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東京スタートアップ法律事務所 銀座本店
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〒104-0061 東京都中央区銀座1丁目13−1 ヒューリック銀座一丁目ビル 7階 |
|---|---|
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| 営業時間 |
平日:06:30〜22:00 土曜:06:30〜22:00 日曜:06:30〜22:00 祝日:06:30〜22:00 |
板倉総合法律事務所
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〒105-0003 東京都港区西新橋1-21-8弁護士ビル408 |
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平日:00:00〜23:59 土曜:00:00〜23:59 日曜:00:00〜23:59 祝日:00:00〜23:59 |
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東京スタートアップ法律事務所 横浜支店
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平日:06:30〜22:00 土曜:06:30〜22:00 日曜:06:30〜22:00 祝日:06:30〜22:00 |
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SNSお金配り詐欺に引っかかりました
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東京で利用できる公的な相談窓口
| 窓口 | 連絡先 | 内容 |
|---|---|---|
| 東京三弁護士会 当番弁護士センター | 03-3580-0082 | 都内の警察署で逮捕・勾留されている人のもとへ弁護士が接見に行きます。1回目の接見は無料です。家族から依頼することもできます。年中無休、10時30分から17時まで。 |
| 霞が関法律相談センター | 03-3581-1511 | 東京三弁護士会が共同で運営する相談窓口です。予約制で、電話受付は平日9時30分から16時30分まで。一般相談の費用は30分5,500円です。 |
| 東京都立精神保健福祉センター こころの電話相談 | 03-3844-2212 | 平日9時から17時まで。中部総合は03-3302-7711、多摩総合は042-371-5560です。家族からの相談も受け付けています。 |
| 法テラス東京 | 0570-078301 | 新宿区西新宿にあります。電話受付は平日9時から17時まで。収入と資産が基準以下であれば、弁護士費用の立替制度を利用できる場合があります。 |
| 法テラス多摩 | 0570-078305 | 立川市曙町にある法テラス東京の支部です。受付は平日9時から17時までで、多摩地域の事件はこちらで相談できます。 |
出典:東京弁護士会「弁護士を呼ぼう(当番弁護士)」、東京都福祉局「精神保健福祉相談」、法テラス「法テラス東京」
東京で殺人の容疑で逮捕されたらどうなる?
殺人罪は死刑または無期もしくは5年以上の拘禁刑で、刑法のなかで最も重い部類の罪です。既遂には公訴時効がありません。起訴されれば裁判員裁判となり、市民から選ばれた裁判員が審理に加わります。令和7年に全国で裁判員裁判に付された822人のうち殺人が201人で最多、東京地方裁判所の本庁だけで134人と全国で最も多く扱っています。
いまの状況別・最初にすること
- 家族が逮捕された
- 東京三弁護士会の当番弁護士センター(03-3580-0082、年中無休10時30分から17時)へ電話してください。1回目の接見は無料です。この罪は接見禁止が付き、家族は面会できません。
- 殺意はなかったと考えている
- 殺人か傷害致死かで法定刑がまったく違います。当時の状況をどう説明するかが結論を分けます。取調べの前に弁護士へ相談してください。
- 本人に精神的な不調があった
- 責任能力が争点になる可能性があります。通院歴や服薬の記録を、そのまま弁護士へ渡してください。鑑定が行われる場合の進み方も説明を受けられます。
- 家庭内の事情が背景にある
- 全国では既遂の52.9%が親族間の事件です。介護や暴力の経緯がある場合、その事情は量刑を判断するときに示せます。経緯を整理して伝えてください。
東京の刑事手続きに関わる機関
| 機関 | 場所 | 扱う区域 |
|---|---|---|
| 警察署 | 都内102署 | 事件を扱った署に身柄が置かれます |
| 東京地方検察庁 | 千代田区霞が関 | 23区・島しょの事件。多摩地域は立川支部 |
| 東京地方裁判所 | 千代田区霞が関 | 23区・島しょの事件。裁判員裁判の新受人員は全国最多 |
| 東京地方裁判所立川支部 | 立川市緑町 | 多摩地域26市3町1村の事件 |
| 東京拘置所 | 葛飾区小菅 | 起訴後に移送されます |
出典:最高裁判所「令和7年における裁判員裁判の実施状況等に関する資料」
殺人罪で問われる刑罰
都内で令和7年に認知された110件も、この条文で扱われます。
| 罪名 | 条文 | 法定刑 | 公訴時効 |
|---|---|---|---|
| 殺人 | 刑法第199条 | 死刑または無期もしくは5年以上の拘禁刑 | なし |
| 殺人未遂 | 刑法第203条 | 処罰されます(減軽が認められることがあります) | 25年 |
| 自殺関与・同意殺人 | 刑法第202条 | 6か月以上7年以下の拘禁刑 | 10年 |
| 殺人予備 | 刑法第201条 | 2年以下の拘禁刑(情状により免除できます) | 3年 |
