、福島県弁護士会「有料法律相談のご案内」、日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」、日本弁護士連合会「被疑者段階及び第一審の私選弁護人紹介申出受付について」、福島県警察「犯罪被害者支援」、福島県警察「各種相談窓口」、福島県「SACRAふくしま」、福島地方検察庁「管内検察庁の所在地・交通アクセス」、e-Gov法令検索「犯罪被害者保護法」第24条

福島県で被害者との示談を考えたら、最初にすること

このページで扱うのは、交通事故の保険会社どうしがまとめる示談ではなく、刑事事件で疑いをかけられた本人や家族が、被害者に謝って損害を償うための示談です。ここでは福島県内の事件で示談を進める段取りに絞って説明します。刑事の示談は、福島地方検察庁の検察官が起訴か不起訴かを決めるときに考える事情の一つです。加害者の側から被害者の住所や電話番号を知る方法はないため、まず、被害者との間に入る弁護士を決めてください。県内の弁護士会は福島県弁護士会の1会だけで、中通り・浜通り・会津のどこの事件でも、当番弁護士の依頼先は024-534-2334です。

いまの状況別・最初にすること

家族が福島県内の警察署に留置されている
福島県弁護士会(024-534-2334)に当番弁護士を頼みます。夜間や休日は留守番電話になるので、当番弁護士の派遣要請であること、本人の氏名・生年月日・罪名・警察署名、あなたの氏名と連絡先を吹き込みます。平日休日を問わず原則48時間以内に面会に来て、初回は無料です。いますぐ電話してください。
逮捕はされず、警察署から呼出しを受けている
令和7年に県警が検挙した刑法犯2,139人のうち、1,551人は逮捕されずに捜査を受けています。逮捕前に取調べを受けた人は、弁護士会の業務時間内に申し込めば当番弁護士と有料で相談できます。次の出頭の前に弁護士と方針を決め、被害者側への申入れを任せましょう。
被害者の名前も連絡先も分からない
被害者の意向は、弁護士が警察署や地検の検察官を通じて尋ねます。勤め先や共通の知人、SNSをたどって、本人や家族が直接連絡しないでください。
家族が県外に住んでいて、すぐに福島へ行けない
当番弁護士の依頼は県外からの電話でも同じ番号で受け付けます。面会した弁護士と電話で話し、示談金を誰がいつまでに用意するかを先に決めましょう。

示談書を出す先は、福島地検の本庁と5つの支部

県内の事件を起訴するかどうかは、福島地方検察庁の検察官が判断します。地検は福島市狐塚の本庁と、郡山・白河・会津若松・いわき・相馬の5支部で構成されますが、相馬支部と相馬区検は福島市の本庁と同じ所に置かれ、相馬市内に検察庁の庁舎は案内されていません。棚倉区検は白河支部に、田島区検は会津若松支部に、福島富岡区検はいわき支部に同居しています。示談書や、被害者が処罰を求めないと書いた書面は、弁護士が事件を受け持つ庁の検察官へ届けます。

地方主な警察署地裁の庁同じ区域にある地検の庁合議・裁判員裁判控訴審
中通り(県北)福島・福島北・伊達・二本松本庁(福島市花園町)本庁 024-534-5131本庁仙台高裁
中通り(県中)郡山・郡山北・須賀川・田村郡山支部郡山支部 024-932-1198郡山支部仙台高裁
中通り(県南)白河・石川・棚倉白河支部白河支部(白河・棚倉区検)0248-23-4171どちらも郡山支部仙台高裁
浜通り(相双)相馬・南相馬相馬支部相馬支部(福島市の本庁と同じ所)どちらも本庁仙台高裁
浜通り(いわき・双葉)いわき中央・いわき東・いわき南・双葉いわき支部いわき支部(いわき・福島富岡区検)0246-23-2101合議はいわき支部、裁判員裁判は郡山支部仙台高裁
会津会津若松・猪苗代・喜多方・会津坂下・南会津会津若松支部会津若松支部(会津若松・田島区検)0242-28-1300合議は会津若松支部、裁判員裁判は郡山支部仙台高裁

