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岡山県で利用できる公的な相談窓口
逮捕されたら、県内どの署でも当番弁護士は086-223-4401
家族や知人が当番弁護士を頼む先は、岡山弁護士会の代表番号086-223-4401です。代表の受付は平日9時〜16時30分で、夜間・土日・祝日は留守番電話が申込みを受けます。逮捕された本人は、警察官・検察官・裁判官に「当番弁護士を呼んでください」と伝えれば頼めます。
※岡山弁護士会の相談予約専用電話(086-234-5888)は法律相談の予約用で、当番弁護士の申込先ではありません。倉敷弁護士室・津山弁護士室にも当番弁護士の受付番号は設けられていません。
自分の行動を止めたいときの相談先
岡山県警察はストーカーや配偶者暴力の相談を最寄りの警察署で受けており、専用の直通電話はありません。「やめたいのにやめられない」と感じているなら、警告を待たずに次の窓口へ電話してください。相談や受診を続けた記録は、弁護士が再発防止の取り組みとして検察官に示せます。
| 窓口 | 電話 | 内容・受付 |
|---|---|---|
| 岡山県警察総合相談電話 | #9110/086-233-0110 | 警察への相談全般 |
| 県内22署 | 各警察署の代表番号 | ストーカー・配偶者暴力の相談先として県警が案内 |
| おかやま法務少年支援センター(みしま心の相談室・岡山市南区箕島) | 086-281-1112 | 平日9時〜12時15分・13時〜17時。成人の心理相談や問題行動の分析に応じ、電話やオンラインでの相談も可能。相談は無料 |
相手方が相談する窓口
被害を受けている側は、岡山県公安委員会が犯罪被害者等早期援助団体に指定した(公社)被害者サポートセンターおかやま(086-223-5562・月〜土曜10時〜16時)、岡山地方検察庁の被害者ホットライン(086-224-3322)、法テラスの犯罪被害者支援ダイヤル(0120-079714)などに相談できます。相手が窓口に相談したと知っても、事情を確かめようと近づかず、やり取りはすべて弁護士に任せてください。
出典:岡山弁護士会「警察に逮捕されたら」、岡山弁護士会「岡山弁護士会とは?」、岡山県警察「警察の犯罪被害相談窓口」、岡山県警察 人身安全対策課、法務省「おかやま法務少年支援センター(みしま心の相談室)」、岡山県警察「犯罪被害者への支援」、岡山地方検察庁「各種手続・窓口案内」、法テラス「法テラス岡山」
岡山県でストーカー行為を疑われ、警告や呼出しを受けたときに最初にすること
このページは、岡山県内でつきまといや待ち伏せ、拒まれた後の連絡を続けたとして警察から連絡を受けた本人と、逮捕された人の家族に向けて、ストーカー事件の手続きが県内のどこで進むかと、弁護士への頼み方をまとめたものです。恋愛感情とは別の恨みやねたみから同じ相手に嫌がらせを繰り返した場合は岡山県迷惑行為防止条例の第4条(嫌がらせ行為)、相手を脅す言葉は脅迫罪、敷地や集合住宅の共用部分への立入りは住居侵入罪として、ストーカー規制法とは別の規定で扱われることがあります。家族が県内22署のどこかで逮捕されたら、岡山弁護士会の代表番号(086-223-4401)に電話して当番弁護士を頼んでください。当番弁護士だけの専用番号はなく、最初の1回の面会は無料です。
いまの状況別・最初にすること
- 警察署で警告を受けた・任意の呼出しが来た
- 逮捕前なら当番弁護士ではなく、岡山弁護士会の法律相談センター(予約086-234-5888・一般相談40分5,500円)で弁護士と会えます。相手への電話・メッセージ・訪問をすべて止め、警告の書面と呼出しの日時を持って予約を入れてください。取調べで何を話すかを出頭前に決められます。
- 岡山県公安委員会から聴聞の通知が届いた
- 禁止命令を出す前に本人の言い分を聴く手続きです。期日までに弁護士と会い、通勤経路の変更や連絡先の削除など、相手に近づかない手立てを書面にまとめてください。命令に違反してストーカー行為をすると、上限が2年の拘禁刑または200万円の罰金になります。
- 夜間や休日に、家族が倉敷署・津山署・岡山市内の署などで逮捕された