殺人既遂の公訴時効は、平成22年の改正で廃止されました。ほかの年数は刑事訴訟法第250条への当てはめによります。
何年前の事件であっても、殺人既遂であれば起訴できます。未遂の場合は25年です。時間が経ってから捜査が始まることがあるのは、この罪の特徴です。
殺人と傷害致死の分かれ目
人が亡くなった事件でも、殺意があったかどうかで問われる罪が変わります。殺意がなければ傷害致死(刑法第205条・3年以上の有期拘禁刑)です。死刑や無期が選択肢に入るかどうかが変わるため、最も大きな争点になります。
殺意は、本人が「殺すつもりはなかった」と述べただけでは否定されません。凶器の種類、刺した部位と回数、力の入れ方、その後の行動といった客観的な事実から判断されます。当時の状況をどう説明するかが結論を分けるため、取調べの前に弁護士と整理してください。一度署名した調書を後から訂正するのは簡単ではありません。
制度の参考:e-Gov法令検索「刑法」第199条〜第203条・第205条、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第250条
既遂に公訴時効がない理由と、未遂の25年
公訴時効の年数は、刑事訴訟法第250条が2つの項に分けて定めています。第1項は「人を死亡させた罪であって拘禁刑に当たるもの」、第2項は「人を死亡させた罪であって拘禁刑以上の刑に当たるもの以外」を対象にしています。殺人既遂は、人を死亡させた罪であり、かつ死刑に当たる罪です。そのため第1項にも第2項にも入りません。条文の当てはまる先がないことが、時効がない理由です。
| 罪名 | 当てはまる条文 | 公訴時効 |
|---|---|---|
| 殺人(既遂) | 第250条第1項・第2項のいずれにも当たりません | なし |
| 殺人未遂 | 第250条第2項第1号(死刑に当たる罪) | 25年 |
| 自殺関与・同意殺人 | 第250条第2項第3号(長期15年以上の拘禁刑) | 10年 |
| 殺人予備 | 第250条第2項第6号(長期5年未満の拘禁刑) | 3年 |
| 参考:傷害致死 | 第250条第1項第2号(長期20年の拘禁刑) | 20年 |
未遂は人が死亡していないため第2項で判断され、死刑に当たる罪として25年になります。
時効を廃止したのは、平成22年4月27日に公布・施行された法律第26号です。この改正には、施行の際にすでに時効が完成している罪には適用しない(附則第3条第1項)、施行の際に時効が完成していないものには適用する(同条第2項)という定めが置かれました。施行の時点で時効が進行中だった事件は、そこから時効がなくなります。すでに完成していた事件が復活することはありません。平成22年より前に起きた事件の見通しは、この2つの項のどちらに入るかで決まります。
数えはじめるのは、犯罪行為が終わった時です(同法第253条第1項)。共犯がいる場合は、最後の一人の行為が終わった時から共犯全員について進みはじめます(同条第2項)。さらに、犯人が国外にいる期間と、逃げ隠れているために起訴状の謄本を届けられなかった期間は進行が停止し(同法第255条第1項)、共犯の一人に公訴が提起されればその効力は他の共犯にも及びます(同法第254条)。未遂や予備として扱われる事件で、当時どこにいたのかは時効の計算に直結します。事件後に都外や国外で暮らした期間があるなら、その時期を弁護士へ伝えてください。
刑事の時効とは別に、遺族からの損害賠償請求にも期限があります。民法第724条は損害と加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年と定めていますが、人の生命を害する不法行為は同法第724条の2により3年の部分が5年に延びます。刑事の手続きが長期化しても民事の請求権が先に消えるとは限りません。賠償の見通しと支払いの順序を、刑事弁護と同時に弁護士へ組み立ててもらってください。
都内では令和7年に殺人110件が認知されています。警視庁は時効のない既遂事件について、捜査本部を解散したあとも資料を保管して捜査を続けます。何年も前の事件で連絡が来た場合でも、期間の経過だけを理由に手続きが終わることはありません。当時の状況を自分の記憶だけで説明する前に、弁護士へ相談してください。
制度の参考:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第250条・第253条・第254条・第255条、e-Gov法令検索「民法」第724条・第724条の2、e-Gov法令検索「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律」(平成22年法律第26号)附則第3条
処分と判決の実像
都内の事件も、東京地方検察庁が全国と同じ枠組みで判断します。令和6年に全国の検察庁が殺人(殺人予備を含む)として処理した964人のうち、起訴は258人、不起訴は552人でした。起訴された258人は全員が公判請求です。
| 令和6年の処理(殺人・殺人予備) | 人数 |
|---|---|
| 既済 総数 | 964人 |
| 起訴(全件公判請求) | 258人 |
| 不起訴 | 552人 |
| うち嫌疑不十分 | 236人 |
| うち嫌疑なし | 106人 |
| うち心神喪失 | 55人 |
| うち起訴猶予 | 38人 |
| 家庭裁判所へ送致 | 20人 |
起訴率は31.9%です(算出)。心神喪失を理由とする不起訴は、不起訴全体の10.0%にあたります。
判決の内訳
令和6年に地方裁判所で殺人の判決を受けた207人の内訳は次のとおりです。
| 言い渡された刑 | 人員 |
|---|---|
| 死刑 | 2人 |
| 無期 | 5人 |
| 25年超30年以下 | 9人 |
| 20年超25年以下 | 8人 |
| 15年超20年以下 | 34人 |
| 10年超15年以下 | 29人 |