※地裁の区域は裁判所「福島県内の管轄区域表」(平成20年7月1日現在の行政区画による表示)、警察署の区域は「福島県警察の組織に関する条例」の別表によります。控訴審はどの地方の事件も仙台高等裁判所(仙台市青葉区)の本庁が扱い、県内に高等裁判所はありません。地検の支部ごとの受け持ちを文字で示した公的な資料が見当たらないため、裁判所の区域に対応する地検の庁を並べました。地検の所在地と電話は福島地方検察庁「管内検察庁の所在地・交通アクセス」(2026年5月11日更新)の表記です。

警察署と裁判所の受け持ちがずれる所もあります。飯舘村は南相馬署の管轄ですが、裁判所は相馬支部ではなく本庁の区域で、玉川村のうち福島空港の敷地は須賀川署の管轄でも裁判所は白河支部の区域です。弁護士へ最初に電話するときは、本人のいる警察署の名前と、事件の起きた市町村の名前をあわせて伝えてください。

出典:福島地方検察庁「管内検察庁の所在地・交通アクセス」、裁判所「福島県内の管轄区域表」、福島地方裁判所「裁判員制度」、仙台高等裁判所「所在地一覧」、福島県警察「福島県警察の組織に関する条例」、福島県弁護士会「刑事事件」、警察庁「犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)」

示談が起訴・不起訴の判断に影響する理由

根拠になる条文は刑事訴訟法第248条です。検察官は「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる」とされ、謝罪と賠償を終えて被害者と合意したことは、「犯罪後の情況」や「情状」として検察官の目に入ります。

公的な調査としては、平成11年版犯罪白書の特別調査が、財産犯で被害の回復が進んだ事件ほど起訴猶予が多く、実刑が少ない傾向を示しています。被害額1万円以下で全額を回復した事件では起訴猶予が80%近くに達し、回復のない事件は30%程度でした。福島県では令和7年の刑法犯8,674件のうち窃盗が6,030件(69.5%・算出)を占め、空き巣などの侵入盗も1,021件ありました。盗んだ物や壊した物の被害がある事件なら、一度に全額を用意できなくても、払える分から弁償を始めましょう。

平成11年版犯罪白書の調査は当時の罪名と制度による全国の古い数値で、福島県だけを集計したものではありません。

県内では、けがを負わせる事件も増えています。暴行・傷害などの粗暴犯は令和7年に551件(前年比23.8%増)、令和8年1〜8月も445件(前年同期比25.7%増・暫定値)でした。相手にけがをさせた事件では、治療費と仕事を休んだ分の補償を示談金の軸にし、診断書や領収書を弁護士に集めてもらいましょう。

示談の成立は、不起訴を約束するものではありません。ただ処分が決まる前にまとめられれば、事件を受け持つ福島地検の本庁または支部の検察官に、判断材料として届けられます。

告訴が取り消されると起訴できない罪

器物損壊(刑法第261条)、私用文書等毀棄(第259条)、名誉毀損(第230条)、侮辱(第231条)、過失傷害(第209条)は、被害者の告訴がなければ起訴できない親告罪です。告訴は起訴される前なら取り消せ(刑事訴訟法第237条第1項)、取消しがあればその事件は起訴できなくなります。県内の器物損壊等は令和7年に634件が認知され、検挙率は12.9%でした。器物損壊で県警の捜査を受けているなら、修理代や買い替え費用の弁償とセットで、告訴を取り下げてもらうところまでを合意の目標にしてください。性犯罪は平成29年7月13日施行の刑法改正で親告罪ではなくなっており、示談がまとまっても起訴されることがあります。

制度の参考:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第237条・第248条、e-Gov法令検索「刑法」、出典:法務省「平成11年版犯罪白書のあらまし 犯罪被害者と刑事司法」、法務省「刑法の一部を改正する法律の概要(平成29年7月13日施行)」、福島県警察「令和7年 犯罪統計(確定値)」、福島県警察「令和8年 犯罪統計(8月末・暫定値)」、警察庁「犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)」

