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公開日:2018.7.5
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毎日やってる閉店セールって詐欺にならないの!?

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「これまでご愛顧いただきありがとうございました!今日の18時を持ちまして、皆様に惜しまれながらこのお店を閉めさせていただきます」

 

もう聞き飽きたようなこのうたい文句。そして、お店の前に並べられる見慣れた激安商品の数々。

 

わかっている人であれば、「どうせ明日もやってるんでしょ」と勘づき、その激安商品を買うことはないでしょう。しかし、初めて来た人や、外国人観光客がそれらを見たら、「めっちゃお得じゃん!」と思って買ってしまうかもしれません。

 

街中でよく行われている閉店セール。筆者もこれまでは当たり前のように眺めてきましたが、そもそもこれって詐欺罪にはならないのでしょうか?

 

閉店といいながら次の日も営業することは、法律的に問題はないのでしょうか?

 

閉店セールといいながら閉店しない…なぜ?

閉店セールと称して安売りをしていた次の日に、いつもと変わらず営業しているお店。これはいったいどういうことなのでしょうか?

 

この手によくあるカラクリは、

『閉店=永遠に店を閉める』ではなく、『閉店=今日は店を閉める』という意味での閉店セールです。

 

たしかに、閉店という漢字をひも解くと、『店を閉める』ですから、その日の閉店といわれれば、納得せざるを得ません。毎日閉店セールをしていたとしても、その日の売れ残りを閉店間際に安く売っていると考えれば、それは正当な理由ともいえるでしょう。

 

つまり、巷にはびこる閉店セールのカラクリは、『今日の閉店』という意味で、永遠に閉店というわけではないということです。とても紛らわしいですね…。

 

閉店セールは違法じゃないの?

では、こうした閉店セールで商品を販売する行為は、違法とはならないのでしょうか?

 

通常の価格帯で販売しているのに『閉店セール』と銘打って販売する行為は『景品表示法』に違反している可能性があります。

 

景品表示法は、不当な表示で一般消費者に不利益が生じることを禁止しています。

 

例えば、

 

『業界最速の通信速度!』

 

とうたうスマホ販売会社を見たことがあると思います。しかし、常に業界内でトップの通信速度だという合理的な根拠はありません。

それでも、消費者から見れば、『これが業界最速なんだ!』と信じてしまいますよね。

 

また、海外産の牛があたかも国産牛であるかのように表示されていたとしたら、消費者国産牛だと思ってそれを購入します。仮に合理的な根拠がなくとも、消費者はその表示を基準に商品を選ぶのです。

 

このように過度な表示で消費者の行動を誘導させる行為は、景品表示法に違反する可能性があるのです。

 

第四条 内閣総理大臣は、不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を確保するため必要があると認めるときは、景品類の価額の最高額若しくは総額、種類若しくは提供の方法その他景品類の提供に関する事項を制限し、又は景品類の提供を禁止することができる。

(不当な表示の禁止)

引用元:不当景品類及び不当表示防止法

 

閉店セールと銘打って一般消費者に有利な条件で商品を購入できると誤信させるものであれば、不当表示として違法となる可能性があります。

 

閉店セール商法の問題点

例えば、元値が3万円のバックを閉店セールの1週間だけ1万円で売る場合、過去にも一定期間以上で元値の3万円で販売していた実績があれば、閉店セールで安売りをしても問題ありません。

 

しかし、過去に一度も3万円で販売した実績がないにもかかわらず、閉店セールでの特別価格と称して1万円で販売することは、不当表示として扱われる危険性があります。

 

つまり、

 

『閉店セール時の販売価格は本当にセール時のみの価格なのか』

 

ということが問われ、もしも普段と変わらぬ価格で閉店セールと称して販売していたとすれば、それは不当表示として摘発される可能性があるということです。

 

ただし、過去にどの金額でどのくらいの期間販売していたか、元値はいくらなのかということを正確に確認することは難しいため、閉店セール商法で摘発される店は少ないのが現実です。

 

それにより、今もなお閉店セールを何年間も続けるお店がいくつも存在しているのですね…。

 

まとめ

閉店セールは違法となる可能性がありますが、それを確実に証明する事実はなかなか見つけられないため、取り締まることができないというのが現状です。

 

しかし、その表示が過度である場合には摘発される可能性もありますので、買う側も経営する側も、閉店セールへの向き合い方には注意するようにしてください。

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
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編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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