- 岡山弁護士会は夜間・土日・祝日の申込みを留守番電話で受け付けています。本人のフルネームと生年月日、罪名、留置先の署、逮捕された日、申し込む人の氏名と電話番号、本人との関係の6点を録音してください。弁護士が面会に向かう段取りが付きます。
- 相手が県外に住んでいる・県外へ引っ越した
- 警告や禁止命令を出せるのは、相手の住所、行為をした人の住所、行為のあった場所のいずれかを受け持つ警察・公安委員会です(ストーカー規制法第14条)。届いた書面の差出人を弁護士に見せれば、どの県の警察とやり取りが続くかを最初の相談で整理できます。
出典:岡山弁護士会「警察に逮捕されたら」、岡山弁護士会「弁護士に相談したい」、e-Gov法令検索「ストーカー行為等の規制等に関する法律」第5条・第14条・第19条
岡山県でストーカー容疑により逮捕されたあとの流れと手続きの場所
時間の区切りは全国で同じで、警察は48時間以内に事件を検察官へ送り、検察官は24時間以内に勾留を請求するかを決め、勾留は原則10日、延長されれば最長20日まで続きます(刑事訴訟法第203条・第205条・第208条)。各段階で家族ができることは逮捕後の流れを解説した記事で順に紹介しています。
倉敷・県北の事件も、合議と少年事件は岡山市に集まる
県内の捜査は岡山県警察の22署が担います。岡山市内には岡山中央・岡山東・岡山西・岡山南・岡山北の5署があり、県警本部の「岡山市警察部」が市内の署と岡山市との連絡調整を受け持っています。倉敷市内も倉敷・水島・玉島・児島の4署に分かれています。事件は岡山地方検察庁(岡山市北区南方の本庁と倉敷・津山・新見の各支部)へ送られ、起訴されると岡山地方裁判所(本庁と倉敷・津山・新見の3支部)か、県内10か所の簡易裁判所で審理されます。
| 地域(簡裁の区域) | 所在する主な警察署 | 検察庁 | 第一審の裁判所 | 合議・裁判員裁判 | 少年事件(家裁) | 控訴審 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 岡山市・備前市・瀬戸内市・赤磐市・和気町 | 岡山中央・岡山東・岡山西・岡山南・岡山北・備前・瀬戸内・赤磐 | 地検本庁 | 地裁本庁・岡山簡裁 | 本庁 | 本庁 | 広島高裁岡山支部 |
| 玉野市 | 玉野 | 地検本庁 | 地裁本庁・玉野簡裁 | 本庁 | 本庁 | 同 |
| 倉敷市のうち児島支所の区域 | 児島 | 地検本庁 | 地裁本庁・児島簡裁 | 本庁 | 本庁 | 同 |
| 倉敷市(児島・玉島・旧船穂町を除く)・総社市・早島町 | 倉敷・水島・総社 | 地検倉敷支部 | 倉敷支部・倉敷簡裁 | 本庁 | 本庁 | 同 |
| 倉敷市のうち玉島支所の区域と旧船穂町・浅口市・里庄町 | 玉島 | 地検倉敷支部 | 倉敷支部・玉島簡裁 | 本庁 | 本庁 | 同 |
| 笠岡市・井原市・矢掛町 | 笠岡・井原 | 地検倉敷支部(笠岡区検は笠岡市内) | 倉敷支部・笠岡簡裁 | 本庁 | 本庁 | 同 |
| 高梁市・真庭市のうち旧北房町・吉備中央町の一部 | 高梁 | 地検本庁 | 地裁本庁・高梁簡裁 | 本庁 | 本庁 | 同 |
| 新見市 | 新見 | 地検新見支部 | 新見支部・新見簡裁 | 本庁 | 本庁 | 同 |
| 津山市・美作市・鏡野町・勝央町・奈義町・西粟倉村・久米南町・美咲町 | 津山・美作・美咲 | 地検津山支部 | 津山支部・津山簡裁 | 本庁 | 津山支部 | 同 |
| 真庭市(旧北房町を除く)・新庄村 | 真庭 | 地検津山支部 | 津山支部・勝山簡裁 | 本庁 | 津山支部 | 同 |
※裁判所の区分は裁判所「岡山県内の管轄区域表」(市町村名は平成19年2月1日現在の行政区画)、検察庁は岡山地方検察庁「管轄・区域」(2015年7月22日更新)によります。警察署は、県警が署ごとの受け持ち区域を公表していないため、県警「組織(警察署)」の所在地から見た目安です。赤磐警察署の庁舎は岡山市東区瀬戸町にあります。控訴審はどの地域の事件でも、岡山地裁と同じ敷地にある広島高等裁判所岡山支部(岡山市北区南方)で、県外へ出る必要はありません。