示談にかけられる時間は、逮捕されたかどうかで違う

逮捕された事件は、警察が48時間以内に本人を検察官に送り、検察官が24時間以内に勾留を請求するかを決めます。勾留は10日で、延長されても合わせて20日が上限です(刑事訴訟法第203条・第205条・第208条)。逮捕から起訴・不起訴の判断までは最長で23日なので、示談書への署名もこの日数の中に入れる計画を立てます。手続きの区切りは逮捕後の流れを解説した記事にまとめています。

県警の検挙人員に占める、逮捕された人の割合

福島県警は罪種ごとの身柄の扱いを公表していないため、刑法犯全体で東北や全国と比べます。

区分現行犯逮捕緊急逮捕通常逮捕逮捕されずに捜査逮捕された割合(算出)
福島県 令和7年(2,139人)181人15人392人1,551人27.5%
福島県 令和6年(2,192人)198人10人400人1,584人27.7%
東北6県 令和7年(10,099人)844人170人1,829人7,256人28.2%
全国 令和7年(200,663人)23,757人2,336人38,557人136,013人32.2%

※警察庁「犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)」の都道府県別・身柄措置別検挙人員(刑法犯)によります。区分の人数は検挙人員の総数で、逮捕された割合は3種類の逮捕の合計を総数で割って算出しました。

福島県では、刑法犯で検挙された人のおよそ4人に3人が、逮捕されないまま手続きを受けています。逮捕された588人のうち通常逮捕が392人で、現行犯逮捕の割合(30.8%・算出)は全国(36.7%・算出)より低くなっています。警察から連絡が来た段階で弁護士に依頼すれば、逮捕や勾留の前から被害者側に申入れを始められます。

出典:警察庁「犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)」、制度の参考:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第203条・第205条・第208条

被害者への申入れから示談書の署名まで

被害者の連絡先は弁護士にだけ伝えられる

本人や家族が福島県警の警察署や地検に問い合わせても、被害者の住所や電話番号は通常明かされません。弁護士が代理人になり、被害者が了承したときに限って捜査機関から弁護士に連絡先が伝えられる、という流れが一般的です。加害者の側から近づくと被害者を怖がらせ、証拠や証言への働きかけを疑われて勾留が延びる原因にもなります。謝罪の手紙も賠償の提案も、弁護士を通して届けてください。申入れを断られた場合は、贖罪寄付や再発防止の取り組みを検察官に示す方法を弁護士と話し合いましょう。

示談金の額は、事件ごとに話し合って決まる

法テラスは示談金について「示談金額は、一般論としては、加害者の責任の重さに比例して高くなりますが、決まった基準はありません」と説明しています。けがの治療期間、休んだ日数、物の時価、加害者が払える金額などを材料に、最後は被害者が納得するかどうかで決まります。福島県内の事件についても、示談金の平均や分布をまとめた公的な統計はありません。用意できる上限と分割の希望を最初の打合せで弁護士に伝えておけば、その枠の中で提案を組み立ててもらえます。

示談書の中身と、起訴後の刑事和解

示談書で決めておく6つのこと

  • 日時と場所を特定し、どの出来事についての合意かを明らかにする
  • 示談金の額、支払う日、振込などの方法を書き、分割なら回数と1回の額も入れる
  • この事件について互いにほかの請求をしない、という清算の範囲を書く
  • 被害者に近づかない、連絡しないという約束を入れる
  • 寛大な処分を望む、処罰を求めない、という被害者の気持ちを書いてもらう
  • 支払いが遅れた場合の扱い(遅延損害金など)を決める

起訴された後にまとまった示談は、合意の内容を公判調書に記載してもらう刑事和解にできます(犯罪被害者保護法第19条)。被告人と被害者が共同で、審理している福島地裁の本庁・支部や簡易裁判所に、弁論が終わるまでに書面で申し立てます。双葉郡8町村の刑事事件は、福島富岡簡裁の事務移転によりいわき簡裁が扱っています。調書に載った合意は裁判上の和解と同じ効力を持ち、分割払いが途中で止まっても、被害者は改めて民事の裁判を起こさずに済みます。署名する前に弁護士に文面を読んでもらい、控えを家族にも渡しておきましょう。

