沖縄県で詐欺罪に強い弁護士一覧

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沖縄県で利用できる公的な相談窓口

当番弁護士の受付は沖縄弁護士会だけ

地裁が那覇地裁1つの県内には弁護士会も1つしかなく(弁護士法第32条)、当番弁護士の受付は沖縄弁護士会です。平日は098-865-3737が全署共通の窓口で、土日祝は留守番電話になり、勾留されている場所によって098-865-3737と098-894-8663に分かれます。沖縄弁護士会は、派遣の依頼から原則24時間以内に当番の弁護士が本人と会い、その初回は無料だと案内しています。

留守番電話には、かけた人の名前と連絡先、逮捕された人との関係とその人の名前、容疑の内容、逮捕の日時、身柄のある場所の7項目を吹き込みます。容疑の内容には、「受け取り役として」など分かっている役割も添えて録音してください。

※沖縄の当番弁護士の番号は、日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」(2026年6月24日現在)でも098-865-3737です。土日祝に2つの番号をどの署で使い分けるかは、沖縄弁護士会のページと日本弁護士連合会の別資料で一部の警察署の扱いが異なります。

呼び出しの段階なら弁護士会の法律相談

逮捕の前や在宅の段階では、沖縄弁護士会の法律相談センター(那覇の弁護士会館・沖縄市知花の沖縄支部・名護市の名護支部)を使えます。相談料は30分5,500円で、資力が一定以下なら無料になり、相談の種類に「刑事弁護に関する相談」が挙がっています。電話での予約受付は平日の10時〜15時で、Web予約なら夜間も申し込めます。宮古・八重山にはセンターがありません。島で呼び出しを受けているなら、刑事事件を扱う事務所へ直接電話してください。

子どもが受け子に誘われているとき

県警のヤングテレホン(0120-276-556・平日8時30分〜17時15分、12時〜13時を除く)は、少年の非行について保護者からの相談も受けます。法務省のなは法務少年支援センター(098-868-4650・平日9時〜16時・予約制)も無料で相談に応じています。子どもが「個人情報を送ってしまい、抜けられない」と打ち明けたら、その日のうちにどちらかへ電話してください。

お金をだまし取られた側の相談先

相談したいこと 窓口 電話と受付
契約や支払いのトラブル沖縄県消費生活センター(宮古分室・八重山分室あり)098-863-9214(宮古 0980-72-0199・八重山 0980-82-1289)平日9時〜12時・13時〜16時
警察への相談沖縄県警察 警察安全相談#9110・098-863-9110 平日8時30分〜17時15分
相手への請求など法的な手段沖縄弁護士会(犯罪被害者の法律相談)098-865-3737 初回30分無料
検察庁での手続き那覇地方検察庁 被害者ホットライン098-835-9997 平日9時〜17時
生活面の支え(公社)沖縄被害者支援ゆいセンター098-866-7830 平日10時〜16時
被害者向け制度の案内法テラス 犯罪被害者支援ダイヤル0120-079714 平日9時〜21時、土曜9時〜17時

※沖縄県は消費生活センターのページで「県内で特殊詐欺が数多く確認されています」と注意を呼びかけています。ゆいセンターは沖縄県公安委員会が指定した犯罪被害者等早期援助団体で、慰霊の日(6月23日)は休みです。

出典:沖縄弁護士会「当番弁護士」、日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」、e-Gov法令検索「弁護士法」第32条、沖縄弁護士会「法律相談」、沖縄弁護士会「アクセス」、沖縄県警察「窓口一覧」、法務省「なは法務少年支援センター」、沖縄県「消費生活センター」、沖縄県「県内で特殊詐欺が数多く確認されています」、沖縄県警察「警察安全相談(#9110)」、沖縄弁護士会「犯罪被害に関する相談」、那覇地方検察庁「被害者支援」、沖縄県「犯罪被害者等支援(相談窓口)」、法テラス「法テラス沖縄」