ストーカー規制法違反も岡山県の条例違反も裁判員裁判の対象ではなく、起訴されれば事件のあった地域の地裁本庁・支部か簡易裁判所で審理されます。県内の刑事施設は岡山刑務所(岡山市北区牟佐)と津山拘置支所(津山市小田中)の2か所だけで、独立した拘置所はありません。行為をした人が20歳未満なら家庭裁判所の事件になり、少年事件を扱うのは岡山家裁の本庁と津山支部だけです。見張りや待ち伏せをした場所が倉敷市と岡山市のように複数の区域にまたがるなら、すべての場所を弁護士に伝えてください。どの検察庁と裁判所で手続きが進むかを、最初の面会で見立ててもらえます。
出典:裁判所「岡山県内の管轄区域表」、岡山地方・家庭裁判所「紹介」、広島高等裁判所「岡山支部 所在地」、岡山地方検察庁「管轄・区域」、岡山県警察「組織(警察署)」、岡山県警察「岡山市警察部」、法務省「刑事施設の所在地一覧」、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」
岡山県でストーカーが問われる罪と刑罰
県内のつきまといや嫌がらせは、ストーカー規制法か岡山県迷惑行為防止条例の第4条で扱われます。岡山の条例は、「恨み、ねたみその他の悪意の感情」か「恋愛感情その他の好意の感情」を満たす目的で同じ相手に繰り返す行為だけを嫌がらせ行為として罰し、規制法の「つきまとい等」にあたるものは条例から外しています。好意やそれが報われない恨みからのつきまといは規制法、恋愛と関係のない恨みやねたみからの嫌がらせは条例で扱われます。岡山県にストーカーだけを対象にした独自の条例はありません。
規制法の対象は8種類の「つきまとい等」と位置情報の無断取得
規制法は、好意やその怨恨を満たす目的で相手やその家族などに向ける行為を8つの類型で定めています(第2条第1項)。待ち伏せや自宅・勤務先付近での見張り、交際や面会の要求、断られた後も続く電話・メール・SNSでの送信などが含まれます。相手の承諾なくGPS機器や紛失防止タグで居場所を把握する行為や、その機器を取り付ける行為も規制され(第2条第3項)、同じ相手に繰り返せばストーカー行為罪です(第2条第4項・第18条)。
警察の警告から公安委員会の命令、検挙へ
岡山県警察本部長または警察署長が、つきまとい等をやめるよう求めます。警告に背いたこと自体は罰せられませんが、その後の接触は命令や検挙の根拠になります。
岡山県公安委員会が出します。命令の前には原則として聴聞があり、緊急時は先に命令を出してから15日以内に意見の聴取を行います。効力は1年で、必要と判断されれば1年ずつ延びます。
第18条のストーカー行為罪や、命令違反の第19条の罪として、岡山県警察が逮捕または在宅のまま捜査を進めます。
平成28年の法改正で、禁止命令の前に警告を経る必要はなくなり、ストーカー行為罪は告訴がなくても起訴できる罪になりました。手続きが警告から順に進むとは限らないので、警察から最初の連絡があった段階で弁護士に相談してください。聴聞や取調べで話す内容を、前もって弁護士と固められます。
岡山県の条例第4条が並べる8つの号
第4条は「正当な理由がないのに」悪意か好意の感情を満たす目的で、相手やその配偶者・親族・密接な関係者に次の行為を反復して行うことを禁じています。つきまとい・待ち伏せ・住居等の付近での見張りや押し掛け(第1号)、監視していると思わせる事項を告げること(第2号)、面会など義務のないことの要求(第3号)、著しく粗野・乱暴な言動(第4号)、無言電話や拒まれた後の連続した電話・ファクシミリ・電子メール等(第5号)、汚物や動物の死体などの送付(第6号)、名誉を害する事項を告げること(第7号)、性的羞恥心を害する事項や文書等の送付(第8号)です。第1号から第4号は、身体の安全や住居の平穏、名誉、行動の自由が害される不安を覚えさせる方法で行った場合に限られます。位置情報の取得や機器の取付けを挙げた号はありません。
条例の罰則は第14条で、痴漢やのぞき見と同じ重さ
嫌がらせ行為の違反は、痴漢やのぞき見と同じ第14条で処罰され、通常と常習の2段階です。撮影した盗撮を罰する第13条(1年以下)より軽い区分にあたります。規制法の各罪との比較は次の表のとおりです。
| 根拠条文 | 対象となる行為 | 拘禁刑の上限 | 罰金の上限 |
|---|---|---|---|
| 規制法 第18条 | ストーカー行為 | 1年 | 100万円 |
| 規制法 第19条 | 禁止命令等に背いたストーカー行為 | 2年 | 200万円 |