中通り・浜通り・会津の距離と、面談の組み立て

県警の市町村別の数字を地方ごとに合計すると、令和7年の刑法犯は中通り61.2%・浜通り26.6%・会津11.0%で、市では郡山市22.0%・いわき市19.5%・福島市14.5%の3市に分かれます(いずれも算出)。福島県の面積は全国で3番目に広く(算出)、会津と浜通り、郡山といわきのように加害者と被害者の暮らす地域が離れていれば、会うたびに長い移動が生じます。被害者の住む地域が分かったら、弁護士が出向いて会うか、郵送や電話で進めるかを決め、移動の日当と交通費をあらかじめ示してもらいましょう。

本人や被害者の住民票の住所と、いま暮らしている場所が違うこともあります。自宅・勤め先・ふだん使う店や交通手段を、交渉に入る前に弁護士へ伝えてください。生活の場が重なる相手なら、近づかない約束や口外しない約束を示談書に入れることで、金額以外の面でも被害者の不安に応えられます。

出典:法テラス「刑事事件における示談金の目安はいくらですか。」、法テラス「合意書(示談書)を作成する際の注意点」、法テラス「分割払いの取り決め」、e-Gov法令検索「犯罪被害者保護法」第19条、裁判所「福島富岡簡易裁判所の事務移転について」、福島県警察「令和7年 犯罪統計(確定値)」、総務省統計局「令和7年国勢調査 人口等基本集計 結果の概要」

容疑を認める場合と否認する場合

示談は、行為を認めたうえで被害の回復を図る弁護活動です。やっていない行為について示談金を払うと、その行為を認めたと受け取られかねません。認めるか争うかを弁護士と決めてから、申入れに進むかどうかを判断しましょう。

争う場合、取調べの初めに意思に反して供述しなくてよいことが告げられ(刑事訴訟法第198条第2項)、作られた調書は読み聞かされて誤りがないかを問われ、署名押印を断ることもできます(同条第4項・第5項)。取調べの録音・録画が義務になるのは裁判員裁判の対象事件などに限られ(同法第301条の2)、福島県で裁判員裁判が開かれるのは福島地裁の本庁と郡山支部の2か所だけです。いわき・会津若松・白河・相馬の区域で起きた対象事件も、本庁か郡山支部で審理されます。対象外の事件では記録が残らない前提で、聞かれたことと答えたことを面会のたびに弁護士へ伝えてください。県内22署のどこに留置されていても、弁護士とは立会人なしで面会できます(同法第39条第1項)。

制度の参考:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第39条・第198条・第301条の2、出典:福島地方裁判所「裁判員制度」、福島県警察「各警察署ホームページ」

示談と保釈・公訴時効・在留資格

保釈では、被害者への働きかけのおそれが見られる

保釈を請求できるのは起訴された後の被告人に限られます(刑事訴訟法第88条第1項・第207条第1項ただし書)。示談を進めている事件でとくに関わるのが、被害者やその親族に害を加えたり怖がらせたりするおそれを除外事由とする第89条第5号です。本人や家族が被害者に直接連絡を取ると、おわびのつもりでも、この事由に当たると見られるおそれがあります。まとまった示談書や振込の記録、接触しないと約束した条項は、保釈を求める資料として裁判所に出せます。

令和7年に福島地裁管内(管内の簡易裁判所を含む)で第一審を終えた被告人のうち、勾留されていた502人の中で保釈されたのは136人(27.1%・算出)で、全国の35,125人中11,132人(31.7%・算出)を下回ります。起訴後の収容先となる拘置支所は郡山・会津若松・いわき・白河の4か所で、相馬市と南相馬市には刑事施設がありません。保釈保証金の問い合わせは、本庁なら会計課経理係(024-534-2238)、郡山支部なら024-932-5657です。起訴の知らせを受けたら、その日のうちに保釈の請求を弁護士に頼んでください。