沖縄県で詐欺罪の捜査を受ける本人と家族が最初にすること

このページは、沖縄県内で詐欺罪(刑法第246条)の疑いで捜査や逮捕を受ける側の本人と家族に向けた案内です。SNSの「闇バイト」で受け子・出し子・かけ子を引き受けた場合も、投資や交際を口実に送金させた場合も、詐欺罪として同じ流れで手続が進みます。闇バイトの指示で強盗や住宅への侵入にまで及んだときは、詐欺とは別の罪として扱われます。県警が令和6年に詐欺で検挙した131人のうち70人(53.4%・算出)が逮捕されており、同じ年の刑法犯全体(37.6%)より高い割合です。留置先の警察署が分かったら、その時点で沖縄弁護士会へ当番弁護士を申し込んでください。

いまの状況別・最初にすること

家族が詐欺の容疑で県内の警察署に留置された
平日は098-865-3737が、どの署の事件でも受け付けます。土日祝は、那覇・豊見城・浦添・宮古島・八重山の署と那覇・宮古の拘置支所なら098-865-3737、宜野湾・沖縄・うるま・石川・名護の署なら098-894-8663の留守番電話に、本人の名前と留置先、折り返しの番号を残してください。
SNSの「高額」「即日即金」の仕事で、現金やカードの受け取りを指示されている
指示役とのやり取り、送ってしまった身分証の画像、報酬の記録を消さずに残し、次の指示に動く前に弁護士へ相談してください。県警の警察安全相談(#9110・098-863-9110)も平日8時30分〜17時15分に受け付けています。
逮捕はされていないが、警察署から出頭を求められた
出頭の日より前に刑事事件を扱う弁護士へ相談し、弁償の準備と話す範囲を決めてから署へ向かってください。
投資や交際を持ちかけられ、お金をだまし取られた
被害を受けた側は、沖縄県消費生活センター(098-863-9214)や、沖縄弁護士会の犯罪被害者向けの法律相談(初回30分無料)を使えます。送金の控えと相手とのやり取りの画面を消さずに持って行きましょう。

出典:沖縄弁護士会「当番弁護士」、日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」、沖縄県警察「特殊詐欺被害防止等広報啓発資料」、沖縄県警察「窓口一覧」、沖縄弁護士会「法律相談」、沖縄県「消費生活センター」、沖縄弁護士会「犯罪被害に関する相談」、沖縄県警察「令和6年犯罪統計書」

詐欺で逮捕されたあと、沖縄県内のどこで手続きが進むか

逮捕の後、警察は48時間以内に本人を那覇地方検察庁の本庁か支部へ送り、検察官は24時間以内に勾留を求めるかを決めます。勾留は10日間、延長されれば最長20日間です(刑事訴訟法第203条・第205条・第208条)。受け子と指示役のように何人も関わる詐欺では、口裏合わせを防ぐ目的で接見禁止(同法第81条)が付けられることがあり、その間は家族が署を訪ねても本人と話せません。段階ごとの動きは逮捕後の流れ・身柄事件に関する記事で説明しています。

単純な詐欺は地元の庁、組織的な詐欺は合議を扱う4庁で裁かれる

県警の警察署は14署です。那覇地方検察庁と那覇地方裁判所は、どちらも那覇市の本庁と沖縄・名護・平良・石垣の4支部を置き、簡易裁判所5庁もそれぞれ本庁・支部と同じ建物にあります。詐欺罪には罰金刑がないため簡易裁判所では裁かれず(裁判所法第33条第1項第2号)、起訴されると地裁の本庁か支部の法廷に進みます。

事件のあった地域・島 捜査する主な警察署 単純な詐欺の法廷 組織的な詐欺(合議)の法廷 控訴審
那覇市・浦添市・糸満市・豊見城市・南城市、南風原町・与那原町・八重瀬町・西原町那覇・豊見城・糸満・与那原・浦添本庁本庁福岡高裁那覇支部
久米島町・渡嘉敷村・座間味村・粟国村・渡名喜村・南大東村・北大東村那覇本庁本庁福岡高裁那覇支部
沖縄市・宜野湾市・うるま市・読谷村・嘉手納町・北谷町・北中城村・中城村沖縄・宜野湾・うるま・石川・嘉手納沖縄支部沖縄支部福岡高裁那覇支部
名護市・国頭郡の9町村・伊是名村・伊平屋村名護・本部・石川(恩納村・金武町・宜野座村)名護支部本庁(那覇市)福岡高裁那覇支部
宮古島市・多良間村宮古島平良支部平良支部福岡高裁那覇支部
石垣市・竹富町・与那国町八重山石垣支部石垣支部福岡高裁那覇支部

