岐阜県で正当防衛に強い弁護士一覧

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弁護士 加藤 晃敏(PSF法律事務所)

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最寄駅 名古屋市営地下鉄 名城線/桜通線「久屋大通」 2番・2A番出口 徒歩2分
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岐阜県で利用できる公的な相談窓口

当番弁護士は県内どこでも058-265-0020

岐阜県弁護士会の当番弁護士は、身柄が岐阜市・大垣・多治見・高山のどの警察署にあっても058-265-0020で申し込めます。受付は毎日24時間ですが、平日9時〜17時以外は留守番電話です。担当者からの折り返しは番号非通知でかかってくることがあるので、すぐ出られる電話から申し込んでください。電話では、申し込む人の氏名・住所・電話番号、逮捕されている人の氏名・性別・生年月日、逮捕されている警察署、分かれば逮捕の日と罪名、本人との関係を伝えます。逮捕された本人も、警察官・検察官・裁判官に「当番弁護士を呼んでほしい」と伝えれば呼んでもらえます。

岐阜県弁護士会の刑事相談は7会場

逮捕される前や、在宅で捜査を受けている段階なら、岐阜県弁護士会の法律相談で刑事事件を相談できます。一般法律相談の扱いで30分5,500円・予約制で、予約はどの会場も058-265-0020です。仕事のあとに相談したい場合は、岐阜駅前・大垣・高山の夜間の枠を予約してください。

会場 場所 日時
岐阜県弁護士会館岐阜市端詰町月〜金 13時〜16時、第1・第3土曜 10時〜12時
岐阜駅前法律相談センター岐阜市橋本町(JR岐阜駅東)第1・第3水曜 18時〜20時
大垣法律相談センター大垣市船町毎週木曜 18時〜20時
高山法律相談センター高山市森下町毎週火曜 17時30分〜19時30分
八幡法律相談センター郡上市八幡町毎週木曜 13時〜16時
みのかも法律相談センター美濃加茂市太田町毎週木曜 13時〜16時
中津川法律相談センター中津川市本町毎週木曜 13時〜16時

※多治見法律相談センターは令和7年4月1日から休止しています。岐阜県弁護士会はインターネット予約「ひまわり相談ネット」も受け付けています。

自分も被害を受けたときの窓口

正当防衛を主張する人は、先に攻撃を受けた被害者でもあります。自分のけがや壊された持ち物については、次の岐阜県内の窓口に相談できます。

窓口 電話 受付
岐阜県警察 警察安全相談#9110/058-272-911024時間(面談は平日8時30分〜17時15分)
岐阜県警察 犯罪被害者相談室0120-870-783(携帯電話から058-277-3783)月〜金 8時30分〜17時15分
ぎふ犯罪被害者支援センター0120-968-783月〜金 10時〜16時
岐阜県県民生活相談センター(犯罪被害者等総合的対応窓口)058-277-1001月〜金 8時30分〜17時
岐阜地方検察庁 被害者ホットライン058-262-5138月〜金 8時30分〜17時15分
岐阜県弁護士会 DV・犯罪被害者相談058-265-2850無料の電話相談(申込制)

相手の行為について被害届を出すか告訴するかは、争う方針と一緒に弁護士と決めてください。自分の被害を訴える内容と、取調べでの説明が食い違う事態を防げます。

出典:岐阜県弁護士会「当番弁護士」、岐阜県弁護士会「刑事事件の相談」、岐阜県弁護士会「DV・犯罪被害者相談」、岐阜県警察「警察安全相談」、岐阜県「犯罪被害者等への支援」、岐阜地方検察庁「各種窓口」

