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アトム法律事務所
| 住所 |
〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1-12-12東京建物梅田ビル8F |
|---|---|
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| 営業時間 |
平日:00:00〜24:00 土曜:00:00〜24:00 日曜:00:00〜24:00 祝日:00:00〜24:00 |
アトム法律事務所 大阪支部
| 住所 |
〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1-12-12東京建物梅田ビル8F |
|---|---|
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ベリーベスト法律事務所
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弁護士 新井 一樹(新都法律事務所)
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|---|---|
| 最寄駅 | JR/大阪メトロ天王寺駅より徒歩9分/近鉄阿部野橋駅より徒歩10分 |
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平日:09:00〜20:00 土曜:09:00〜20:00 日曜:09:00〜20:00 祝日:09:00〜20:00 |
| 弁護士 | 新井 一樹 |
|---|---|
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いばらき総合法律事務所
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弁護士 大西 健太郎(いばらき総合法律事務所)
| 弁護士 | 大西 健太郎 |
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| 定休日 | 土曜 日曜 祝日 |
弁護士 青木 佑馬(弁護士法人カイロス総合法律事務所大阪事務所)
| 弁護士 | 青木 佑馬 |
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傷害事件で被害届を出した後
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人身事故で、懲役、前科、つけたくない
兵庫県で利用できる公的な相談窓口
当番弁護士は身柄のある警察署で番号が変わる
兵庫県弁護士会の当番弁護士は、神戸・阪神・明石・播磨・但馬の5ブロックで電話番号が違います。本人がいる警察署や拘置施設の名前を聞き取ってから、そのブロックの番号へ電話してください。弁護士が無料で1回、面会に駆けつけます。
| ブロック | 電話 | 対象の警察署・施設 |
|---|---|---|
| 神戸 | 078-341-2940 | 県警本部、東灘・灘・葺合・生田・兵庫・長田・須磨・垂水・神戸水上・神戸北・有馬・三田・篠山・丹波・三木・洲本・南あわじ・淡路/神戸拘置所/神戸少年鑑別所/洲本拘置支所 |
| 阪神 | 06-6412-8030 | 尼崎東・尼崎北・尼崎南・西宮・甲子園・芦屋・伊丹・宝塚・川西/尼崎拘置支所 |
| 明石 | 078-360-6056 | 明石・神戸西 |
| 播磨 | 079-224-7115 | 姫路・飾磨・網干・加古川・高砂・加西・福崎・たつの・相生・赤穂・宍粟・加東・西脇・小野/姫路拘置支所 |
| 但馬 | 078-360-8301 | 豊岡・南但馬・美方/豊岡拘置支所 |
※兵庫県弁護士会の案内ページには更新日の記載がありません。同じ5つの番号は日本弁護士連合会の「当番弁護士連絡先一覧」(2026年6月24日現在)にも載っており、内容は一致しています。
受付は平日9時〜17時が弁護士会の職員で、休日・夜間は留守番電話です。電話では次の内容を伝えるので、手元にそろえてからかけてください。
当番弁護士へ電話するときに伝えること
- 電話した人の名前と電話番号
- 本人との関係
- 本人の名前と生年月日
- 本人が未成年かどうか
- 容疑の内容(暴行か傷害か、分かる範囲で)
- 逮捕・勾留されている兵庫県内の警察署名
- 逮捕・勾留された日時
面会では、手続きの見通し、取調べでの注意点、その後も支援を受ける方法が説明されます。申込みのときに頼んでおけば、面会のあとに本人の様子を家族へ伝えてもらえます。
兵庫県弁護士会の法律相談センター
逮捕されていない段階や、家族が今後の見通しを聞きたいときは、兵庫県弁護士会の法律相談所を使えます。刑事事件は一般法律相談の扱いで、30分5,500円(税込)です。予約受付は月〜金の9時30分〜正午、13時〜16時です。
| 相談所 | 所在地 | 予約電話 |
|---|---|---|