| 7年超10年以下 | 28人 |
| 5年超7年以下 | 22人 |
| 3年超5年以下 | 18人 |
| 2年以上3年以下(実刑) | 4人 |
| 2年以上3年以下(全部執行猶予) | 48人 |
| 総数 | 207人 |
実刑は159人(76.8%)、全部執行猶予は48人(23.2%)です(算出)。執行猶予が付いた48人は、全員が2年以上3年以下の刑期でした。
執行猶予が付いた事案が48人ある一方、その全員が2年以上3年以下という短い刑期です。殺人罪の法定刑の下限は5年ですが、未遂であること、自首したこと、介護や暴力といった背景があることなどから減軽が重なると、3年以下の言渡しとなり執行猶予の枠に入ります。
出典:法務省「検察統計調査」令和6年年報 表24-00-08、法務省「令和7年版犯罪白書」資料2-3
裁判員裁判で審理される
殺人は、裁判員法第2条第1項第1号の「死刑又は無期拘禁刑に当たる罪に係る事件」にあたり、裁判員裁判の対象です。裁判官3人と裁判員6人で審理し、有罪かどうかと量刑の両方を判断します。
| 項目 | 令和7年の実績(全国) |
|---|---|
| 裁判員裁判の新受人員 | 822人 |
| うち殺人 | 201人(最多) |
| 東京地方裁判所 本庁の新受人員 | 134人(全国最多) |
| 立川支部 | 14人 |
| 平均審理期間 | 14.0か月 |
| うち公判前整理手続 | 11.6か月 |
| 殺人の平均審理期間 | 13.9か月(自白10.8か月/否認16.8か月) |
| 平均実審理期間 | 15.2日 |
| 平均開廷回数 | 5.3回 |
都内の裁判員裁判は本庁と立川支部を合わせて148人で、全国822人の18.0%を占めます(算出)。
審理が始まるまでに1年近くかかります。公判前整理手続で争点と証拠を絞り込む期間が平均11.6か月あり、審理期間全体の82.9%を占めます。否認する事件では16.8か月と、さらに長くなります。この間、身柄は拘束されたままであることがほとんどです。
裁判員裁判では、市民が見て分かる形で主張を組み立てる必要があります。書面中心の審理ではなく、法廷でどう説明できたかが判断の土台になります。裁判員裁判を担当した経験のある弁護士に依頼してください。公判前整理手続の段階から、何を争点にするかが決まっていきます。
制度の参考:e-Gov法令検索「裁判員法」第2条、出典:最高裁判所「令和7年における裁判員裁判の実施状況等に関する資料」
責任能力が争点になる場合
都内の事件でも判断の枠組みは同じです。刑法第39条は「心神喪失者の行為は、罰しない」「心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する」と定めています。令和6年に殺人で不起訴となった552人のうち、55人は心神喪失を理由とするものでした。
責任能力が問題になる事件では、精神状態を調べるために鑑定留置が行われることがあります。裁判所が期間を定めて病院などに留置する手続きで(刑事訴訟法第167条)、この期間は未決勾留日数に算入されます。
医療観察法による処遇
心神喪失または心神耗弱の状態で重大な他害行為を行い、不起訴処分となった場合や、無罪・刑を減軽する裁判が確定した場合には、医療観察法による処遇の対象になります。殺人(刑法第199条)、自殺関与・同意殺人(第202条)、殺人未遂(第203条)はいずれも対象行為です。
| 決定 | 内容 |
|---|---|
| 入院決定 | 指定入院医療機関で専門的な医療を受けます。保護観察所が退院後の生活環境を調整します。 |
| 通院決定 | 原則3年間、指定通院医療機関の医療を受けながら、保護観察所による精神保健観察に付されます。 |
検察官が地方裁判所へ申立てを行い、裁判所が決定します。保護観察所には社会復帰調整官が配置されています。平成17年7月15日施行の制度です。
不起訴になっても、そこで終わりではありません。医療観察法の手続きへ移り、入院や通院の決定を受けることがあります。通院歴や服薬の記録は、責任能力の判断にも処遇の決定にも関わります。そのまま弁護士へ渡してください。
制度の参考:e-Gov法令検索「刑法」第39条、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第167条、e-Gov法令検索「医療観察法」第2条、出典:法務省「医療観察制度」
殺意を否認する場合に知っておくこと
この罪で争点になるのは、多くの場合「殺意があったかどうか」です。殺人か傷害致死かで、死刑や無期が選択肢に入るかが変わります。争う中身が殺意であっても、責任能力であっても、取調べで何を話すかは自分で選べます。令和7年の裁判員裁判で、殺人の平均審理期間は自白事件で10.8か月、否認事件で16.8か月でした。否認すると審理は長くなりますが、その期間は主張を組み立てるための時間でもあります。
取調べで話すことと黙ることは自分で決められる
取調べが始まる前に、捜査機関は自分の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければなりません(刑事訴訟法第198条第2項)。起訴されたあとの法廷でも、被告人は終始沈黙し、個々の質問に対して供述を拒めます(同法第311条第1項)。黙ったこと自体を不利な証拠として扱うことはできません。
殺意は、本人の言葉だけで決まるものではありません。凶器の種類、刺した部位と回数、力の入れ方、その後の行動といった客観的な事実から判断されます。そのため、記憶があいまいなところを推測で埋めた供述は、あとから出てくる客観的な資料と食い違います。どこまで話し、どこから答えないかを、取調べが始まる前に弁護士と決めておいてください。
調書に署名押印しない選択ができる
供述を録取した調書は、本人に閲覧させるか読み聞かせて、誤りがないかを問わなければならないと定められています(同法第198条第4項)。読み上げられた内容が自分の説明と違うときは増減変更の申立てができ、申し立てた内容は調書に記載しなければならないとされています。