岐阜県で正当防衛を主張したいときに最初にすること

相手から先に殴りかかられ、身を守るために押し返しただけでも、駆けつけた岐阜県警察の警察官はまず双方を暴行や傷害の当事者として扱います。正当防衛にあたるかを決めるのはその場の警察官ではなく、事件を受け取った岐阜地方検察庁の検察官と、起訴された場合の岐阜地方裁判所です。主張が最初に調書へ残るのは岐阜県警察の取調べなので、話す前に弁護士の助言を受けてください。岐阜県内の警察署にいる人の当番弁護士は岐阜県弁護士会の058-265-0020の1本で、1回目の面会は無料です。

いまの状況別・最初にすること

いま現場で警察官に事情を聞かれている
その場を立ち去らず、駆けつけた警察官に氏名と連絡先を伝えてください。罪を行い終えて間がない人が呼び止められて逃げようとすると、現行犯人とみなされます(刑事訴訟法第212条第2項第4号)。説明は「相手から先に攻撃された」「自分もけがをしている」の2点にとどめ、細かな経緯は弁護士と話してから伝えましょう。
家族が岐阜県内の警察署で逮捕された
岐阜県弁護士会の058-265-0020へ電話し、当番弁護士に来てもらうよう申し込んでください。夜間や休日は、留守番電話に用件を吹き込む形になります。申し込むときに「本人は相手から先に攻撃されたと言っている」と添えてください。
後日、岐阜県内の警察署から呼び出しを受けた
岐阜県内では、暴行の疑いで検挙された人の大半が逮捕されずに捜査を受けています(令和6年は646人中601人)。出頭日より前に弁護士へ相談し、正当防衛をどう説明するかを決めてから、呼ばれた警察署へ向かってください。まだ受診していないけががあれば、すぐに医療機関で診断書を取りましょう。

出典:岐阜県弁護士会「当番弁護士」、岐阜県警察「犯罪要覧(令和6年)」、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第212条

岐阜県で正当防衛を主張する事件の逮捕と手続きの流れ

もみ合いの現場では、警察官でなくても現行犯人を逮捕でき(刑事訴訟法第213条)、相手や周りの人に取り押さえられて警察官へ引き渡される場面もあります。逮捕されると、警察は身体を拘束した時から48時間以内に事件を検察官へ送り、検察官は24時間以内に勾留を請求するかを決めます。勾留は原則10日間、延長されれば通算20日間まで続き(第203条・第205条・第208条)、その間に起訴か不起訴かが決まります。時間の区切りごとに何が起きるかは、逮捕後の流れを解説した記事にまとめています。

逮捕の直後には警察が、送致のあとには検察官が弁解を聞き、勾留を決める裁判官も本人の陳述を聴きます(第203条・第205条・第207条第1項・第61条)。正当防衛を説明する場面は、少なくとも3回あります。説明が食い違うと、それ自体が不利な材料になります。最初の接見で、弁護士と主張の骨組みを決めてください。

岐阜県内で事件を扱う機関

岐阜県警察の警察署は22署で、岐阜・西濃・中濃・東濃・飛騨の5地区に分かれています。起訴するかどうかは、岐阜地方検察庁(岐阜市美江寺町の本庁と、大垣・多治見・御嵩・高山の4支部)の検察官が決めます。県内に独立した拘置所はなく、起訴後などに移されることがある先は岐阜・高山・御嵩の3つの拘置支所です。

地区 警察署 暴行・傷害の裁判(地方裁判所) 相手が亡くなった事件 拘置支所
岐阜岐阜中・岐阜南・岐阜北・各務原・岐阜羽島・北方・山県本庁(岐阜市美江寺町)本庁岐阜拘置支所(岐阜市鷺山)
西濃大垣・海津・養老・垂井・揖斐大垣支部本庁なし
中濃関・郡上・加茂・可児関市・美濃市・郡上市は本庁、美濃加茂市・可児市・加茂郡・可児郡は御嵩支部本庁御嵩拘置支所(可児郡御嵩町)
東濃多治見・中津川・恵那多治見支部本庁なし
飛騨高山・下呂・飛騨高山支部(下呂市のうち金山振興事務所の所管区域は本庁)本庁高山拘置支所(高山市花岡町)