| 規制法 第20条 | それ以外の禁止命令等違反 | 6月 | 50万円 |
| 岡山県の条例 第4条・第14条第1項 | 悪意・好意の目的による嫌がらせ行為 | 6月 | 50万円 |
| 岡山県の条例 第14条第2項 | 嫌がらせ行為を常習として行った場合 | 1年 | 100万円 |
※条例の刑名は、令和7年3月21日の岡山県条例第1号「刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例」により、令和7年6月1日から拘禁刑に改められています。それより前の行為には改正前の規定が当てはめられます。
出典:e-Gov法令検索「ストーカー行為等の規制等に関する法律」第2条・第4条・第5条・第18条〜第20条、警察庁「ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律の概要」、岡山県例規集「岡山県迷惑行為防止条例」、岡山県公報 令和7年3月21日号外(岡山県条例第1号)
容疑を認める場合と否認する場合
認めるなら、連絡を断ったまま弁護士経由で謝罪と示談を進める
認める事件で弁護士が組み立てるのは、接触を完全に断つこと、代理人を通した謝罪と示談、再び近づかないための具体策の3つです。示談の成立や、相手から離れた生活が続いていることは、岡山地方検察庁や各支部の検察官が処分を決めるときの事情になります。勾留が決まったその日に、相手方への示談の打診を弁護士に依頼してください。起訴の判断より前にまとまれば、不起訴となる可能性が上がります。
本人は謝罪のつもりでも、相手には新たな接触に映る行動
- 共通の知人に、謝っていると伝えてもらう
- 職場や自宅に、お詫びの品や手紙を郵送する
- 別の電話番号や新しいSNSアカウントから一言だけ送る
- 相手の行動範囲にある店や駅を、いつもどおり使い続ける
相手と同じ職場や学校に通っているなら、配置換えや転居、通勤経路の変更を示談の申し入れに盛り込めるかを弁護士と詰めておきましょう。金額だけでは伝わらない「もう近づかない」という約束を、形にして示せます。
否認するなら、その日の取調べの内容を面会で弁護士へ伝える
連絡は数回だけだった、好意はなかったという言い分があるなら、取調べでの説明がそのまま証拠になります。ただし岡山の条例は「恨み、ねたみその他の悪意の感情」も目的に含めているため、好意を否定できても、恨みやねたみからの反復と認定されれば、県内の行為は条例第4条で扱われる余地が残ります。取調べの前には言いたくないことを言わなくてよいと告げられ(刑事訴訟法第198条第2項)、調書は読み聞かせのうえで訂正を求められ、署名押印を断ることもできます(同条第4項・第5項)。ストーカー事件は取調べの録音・録画が義務づけられた対象ではない(同法第301条の2)ため、聞かれたこととどう答えたかを、面会に来た弁護士にその都度話してください。岡山市内の署でも津山署や新見署でも、弁護士との面会に警察官は立ち会いません(同法第39条第1項)。
出典:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第39条・第198条・第301条の2、岡山県例規集「岡山県迷惑行為防止条例」
ストーカー事件の保釈・公訴時効・在留資格
保釈は起訴後。判断の中心は相手への働きかけのおそれ
保釈を請求できるのは起訴された被告人だけで(刑事訴訟法第88条第1項・第207条第1項ただし書)、起訴前に釈放を求めるには勾留決定への準抗告(第429条第1項第2号)や勾留取消しの請求(第87条)を使います。規制法違反も岡山県の条例違反も短期1年以上の拘禁刑にあたる罪ではないので第89条第1号には入らず、第2号は長期10年を超える罪の前科を問う規定なので、これらの罪の前科は該当しません。焦点になりやすいのは、被害者や親族に害を加えたり怖がらせたりすると疑うに足りる理由(第5号)です。釈放後の住まいと同居する人、相手の生活圏を避ける通勤・通学の経路を、弁護人に具体的に伝えてください。その計画を保釈請求書に書き込んで裁判所に示せます。