| 神戸法律相談センター | 神戸市中央区橘通1-4-3 兵庫県弁護士会館2階 | 078-341-1717 |
| 阪神法律相談センター | 尼崎市七松町1-2-1 フェスタ立花北館5階501C | 06-4869-7613 |
| 西播磨法律相談センター | 姫路市北条1-408-6 兵庫県弁護士会姫路支部会館 | 079-286-8222 |
| 明石法律相談センター | 明石市 アスピア明石北館8階 | 078-351-1233 |
| 北播磨・山崎・南たじま・丹波・淡路 | 加東市社26 社福祉センターほか | 078-351-1233 |
| 伊丹・川西・宝塚 | 各市内の弁護士事務所 | 06-4869-7613 |
※相談日が限られている相談所があります(明石は木曜18時〜20時、北播磨は火曜13時30分〜15時30分、山崎は第1・第3火曜、南たじまは第4木曜)。公設事務所として、ひまわり基金あわじ法律事務所(淡路市志筑新島6-10 フジノビル2階・0799-62-0260)があります。
被害を受けた人・家庭内の暴力に悩む人の窓口
暴行や傷害の被害を受けた人、家庭のなかの暴力に悩んでいる人が使える公的な窓口も兵庫県内にあります。
| 窓口 | 電話 | 受付 |
|---|---|---|
| 兵庫県警察 ストーカー・DV相談電話 | 078-371-7830 | 24時間 |
| 兵庫県警察 警察相談専用電話 | #9110/078-361-2110 | 月〜金 9:00〜17:00 |
| 兵庫県警察 被害者こころの電話 | 0120-338-274 | 月〜金 9:00〜16:00 |
| 兵庫県犯罪被害者等総合相談窓口 | 078-360-0783 | 月〜金 9:00〜17:00 |
| ひょうご被害者支援センター | 078-367-7833 | 月・火・木・金 10:00〜16:00 |
| 被害者ホットライン(神戸地方検察庁) | 078-367-6135 | 月〜金 9:00〜17:00 |
| 法テラス 犯罪被害者支援ダイヤル | 0120-079714 | 月〜金 9:00〜21:00、土 9:00〜17:00 |
出典:兵庫県弁護士会「逮捕されたら(当番弁護士)」、日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」、兵庫県弁護士会「法律相談センター」、法テラス、兵庫県警察(相談窓口の一覧)、兵庫県(犯罪被害者等の相談窓口)
兵庫県で暴行・傷害の容疑をかけられたらまず何をするか
兵庫県内で暴行や傷害の疑いをかけられたら、身柄を取られたその日のうちに弁護士とつながることが最初の一手です。暴行はその場で逮捕されやすい罪で、兵庫県警察が令和7年に暴行で逮捕した850人のうち592人が現行犯逮捕でした。罪名を分けるのは相手にけがを負わせたかどうかで、けががなければ暴行罪(2年以下の拘禁刑など)、けががあれば傷害罪(15年以下の拘禁刑など)として扱われます。
いまの状況別・最初にすること
- 家族がけんかの現場で逮捕された
- 兵庫県弁護士会の当番弁護士は、身柄のある警察署によって電話番号が5つに分かれます。尼崎・西宮・芦屋・伊丹・宝塚・川西の署なら06-6412-8030、姫路・加古川・高砂・たつの・赤穂など播磨の署なら079-224-7115、明石・神戸西の署なら078-360-6056、豊岡・南但馬・美方の署なら078-360-8301、それ以外の神戸市内と三田・三木・篠山・丹波・淡路島の署なら078-341-2940へ電話してください。1回目の面会は無料です。
- 相手がけがをしている
- 傷害罪として捜査されます。兵庫県内では、傷害で検挙された1,390人のうち746人が逮捕されており、暴行より身柄を取られる割合が高い罪です。治療費を支払う意思は、弁護士を通じて早いうちに相手へ伝えてください。
- どちらが先に手を出したかで争いになっている
- 現場近くの防犯カメラや店舗の映像は、時間がたつと上書きされます。記憶が新しいうちに、当日の経緯と現場の住所を時系列で書き出して弁護士に渡してください。
- 後日、警察署から呼び出しを受けた
- 兵庫県内で暴行により検挙された1,929人のうち、逮捕されたのは850人で、差し引き1,079人は逮捕されないまま捜査を受けています。出頭する日より前に弁護士へ相談してください。最初の取調べで話した内容が、そのまま調書に残ります。
出典:兵庫県弁護士会「逮捕されたら(当番弁護士)」、兵庫県警察「犯罪統計書 令和7年」表3
兵庫県で暴行・傷害の容疑で逮捕されたあとの流れ
逮捕から処分が決まるまでの時間は、刑事訴訟法で上限が決められています。兵庫県内の46の警察署のどこで逮捕されても、この区切りは同じです。
警察署で取調べを受け、事件が神戸地方検察庁の本庁または支部へ送られます(刑事訴訟法第203条第1項)。勾留が決まる前は家族の面会が認められないことがあり、自由に会えるのは弁護士です。
検察官が、裁判官へ勾留を請求するかどうかを決めます(同法第205条第1項)。請求されなければ釈放され、在宅のまま捜査が続きます。
勾留は請求の日から10日間で、延長されても通算20日が上限です(同法第208条)。この期間のうちに検察官が処分を決めます。