※警察署の地区分けは岐阜県警察の犯罪要覧の区分によります。裁判所の管轄区域表は平成18年4月1日現在の行政区画に基づく表示です。暴行のように罰金刑のある罪で略式命令が請求されると、県内7つの簡易裁判所のうち事件を管轄する庁が扱います。

岐阜地方裁判所では、合議事件と裁判員裁判を、県内全域の分をまとめて岐阜市の本庁が扱います。高山市や多治見市で起きた事件でも、相手が亡くなって傷害致死や殺人で起訴されれば、審理は本庁で開かれます。岐阜県警の地区と裁判所の管轄も一致しません。事件のあった市町村名を、最初の相談で弁護士へ伝えてください。

出典:裁判所「岐阜県内の管轄区域表」、岐阜地方検察庁「所在地・交通アクセス」、法務省「刑事施設の所在地一覧」、岐阜県警察「警察施設の所在地」、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第61条・第203条・第205条・第207条・第208条・第213条

名古屋で事件になったときは愛知県の手続き

岐阜県から県外へ通勤・通学する13万761人のうち92.6%が愛知県へ向かい、名古屋市へは5万8,273人が通っています(令和2年国勢調査)。仕事帰りの名古屋の駅や飲食店でもみ合いになった場合、正当防衛を定めた刑法第36条はどこでも同じですが、手続きを担う機関が変わります。捜査は愛知県警察、起訴の判断は名古屋地方検察庁が担い、暴行・傷害の裁判は、名古屋市内の事件なら名古屋地方裁判所の本庁、一宮市・稲沢市・犬山市などの事件なら一宮支部の管轄です。

当番弁護士の申込先も愛知県弁護士会に変わり、日本弁護士連合会の一覧(2026年6月24日現在)では名古屋市内を含む多くの署が052-203-1651、一宮・江南・稲沢・犬山の各署が0586-72-8199です。身柄のある警察署が愛知県内なら、岐阜県の番号ではなくこちらへ電話してください。

出典:岐阜県「令和2年国勢調査からみた岐阜県の人口」、裁判所「愛知県内の管轄区域表」、名古屋地方検察庁(本庁・支部の所在地)、日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」

正当防衛が認められる3つの条件と問われる罪

岐阜県内の事件でも、正当防衛が成り立つかは刑法第36条第1項で判断されます。条文は「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない」と定めており、3つの条件に分けて読まれます。

条件 意味 争いになる場面
急迫不正の侵害違法な攻撃が目の前に迫っているか、すでに始まっている相手が攻撃をやめて離れたあとに反撃した
防衛の意思自分や他人の権利を守るための行為である仕返しや、この機会に痛めつけようとした反撃
やむを得ずにした行為身を守る手段として必要な範囲にとどまる素手の相手に刃物や棒を使った、倒れた相手をさらに殴った

3つがそろえば犯罪は成立しないため、捜査の段階で認められれば不起訴、裁判で認められれば無罪となり、前科はつきません。防衛の程度を超えた行為は過剰防衛で、罪は成立したうえで「情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる」扱いにとどまります(同条第2項)。危難を避けるために、攻撃してきた本人ではない人や物に害が及んだ場面は、主に第37条の緊急避難の問題になります。

扱われる罪と法定刑・公訴時効

正当防衛は罪名ではなく、罪にあたらないという主張です。刑の重さも公訴時効の年数も、岐阜県警察がその事件を何の罪として扱っているかで決まります。

扱われる罪 法定刑 公訴時効
暴行(刑法第208条)2年以下の拘禁刑、30万円以下の罰金、拘留または科料3年
数人共同・凶器を示しての暴行(暴力行為等処罰法第1条)3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金3年
傷害(刑法第204条)15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金10年
傷害致死(刑法第205条)3年以上の有期拘禁刑20年
殺人(刑法第199条)死刑、無期または5年以上の拘禁刑なし