全国では、令和7年に勾留されたまま第一審を終えた35,125人のうち11,132人(31.7%・算出)が保釈されています。保証金を納める窓口は、地裁本庁が会計課(086-222-6851)、倉敷支部が庶務課(086-422-1038)、津山支部が庶務課(0868-22-9326)で、控訴後の保釈請求は広島高裁岡山支部の書記官室(086-222-8851)が受け付けます。保証金の見込み額を早めに弁護人から聞き、誰が用意するかを家族で決めておきましょう。
公訴時効は3年
規制法違反も岡山県の条例違反も、常習を含めて法定刑の上限が5年未満なので、公訴時効は3年です(刑事訴訟法第250条第2項第6号)。時効は犯罪行為が終わった時から進み(第253条第1項)、繰り返した接触がひとまとまりの罪として扱われるときは、数え始めは最初の接触ではなく最後の接触の日です。
外国籍の人の在留資格
岡山県の在留外国人は令和7年末で41,840人で、国籍ではベトナム、在留資格では技能実習(10,071人)が最も多くなっています。ストーカー規制法違反と岡山県の条例違反は、執行猶予が付いても退去強制になる入管法第24条第4号の2には含まれず、第24条第4号リ(1年を超える拘禁刑。刑の全部の執行猶予が付けば対象外)で判断されます。命令違反のストーカー行為(上限2年)で1年を超える実刑になれば対象です。一方、相手の家の敷地などに入って住居侵入罪で拘禁刑に処せられると第4号の2に入るため、技能実習や留学などの資格では執行猶予付きでも退去強制事由になります。勾留が長引いて実習や就労が3か月以上止まると、正当な理由がない限り在留資格の取消しの理由にもなります(第22条の4第1項第6号)。在留カードの資格と期限、監理団体や勤務先の連絡先を家族が控え、最初の面会で弁護士に渡しましょう。
出典:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第87条〜第89条・第207条・第250条・第253条・第429条、裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」第32表、岡山地方裁判所「窓口案内」、広島高等裁判所「窓口案内」、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」、出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数」
ストーカー事件で弁護士に依頼できることと選び方・費用
県内のストーカー事件で弁護士に任せられることは、主に次の3つです。警告や呼出しの段階で依頼すれば、逮捕を待たずに動き出せます。
示談と「今後近づかない」合意のとりまとめ
本人が連絡すれば新たな接触になりますが、代理人の弁護士なら相手と顔を合わせずに謝罪と約束を届けられます。合意書の考え方は被害者との示談交渉に関する記事で紹介しています。
取調べと岡山県公安委員会の聴聞への準備
聴聞で述べることと、再発防止の取り組みを示す資料を、期日までに弁護士とそろえます。
身体拘束からの解放
逮捕直後は勾留請求をしないよう検察官に働きかけ、勾留が決まれば準抗告、起訴後は保釈請求で釈放を求めます。不起訴や略式罰金になる道筋は不起訴・刑罰・刑事処分に関する記事で紹介しています。
留置先の署までの距離で選ぶ
岡山弁護士会の会員は398人(2026年4月1日現在)で、事務所の所在地は岡山市330人・倉敷市42人・津山市10人と県南に集中し、真庭市・新見市・美作市はそれぞれ1人です。弁護士会は支部ではなく倉敷弁護士室と津山弁護士室を置いています。岡山市や倉敷市の事務所に頼んで真庭署や新見署、美作署へ通ってもらうと、面会のたびに日当と交通費がかかります。留置先の署の名前を伝えたうえで、最初の電話で次の3点を聞いてください。
依頼先に最初の電話で聞く3点
- 留置されている署へ、最短でいつ面会に行けるか
- 警告後の取調べや公安委員会の聴聞に同席した経験があるか
- 県北や備中の署へ通う場合、1回あたりの日当と交通費はいくらか
当番弁護士・国選弁護人・私選弁護人の違い
逮捕直後に呼べるのは当番弁護士で、逮捕・勾留中に1回だけ無料で面会に来ます。勾留後は、資力の要件を満たせば裁判所から届く請求書で国選弁護人を頼めます。警告や聴聞、在宅捜査の段階で付けられるのは私選弁護人だけです。岡山弁護士会には私選弁護人を紹介する制度もありますが、申し出られるのは逮捕された本人に限られ、家族からは使えません。聴聞の通知が先に届いたなら、私選で引き受ける事務所を家族が探してください。