刑事の時効と、賠償を求める権利の時効は別物

公訴時効の長さは法定刑の重さで決まり、3年・5年・7年などに分かれます(刑事訴訟法第250条第2項)。被害者が損害賠償を求める権利はこれとは別に進み、損害と加害者を知った時から3年(人の生命や身体を害した場合は5年)、行為の時から20年で消えます(民法第724条・第724条の2)。福島地検の処分が不起訴で終わっても、民事の請求はその時点ではなくなりません。示談書に清算の範囲をはっきり書き、刑事と民事の決着を1通の書面でつけましょう。

外国籍の人の在留資格

福島県の在留外国人は令和7年末で21,598人(前年末比7.9%増)で、資格別では技能実習5,690人が最も多く、特定技能2,684人と合わせた8,374人(38.8%・算出)が入管法の別表第一の資格です。第24条第4号の2は、別表第一の資格で在留する人が一定の罪で拘禁刑に処せられると、執行猶予が付いても退去強制の対象になると定めています。

刑法の章主な罪別表第一(技能実習・特定技能など)の人
第12章・第23章・第27章・第36章・第37章など住居侵入、賭博、暴行・傷害、窃盗・強盗、詐欺・恐喝・背任第4号の2の対象。執行猶予付きの拘禁刑でも退去強制の理由になります
第22章・第32章・第38章・第40章性犯罪、脅迫、横領、器物損壊第4号の2の対象外。1年を超える実刑かどうか(第4号リ)で判断されます

永住者や日本人の配偶者等(別表第二)の資格の人は、第4号の2ではなく第4号リ(無期または1年を超える拘禁刑)で判断され、刑の全部の執行が猶予されれば当たりません。

どちらの号も刑に処せられたことが条件なので、示談がまとまって不起訴になれば当たりません。勾留が長くなって実習や仕事が3か月以上止まると、在留資格の取消し(第22条の4第6号)が問題になることもあります。最初の面会では、在留カードに記載された資格の種類と在留期限を弁護士に見せられるよう、家族が写しを用意してください。(公財)福島県国際交流協会の外国人住民のための相談窓口(024-524-1316・火曜〜土曜の9時〜17時15分)は、三者通話で警察などとの間の通訳にも応じています。当番弁護士を頼む電話では、通訳が必要かどうかも伝えましょう。

制度の参考:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第88条・第89条・第207条・第250条、e-Gov法令検索「民法」第724条・第724条の2、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」、出典:裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」第32表、福島地方裁判所「窓口案内」、法務省「刑事施設の所在地一覧」、出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数」第4〜6表、福島県「外国人住民のための相談窓口」

示談交渉で弁護士に頼めることと選び方・費用

県内の事件で示談交渉を任せるときの中心は、被害者側との話し合いと、その結果を生かした身柄の解放の2つです。

被害者側との話し合い

捜査機関を通じて被害者の気持ちを聞き取り、金額や条項を詰めて示談書に仕上げます(申入れの進め方は被害者との示談交渉に関する記事を参照)。

身柄の解放と処分への意見

話し合いの経過を添えて勾留を請求しないよう検察官に意見を出し、勾留が決まれば準抗告を、起訴後は保釈を請求します(処分の種類は不起訴・刑罰・刑事処分に関する記事を参照)。

被害者の住む地域まで動ける事務所を選ぶ

福島県弁護士会の会員は192人(2026年9月1日現在)で、会は裁判所の支部と同じ福島・郡山・白河・会津若松・いわき・相馬の6地区に支部を置いています。郡山の事務所に頼んで被害者がいわきや会津に住んでいる、という組み合わせも起こります。当番弁護士を呼ぶのと並行して、私選の事務所には次の3点を聞き、条件が合うところに早めに決めてください。

私選の事務所への最初の電話で聞く3点

  • 本人が留置されている警察署へ、何日以内に最初の接見に行けるか
  • 被害者の住む地方まで出向けるか、難しければ郵送や電話でどう進めるか
  • 接見や面談1回あたりの日当・交通費と、弁護士費用を分割で払えるか