※公訴時効は刑事訴訟法第250条によります。傷害致死は同条第1項第2号、それ以外は第2項の各号にあたり、人を死亡させた罪で死刑に当たる殺人はどちらにも入らないため時効がありません。

相手も自分の側も複数だった事件には、2人以上の暴行で誰の行為によるけがか分からないとき、共同して実行していなくても共犯の例によるという規定があります(刑法第207条)。その場に誰がいて誰が何をしたかを、人ごとに分けて弁護士へ伝えてください。

制度の参考:e-Gov法令検索「刑法」第36条・第37条・第199条・第204条・第205条・第207条・第208条、e-Gov法令検索「暴力行為等処罰ニ関スル法律」第1条、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第250条

正当防衛を争うか、示談で終えるか

正当防衛が認められる事件で目指すのは、嫌疑不十分や罪とならずによる不起訴です。岐阜県内の事件では、岐阜地方検察庁の検察官がこの判断をします。処分の規模は、全国の検察統計(令和6年)でつかめます。

令和6年・全国 暴行 傷害
起訴4,614人5,629人
 うち略式命令の請求3,935人3,615人
不起訴12,099人13,318人
 うち起訴猶予10,427人10,086人
 うち嫌疑不十分1,585人2,840人

※法務省「検察統計調査」令和6年年報の全国値で、岐阜地方検察庁だけの数値ではありません。嫌疑不十分には、正当防衛の主張が通った事件のほか、行為そのものを証明できなかった事件も含まれます。

全国の暴行の不起訴12,099人のうち10,427人を占める起訴猶予は、罪が成立することを前提に起訴を見送る処分で、示談や謝罪を重ねるほど近づく一方、手を出したことを認めた言葉が記録に残ります。争うか示談で早く終えるかは、証拠を見た弁護士と、逮捕されていれば勾留の最初の数日、在宅なら最初の呼び出しの前に決めてください。示談の進め方は被害者との示談交渉に関する記事で説明しています。

略式の罰金に同意する前に

全国で暴行により起訴された4,614人のうち3,935人(85.3%・算出)は略式命令の請求で、公開の法廷を開かずに罰金が科されています。略式手続には本人の同意が要り、検察官は通常の裁判を受けられることを告げて異議がないかを確かめ、本人は書面で同意を示します(刑事訴訟法第461条の2)。罰金も前科として残るため、正当防衛を主張するなら、同意の書面に署名する前に弁護士へ相談してください。略式命令を受けても、告知から14日以内なら正式裁判を請求できます(第465条第1項)。

取調べでの一言が過剰防衛の材料になる

「やりすぎた」「悪かった」という言葉は、防衛の程度を超えたと認めた供述として調書に書かれることがあります。取調べの前には、自分の意思に反して供述する必要がないことが告げられます(第198条第2項)。調書は読み聞かせのうえで誤りがないかを問われ、本人は増減変更を申し立てられ、署名押印も拒めます(同条第4項・第5項)。「押し返した」と「突き飛ばした」では同じ動作でも評価が変わるので、自分の言葉と違う表現は、その場で訂正を求めてください。

取調べの録音・録画が義務になるのは裁判員裁判の対象事件などに限られ(第301条の2)、暴行や傷害として岐阜県内の警察署が扱う事件は対象外です。相手が亡くなって傷害致死や殺人として扱われる事件は対象に入ります。対象外の事件では、その日に何を聞かれ何と答えたかを取調べのたびにメモし、接見に来た弁護士へ渡してください。弁護士とは、県内のどの警察署にいても立会人なしで会えます(第39条第1項)。

出典:法務省「検察統計調査」令和6年年報 表24-00-08、制度の参考:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第39条・第198条・第301条の2・第461条の2・第465条

