合法で飼えるのはワニ?それともアライグマ?特定外来生物法とは

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公開日:2018.7.15
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合法で飼えるのはワニ?それともアライグマ?特定外来生物法とは

ワニとアライグマ、飼育するとしたら多くの人はアライグマを選ぶのではないでしょうか。しかし、そもそもこれら動物の飼育は可能なのでしょうか。

 

まず『特定外来生物法』では特定外来生物の輸入や飼育を原則禁止しています。日本の固有種を守るためにも、そして外来種が無理矢理日本に連れてこられないためにも、大切な法律です。

 

この記事では、日本で飼育が禁止されている動物や、違反した場合の罰則、本当にワニは飼育できるのかなどについてご紹介します。

 

特定外来生物法で飼育が禁止されている動物とは?

特定外来生物法は『指定外来生物』の飼育を禁止しています。アライグマやカミツキガメは『指定外来生物』に該当するため、飼育は原則禁止です(許可があれば可能ですが、許可基準は厳格です)

 

一方、ワニは『指定外来生物』ではありませんので、特定外来生物法では飼育は禁止されません

 

だからといってワニを自由に飼育できるということではありません。ワニは、動物愛護管理法で人に危害を加える恐れのある特定動物とされています。

 

なので、やはり飼育には当局許可が必要です(ただ、許可基準は特定外来生物よりは緩やかなようです)。

 

特定外来生物等一覧

 

罰金は1億円以下?法人と個人で違う罰則

特定外来生物法では、飼育の他に、輸入・販売・放出といった行為も禁止されています。違反した者には、以下のような罰則が科せられます。

 

罰則

行為の内容

個人

法人

愛玩(ペット)目的に無許可で飼育した

100万円以下の罰金または1年以下の懲役

5,000万円以下の罰金

販売を目的に無許可で飼育した

300万円以下の罰金または3年以下の罰金

1億以下の罰金

許可を得る際に不正を行った

300万円以下の罰金または3年以下の懲役

1億円以下の罰金

無許可で動物を放出した

300万円以下の罰金または3年以下の懲役

1億円以下の罰金

無許可で輸入した

300万円以下の罰金または3年以下の懲役

1億円以下の罰金

無許可で輸入した(未判定外来生物の場合)

100万円以下の罰金または1年以下の懲役

5,000万円以下の罰金

許可されていない者への販売や譲渡した

300万円以下の罰金または3年以下の懲役

1億円以下の罰金

 

また、状況によってはさらに重くなるかもしれません。実際に外来生物法に違反し逮捕されている人もいますので、興味があればご覧ください(外来生物法違反事例(平成19~24年)|環境省)。

 

危険性があるペットの飼育は許可が必要

上記にも記載のとおり、人に危害を及ぼすおそれのある動物(ワニ、ゾウなど)の飼育は、動物愛護管理法に基づき当局の許可が必要です。許可なく飼育することは禁止されます

 

許可を得るためには一定の飼育環境の基準をクリアしないといけませんので容易ではないでしょう。また、このような動物を飼育するにあたり、以下のような行為をした場合、罰則が設けられています。

 

  • 無許可で特定動物を飼養したり、保管したりする
  • 不正を行い、許可を受ける
  • 許可なく、以下の行為をする
    • 特定動物の種類や数を増やす
    • 飼養施設の所在地を変更する
    • 飼養施設の構造および規模を変更する
    • 飼養環境や保管の方法を変更する

 

違法した者には、100万円以下の罰金または6ヶ月以下の懲役が科せられる可能性があります。また、法人でこのような違反をした場合、5,000万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

 

また、なかにはワシントン条約などその他の法令で輸入禁止とされているケースもあります。なので、個人がペットとして飼育するのは、難しいのが現実です。

 

まとめ

外来生物は、日本で見かけることがなく、「飼いたい!」と思ってしまうこともあるでしょう。しかし、本来生息していない地での飼育は難しい上に、その動物にとってもストレスを与えてしまう結果になります。

 

日本の固有種を守るためにも、ご自身の欲求だけで動物を飼育するのはやめましょう。

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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