当番弁護士・国選弁護人・私選弁護人の違い

種類いつ、どう頼むか示談との関わり
当番弁護士逮捕・勾留の直後から。家族が024-534-2334に電話するか、本人が警察官・検察官・裁判官に申し出る初回の接見は無料。示談まで頼むなら、そのまま私選として契約する
国選弁護人勾留が請求された後に、本人が裁判官に請求する(資力申告書が要る)弁護士を自分で選べない
私選弁護人逮捕の前や在宅事件の段階でも、本人か家族が契約できる呼出しを受けた時点から申入れを始められる

費用の目安と法テラス福島

示談交渉を含めて刑事事件を任せたときの弁護士費用は、総額で50万円から90万円程度が目安で、被害者に払う示談金はこれとは別に要ります。事務所から離れた署への接見や、別の地方に住む被害者との面談が重なるほど、日当と交通費が上乗せされます(着手金と報酬金の考え方は刑事事件の弁護士選び・費用に関する記事を参照)。

県内の法テラスは、福島市の法テラス福島(0570-078370・平日9時〜17時)と双葉郡広野町の法テラスふたば(0570-078376)で、郡山市といわき市には法テラスの事務所がありません。法テラス福島の無料法律相談は借金・離婚・相続などの一般相談で、刑事事件は案内に入っていません。弁護士会は、資力の乏しい人向けに被疑者国選弁護人制度と被疑者弁護援助制度があると案内しています。費用のめどが立たないときは、面会に来た当番弁護士にその場で相談し、使える制度を教えてもらいましょう。

出典:日本弁護士連合会「弁護士会別会員数」、福島県弁護士会「県内各支部のご紹介」、福島県弁護士会「刑事事件」、法テラス「法テラス福島」、法テラス福島「アクセス」

福島県の示談交渉でよくある質問

Q1. 交通事故の示談や、弁護士会の示談あっせんとは何が違いますか?

「福島 示談」で上位に出てくる交通事故の示談や、福島県弁護士会の示談あっせんセンターの案内は、損害賠償などの民事の争いを話し合いでまとめる手続きです。このページの示談は、刑事手続の中で加害者側が処分を見すえて進めるものです。交通事故の賠償そのものは、県庁本庁舎2階の県政相談コーナー(交通事故相談・024-521-4281・平日9時〜12時と13時〜16時・無料)でも相談でき、令和7年度の相談95件のうち24件は加害者からでした。人身事故で捜査を受けている場合、起訴・不起訴に向けた被害者との話し合いは、刑事弁護を扱う弁護士に依頼してください。

Q2. 郡山の警察署に逮捕され、被害者は会津に住んでいます。どこの弁護士に頼めばいいですか?

郡山署・郡山北署の区域は裁判所では郡山支部の区域で、同じ市に地検の郡山支部もあり、起訴されれば郡山支部で審理されます。接見の回数が多い身柄事件では郡山周辺の事務所が動きやすく、会津の被害者との面談は出張か郵送・電話で進めることになります。依頼の前に、会津までの出張の日当と交通費を見積もってもらいましょう。

Q3. いわきや会津で起きた重い事件でも、地元の支部で裁かれますか?

裁判員裁判の対象になる事件は、いわき・会津若松・白河の区域なら郡山支部、相馬の区域なら福島市の本庁で審理されます。示談書などの資料は、審理する庁の裁判所に弁護士が提出します。家族が傍聴や面会に通う場所も変わるので、起訴の見通しが出た時点で弁護士に移動の予定を相談してください。

Q4. 相馬市や南相馬市の事件では、示談書を出す検察庁はどこですか?

地検の相馬支部と相馬区検は、福島市狐塚の福島地検本庁と同じ所に置かれています。起訴された場合の裁判所は相馬支部(相馬市)ですが、合議事件と裁判員裁判は本庁で扱います。相馬・南相馬に刑事施設はないので、起訴後の面会先は弁護士に聞いてから向かってください。

Q5. 福島県や市町村の職員、公立学校の教員です。示談で仕事への影響を抑えられますか?