※裁判所「沖縄県内の管轄区域表」(市町村名は平成18年4月1日現在の行政区画による表示)と「沖縄県警察の組織に関する条例」の別表をもとに作りました。北部の行の国頭郡には、本部町・恩納村・金武町・宜野座村・伊江村など9町村が含まれます。福岡高等裁判所那覇支部は、那覇地裁と同じ那覇市樋川の庁舎にあります。

組織的な詐欺で起訴されると、本島北部の事件だけは法廷が那覇の本庁へ移ります。刑の下限が1年以上の拘禁刑なので3人の裁判官の合議体で審理する事件にあたり(裁判所法第26条第2項第2号)、県内で合議事件を扱うのは本庁・沖縄支部・平良支部・石垣支部の4庁だからです。宮古・八重山の事件は島の支部で審理され、詐欺は裁判員裁判の対象でもありません。捜査する署と法廷がずれる所もあり、那覇市の小禄地区は豊見城署の受け持ちでも法廷は本庁、恩納村・金武町・宜野座村は石川署の受け持ちでも法廷は名護支部です。送致された罪名と、事件のあった市町村・地区の名を、最初の接見で弁護士に伝えてください。

拘置支所は県内に2つで、那覇地裁に隣り合う那覇拘置支所と、平良支部に隣り合う宮古拘置支所です。石垣市にあるのは拘置支所ではなく沖縄刑務所の八重山刑務支所です。宮古島署・八重山署の事件を本島の弁護士が受けると、接見のたびに飛行機に乗ることになり、台風で欠航すれば予定がずれます。家族が島の署にいるなら、面会に来た当番弁護士に島で動ける弁護士を紹介してもらいましょう。

出典:裁判所「沖縄県内の管轄区域表」、那覇地方・家庭裁判所「紹介」、那覇地方裁判所「県内の裁判員制度関連の情報」、福岡高等裁判所「所在地一覧」、那覇地方検察庁「交通案内」、沖縄県警察「県内の警察署」、沖縄県法規集「沖縄県警察の組織に関する条例」、法務省「刑事施設の所在地一覧」、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」、e-Gov法令検索「裁判所法」第26条・第33条

沖縄県で詐欺にあたる行為と刑罰

詐欺罪は、人をだまして現金や物を渡させたり、支払いを免れるなど財産上の不法な利益を得たりしたときに成立し、刑は10年以下の拘禁刑だけです。罰金の定めがないので略式の手続では終わらず、起訴されれば那覇地裁の本庁か支部の公開の法廷に立ちます。法務省の令和7年版犯罪白書では、令和6年に全国で詐欺により起訴された7,826人の全員が公判請求でした。那覇地検が起訴を決める前に弁護士をつけ、弁償の実績を積み始めてください。

何をしたときに問われるか 罪名(根拠) 刑の重さ 起訴できる期間
人をだまして現金や物を渡させた詐欺(刑法第246条第1項)10年以下の拘禁刑7年
だまして代金の支払いを免れるなど、財産上の不法な利益を得た詐欺(同条第2項)10年以下の拘禁刑7年
事務処理用のコンピュータに虚偽の情報や不正な指令を与えて利益を得た電子計算機使用詐欺(刑法第246条の2)10年以下の拘禁刑7年
未成年者の知慮の浅さや、人の心神耗弱に乗じて財物を渡させた準詐欺(刑法第248条)10年以下の拘禁刑7年
詐欺を行う組織により、団体の活動として実行した組織的な詐欺(組織的犯罪処罰法第3条第1項第13号)1年以上の有期拘禁刑(上限20年)10年