正当防衛の事件の保釈・公訴時効・在留資格

保釈は起訴されたあとに請求できる

保釈を請求できるのは起訴されたあとの被告人だけです(刑事訴訟法第88条第1項・第207条第1項ただし書)。暴行や傷害で起訴された事件は権利保釈の除外事由の第89条第1号にあたりませんが、傷害致死や殺人で起訴されると第1号にあたり、第90条の裁量保釈で判断されます。争う事件で妨げになりやすいのは、罪証隠滅のおそれ(第4号)と、被害者や目撃者などに害を加えたり怖がらせたりするおそれ(第5号)です。目撃者への連絡や映像の確保は、本人や家族ではなく弁護人に任せてください。

岐阜地方裁判所の管内(管内の簡易裁判所を含む)では、令和7年に勾留された487人のうち154人が保釈保証金を納めて釈放されました(司法統計年報)。割合は31.6%で、全国の31.7%(35,125人中11,132人)とほぼ同じです(いずれも算出)。起訴の知らせを受けた日のうちに、保釈請求の準備を弁護士へ頼んでください。

公訴時効と民事の請求期限

時効は犯罪行為が終わった時から進み(第253条第1項)、起訴されると止まり(第254条第1項)、犯人が国外にいる期間も止まります(第255条第1項)。刑事とは別に、相手からの損害賠償請求は、身体を害した場合、損害と加害者を知った時から5年、行為の時から20年で時効を迎えます(民法第724条・第724条の2)。岐阜地方検察庁で不起訴になっても民事の請求は別に残るため、自分のけがの診断書と当日の記録は、民事の期限が過ぎるまで保管してください。

外国籍の人の在留資格

岐阜県の外国人住民は8万766人(令和7年12月末)で、可児市に1万78人、美濃加茂市に6,691人が暮らしています。暴行・傷害(刑法第2編第27章)と殺人(第26章)は入管法第24条第4号の2の対象で、就労・留学・技能実習など別表第一の在留資格の人は、刑の全部の執行猶予が付いても退去強制の対象になります。永住者や定住者など別表第二の人は、第24条第4号リの1年を超える拘禁刑の実刑かどうかで判断されます。

どちらも刑に処せられたことが要件なので、正当防衛が認められて不起訴になれば当たりません。勾留が長引いて就労や通学が3か月以上止まると、在留資格の取消し(第22条の4第6号)も問題になります。在留カードに書かれた在留資格と期限を、最初の接見で弁護士へ伝えてください。在留手続についての一般的な質問には、外国人在留総合インフォメーションセンター(0570-013904)が11言語で答えています。

出典:裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」第32表、岐阜県「岐阜県在留外国人数」、出入国在留管理庁「外国人在留総合インフォメーションセンター」、制度の参考:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第88条〜第90条・第207条・第253条〜第255条、e-Gov法令検索「民法」第724条・第724条の2、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」第22条の4・第24条

正当防衛を争うとき弁護士に依頼できることと選び方・費用

正当防衛の主張は、本人の説明だけでは通りません。相手が先に攻撃してきたことと、反撃が必要な範囲にとどまっていたことを、映像・診断書・目撃証言で示します。岐阜県内の事件で弁護士に任せる中心は、次の2つです。

証拠の保全

店舗・駅・施設の防犯カメラの映像は短い期間で上書きされるため、管理者へ保存を申し入れ、捜査機関に押収を求めます。自分のけがの診断書、居合わせた人の連絡先、当日のメッセージや通話の履歴も証拠として整えます。

取調べへの備えと身柄の解放

接見で話す順序と言葉を決め、警察・検察官・裁判官の前で説明をそろえます。勾留を請求しないよう検察官へ意見書を出し、勾留が決まれば準抗告、起訴後は保釈を請求します。不起訴になる見通しの考え方は不起訴・刑罰・刑事処分に関する記事で説明しています。