費用の目安と、法テラス・弁護士会の相談
着手金・報酬金・面会の日当などを合わせた弁護士費用はおおむね50万円から90万円程度が目安です。示談金は別に必要です。着手金と報酬金の分け方は刑事事件の弁護士選び・費用に関する記事で詳しく説明しています。
県内の法テラスは岡山市北区弓之町の法テラス岡山(0570-078354)1か所だけで、倉敷市と津山市に法テラスの事務所はありません。岡山弁護士会は岡山・倉敷・津山・新見・高梁・真庭・井笠(笠岡市)・東備(和気町)・勝英(美作市)の9か所で法律相談を開いており、一般相談は40分5,500円です。費用の工面が難しいことは、面会に来た当番弁護士にその場で伝えてください。勾留後に国選弁護人を頼めるかを教えてもらえます。
出典:岡山弁護士会「岡山弁護士会とは?」、岡山弁護士会「警察に逮捕されたら」、岡山弁護士会「弁護士に相談したい」、法テラス「法テラス岡山」
岡山県のストーカー事案の検挙状況
岡山県警察の人身安全対策課のページには啓発用のチラシが掲載されていますが、県内のストーカー事案の相談件数や、警告・禁止命令の件数は公表されていません(2026年9月時点で確認できた範囲)。県内の動きは、県警の犯罪統計に載る検挙の数字から読み取ります。
ストーカー規制法違反の検挙は令和7年に44件・41人
| 岡山県の数字(県警の確定値) | 令和7年 | 令和6年 |
|---|---|---|
| ストーカー規制法違反の検挙 | 44件・41人 | 27件・20人 |
| 迷惑防止条例違反の検挙(痴漢・盗撮・嫌がらせ行為などの合計) | 67件・47人 | 61件・53人 |
| 配偶者暴力防止法違反の検挙 | 1件・1人 | 4件・3人 |
| 住居侵入の認知(刑法犯) | 151件 | 141件 |
| 脅迫の認知(刑法犯) | 65件 | 59件 |
※特別法犯(ストーカー規制法・迷惑防止条例・配偶者暴力防止法)は岡山県警察「令和7年の犯罪概況」の特別法犯検挙状況、住居侵入と脅迫は同じく包括罪種別の認知件数によります。県警の表では迷惑防止条例違反が1行にまとめられ、第4条の嫌がらせ行為だけを取り出した件数は出ていません。
ストーカー規制法違反の検挙は1年で17件増え、警察庁の集計(第11表)による全国1,486件の3.0%(算出)にあたります。岡山県の人口は全国の1.47%なので、人口の割合に比べて約2倍の検挙が県内で行われた計算です。全国では令和7年にストーカー事案の相談等が22,881件寄せられています。住居侵入の認知は151件で、待ち伏せのために相手の敷地や集合住宅の共用部分へ入れば、ストーカー行為とは別にこの罪に問われることがあります。相手の家の周りでどこに立ち入ったかを、場所ごとに弁護士へ話してください。住居侵入罪が加わる見込みがあるかを、早い段階で弁護士に見立ててもらえます。
逮捕される割合と、県内の地域の偏り
ストーカー事案に限った逮捕の割合は公表されていないため、刑法犯全体で見ると、令和7年に県内で検挙された2,999人のうち逮捕されたのは947人(31.6%・算出)で、全国の32.2%とほぼ同じ水準です。ストーカー規制法違反と条例違反は特別法犯なので、この割合には入っていません。刑法犯の認知件数を市町村別に見ると、岡山市が48.3%、倉敷市が26.7%、津山市が4.8%(算出)で、3市で約8割を占めます。在宅のまま捜査が続いていても示談と再発防止の準備は始められるので、呼出しを受けた時点で弁護士に依頼してください。
出典:岡山県警察「令和7年の犯罪概況」(特別法犯 検挙状況・包括罪種別 認知・検挙状況・市区町村別)、警察庁「犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)」、警察庁「令和7年におけるストーカー事案、配偶者からの暴力事案等、児童虐待事案等への対応状況について」、総務省統計局「令和7年国勢調査 人口等基本集計 結果の概要」
岡山県のストーカー事件でよくある質問
Q1. 家族が水島警察署に逮捕されました。裁判はどこで開かれますか?
