また万引きをしてしまった…|窃盗症(クレプトマニア)との向き合い方

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公開日:2020.9.7  更新日:2021.4.27
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また万引きをしてしまった…|窃盗症(クレプトマニア)との向き合い方

Problem woman

クレプトマニアとは「窃盗症」や「病的窃盗」とも呼ばれている精神疾患のひとつで、万引きや置き引きといった窃盗行為を、何度も繰り返してしまうことが特徴です。通常の窃盗犯とは異なり、欲しくもなかったりお金があったりしても、盗むこと自体を目的としてしまうことがあります。

 

もちろんクレプトマニアであったとしても、窃盗は犯罪行為ですが、通常の窃盗と同じように対処してしまっては、根本的な解決には至らない可能性が高いです。

 

この記事ではクレプトマニアになってしまう原因や、クレプトマニアの治療・支援といったサポートを受けられる相談先を紹介します。

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クレプトマニアは治療を目指せる病気の一種

クレプトマニアとは「ただ手癖が悪い」というわけではなく、WHOでも認められている精神疾患の一種です。

 

日本では「窃盗症」と呼ばれることもあり、薬物依存症やアルコール依存症と同様に、治療法があります。

 

盗みの緊張感と開放感がストレス解消になってしまう

クレプトマニアは現在でも研究が行われている病気ですが、ストレスが原因であるとする説があります。

 

ストレスが溜まっている状態で窃盗をすると、緊張感といったストレスが高まり、誰にも捕まらないと一気にこれから開放されます。その開放感がストレスの解消となり、依存状態になってしまう可能性があるのです。

 

また、クレプトマニアは、過食症や拒食症などの症状がある摂食障害や、アルコール依存症といった他の疾患との合併も多くみられるようです。

 

通常の窃盗犯とは大きく違う

クレプトマニアは通常の窃盗犯とは大きく違い、「何かが欲しいから」、「何かが必要だから」といった目的があるわけではありません。

 

お金が十分にあり、生活にも困っていないという人が、何度も窃盗を繰り返してしまうという例もあるほどです。

 

クレプトマニアは誰しもの身に起こりえる

ストレスが原因である可能性が高い以上、クレプトマニアは誰しもの身に起こりえる精神疾患といえるでしょう。

 

例えば、高い社会的地位にある人や、一見充実した家庭生活を送っている人でも、重圧・責任などによるストレスが原因となりクレプトマニアになってしまう可能性があるのです。

 

では実際、何度も盗みを繰り返して逮捕されてしまった人や、誰にも知られず盗みを繰り返してしまう人は、どうすれば良いのでしょうか。

 

クレプトマニアの支援を受けられる相談先

クレプトマニアは治療を目指すことが可能な精神疾患ですが、どんな精神科病院でも治療を受けられるわけではありません。

 

以下のようなサポートを期待できる相談先を選んで、支援を受けることをおすすめいたします。

 

クレプトマニア医学研究所

クレプトマニア医学研究所は、現在、性犯罪やストーカー加害者治療も行っている福井裕輝氏が立ち上げた施設です。

 

法務省や警察庁、地方自治体や教育委員会との連携をしていく中で、クレプトマニアに対しても治療・更生や社会復帰のための連携を構築する体制づくりが必要だと感じ、立ち上げに至りました。

 

今回はクレプトマニア医学研究所の福井裕輝所長に、クレプトマニア治療について話を伺います。

 

クレプトマニア医学研究所で行う認知行動療法とは?

認知行動療法とは、精神療法・カウンセリングの一種であり、心理学的働きかけにより問題のある行動を変えていくことを目指しています。

 

こころの基礎となる考え方や感情を改善していき、自分の意思で問題行動がコントロールできるようにしていく治療法です。

 

どんな人がクレプトマニア治療を受けている?

