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プロレス・K1などの格闘技はなぜ決闘罪にはならないのか?

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刑事事件マガジン
公開日:2018.6.21
その他 弁護士監修記事

プロレス・K1などの格闘技はなぜ決闘罪にはならないのか?

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決闘とは、2人以上の人物が事前に日時・場所・条件などを約束して戦うことです。決闘罪はもともと旧武士階級の果たし合いを禁じるための法律で、1889(明治22)年、今から130年ほど前に制定されたものです。

 

決闘罪(決闘罪に関する件)の罰則内容

  • 決闘を挑んだ者・応じた者(1条):6ヶ月以上2年以下の有期懲役
  • 決闘を行った者(2条):2年以上5年以下の有期懲役
  • 決闘立会人・決闘の立会いを約束した者(4条1項):1ヶ月以上1年以下の有期懲役
  • 事情を知って決闘場所を貸与・提供した者(4条2項):1ヶ月以上1年以下の有期懲役

※決闘の結果、人を殺傷した場合は決闘の罪と刑法の殺人罪・傷害罪とを比較し、重い方で処罰される(3条)。

※決闘に応じないという理由で人の名誉を傷つけた場合は、刑法の名誉毀損罪で処罰される(5条)。

 

格闘技は決闘罪には該当しない

プロレス、K1などの格闘技で相手を殴ったり負傷させたりすれば、その行為は暴行や傷害の構成要件に該当します。

 

しかし、『法令又は正当な業務による行為は、罰しない』という規定があり(刑法35条)、これに該当する場合、形式上は刑罰法令に触れたとしても、処罰すべき違法性を欠くため犯罪とならないとされています。

プロレスなどの試合は正当な興行と考えられており、暴行罪や傷害罪といった犯罪は成立しないのです。ただし、その格闘技に設定されたルールを逸脱して攻撃した場合(反則技、凶器の使用、審判が止めているのに執拗に攻撃を継続など)には、暴行罪や傷害罪に問われる可能性があります。

 

ルールを決めて殴り合った少年12人を逮捕

過去に『東京都内と横浜市内の15~17歳の少年12人を決闘と傷害の疑いで逮捕』というニュースがありました。少年らは『K1』などの格闘技に憧れていたといい、「合意の上で殴り合いをしただけなのに何が悪い!」と話したそうです。

 

まとめ

決闘罪は1888(明治21)年に起きた犬養毅に対する決闘申込事件を契機として制定されたそうです。制定された当時の明治初期は、『仇討ちは罪ではない』という江戸時代の風潮が残っていたため、これを戒めるためのものだったといわれています。

 

仇討ちといえば赤穂藩の主君であった浅野内匠頭の仇を討つため、元家臣たちが吉良上野介の家に討ち入りを行った『忠臣蔵』。12月に討ち入りが行われたことから、現在も時代劇において冬の風物詩といわれるほどです。

 

江戸時代のこの出来事が、現在も美談として話されるわけですから、明治初期に「仇討ちは罪ではない」と考える人々がどれほど多かったかは想像に難くありません。それに危機感をもった政府が制定したのがこの『決闘罪』であり、130年たった今でもそのまま残されています。

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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