【弁護士監修】逮捕されるとどうなるの?逮捕から判決までの流れを解説

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公開日:2018.7.7  更新日:2021.4.27
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【弁護士監修】逮捕されるとどうなるの?逮捕から判決までの流れを解説


逮捕とは、捜査機関や私人(一般人)が被疑者の逃亡や証拠隠滅を防ぐために一時的に身柄を強制的に拘束することを言います。
 
今回は、逮捕に関することについての全てを解説していきます。

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逮捕と検挙の違い

冒頭でご説明したとおり、逮捕とは被疑者の逃亡・証拠隠滅を防ぐために身柄を拘束することを言います。逮捕と似た内容で「検挙」というものがあります。まずは「逮捕」と「検挙」2つの違いを解説します。
 

逮捕とは?

何度も説明していますが、逮捕とは被疑者の身柄を拘束することです。一般的にイメージされている「逮捕」と何ら変わりはないでしょう。逮捕は、必ずしも警察などの捜査機関だけが出来るものではなく、一般人の方も逮捕することが出来る場合があります。この事を私人逮捕と言い、下記でも詳しく解説します。
 

検挙とは?

一方、警察の資料等では「検挙」という言葉を目にします。なんとなく逮捕と同じような意味だと理解されている方も多いでしょう。詳しく言うと、事件を警察で処理したことを検挙と言います。
 
ですので、検挙=逮捕されたというわけではありません。例えば、ニュースでよく目にする「書類送検」。これは、被疑者の身柄を拘束せず事件を捜査していく方法です。

 

また、警察に任意同行を促されすぐに身柄を開放される「微罪処分」もあります。こちらも警察で書類手続きを行ないますので検挙のうちに入ります。

 

 

逮捕は3つの種類がある

逮捕の種類ですが、全部で3種類あります。通常逮捕・現行犯逮捕・緊急逮捕の3種類です。それぞれ詳しく説明していきます。
 

通常逮捕


その名の通り、一般的な逮捕の方法です。通常、逮捕を行なう場合「逮捕状」が事前に必要になります。資格を有する司法警察員が裁判官に対して逮捕状の請求を行ない、裁判官から逮捕状が発付されてはじめて被疑者を逮捕できます。
 
通常、事件があると警察が捜査を行ない、被疑者が浮上してくるとその人物に対する逮捕状を請求します。裁判官から逮捕状が発付されると、被疑者の元へ行き「逮捕」するという流れになります。
 

現行犯逮捕


一方、目の前で犯罪が行われていたり、犯行直後の場合、逮捕状の発付を待っている時間がありません。その場合、現行犯逮捕となります。現行犯逮捕では逮捕状は必要ではありません。
 

現行犯逮捕が明らかな誤認逮捕でない限り、そのまま取り調べ等の刑事手続きに入っていきます。更に、警察の到着も待てないような、まさに緊急を要する場合は、一般人の方も逮捕をすることが可能です。これを「私人逮捕」と言い、現行犯逮捕のみ一般人による私人逮捕が可能です。

 

緊急逮捕


事件後の捜査の段階で、容疑者が浮かび上がり、容疑者の自供や確実な証拠が手に入った時点で、このままにしておくと、容疑者が逃亡・証拠隠滅のおそれがあると判断した場合、逮捕状なしに逮捕をすることがあります。これを緊急逮捕と言います。
 
逮捕後の流れは、現行犯逮捕と同じく、逮捕状の請求を行ないます。逮捕状が発布されれば、刑事手続に移り、発布されなければ、被疑者は釈放されます。
 

 

逮捕された後から判決までの流れ

逮捕後、どのような流れで刑事手続が進められていくのでしょうか。こちらでは逮捕後の流れを解説していきます。通常の逮捕後の流れを図に表すと以下のようになります。



 

警察での身柄拘束

逮捕されると、まず警察で身柄が拘束されます。警察での身柄拘束は48時間以内と決まっており、それまでに検察へ身柄を引き渡すか、釈放しなければなりません。
 
また、軽微な犯罪の場合、警察で厳重注意を受け、指紋採取と顔写真だけを取られて釈放される「微罪処分」というものもあります。

逮捕により身柄が拘束されている間は、たとえ家族であっても原則として面会が出来ず、唯一弁護人(または弁護人となろうとする者)なら面会が可能です。初回は無料で弁護士と面会できる「当番弁護士」という制度があります。まずはこちらの利用を検討しましょう。

 

検察での身柄拘束

警察で釈放されない場合、検察へと身柄が移されます。検察での身柄拘束は、検察が身柄を引き受けてから24時間以内(逮捕から72時間以内)と決められています。ただ、被疑者の身柄拘束は、被疑者の逃亡や証拠隠滅を防止しつつ刑事裁判での証拠を集める目的で行なわれますので、逮捕から72時間以内に証拠が収集でき,しかも被疑者が自白している場合を除き,釈放されることは期待できません。
 
その場合、検察が裁判所に「勾留請求」を行ない、被疑者の拘束期間の延長を請求します。裁判所からの許可が降りると、10日間の勾留期間が与えられます。更に捜査が必要な場合、勾留延長を行ない、最初の勾留期間と合わせて最大20日間勾留されることになります。

 

起訴・不起訴

上記のように、逮捕後から最大23日間の拘束期間が用意されています。その23日中に、検察は被疑者の「起訴」か「不起訴」かを決定しなくてはなりません。起訴されると、そのまま刑事裁判へと続きます。
 
不起訴になると、その場で釈放されることになります。ただ、今回の容疑では釈放されたとしても、別の容疑で「再逮捕」される事があります。これは、23日間という捜査機関でもどうしても捜査が終了しなかった場合に、もう一度別の容疑で逮捕して更に拘束期間を伸ばすために捜査機関が使ってくる方法です。
 

起訴後勾留

起訴されると、刑事裁判が続くことになります。裁判所の混み具合などにもよりますが、通常起訴から第一審までは約1ヶ月となっています。ほとんどの被告人がそのまま拘束され続けます。
 
そうなると、逮捕後2ヶ月ほど拘束され非常に長期間になります。ですので、起訴後に一時的に釈放される「保釈制度」というものがあります。保釈金を一度預ける事で、裁判の間まで一時的に身柄を釈放してもらえる制度です。
 

刑事裁判

「刑事裁判」とは、みなさんもイメージされているように、被告人が有罪か無罪かの判断を裁判所が行なうための手続きのことです。しかし、なかなか認知されていないことですが、日本国内での刑事裁判の有罪率は99.9%となっています。
 
これは、「それまでの捜査の段階で捜査機関が確実に有罪にできると判断しなければ起訴を行なわないから」という背景があるからです。ですので、警察・検察は限られた期限内で慎重に捜査を進めていきます。

 

 

まとめ

いかがでしょうか。逮捕の形式・逮捕後の流れ・逮捕に関する問題点が分かっていただけたでしょうか。現在でもいくつかの問題が生じていますが、今後改善される内容も出てくるでしょう。

 

もしも、家族や知人が逮捕されてしまったのであれば、適切で迅速な対処をするためにも、一度弁護士に相談してみてください。
 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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