接見の距離と否認事件の経験で選ぶ

岐阜県は南部の岐阜市から北部の高山市・飛騨市まで県域が広く、飛騨地区の高山・下呂・飛騨の3署に身柄がある場合、岐阜市や名古屋の事務所からの接見は移動の負担が大きくなります。また、示談を急ぐ方針の事務所に任せると、争う余地があっても謝罪が先に進みます。最初の電話で次の4点を聞き、条件の合う事務所に早く決めてください。

最初の電話で聞く4点

  • 身柄のある岐阜県内の警察署へ、今日か明日のうちに接見に行けるか
  • 否認事件や正当防衛の主張を扱った経験があるか
  • 防犯カメラの映像の保存を申し入れた経験があるか
  • 接見1回あたりの日当と交通費、費用の分割払いに応じるか

当番弁護士・国選弁護人・私選弁護人

区分 依頼できる時期 費用と注意点
当番弁護士逮捕の直後から。岐阜県内は058-265-0020へ家族が申し込むか、本人が警察官に頼む同じ事件で原則1回の面会が無料。続けて弁護してもらうには改めて依頼する
国選弁護人勾留されてから本人が請求する資力の要件あり(資力申告書が必要)。弁護士は選べない
私選弁護人逮捕の前や、在宅で呼び出しを受けている段階でも、本人か家族が直接依頼できる事務所ごとの料金

映像が上書きされる前に動く必要がある正当防衛の事件では、呼び出しや逮捕の段階から動ける私選弁護人を選びましょう。

費用の目安と法テラス岐阜

正当防衛を主張して争う場合の総額は、60万円から120万円程度が目安です。起訴されて岐阜地方裁判所の本庁や支部で公判を争えば出廷の日当が加わり、示談で終える事件より高くなります。飛騨地区の署など遠方への接見が続くと日当と交通費が積み上がるため、着手金と一緒に見積もりを取ってください。内訳は刑事事件の弁護士選び・費用に関する記事で説明しています。

※弁護士費用には公的な統計が存在しないため、一般的な目安として示しています。

岐阜県内の法テラスは、岐阜市美江寺町の法テラス岐阜(0570-078345・平日9時〜17時)の1か所で、支部はありません。ほかに、法テラスのスタッフ弁護士が勤める法律事務所が岐阜・可児・中津川の3か所にあります。国選弁護人を請求できる勾留より前の段階で費用を用意できないときは、弁護士費用の援助制度について当番弁護士か岐阜県弁護士会に尋ねてください。

出典:法テラス「法テラス岐阜」、岐阜県弁護士会「当番弁護士」

岐阜県の暴行・傷害事件の検挙状況

犯罪統計に正当防衛という区分はなく、争われる事件は暴行や傷害などの件数に含まれます。岐阜県警察の統計では、県内の暴行の認知件数は令和5年の713件から令和7年の542件へ2年続けて減り、傷害は260件から270件の間で推移しています。

年 暴行 認知件数 暴行 検挙人員 傷害 認知件数 傷害 検挙人員
令和5年(2023年)713件739人260件235人
令和6年(2024年)604件646人270件228人
令和7年(2025年)542件568人260件235人

※岐阜県警察「令和7年 罪種別 認知・検挙状況」「令和6年 罪種別 認知・検挙状況」の公表値です。令和7年の検挙率は暴行93.2%、傷害84.6%と公表されています。

暴行の疑いのほとんどは在宅で捜査される

岐阜県警察の犯罪要覧(令和6年)には、検挙した人を逮捕したか、身柄を拘束せずに捜査したかの内訳が載っています。令和6年に暴行で検挙された646人のうち、逮捕されたのは45人(7.0%・算出)で、601人は在宅のまま捜査を受けました。傷害では228人のうち102人(44.7%・算出)が逮捕されています。