県や市町村の職員、公立学校の教員には地方公務員法が適用され、拘禁刑以上の刑に処せられると、条例に特別の定めがない限り職を失います(第16条第1号・第28条第4項)。執行猶予付きでも拘禁刑なら当たり、罰金なら当たりません。起訴されると休職になることがあり(第28条第2項第2号)、懲戒処分(第29条)は刑事の処分とは別に決まります。起訴・不起訴が決まる前に示談をまとめることを目標にしましょう。

Q6. 高校生の子が逮捕されました。示談は誰が進めますか?

18歳未満が逮捕された事件(道路交通法違反だけの事件を除く)では、申出がなくても当番弁護士が接見に来ます。事件は福島家裁の本庁または5支部(相馬・郡山・白河・会津若松・いわき)に送られ、観護措置がとられると福島少年鑑別所(福島市・024-557-6561)に収容されます。家庭裁判所に移った後も、被害者への謝罪と弁償の話し合いは付添人の弁護士に任せてください。

Q7. 一審で有罪になり控訴すると、仙台まで行くことになりますか?

福島県の事件の控訴審は、県外の仙台高等裁判所の本庁(仙台市青葉区片平)が扱います。一審の判決の後にまとまった示談も、控訴審で弁護士が資料として出すことを検討できます。控訴できる期間は14日なので(刑事訴訟法第373条)、判決の日のうちに弁護士と方針を話し合いましょう。

Q8. 相手から、とても払えない額の示談金を求められました。

示された額に応じる義務はありません。弁護士が治療費の領収書や修理の見積書など根拠の提示を求め、裏づけのある額まで話し合います。合意に至らなくても、払える額を示して申し入れた経過は福島地検の検察官に出す資料になります。本人がその場で約束したり書面にサインしたりせず、交渉を弁護士に預けてください。

Q9. 罰金で終わりそうな事件や、起訴された後でも示談は役に立ちますか?

役に立ちます。罰金で終わる事件は略式手続で扱われることがあり、略式命令を出すのは県内9つの簡易裁判所です(双葉郡の刑事事件はいわき簡裁が扱います)。略式の罰金も前科になるので、不起訴を目指すなら処分の前にまとめましょう。起訴された後でも、判決までにまとまれば刑の重さを決める事情として示せ、刑事和解は弁論が終わるまで申し立てられます。

出典:福島県「県政相談・交通事故相談」、福島地方検察庁「管内検察庁の所在地・交通アクセス」、裁判所「福島県内の管轄区域表」、福島地方裁判所「所在地一覧」、仙台高等裁判所「所在地一覧」、法務省「刑事施設の所在地一覧」、法務省「少年鑑別所の所在地一覧」、福島県弁護士会「刑事事件」、e-Gov法令検索「地方公務員法」第16条・第28条・第29条、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第373条

福島県で示談交渉を任せる弁護士を探す 処分が決まる前に、被害者の住む地方まで動ける事務所を選んでください

県内の事件は福島地検の本庁と郡山・白河・会津若松・いわき・相馬の5支部が処分を決め、郡山・いわき・福島の3市で刑法犯の半分以上が起きています。家族がすでに県内の警察署にいるなら、今日のうちに接見へ行ける事務所に電話してください。在宅で呼出しを待つ段階なら、初回相談を無料にしている事務所から順に連絡しましょう。

参考資料・更新情報

※本コンテンツは2026年9月30日時点で確認できた公表情報をもとに作成しています。刑法犯・窃盗・器物損壊等の件数と検挙率、身柄措置別検挙人員は警察庁「犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)」、粗暴犯・侵入盗と市町村別の件数は福島県警察の資料によります。令和8年1〜8月の数値は暫定値です。地方・市ごとの構成比、逮捕と保釈の割合、在留資格の構成比、面積の順位は公表値から算出した参考値です。示談と処分の関係を示す数値は法務省「平成11年版犯罪白書」の特別調査で、当時の罪名・制度にもとづきます。保釈の人員は裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」、在留外国人数は令和7年末、弁護士会の会員数は2026年9月1日現在の値です。刑名は令和7年6月1日施行の拘禁刑に合わせて記載しています。制度や窓口の情報は変更される場合があるため、利用前に各機関および法律事務所の公式情報をご確認ください。本コンテンツは一般的な情報提供を目的とするもので、個別の事件についての法的助言ではありません。

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