水島署は倉敷市の倉敷簡裁の区域にあり、この区域の事件は岡山地裁倉敷支部か倉敷簡裁(倉敷市幸町)で審理されるのが目安です。送致先の検察庁も倉敷市幸町の岡山地検倉敷支部です。同じ倉敷市内でも児島署の区域は岡山市の本庁側になります。面会や公判の段取りは、倉敷支部に通える弁護士と決めてください。
Q2. 真庭署に留置されました。岡山市の弁護士に頼むと費用は増えますか?
真庭市の大部分は津山支部・勝山簡裁の区域で、岡山弁護士会の会員は真庭市に1人、津山市に10人です。岡山市の事務所に頼むと、面会のたびに移動の日当と交通費が加わるのが一般的です。依頼前に署の名前を伝えて、1回あたりの日当と交通費の見積もりをもらいましょう。真庭市勝山では毎週金曜に弁護士会の法律相談も開かれています。
Q3. 夜中に家族が逮捕されたと連絡がありました。朝まで待つべきですか?
待たずに岡山弁護士会の086-223-4401へ電話してください。夜中でも留守番電話に申込みを残せます。本人の氏名・生年月日、罪名、留置先、逮捕日、あなたの氏名と電話番号、本人との関係を吹き込んでください。当番弁護士が面会に向かう手配が進みます。
Q4. 恋愛感情はなく、元同僚への恨みから連絡を続けていました。それでも罰せられますか?
規制法は好意やその怨恨を満たす目的を要件にしていますが、岡山県迷惑行為防止条例の第4条は「恨み、ねたみその他の悪意の感情」を満たす目的の嫌がらせも対象にしています。同じ相手に拒まれた後の電話やメールを繰り返せば、6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、常習なら1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です。いきさつを時系列にして弁護士に話せば、どの規定で扱われる見込みかを早い段階でつかめます。
Q5. 相手の車にGPS発信機を付けていた場合、岡山県ではどの規定で扱われますか?
好意やその怨恨の目的で、承諾なく位置情報を取得したり機器を取り付けたりする行為は、規制法の対象です(第2条第3項)。岡山県の条例第4条には、位置情報の取得や機器の取付けを挙げた号がありません。目的の認定で扱いが変わるので、機器を外そうと相手の車に近づかず、回収の方法は弁護士と決めてから動いてください。
Q6. 警察から警告書を渡されました。これは前科になりますか?
警告は岡山県警察本部長か警察署長が出す行政上の措置で、刑罰ではありません。警告だけで前科が付くことはありません。ただし警告後も接触が続けば、禁止命令や検挙に進みます。警告を受けた日から、理由を問わず相手への連絡を断ってください。
Q7. 高校生の子が同級生へのつきまといで逮捕されました。手続きはどこで進みますか?
20歳未満の事件は家庭裁判所へ送られ、岡山県で少年事件を扱うのは岡山家裁の本庁(岡山市北区南方)と津山支部だけです。倉敷市や笠岡市の事件も本庁、津山市・美作市・真庭市の大部分などの事件は津山支部です。観護措置が決まった場合の収容先は、県内に1か所だけの岡山少年鑑別所(岡山市南区箕島)です。同級生の家庭へ謝りに行く前に、付添人を引き受ける弁護士と、学校への説明を含めた進め方を相談してください。
Q8. 家族は県外に住んでいます。控訴したら裁判はどこになりますか?