罪種(令和6年) 検挙人員 現行犯逮捕 緊急逮捕 通常逮捕 身柄不拘束
暴行646人28人0人17人601人
傷害228人44人3人55人126人
殺人6人0人1人5人0人
刑法犯総数3,033人234人34人483人2,282人

※岐阜県警察「犯罪要覧(令和6年)」の身柄措置別検挙人員です。令和7年の同じ表はまだ公表されておらず、令和7年の罪種別の件数とは年が異なります。

在宅で捜査が進んでいても、送致されれば岐阜地方検察庁の検察官が起訴するかを判断します。呼び出しの電話や書面を受け取った段階で、弁護士へ依頼してください。映像の保存を申し入れる時間を確保できます。

住宅と路上での発生が多い

令和6年の発生場所別では、岐阜県内の暴行604件のうち一戸建住宅が232件、その他の住宅が94件、道路上が70件でした。傷害270件でも一戸建住宅63件、道路上43件が上位で、深夜飲食店が16件あります。住宅の中で起きた事件は、第三者の映像や目撃者が残りにくい場面です。診断書や当日のメッセージの記録を消さずに残し、弁護士へ渡してください。

正当防衛が認められた件数や割合を示す公的な統計はありません。岐阜県内の事件でも、結論を決めるのは攻撃の順序、反撃の程度、残っている客観的な証拠です。

出典:岐阜県警察「犯罪要覧(令和6年)」、岐阜県警察「令和7年 罪種別 認知・検挙状況」、岐阜県警察「令和6年 罪種別 認知・検挙状況」

岐阜県の正当防衛に関するよくある質問

Q1. 先に殴られたので殴り返しました。正当防衛になりますか?

相手の攻撃が続いている最中に、身を守るのに必要な範囲で反撃したのであれば、刑法第36条第1項の正当防衛が認められる可能性があります。相手が倒れたあとや逃げ出したあとの追撃は、急迫不正の侵害という条件から外れます。どの瞬間に何をしたかを時系列で書き出し、岐阜県内の留置先へ接見に来た弁護士へ渡してください。

Q2. 名古屋の事務所に頼んでも、岐阜県内の警察署へ接見に来てもらえますか?

県外の事務所でも、岐阜県内の警察署で接見できます。ただ、岐阜市・各務原市など県南部の署と、高山・下呂・飛騨の署では、1回の接見にかかる時間が大きく違います。依頼を決める前に留置されている署の名前を伝え、接見1回ごとの日当と交通費を見積もってもらってください。

Q3. 相手が亡くなりました。裁判はどこで開かれますか?

傷害致死や殺人として起訴されると裁判員裁判になり、岐阜県では岐阜地方裁判所の本庁(岐阜市美江寺町)だけが扱います。大垣・多治見・御嵩・高山の各支部の管内で起きた事件も同じです。逮捕・勾留中の取調べは録音・録画の対象になります(刑事訴訟法第301条の2)。本庁での裁判員裁判の弁護を担当した経験があるかを聞き、起訴される前から依頼してください。

Q4. 17歳の息子が喧嘩で相手にけがをさせ、正当防衛だと言っています。

少年の事件は家庭裁判所で扱われ、岐阜県で少年保護事件を扱うのは岐阜家庭裁判所の本庁・大垣支部・高山支部の3庁だけです。多治見・中津川・美濃加茂・可児などの事件と郡上市の事件は、岐阜市の本庁が扱います。観護措置がとられると、岐阜少年鑑別所(岐阜市鷺山)に収容されます。少年でも黙秘権や、調書への署名を拒む権利は同じです。取調べを受ける前に、少年事件を扱う弁護士へ相談してください。岐阜県警察の少年サポートセンター(0120-783-800・平日8時30分〜17時15分)でも相談を受け付けています。

Q5. 教員や県職員が暴行・傷害で検挙されたら、仕事はどうなりますか?