そのうえで同条第5項は「これに署名押印することを求めることができる。但し、これを拒絶した場合は、この限りでない」と定めています。署名押印は求められるだけで、義務ではありません。「殺すつもりだった」と読める一文が残れば、公判前整理手続の入口から争点の立て方が変わります。内容に納得できないときは署名せずに、そのやり取りを接見に来た弁護士へ伝えてください。
殺人の取調べは録音・録画の対象になる
取調べの録音・録画は、刑事訴訟法第301条の2第1項が挙げる事件で義務づけられています。第1号は死刑または無期拘禁刑に当たる罪、第2号は短期1年以上の拘禁刑に当たる罪で故意の犯罪行為により被害者を死亡させたもので、この2つが裁判員裁判の対象事件です。殺人は第1号に、傷害致死は第2号に当たります。いずれも記録が残ります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 記録の方法 | 逮捕・勾留中の被疑者を取り調べるときは、録音と録画を同時に行う方法で記録しなければなりません(第301条の2第4項) |
| 記録媒体の取調べ請求 | 不利益な事実の承認を内容とする調書について、任意性に疑いがあるとして異議を述べたときは、検察官は記録媒体の取調べを請求しなければなりません(第1項) |
| 請求しない場合 | 裁判所はその書面の取調べ請求を却下しなければなりません(第2項) |
| 例外 | 機器の故障その他やむを得ない事情/本人が記録を拒んだ等により十分な供述ができないと認めるとき/指定暴力団の構成員による犯罪/加害や畏怖のおそれで十分な供述ができないと認めるとき |
映像が残るということは、どのような聞かれ方をしたのかも、どのような表情で答えたのかも法廷に出せるということです。取調べで強い口調を向けられたと感じたら、日時と担当者を接見のたびに弁護士へ伝えてください。記録媒体の取調べを請求するかどうかの判断材料になります。
弁護士とは立会人なしで会える
身体を拘束されている被疑者は、弁護人または弁護人になろうとする人と、立会人なしで接見できます(同法第39条第1項)。捜査機関は、捜査のため必要があるときに限り、起訴される前の段階で接見の日時や時間を指定できますが、その指定は防禦の準備をする権利を不当に制限するものであってはならないと条文に明記されています(同条第3項)。
この罪では接見禁止が付き、家族は面会できません。都内には102の警察署があり、起訴後は葛飾区小菅の東京拘置所へ移ります。多摩地域の署に身柄が置かれた場合は、霞が関周辺の事務所から通う時間も計算に入ります。接見の頻度をどれくらい確保できるかを、依頼する前に弁護士へ聞いてください。家族と本人をつなぐ経路は、そこだけです。
制度の参考:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第39条・第198条・第301条の2・第311条、e-Gov法令検索「日本国憲法」第34条・第38条
親族間の事件が半数を占める
全国で令和7年に検挙された殺人事件を、被疑者から見た被害者との関係で見ると、既遂240件のうち127件(52.9%)が親族間でした。未遂では661件のうち272件(41.2%)です。
| 被害者との関係 | 既遂の検挙件数 | 未遂の検挙件数 |
|---|---|---|
| 総数 | 240件 | 661件 |
| 親族 | 127件(52.9%) | 272件(41.2%) |
| うち親 | 43件 | 93件 |
| うち配偶者 | 35件 | 76件 |
| うち子 | 31件 | 52件 |
| うち兄弟姉妹 | 13件 | 36件 |
| 交際相手 | 19件 | 78件 |
| 知人・友人 | 35件 | 92件 |
| 職場関係者 | 10件 | 45件 |
| 面識なし | 19件 | 124件 |
警察庁の公表値で、解決事件を除いた数値です。関係は被疑者から見た被害者との関係です。割合は算出しています。都内だけの内訳は公表されていません。
面識のない相手への事件は、既遂で19件(全体の7.9%)にとどまります。多くは、介護、生活の困窮、長年の暴力といった背景を抱えた家庭のなかで起きています。そうした経緯は、量刑を判断するときに示せる事情です。何があったのかを、時系列で弁護士へ伝えてください。
出典:警察庁「令和7年の刑法犯に関する統計資料」図表2-1-1-3
起訴されたあとの保釈は第90条の裁量で判断される
勾留されたまま起訴されると、身柄の拘束はそのまま続きます。ここから外に出る手段が保釈です。保釈を請求できるのは、起訴されたあとだけです。刑事訴訟法第88条第1項は請求できる人を「勾留されている被告人」とその弁護人・法定代理人・保佐人・配偶者・直系の親族・兄弟姉妹に限っており、同法第207条第1項ただし書も、勾留を決める裁判官の権限から保釈を明文で外しています。起訴される前の段階で保釈を求めることはできません。
殺人の裁判は、公判前整理手続だけで平均11.6か月、審理期間全体で13.9か月かかります。東京地方裁判所の本庁は裁判員裁判の新受人員が134人と全国で最も多く、立川支部を合わせると都内で148人です。判決までの1年前後を東京拘置所で過ごすか、自宅から通うかで、家族の生活と防御の準備の進み方が変わります。
権利保釈の枠から最初に外れる
刑事訴訟法第89条は「保釈の請求があつたときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない」と定めています。これを権利保釈といいます。殺人は死刑または無期もしくは5年以上の拘禁刑で、短期5年にあたるため、第1号(死刑・無期・短期1年以上の拘禁刑に当たる罪)に当たります。つまり、請求しても権利として認められる枠には最初から入りません。