2020年8月の取材当時、50人前後の患者が治療を進めており、8割程度は女性患者です。

 

半分程度が弁護士からの連絡により治療を進めていますが、3割程度は家族や身内から、2割程度が自分から相談をしています。

 

クレプトマニア治療には完治がある?

クレプトマニアに限らず、アルコール依存症や覚醒剤依存症といった多くの依存症には、完治というものがありません。窃盗をせずに活動できることはあるが、数年後に再発してしまうこともあります。

 

医学的にこの状態を寛解(かんかい)といい、一旦治ったとしても、様々なきっかけにより再発することがあるのです。

 

ただし再発の兆候をよく観察し、自律したり家族にサポートしてもらったりすることで、再発を防ぐことも可能でしょう。

 

家族や身内へのサポートは?

家族や身内がクレプトマニアであることを受け入れており、治療をサポートしていきたいという人に対しては、セミナーを行います。たとえば「本人への接し方」、「再発の兆候」、「再発時の対応」といった学習が可能です。

 

身内の窃盗により動揺してしまっている人に対しては、まずは落ち着きを取り戻し、上記のような心理教育を行えるようにコンサルティングを行います。

 

専門家として「クレプトマニアは甘え」という意見について

依存に関する病気は、脳の問題といった研究結果が出ていて、甘えや自覚の足りなさで片付けられるものではありません。

 

一部の精神科医も含め、一般的にまだまだ偏見があり、治療の対象ではないと考える人もいますが、世界的には病気として認められています。

 

クラプトマニアの治療について検討している方は、以下より問い合わせをしてみてください。

問い合わせ:クレプトマニア医学研究所 Kleptomania Medicine Research Institute.

取材協力:福井裕輝所長

 

一般社団法人アミティ

一般社団法人アミティでは、クレプトマニア患者の回復までの環境整備を、総合的に支援しています。

 

司法的側面として弁護士の紹介や、医学的側面として医師による治療、心理教育カウンセリングを行うカウンセラーなどが挙げられます。

 

KA(クレプトマニア・アノニマス)と呼ばれるクレプトマニアの相互援助や、家族会といった相互援助など、グループへの参加に関するサポートも受けられるでしょう。

 

刑事弁護と治療病院

クレプトマニアについてよく知る弁護士が刑事弁護を担当し、被疑者を上記のような支援先につないで早期の身柄解放を図ることで、迅速に回復治療を開始できます。

 

また、クレプトマニアに詳しい弁護人であれば、病状や家族、何よりも本人の声を聞いたうえで、適切な病院を紹介してくれることも期待できるでしょう。

 

グループホームとミーティング

クレプトマニアの回復治療は、治療・訓練のために長い時間を要することがあります。グループホームに入寮することで、これまでの日常と距離を置きつつ、治療に専念することが可能です。

 

また本人の気持ちを話す、同じ悩みを持つ他の人の話を聞く、あるいは回復の兆しがある人の話を聞くことで、回復への足がかりにつながることがあります。そうしたミーティングの機会を設けることで、クレプトマニアの回復・治療を目指すことが可能です。

 

こうしたサポート・支援を受けたい、あるいは検討している方は、以下より問い合わせてみて下さい。

問い合わせ:一般社団法人アミティ

 

まとめ

「何度も万引きをしてしまう」と聞くと、単に手癖が悪い人だと思ってしまうかもしれませんが、クレプトマニアという精神疾患の場合はそのような単純な問題ではありません。

 

悩みやストレスによって発症し、本人が激しく後悔しつつも、抑えることができない病気といえます。しかしクレプトマニアの治療を目指すことは可能であり、現在治療を進めている人も少なくありません。

 

症状に心当たりがあるという人、もしくは家族が何度も万引きや窃盗をしてしまっているという人は、上記施設に連絡をしてみてください。

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この記事の監修者
当社在籍弁護士
弁護士登録後、地方で一般民事・家事、刑事事件を中心に様々な案件を手掛ける。次第に司法アクセスの改善に課題を感じ、2020年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。
編集部

本記事はベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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