※いずれの罪にも罰金の定めはなく、未遂も処罰されます(刑法第250条)。

受け子・出し子・かけ子は、関わり方で責任が分かれる

県警は、Xなどで「高額」「即日即金」「ホワイト案件」をうたい「楽で、簡単、高収入」を強調する募集に注意を促し、シグナルやテレグラムのような匿名性の高いアプリへ誘導して個人情報を送らせ、脅して抜けさせない手口を示しています。こうして集められた人が、現金やカードの受け取り(受け子)、引き出し(出し子)、電話かけ(かけ子)を担うと、詐欺の実行に加わったとして捜査されます。刑法は役の呼び名ではなく、犯罪を一緒に実行したのか(共同正犯・第60条)、手助けにとどまるのか(幇助・第62条)で扱いを分け、幇助なら刑が減軽されます(第63条)。募集の画面、指示の文面、報酬を受け取った記録は、消さずに弁護士へ渡してください。役割を切り分けて主張する材料になります。

組織的な詐欺とされると、執行猶予の幅が狭まる

詐欺を目的とする組織が団体の活動として行ったと判断されると、刑の下限が1年の拘禁刑に上がります。刑の全部の執行猶予は言い渡す刑が3年以下のときに限られる(刑法第25条第1項)ので、猶予の付く余地が狭まり、本島北部の事件は法廷も那覇へ移ります。県警の犯罪統計書では、令和6年に暴力団犯罪として検挙された刑法犯62件のうち9件が詐欺でした。グループに加わったいきさつと指示役について知っていることを、早い段階で弁護士に打ち明けてください。組織性を争えるかを、那覇地検が起訴を決める前に見極められます。

出典:e-Gov法令検索「刑法」第25条・第60条・第62条・第63条・第246条・第246条の2・第248条・第250条、e-Gov法令検索「組織的犯罪処罰法」第3条、法務省「令和7年版犯罪白書」、沖縄県警察「特殊詐欺被害防止等広報啓発資料」、沖縄県警察「令和6年犯罪統計書」

容疑を認める場合と否認する場合

認めるなら、那覇地検の処分の前に弁償を形にする

行為を認めるときの弁護の柱は、被害者への弁償をどこまで進められるかです。検察官は起訴するかを決める際に「犯罪後の情況」を考慮できる(刑事訴訟法第248条)ので、返済の実績はそのまま判断材料になります。警察庁の都道府県別の集計を件数で割ると、県内の令和7年の特殊詐欺は1件あたり約588万円、そのうちSNS型投資・ロマンス詐欺は約878万円でした(算出)。家族が用意できる額と時期を弁護士に伝え、全額に届かなくても分割を含めた返済の計画を組んでもらってください。

本人や家族が被害者へ直接連絡すると、証拠隠滅や働きかけを疑われて釈放が遠のきます。謝罪と弁償の申し入れは、捜査機関を通じて弁護士に一本化してください。

「詐欺だとは知らなかった」と争うなら

詐欺罪で罰せられるのは、相手をだましてお金を受け取ると分かっていた場合です。ただし、「怪しいと思いながら引き受けた」と認定されれば、はっきりした認識がなくても故意ありとされることがあります。募集文の言葉、仕事の説明のあいまいさ、報酬の高さ、身分証を送らされたかどうかは、この判断で問われる事情です。

取調べの前には話したくないことは話さなくてよいと告げられ(刑事訴訟法第198条第2項)、事実と違う調書への署名押印は断れます(同条第4項・第5項)。警察が捜査する詐欺事件は、取調べの録音・録画が義務づけられた範囲に入りません(同法第301条の2)。何を聞かれてどう答えたかを、接見のたびに弁護士へ報告してください。

出典:警察庁「SOS47」特殊詐欺の統計(都道府県別)、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第198条・第248条・第301条の2