| 除外事由 | 内容 | 殺人事件での当たり方 |
|---|---|---|
| 第89条第1号 | 死刑・無期・短期1年以上の拘禁刑に当たる罪 | 該当します(短期5年)。殺人未遂も同じ条文の罪です |
| 第89条第2号 | 前に死刑・無期・長期10年を超える拘禁刑に当たる罪で有罪の宣告を受けたことがある | 重い前科があると重ねて当たります |
| 第89条第3号 | 常習として長期3年以上の拘禁刑に当たる罪を犯した | 通常は問題になりません |
| 第89条第4号 | 罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある | 凶器や現場の状況、目撃者への働きかけが問題になります |
| 第89条第5号 | 被害者や事件関係者、その親族に害を加えたり畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由がある | 親族間の事件では、遺族が同居の家族であることがあります |
| 第89条第6号 | 氏名または住居が分からない | 住居が定まっていないと当たります |
第1号に当たるため、判断は第90条の裁量保釈に移ります。条文は、逃亡や罪証隠滅のおそれの程度に加えて、身体の拘束が続くことで被告人が受ける健康上・経済上・社会生活上・防御の準備上の不利益の程度その他の事情を考慮し、適当と認めるときは職権で保釈を許せると定めています。令和6年に全国の地方裁判所で殺人の判決を受けた207人のうち、48人には全部執行猶予が付いています。介護の負担、長年受けてきた暴力、治療中の病気といった事情は、この第90条で示す材料です。診断書、通院の記録、家族の収入が分かるもの、住まいを移せる先の資料を弁護士へ渡してください。
審理が長期化した場合には、第91条も使えます。勾留による拘禁が不当に長くなったときは、裁判所は請求または職権で保釈を許さなければならないと定められています。公判前整理手続が想定より延びているなら、その経過を弁護士に整理してもらってください。
保証金はいくらかかるか
保釈が許されるときは、裁判所が保証金額を定めます(第93条第1項)。金額は犯罪の性質と情状、証拠の証明力、被告人の性格と資産を考慮して、出頭を保証するに足りる相当な金額とされています(同条第2項)。金額の分布や平均額を示した公的な統計はありません。裁判所も法務省も保釈保証金の額を集計して公表していないため、事件ごとに裁判所が個別に決めるものとして受け止めてください。同条第3項により、住居の制限などの条件が付くこともあります。
保証金は、判決が確定して手続きが終われば戻ります。一方、召喚に正当な理由なく応じない、逃亡する、罪証を隠滅する、被害者や関係者に働きかける、報告義務に違反する、条件に違反するといった場合は保釈が取り消され、保証金の全部または一部が没取されます(第96条第1項・第2項)。拘禁刑以上の実刑判決を言い渡されたあとに逃亡したときは、取消しも没取も裁判所の裁量ではなくなります(同条第4項・第5項)。
令和5年の改正で加わった仕組み
令和5年の改正で、保釈中の監督を強める規定が入りました。裁判所は、保釈された被告人に住居・労働・通学の状況や身分関係の報告を命じることができます(第95条の4)。あわせて、適当と認める人を本人の同意を得て監督者に選任し、監督保証金を納めさせる制度も設けられています(第98条の4)。親族が監督者を引き受けられるかどうかを、弁護士に確認してもらってください。裁量保釈を求めるときに、逃亡のおそれが小さいことを示す形が一つ増えます。
起訴される前に使えるのは勾留の執行停止
起訴前でも、勾留の執行を一時的に止める制度はあります(第95条)。保釈とは仕組みが違います。
| 保釈 | 勾留の執行停止 | |
|---|---|---|
| 使える時期 | 起訴されたあと | 起訴される前でも使える |
| 誰が動かすか | 本人・弁護人・家族の請求、または職権 | 裁判所の職権のみ(請求の規定がない) |
| 保証金 | 必要 | 不要 |
| 中身 | 勾留の効力を残したまま釈放 | 親族や保護団体などに委託、または住居を制限して執行を停止 |
| 期間 | 判決が確定するまで | 日時を区切って指定される |
勾留の執行停止は保証金が要らない一方で、本人や家族から請求する規定がなく、裁判所が職権で決めます。親族間の事件では、被害者の葬儀や法要と日程が重なることがあります。参列の必要があるなら、日時と場所が分かる書面を弁護士へ渡して、裁判所へ上申してもらってください。起訴前に身柄を争う手段としては、ほかに勾留の取消請求(第87条)や準抗告(第429条第1項第2号)もあります。
東京ではどれくらい保釈されているか
最高裁判所の司法統計年報によると、令和7年に全国の地方裁判所で第一審が終わった被告人のうち勾留されていたのは35,125人で、このうち保釈保証金を納めて実際に釈放されたのは11,132人でした。東京地方裁判所管内では、勾留された5,866人のうち1,947人です。
| 第一審が終わった被告人 | 令和5年 | 令和6年 | 令和7年 |
|---|---|---|---|
| 全国の地方裁判所・勾留された人員 | 31,947人 | 33,947人 | 35,125人 |
| うち保釈された人員 | 10,185人 | 10,956人 | 11,132人 |
| 東京地裁管内・勾留された人員 | 5,117人 | 5,603人 | 5,866人 |
| うち保釈された人員 | 1,744人 | 1,820人 | 1,947人 |
東京地裁管内の数字は、東京地方裁判所の本庁・支部に管内の簡易裁判所を含めた合計です。地方裁判所だけの内訳は公表されていません。司法統計年報が公表しているのは人員のみで、保釈率という指標は統計表に載っていません。罪名別の内訳も公表されていないため、この数字は殺人事件だけのものではありません。