報道されるかどうかは報道機関が判断するもので、弁護士が止められるものではありません。法律で決まっているのは公務員の身分への影響で、地方公務員法は拘禁刑以上の刑に処せられた職員は、条例に特別の定めがない限り職を失うと定めています(第16条第1号・第28条第4項)。執行猶予が付いても拘禁刑であれば失職の対象になり、罰金で終われば対象になりません。懲戒処分(第29条)は刑事処分とは別に判断され、起訴された段階で休職を命じられることもあります(第28条第2項第2号)。岐阜県や県内の市町村の職員、公立学校の教員にも同じ規定が適用されます。起訴の判断が出る前に弁護士へ依頼し、正当防衛による不起訴を目指してください。

Q6. 家族が「岐阜拘置所」に移されたと聞きました。面会はできますか?

岐阜県内に独立した拘置所はなく、岐阜市鷺山にあるのは岐阜刑務所の岐阜拘置支所(058-294-6771)です。面会の受付は8時30分〜11時30分と13時〜16時で、駐車場は8台です。高山拘置支所・御嵩拘置支所も同じ受付時間です。裁判所が接見禁止を付けている間は家族も面会できず、会えるのは弁護士だけです。面会に向かう前に、接見禁止の有無を弁護士から聞いておいてください。無駄足を避けられます。

Q7. 自分もけがをしました。相手を訴えることはできますか?

相手の行為について、岐阜県警察へ被害届を出すことも告訴することもできます。警察安全相談(#9110)は24時間受け付けています。ただし、自分の被害を訴える内容と取調べでの正当防衛の説明が食い違うと、どちらの主張も弱まります。警察へ相談する前に、弁護士と方針を合わせてください。

Q8. 示談したほうがよいですか?

争う方針か、示談で早く終える方針かで答えが変わります。謝罪の言葉や示談金の支払いは、手を出したことを自分で認めた事情と受け取られるおそれがあります。争っても認められる見込みが低い事件では、示談で処分が軽くなる可能性が上がります。岐阜地方検察庁の処分が出る前に、証拠を見た弁護士とどちらで進めるかを決めてください。

出典:裁判所「岐阜県内の管轄区域表」、法務省「面会受付時間一覧」、法務省「少年鑑別所の所在地一覧」、岐阜県警察「少年サポートセンター」、岐阜県警察「警察安全相談」、制度の参考:e-Gov法令検索「刑法」第36条、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第301条の2、e-Gov法令検索「地方公務員法」第16条・第28条・第29条

岐阜県で正当防衛を争える弁護士を探す 映像や記憶が残っているうちに相談してください

岐阜県の22の警察署は岐阜・西濃・中濃・東濃・飛騨に分かれ、名古屋方面の事件なら愛知県の警察署になります。接見に向かえる範囲、否認事件の経験、夜間・休日の対応は事務所ごとに違います。家族がすでに逮捕されているなら、今日のうちに留置先へ接見に行ける事務所へ電話してください。呼び出しを待っている段階なら、初回相談が無料の事務所から順に相談しましょう。

参考資料・更新情報

※本コンテンツは2026年9月25日時点で確認できた公表情報をもとに作成しています。岐阜県内の統計は、岐阜県警察の令和7年(2025年)中の罪種別の公表値(令和5年は令和6年の罪種別の資料の値)、身柄措置別・発生場所別は「犯罪要覧(令和6年)」の値です。処分の統計は法務省「検察統計調査」令和6年年報の全国値、保釈の人員は裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」第32表の全国値と岐阜地裁管内総数、通勤・通学者数は令和2年国勢調査、外国人住民数は令和7年12月末の値です。正当防衛が認められた件数を集計した公的な統計は存在しません。刑名は令和7年6月1日施行の拘禁刑に合わせて記載しています。制度や窓口の情報は変更される場合があるため、利用前に各機関および法律事務所の公式情報をご確認ください。本コンテンツは一般的な情報提供を目的とするもので、個別の事件についての法的助言ではありません。

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