詐欺事件の保釈・公訴時効・在留資格と米軍関係者

組織的な詐欺は第90条の裁量保釈で判断される

保釈は起訴されたあとにしか請求できません(刑事訴訟法第88条第1項・第207条第1項ただし書)。単純な詐欺は権利保釈の除外事由のうち重い罪(第89条第1号)にあたらず、主な争点は共犯者と口裏を合わせるおそれ(同条第4号)です。組織的な詐欺は短期1年以上の罪として第1号にあたるため、第90条の裁量保釈で判断されます。令和7年に全国の第一審で審理を終えた被告人のうち、勾留されていた35,125人の31.7%にあたる11,132人(算出)が保釈で釈放されました。勤め先や扶養の事情が分かる書類を弁護人に預け、共犯とされる人とは伝言も含めて連絡を断ってください。

公訴時効は7年、組織的な詐欺は10年

詐欺罪の時効は7年(刑事訴訟法第250条第2項第4号)、上限20年の組織的な詐欺は10年(同項第3号)です。期間は犯罪行為が終わった時から数え(第253条第1項)、共犯のいる事件では同じ事件で最後に行為を終えた人の時点から全員の期間が進みます(同条第2項)。本人が国外にいる間は時効が止まります(第255条第1項)。民事の損害賠償の請求権は、被害者が損害と加害者を知ってから3年、行為から20年で時効にかかり、刑事の時効とは別に数えます(民法第724条)。時効を待たずに弁護士へ相談し、出頭の仕方を一緒に決めましょう。

留学・特定技能・技能実習の人は、執行猶予でも退去強制の対象

沖縄県の在留外国人は33,402人(令和7年末)で、在留資格は永住者6,488人に続いて留学5,379人・特定技能4,651人・技能実習3,615人です。詐欺は刑法第2編第37章の罪なので、留学や特定技能など別表第一の資格の人は、拘禁刑に処せられれば執行猶予が付いても退去強制の対象になります(入管法第24条第4号の2)。永住者など別表第二の人は第4号リで判断され、1年を超える拘禁刑でも刑の全部の執行猶予なら外れます。在留カードの資格と期限を初回の接見で弁護士に示し、通訳が要るかどうかも伝えてください。宜野湾市の沖縄県国際交流・人材育成財団(098-942-9215)は、在留資格を問わず多言語の相談を受けています。

米軍関係者が詐欺を疑われたとき

米軍の構成員や軍属が、公務の執行中でない行為で詐欺を疑われた場合、裁判権を行使する第一次の権利は日本の当局にあります(日米地位協定第17条3(b))。ただし米側が先に身柄を確保していれば、日本が起訴するまでは米側が拘禁を続けます(同条5(c))。県警の令和7年の集計では、米軍人・軍属とその家族による刑法犯の検挙は101件・80人で、そのうち知能犯は2件・1人でした。家族が米軍関係者なら、身柄が日本の警察と米側のどちらにあるかを、最初の相談の時点で弁護士へ知らせてください。

出典:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第88条・第89条・第90条・第207条・第250条・第253条・第255条、裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」第32表、e-Gov法令検索「民法」第724条、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」、出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数」第4〜6表、沖縄県国際交流・人材育成財団「法律・生活相談」、日米地位協定 本文(沖縄県掲載)、沖縄県警察「犯罪統計資料 令和7年(確定値)」

詐欺事件で弁護士に任せられることと、沖縄での選び方・費用

県内の詐欺事件で弁護士に任せる中心は、被害弁償と身柄の解放の2つです。那覇地検の本庁や支部が処分を出す前に動けるほど、示せる事情が増えます。

被害弁償・示談

捜査機関を通じて被害者の了承を得たうえで連絡を取り、返す額・時期・方法を決めて示談書を交わし、被害者が複数なら資金を充てる順番も組み立てます。手順は被害者との示談交渉に関する記事で紹介しています。

身柄の解放と接見禁止の解除

勾留には準抗告を、家族と会えない状態には接見禁止の一部解除を申し立て、起訴後は保釈を請求します。処分や刑の見通しは不起訴・刑罰・刑事処分に関する記事で整理しています。

本島の署か島の署か、公判を開く庁まで見て選ぶ

沖縄弁護士会の会員は301人(2026年9月1日現在)です。日本弁護士連合会の紹介によれば、本島の中部・北部の支部で登録する会員が増えており、宮古島・石垣島のひまわり基金法律事務所も定着して島の依頼に応えています。次の3つを満たす事務所なら、接見から公判まで続けて任せられます。