公表されているのは全体の人員だけで、殺人の保釈がどれくらい認められているかを示す統計はありません。数字の平均ではなく、第90条で示せる事情をどれだけ積み上げられるかが判断の中身になります。起訴の連絡を受けたら、その日のうちに弁護士へ保釈請求の準備を頼んでください。公判前整理手続が始まると、本人と打ち合わせられる時間の確保がそのまま防御の準備に直結します。
制度の参考:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第87条・第88条・第89条・第90条・第91条・第93条・第95条・第95条の4・第96条・第98条の4・第207条・第429条、出典:最高裁判所事務総局「令和7年 司法統計年報 2 刑事編」第32表、法務省「令和7年版犯罪白書」第2編第3章第3節6「勾留と保釈」
殺人事件で弁護士に依頼できること
この罪では、起訴されることを前提に、判決までの長い期間をどう使うかが問われます。公判前整理手続だけで平均11.6か月かかります。都内では事件を扱った警察署に身柄が置かれ、起訴後は葛飾区小菅の東京拘置所へ移ります。
殺意の有無を争う
殺人か傷害致死かで、死刑や無期が選択肢に入るかが変わります。凶器、部位、回数、その後の行動から、どう評価されるかを検討します。
責任能力について主張する
通院歴や当時の状態を整理し、鑑定が必要かを検討します。心神喪失が認められれば罰せられず、心神耗弱なら刑が減軽されます。
背景となる事情を示す
介護の負担、長年受けてきた暴力、生活の困窮といった経緯を資料にまとめます。執行猶予が付いた48人は、いずれも減軽が重なった事案です。
接見して本人と方針を決める
この罪では接見禁止が付き、家族は面会できません。弁護士だけは制限を受けずに会えます。
遺族への謝罪と賠償を進める
受け入れられるとは限りませんが、働きかけた記録は量刑を判断するときに残ります。
外国籍の人が殺人で有罪になったときの在留資格
殺人は、有罪になると在留資格を失う罪です。出入国管理及び難民認定法(入管法)第24条第4号の2は、技術・人文知識・国際業務、留学、技能実習など別表第一の在留資格で在留している人が、刑法第2編第26章(殺人の罪)の罪により拘禁刑に処せられた場合を退去強制事由として挙げています。殺人、殺人未遂、自殺関与・同意殺人、殺人予備は、いずれも第26章に置かれた条文です。この号には執行猶予を除く定めがありません。執行猶予がついても退去強制の対象になります。
永住者や日本人の配偶者など別表第二の在留資格の場合は、第24条第4号リが基準です。こちらは無期または1年を超える拘禁刑に処せられた者が対象で、ただし書により刑の全部の執行猶予を受けた場合は除かれます。ただし、令和6年に全国の地方裁判所で殺人の判決を受けた207人のうち、159人(76.8%)は実刑でした。実刑となれば、別表第二の在留資格でも第4号リに当たります。
| 在留資格 | 根拠 | 殺人で有罪になった場合 |
|---|---|---|
| 別表第一 技術・人文知識・国際業務/留学/技能実習/技能 など | 第24条第4号の2 | 拘禁刑に処せられれば退去強制。執行猶予がついても対象になります |
| 別表第二 永住者/日本人の配偶者等/永住者の配偶者等/定住者 | 第24条第4号リ | 無期または1年を超える拘禁刑で退去強制。刑の全部の執行猶予は除かれます |
第24条第4号の2は、殺人の罪のほか、傷害、窃盗、強盗、詐欺、恐喝、住居侵入、逮捕監禁、略取誘拐、賭博、文書偽造などを対象に挙げています。横領・背任と性犯罪はこの号に入っておらず、第24条第4号リで判断されます。
退去強制になると、その後の入国も制限されます。入管法第5条第1項第9号は、退去強制された人の上陸拒否期間を、退去強制の回数と時期に応じて1年・5年・10年と定めています。別表第一の在留資格で第4号の2と同じ罪により拘禁刑の判決の宣告を受け、出国後に判決が確定した場合は、確定の日から5年を経過するまで上陸が拒否されます(同項第9号の2)。刑に処せられた事実は、同項第4号(1年以上の拘禁刑に処せられたことのある者)としても残ります。
身柄を拘束されている期間そのものにも影響があります。入管法第22条の4第6号は、別表第一の在留資格でその在留資格の活動を継続して3か月以上行わないで在留していることを在留資格の取消事由としています。殺人の裁判は判決まで1年前後かかり、その間の勾留で就労も通学も止まります。正当な理由があると認められる場合は除かれるため、勾留されている事情を入管へどう説明するかを、刑事事件の弁護と並行して決めてください。
刑事手続と入管手続はつながっています。入管法第62条第2項は、国や地方公共団体の職員に対し、職務を行うなかで退去強制事由に当たると思われる外国人を知ったときの通報を義務づけています。同条第3項は、刑事施設の長が刑期満了などで釈放するときに直ちに通報しなければならないと定めています。刑期を終えた日に手続きが始まるのではなく、その時点で入管へ引き継がれます。
退去強制事由に当たる場合でも、法務大臣が在留を特別に許可する制度があります(第50条)。ただし1年を超える拘禁刑に処せられた者は、同条第1項ただし書により、在留を許可しないことが人道上の配慮に欠けると認められる特別の事情があると認めるときに限って許可される枠へ移ります。さらに退去強制令書が発付されたあとは申請できません(同条第3項)。判断の考え方は「在留特別許可に係るガイドライン」(令和6年3月改定・令和6年6月10日から運用)に示され、第50条第5項の考慮事情ごとに評価の枠組みが定められています。判決が確定する前の段階で、入管手続きを扱える弁護士へつないでもらってください。令書が出てからでは申請の道が閉じます。
出入国在留管理庁の集計では、令和7年の入管法違反事件18,442人のうち、刑罰法令違反を主たる違反事由とするものは503人でした。前年の384人から増えています。入管庁は違反事由を「刑罰法令違反」として一括で集計しており、罪名別の内訳は公表していません。