岡山県内の事件の控訴審は、すべて岡山市北区南方の広島高等裁判所岡山支部で開かれ、広島市の高裁本庁まで行く必要はありません。第一審も控訴審も岡山県内なので、県外から通うのが難しい家族は、岡山県内で動ける弁護士を早めに選び、連絡役を任せてください。
Q9. 公開の裁判にならず、罰金だけで終わることはありますか?
あります。どちらの罪にも罰金刑があるため、簡易裁判所の略式命令による罰金で手続きが終わることがあります。県内の簡易裁判所は岡山・倉敷・新見・津山・玉野・児島・玉島・笠岡・高梁・勝山の10か所です。罰金でも前科として残るので、略式手続への同意を求められたら、その場で答えず弁護士の意見を聞いてください。
出典:e-Gov法令検索「ストーカー行為等の規制等に関する法律」、警察庁「ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律の概要」、裁判所「岡山県内の管轄区域表」、岡山地方裁判所「所在地一覧」、岡山地方検察庁「交通案内」、岡山弁護士会「弁護士に相談したい」、法務省「少年鑑別所の所在地一覧」
県内の事件は、岡山地裁の本庁と倉敷・津山・新見の3支部、10の簡易裁判所に分かれて審理されます。家族が岡山市内や倉敷市内、県北の署に留置されているなら、その日のうちに面会へ向かえる事務所へ電話してください。まだ警告や呼出しの段階であれば、最初の相談を無料で受ける事務所に電話して、聴聞や取調べの前に方針を固めましょう。
参考資料・更新情報
- e-Gov法令検索「ストーカー行為等の規制等に関する法律」
- 警察庁「ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律の概要」
- 警察庁「令和7年におけるストーカー事案、配偶者からの暴力事案等、児童虐待事案等への対応状況について」
- 警察庁「犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)」第3表・第10表・第11表
- 岡山県例規集「岡山県迷惑行為防止条例」(令和7年6月1日施行版)
- 岡山県公報 令和7年3月21日号外「刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例」
- 岡山県警察「令和7年の犯罪概況」
- 岡山県警察「組織(警察署)」
- 岡山県警察「警察の犯罪被害相談窓口」
- 岡山県警察 人身安全対策課
- 岡山県警察「犯罪被害者への支援」
- 裁判所「岡山県内の管轄区域表」
- 岡山地方・家庭裁判所「紹介」
- 岡山地方裁判所「所在地一覧」
- 岡山地方裁判所「窓口案内」
- 広島高等裁判所「岡山支部 所在地」
- 広島高等裁判所「窓口案内」
- 裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」第32表
- 岡山地方検察庁「管轄・区域」(2015年7月22日更新)
- 岡山地方検察庁「交通案内」(2015年5月21日更新)
- 岡山地方検察庁「各種手続・窓口案内」(2015年6月11日更新)
- 法務省「刑事施設の所在地一覧」(令和7年4月1日現在)
- 法務省「少年鑑別所の所在地一覧」(令和7年4月1日現在)
- 法務省「おかやま法務少年支援センター(みしま心の相談室)」
- 岡山弁護士会「岡山弁護士会とは?」
- 岡山弁護士会「警察に逮捕されたら」
- 岡山弁護士会「弁護士に相談したい」
- 法テラス「法テラス岡山」
- 出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数」
- 総務省統計局「令和7年国勢調査 人口等基本集計 結果の概要」
- e-Gov法令検索「刑事訴訟法」
- e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」
※このページは、2026年9月30日までに確認できた公的機関の公表情報をもとにまとめています。岡山県のストーカー規制法違反・迷惑防止条例違反の検挙と、住居侵入・脅迫の認知件数は岡山県警察「令和7年の犯罪概況」(確定値)、刑法犯の身柄措置と全国のストーカー規制法違反の検挙は警察庁の令和7年確定値、全国の相談等件数は警察庁の令和7年の資料です。保釈は「司法統計年報 刑事編(令和7年)」の全国値、在留外国人数は令和7年末、弁護士会の会員数は2026年4月1日現在です。条例の罰則は令和7年6月1日施行の拘禁刑表記です。制度や窓口は変わることがあるため、利用前に各機関や法律事務所の公式情報もご覧ください。本コンテンツは一般的な情報の提供を目的としたもので、個々の事件に対する法的な助言ではありません。