詐欺事件を任せられる事務所の3条件

  • 留置先の署(宮古島署・八重山署を含む)へ、依頼の当日か翌日に接見に行ける
  • 被害者が何人もいる詐欺で、弁償の配分を組んで示談をまとめた経験がある
  • 北部や島の署への接見の日当・航空運賃を、依頼の前に金額で示せる

勾留後に国選弁護人を求める人は、資力が合計50万円以上あると、先に沖縄弁護士会へ私選弁護人の選任を申し出る決まりです。

費用の目安と法テラス沖縄

着手金・報酬金・接見の日当などを合わせた総額は、おおむね70万円から120万円程度が目安で、被害者への弁償金は別に用意します。合議体の公判や島への接見が重なると、さらに高くなります。内訳は刑事事件の弁護士選び・費用に関する記事で項目ごとに解説しています。

法テラスの県内の拠点は、那覇市楚辺の法テラス沖縄(0570-078368・平日9時〜17時)と、スタッフ弁護士が勤める法テラス沖縄法律事務所・法テラス宮古島法律事務所で、石垣・名護・沖縄市にはありません。弁護士費用の工面が難しいときは、面会に来た当番弁護士にその場で事情を話してください。勾留請求のあとなら、国選弁護人の手続きにつないでもらえます。

出典:日本弁護士連合会「沖縄弁護士会」、日本弁護士連合会「弁護士会別会員数」、沖縄弁護士会「刑事弁護に関する相談」、法テラス「法テラス沖縄」、法テラス沖縄「アクセス」、法テラス沖縄「法テラス宮古島法律事務所」

沖縄県の詐欺の検挙状況

県内の詐欺の公表値を載せます。県全体の傾向を示す数字で、個々の事件が逮捕・起訴されるかを予測するものではありません。

詐欺の認知は令和6年に856件、前年の約1.4倍

年(沖縄県・詐欺) 認知件数 検挙件数 検挙人員
令和5年(2023年)596件258件179人
令和6年(2024年)856件370件131人

※警察庁「令和5年の犯罪」「令和6年の犯罪」第3表(都道府県別 罪種別)の沖縄県の値で、沖縄県警察「令和6年犯罪統計書」の値と一致します。令和7年の罪種別の沖縄県分は、2026年9月末の時点で公表されていません。

令和6年の認知は前年より43.6%増え、検挙率は43.2%(算出)で、同じ年の刑法犯全体(45.9%)を下回りました。警察署別では那覇署175件・沖縄署147件・宜野湾署75件・豊見城署70件・宮古島署59件の順でした。財産犯の被害総額約24億9,810万円のうち、詐欺が約18億7,509万円を占めました。詐欺を含む「知能犯」は令和7年に1,164件(前年比25.8%増)と、さらに増えています。

令和6年は、検挙された人の半数を超える70人が逮捕

沖縄県警の犯罪統計書は、罪種ごとに逮捕か在宅かを公表しています。令和6年に詐欺で検挙された131人のうち逮捕は70人(53.4%・算出)で、内訳は現行犯27人・緊急逮捕8人・通常逮捕35人でした。身柄を拘束されなかった60人のうち29人は、警察限りで終わる微罪処分です。成人の検挙者115人のうち46人(40.0%・算出)に前科がありました。刑法犯全体の逮捕の割合も、令和7年は35.5%と、全国の32.2%(いずれも算出)より高い水準です。呼び出しを受けただけの段階でも弁護士に依頼し、那覇地検の処分より前に返済を始めましょう。在宅で処分を待つ時間を、弁償の実績づくりに充てられます。

特殊詐欺は令和7年に557件、SNS型が半数を超える

手口(令和7年・沖縄県) 認知件数 被害額
特殊詐欺の合計(新しい分類)557件約32億7,698万円
SNS型投資詐欺207件約19億4,087万円
オレオレ詐欺105件約4億4,572万円
架空料金請求詐欺103件約1億1,250万円
SNS型ロマンス詐欺98件約7億3,720万円
その他(還付金詐欺14件・融資保証金詐欺11件など)44件約4,070万円