都内の事件であれば、窓口は東京出入国在留管理局(東京都港区港南5-5-30/0570-034259)です。東京都のほか埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬・山梨・長野・新潟と、横浜支局が担当する神奈川を合わせた1都9県を管轄しています。窓口の受付は平日9時から16時までです。被収容者との面会の受付は、8時40分から11時までと12時40分から16時までとなっています。在留手続きの一般的な相談は外国人在留総合インフォメーションセンター(0570-013904)が平日8時30分から17時15分まで、日本語・英語・中国語・韓国語・スペイン語・ポルトガル語・ベトナム語・ネパール語・タイ語・ミャンマー語・シンハラ語の11言語で受け付けています。
制度の参考:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」第5条・第22条の4・第24条・第50条・第62条、出典:出入国在留管理庁「在留特別許可に係るガイドライン」(令和6年3月)、出入国在留管理庁「令和7年における入管法違反事件について」図表2、出入国在留管理庁「東京出入国在留管理局」
東京で殺人事件に対応する弁護士の選び方
殺人は裁判員裁判で審理されます。次の5つを確認すれば、この事件を任せられる事務所を絞り込めます。
東京で弁護士を選ぶときの確認点
- 裁判員裁判を担当した経験があるか
- 連絡した当日に、身柄がある警察署まで接見へ向かえるか
- 責任能力を争った経験があるか(精神鑑定への対応)
- 公判前整理手続が長期化することを前提に、費用を説明できるか
- 接見禁止の一部解除を申し立てた経験があるか
裁判員裁判の経験がある
裁判員裁判では、市民が見て分かる形で主張を組み立てる必要があります。書面中心の審理ではなく、法廷でどう説明できたかが判断の土台になります。東京地方裁判所の本庁は令和7年に134人と全国で最も多く裁判員裁判を扱っており、この裁判所での経験がある事務所であれば、進行を踏まえた準備ができます。
長期の身柄拘束に対応できる
平均審理期間は14.0か月で、否認する事件では16.8か月になります。この間、本人は拘束されたままです。接見禁止が付けば家族は面会できません。定期的に接見し、家族との連絡を担える体制があるかを確認しましょう。警視庁には102の警察署があり、事件を扱った署に身柄が置かれます。起訴後は葛飾区小菅の東京拘置所へ移ります。
当番弁護士・国選弁護人との違いを理解して選ぶ
逮捕された直後に呼べるのは当番弁護士です。東京三弁護士会に依頼すれば弁護士が接見に来て、1回目の接見に費用はかかりません。ただし当番弁護士は状況を把握して助言する役割で、その後も活動を続けてもらうには改めて依頼が必要です。国選弁護人は勾留が決まった後、資力が基準に満たない場合に裁判官が選任する制度で、被疑者の側で弁護士を指名することはできません。裁判員裁判の経験で選びたい場合は、私選で依頼する弁護士を選びましょう。
殺人事件の弁護士費用
殺人事件を弁護士に依頼した場合、費用の総額はおよそ150万円から400万円程度が目安です。裁判員裁判は準備期間が長く、公判も連日開かれるため、ほかの事件と比べて大きく上がります。
| 項目 | 内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 相談料 | 弁護士に相談する際にかかる費用 | 30分5,000円〜1万円程度(初回無料の事務所もあります) |
| 着手金 | 依頼する時点で支払う費用 | 80万円〜200万円 |
| 報酬金 | 事件終了時に結果に応じて発生する費用 | 60万円〜180万円 |
| 接見費用・日当 | 留置施設・拘置所での面会、公判への出席 | 1回あたり2万円〜5万円 |
| 実費 | 記録の謄写、鑑定に関する費用、交通費など | 数万円〜数十万円 |
| 総額 | - | 150万円〜400万円程度 |
遺族へ支払う賠償金は弁護士費用とは別に必要です。審理が長期化すれば、接見と出廷の回数に応じて上がります。
費用の準備が難しい場合は、収入と資産が基準以下であれば法テラスの立替制度を利用できることがあります。東京には法テラス東京(新宿区西新宿)と法テラス多摩(立川市曙町)の2か所があります。起訴後は国選弁護人が選任される制度もありますが、弁護士を指名することはできません。
東京の殺人事件の状況
都内では令和7年中に、殺人(嬰児殺・殺人予備・自殺関与を含む区分)で110件が認知され、112件が検挙されました。検挙人員は96人です。
| 区分(認知件数) | 令和5年 | 令和6年 | 令和7年 |
|---|---|---|---|
| 殺人(区分計) | 94件 | 96件 | 110件 |
| 殺人 | 88件 | 94件 | 101件 |
| 嬰児殺 | 1件 | 0件 | 3件 |
| 殺人予備 | 2件 | 1件 | 3件 |
| 自殺関与 | 3件 | 1件 | 3件 |
検挙件数は区分計で112件(殺人単体101件)、検挙人員は96人(殺人単体90人)です。検挙件数が認知件数を上回るのは、前年以前に認知した事件の検挙を含むためです。
警視庁が別に公表する罪種別の集計では、令和7年の殺人は認知107件・検挙108件・検挙人員93人(うち少年8人)で、被殺傷者は93人(死者33人、重傷者23人、軽傷者37人)でした。
ここに挙げた数値は、都内でどれだけの事件が扱われているかを示すものです。個人が受ける処分の見通しを示すものではありません。自分の事件がどう進むかは、殺意の有無、責任能力、背景となる事情、遺族への対応といった個別の事情から決まります。
出典:警視庁「警視庁の統計(令和7年)」第30表・第31表・第34表・第36表
東京の殺人事件でよくある質問
Q1. 殺人罪に時効はありますか?