※警察庁「SOS47」の都道府県別の表によります。SNS型投資・ロマンス詐欺を特殊詐欺に含める新しい分類で、表には「数値は全て暫定値」と表示されています。SNS型を別枠で数える従来の分類の件数とは範囲が違います。

SNS型の2つを合わせると305件で、件数の54.8%、被害額の81.7%(いずれも算出)にあたります。SNSで知り合った相手から、他人のお金や荷物を受け取る・送る役を頼まれたら、応じる前に弁護士か警察へ相談してください。だまされた人のお金を動かす役として、共犯を疑われる事態を防げます。

出典:警察庁「令和6年の犯罪」、警察庁「令和5年の犯罪」、沖縄県警察「令和6年犯罪統計書」、沖縄県警察「犯罪統計資料 令和7年(確定値)」、警察庁「犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)」、警察庁「SOS47」特殊詐欺の統計(都道府県別)

沖縄県の詐欺事件でよくある質問

Q1. 本土に住む息子が、沖縄で荷物を受け取る仕事をして逮捕されました。県外から何ができますか?

当番弁護士は身柄のある地域の弁護士会が派遣する仕組みなので、県外からでも沖縄弁護士会(平日098-865-3737)へ申し込めます。県外の事務所に私選で頼むと、接見のたびに航空運賃と日当が加わります。釈放されて自宅へ戻れても、那覇地検の処分が出るまでは呼び出しや示談の連絡が続くことがあります。県外に戻る前に、沖縄の弁護士を窓口にして連絡の受け方を決めておきましょう。

Q2. 宮古島で受け子をして逮捕されました。組織的な詐欺で起訴されたら、裁判は那覇に移りますか?

移りません。宮古島市・多良間村の事件は、単純な詐欺でも組織的な詐欺でも平良支部が審理し、八重山の事件も石垣支部で合議体が組まれます。那覇の本庁へ移るのは、名護支部の区域(本島北部と伊是名村・伊平屋村)の事件が組織的な詐欺として起訴された場合です。判決に不服があるときの控訴審は、那覇市の福岡高裁那覇支部で開かれます。一審から控訴審まで続けて担当できるかを、依頼の時点で弁護士と話し合っておきましょう。

Q3. 報酬につられて、自分の口座とキャッシュカードを人に渡してしまいました。

自分名義の口座やカードを他人に渡す行為は、犯罪収益移転防止法違反などにあたります。県内の同法違反の検挙は令和6年に25件・16人で、令和8年上半期には県警が検挙したサイバー犯罪51件のうち犯罪収益移転防止法違反の13件が最も多くなりました。渡した口座が被害金の振込先に使われていれば、詐欺の共犯を疑われることもあります。相手とのやり取りと渡した日付を残し、警察から連絡が来る前に弁護士へ相談してください。

Q4. 中学生の子どもがSNSで誘われ、受け子をしていたようです。

14歳以上の少年の事件は、捜査のあと家庭裁判所に送られます。県内では那覇家裁の本庁と沖縄・名護・平良・石垣の4支部の5庁すべてが少年事件を扱い、観護措置がとられると収容先は那覇市西の那覇少年鑑別所(098-862-4606)です。県警の集計では、令和7年の刑法犯少年832人のうち54.2%が中学生で、全国の29.1%を大きく上回ります。学校や被害者への対応は、付添人になる弁護士と早めに方針を決めてください。

Q5. 教員や県・市町村の職員が詐欺で有罪になると、職はどうなりますか?

地方公務員法では、拘禁刑以上の刑に処せられた職員は、条例に特別の定めがなければ職を失います(第16条第1号・第28条第4項)。詐欺には罰金刑がないため、有罪なら執行猶予が付いても拘禁刑となり、この規定にあたります。懲戒処分(第29条)は刑事手続と切り離して判断されます。職を守る道を残したいなら、那覇地検が起訴を決める前に弁償と示談をまとめてください。

Q6. まだ警察から連絡はありませんが、受け子をしたことを自首したいです。

刑法第42条第1項は、捜査機関に発覚する前に自首したときは刑を減軽できると定めています。被害届が出ていても、誰がしたかが分かっていない段階なら自首にあたる余地があり、すでに犯人と特定されていればあたりません。減軽するかどうかは裁判所が決めます。出頭の前に弁護士へ相談し、弁償の用意と付き添いの有無を決めてから署へ向かってください。

Q7. 那覇拘置支所に移った家族に会いに行ったら、接見禁止で会えませんでした。

接見禁止の間も弁護士は本人と会え(刑事訴訟法第39条第1項)、家族との面会を認めるよう一部解除を裁判所に申し立てられます。那覇拘置支所(098-832-4593)と宮古拘置支所(0980-72-3118)の面会受付は、どちらも8時30分〜11時30分と13時〜16時です。出かける前に弁護人へ一報すれば、解除の見込みが分かり無駄足を防げます。

Q8. 投資の名目で送金してしまいました。宮古島や石垣島からも相談できますか?

沖縄県消費生活センターは宮古島市と石垣市に分室があり(宮古 0980-72-0199・八重山 0980-82-1289、平日9時〜12時・13時〜16時)、島から電話で相談できます。警察には#9110(平日)か宮古島署・八重山署で届け出られ、沖縄弁護士会の犯罪被害者向けの法律相談は初回30分無料です。振込の控えと相手とのやり取りを残したまま、分室か警察へ連絡してください。

出典:沖縄弁護士会「当番弁護士」、裁判所「沖縄県内の管轄区域表」、福岡高等裁判所「所在地一覧」、警察庁「令和6年の犯罪」第61表、沖縄県警察「サイバー犯罪の検挙状況等(令和8年上半期)」、法務省「少年鑑別所の所在地一覧」、沖縄県警察「令和7年 少年非行等の概況」、e-Gov法令検索「地方公務員法」第16条・第28条・第29条、e-Gov法令検索「刑法」第42条、法務省「面会受付時間一覧」、沖縄県「消費生活センター」

沖縄県で詐欺事件の弁護士を探す 弁償の交渉と、留置先への接見を任せられる事務所を選んでください

単純な詐欺は那覇地裁の本庁か4支部、組織的な詐欺は本庁・沖縄・平良・石垣の4庁で審理され、宮古・八重山の署への接見には飛行機での移動が加わります。家族がすでに県内の署に留置されているなら、その署へ今日中に接見できる事務所から電話をかけてください。呼び出しを待つ段階なら、被害弁償の計画まで相談に乗る事務所を比べて選びましょう。

参考資料・更新情報

※本コンテンツは2026年9月30日時点で確認できた公表情報をもとに作成しています。詐欺の認知・検挙件数と犯罪収益移転防止法違反の検挙は警察庁「令和6年の犯罪」「令和5年の犯罪」の値、罪種別の逮捕・在宅の人数、前科の有無、警察署別・市町村別の件数、財産犯の被害額と暴力団犯罪の検挙は沖縄県警察「令和6年犯罪統計書」の値で、沖縄県の詐欺の令和7年の値は未公表です。知能犯の件数と米軍人・軍属と家族による刑法犯は沖縄県警察の犯罪統計資料(令和7年確定値)、刑法犯の身柄措置は警察庁「犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)」、特殊詐欺は警察庁「SOS47」の令和7年の都道府県別の値(暫定値の表示あり・SNS型投資・ロマンス詐欺を含む新しい分類)、少年の値は沖縄県警察「令和7年 少年非行等の概況」、サイバー犯罪は令和8年上半期の値です。1件あたりの被害額・検挙率・逮捕の割合・構成比は公表値から算出しました。保釈の人員は裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」の全国値、処分は法務省「令和7年版犯罪白書」(令和6年のデータ)、在留外国人数は令和7年末、弁護士会の会員数は2026年9月1日現在の値です。刑名は令和7年6月1日施行の拘禁刑に合わせて記載しています。制度や窓口の情報は変更される場合があるため、利用前に各機関および法律事務所の公式情報をご確認ください。本コンテンツは一般的な情報提供を目的とするもので、個別の事件についての法的助言ではありません。

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