既遂には公訴時効がありません。平成22年の改正で廃止されました。何年前の事件であっても起訴できます。未遂の場合は25年です。
Q2. 殺すつもりはありませんでした。
殺意がなければ傷害致死(3年以上の有期拘禁刑)です。ただし本人が述べただけでは否定されず、凶器の種類、刺した部位と回数、その後の行動から判断されます。当時の状況をどう説明するかが結論を分けるため、取調べの前に弁護士と整理してください。
Q3. 執行猶予がつく可能性はありますか?
令和6年に地方裁判所で殺人の判決を受けた207人のうち、全部執行猶予は48人(23.2%)でした。全員が2年以上3年以下の刑期です。未遂であること、自首したこと、介護や暴力といった背景があることなどで減軽が重なった事案です。
Q4. 裁判員裁判になりますか?
なります。殺人は死刑または無期拘禁刑に当たる罪として裁判員裁判の対象です。令和7年に全国で新たに受理された822人のうち、殺人が201人で最多でした。東京地方裁判所の本庁は134人と全国で最も多く扱っています。
Q5. 判決まではどのくらいかかりますか?
令和7年の平均審理期間は14.0か月で、殺人では13.9か月(自白10.8か月、否認16.8か月)でした。そのうち公判前整理手続が11.6か月を占めます。この間、身柄は拘束されたままであることがほとんどです。
Q6. 家族が逮捕されました。会えますか?
この罪では接見禁止が付き、家族は勾留中ずっと面会できません。弁護士は制限を受けずに会えます。当番弁護士センター(03-3580-0082)へ連絡して接見に向かってもらいましょう。一部解除が認められることもあります。
Q7. 本人に精神的な不調がありました。
責任能力が争点になる可能性があります。心神喪失が認められれば罰せられず、心神耗弱なら刑が減軽されます(刑法第39条)。令和6年に殺人で不起訴となった552人のうち55人は心神喪失を理由とするものでした。通院歴や服薬の記録をそのまま弁護士へ渡してください。
Q8. 不起訴になれば終わりですか?
心神喪失を理由とする不起訴の場合、医療観察法の手続きへ移ります。検察官が地方裁判所へ申し立て、入院決定または通院決定(原則3年間)を受けることがあります。殺人・殺人未遂・自殺関与はいずれも対象行為です。
Q9. 介護の末の事件です。事情は考慮されますか?
されます。全国では既遂の52.9%が親族間の事件で、介護の負担、長年の暴力、生活の困窮といった背景を抱えた事案が多くを占めます。こうした経緯は量刑を判断するときに示せます。何があったのかを時系列で弁護士へ伝えてください。
Q10. 遺族に謝罪できますか?
受け入れられるとは限りませんが、弁護士を通じて働きかけた記録は、量刑を判断するときに残ります。自分で連絡を試みることは避けてください。連絡はすべて弁護士に任せましょう。
Q11. 未遂でも重いのですか?
殺人未遂も処罰されます(刑法第203条)。ただし減軽が認められることがあり、それが重なれば執行猶予の枠に入ることもあります。令和6年に執行猶予が付いた48人は、いずれも2年以上3年以下の刑期でした。
Q12. 裁判は霞が関と立川のどちらですか?
事件を扱った警察署の所在地によって決まります。23区と島しょ地域の事件は千代田区霞が関の東京地方裁判所、多摩地域の事件は立川市の立川支部です。令和7年の裁判員裁判の新受人員は、本庁134人・立川支部14人でした。
殺人は起訴されれば裁判員裁判となり、判決まで1年以上かかります。初回相談料、夜間・休日の対応、接見に向かえる地域は事務所ごとに異なります。すでに逮捕されているなら、夜間・休日に対応している事務所へすぐ電話してください。1回目の接見は当番弁護士であれば無料です。
参考資料・更新情報
- e-Gov法令検索「刑法」第39条・第199条〜第203条
- e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第167条・第250条
- e-Gov法令検索「医療観察法」
- e-Gov法令検索「裁判員法」第2条
- 最高裁判所「令和7年における裁判員裁判の実施状況等に関する資料」
- 警視庁「警視庁の統計(令和7年)」
- 警察庁「令和7年の刑法犯に関する統計資料」
- 法務省「検察統計調査」令和6年年報
- 法務省「令和7年版犯罪白書」資料2-3
- 法務省「医療観察制度」
- 東京弁護士会「弁護士を呼ぼう(当番弁護士)」
- e-Gov法令検索「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律」(平成22年法律第26号)附則第3条
- e-Gov法令検索「民法」第724条・第724条の2
- e-Gov法令検索「日本国憲法」第34条・第38条
- e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」
- 最高裁判所事務総局「令和7年 司法統計年報 2 刑事編」
- 法務省「令和7年版犯罪白書」第2編第3章第3節6「勾留と保釈」
- 出入国在留管理庁「在留特別許可に係るガイドライン」(令和6年3月)
- 出入国在留管理庁「令和7年における入管法違反事件について」
- 出入国在留管理庁「東京出入国在留管理局」
本ページは2026年9月18日時点の公表情報にもとづいて作成しています。都内の統計は警視庁「警視庁の統計(令和7年)」、裁判員裁判の実績は最高裁判所の令和7年資料、処分と科刑の統計は法務省「検察統計調査」令和6年年報および「令和7年版犯罪白書」、勾留と保釈の人員は最高裁判所「令和7年 司法統計年報 刑事編」第32表、退去強制の人員は出入国在留管理庁「令和7年における入管法違反事件について」を使用しています。刑名は令和7年6月1日施行の拘禁刑に合わせて記載しています。