暴行は起訴されても書面だけの略式命令で罰金となる形が中心で、傷害は法廷で審理される割合が上がります。
手続き全体の流れは逮捕後の流れ・身柄事件に関する記事で詳しく説明しています。
兵庫県の暴行は、逮捕された人の約7割が現行犯
兵庫県警察の犯罪統計書には、検挙した人のうち何人を逮捕し、そのうち何人を現行犯で逮捕したかを示す「身柄措置別検挙人員」の表があります。
| 罪種(令和7年・兵庫県) | 検挙人員 | 逮捕人員 | うち現行犯 | 逮捕のうち現行犯の割合(算出) |
|---|---|---|---|---|
| 暴行 | 1,929人 | 850人 | 592人 | 69.6% |
| 傷害・傷害致死 | 1,390人 | 746人 | 299人 | 40.1% |
| 刑法犯総数 | 11,675人 | 4,549人 | 1,901人 | 41.8% |
※兵庫県警察「犯罪統計書 令和7年」表3「身柄措置別検挙人員」の公表値です。現行犯の割合は現行犯の人数を逮捕人員で割った参考値で、統計書に載っている数値ではありません。
現行犯逮捕は、犯行の最中か直後にその場で身柄を取る逮捕です。刑法犯全体では逮捕された人のうち現行犯は4割ほどですが、暴行は約7割に達します。兵庫県内で令和7年に現行犯逮捕された刑法犯1,901人のうち、592人(31.1%・算出)が暴行でした。逮捕の知らせを受けたら、本人がいる警察署の名前を聞き、その署を受け持つ当番弁護士のブロックへ電話してください。
傷害は、逮捕された746人のうち現行犯が299人で、残る447人は現行犯以外の形、つまり逮捕状などによって身柄を取られています。現場でいったん帰されても、けがの診断書や被害届がそろったあとで逮捕に進むことがあります。その場で帰された段階で弁護士へ相談してください。出頭の段取りや示談の申し入れを、警察から連絡が来る前に準備できます。
兵庫県内では、暴行で検挙された1,929人のうち1,079人、傷害で検挙された1,390人のうち644人が、逮捕されないまま捜査を受けています。在宅でも捜査は続き、起訴されれば罰金や裁判に至ります。呼出しの段階から弁護士に依頼しておけば、神戸地方検察庁の検察官が処分を決める前に示談を進められます。
兵庫県で事件に関わる機関
兵庫県内の警察署は46署です(令和8年4月1日現在)。逮捕されるとまず事件を扱う署の留置施設に入り、起訴されたあとなどに県内4か所の拘置施設へ移されることがあります。
| 施設 | 所在地 | 電話 |
|---|---|---|
| 神戸拘置所 | 神戸市北区ひよどり北町2-1 | 078-743-3663 |
| 尼崎拘置支所(大阪拘置所) | 尼崎市崇徳院1-5 | 06-6411-3558 |
| 姫路拘置支所(姫路少年刑務所) | 姫路市北条1-250 | 079-223-0076 |
| 豊岡拘置支所(神戸刑務所) | 豊岡市京町12-90 | 0796-22-2219 |
※面会の受付時間はいずれも8時30分〜11時30分、13時〜16時です。法務省が交通案内を出しているのは神戸拘置所だけで、JR三ノ宮駅から「三宮センター街東口」で市営バス66系統「しあわせの村」行きに乗り約20分、「ひよどり北町(拘置所前)」下車徒歩5分の経路が案内されています。
裁判を担当するのは神戸地方裁判所で、本庁のほかに明石・伊丹・尼崎・柏原・姫路・社・龍野・豊岡・洲本の9支部があります。神戸地方検察庁も同じく本庁と9支部の構成です。
| 庁 | 所在地 | 管轄する区域 |
|---|---|---|
| 神戸地方裁判所 本庁 | 神戸市中央区橘通2-2-1 | 神戸市の中央区・東灘区・灘区・兵庫区・長田区・須磨区・垂水区・北区/三木市/三田市 |
| 明石支部 | 明石市天文町2-2-18 | 明石市/神戸市西区 |
| 伊丹支部 | 伊丹市千僧1-47-1 | 伊丹市/宝塚市/川西市/川辺郡猪名川町 |
| 尼崎支部 | 尼崎市水堂町3-2-34 | 尼崎市/西宮市/芦屋市 |
| 柏原支部 | 丹波市柏原町柏原439 | 丹波市/丹波篠山市 |
| 姫路支部 | 姫路市北条1-250 | 姫路市/相生市/赤穂市/加古川市/高砂市/神崎郡/赤穂郡上郡町/加古郡/朝来市のうち旧生野町 |
| 社支部 | 加東市社490-2 | 西脇市/小野市/加西市/加東市/多可郡多可町 |
| 龍野支部 | たつの市龍野町上霞城131 | たつの市/宍粟市/揖保郡太子町/佐用郡佐用町 |
| 豊岡支部 | 豊岡市京町12-81 | 豊岡市/養父市/朝来市のうち旧和田山町・旧山東町・旧朝来町/美方郡新温泉町・香美町 |
| 洲本支部 | 洲本市山手1-1-18 | 洲本市/淡路市/南あわじ市 |
※裁判所の管轄区域表の注記により、市町村名の表示は令和元年5月1日現在の行政区画に基づきます。警察署数の基準日(令和8年4月1日)とは異なります。
傷害で相手が亡くなり傷害致死に問われると、裁判員裁判の対象になります。兵庫県内で裁判員裁判を扱うのは神戸地方裁判所の本庁と姫路支部だけで、ほかの支部では開かれません。裁判所の案内では、尼崎支部の管内の裁判員対象事件は神戸本庁、豊岡支部の管内の対象事件は姫路支部が扱うとされています。暴行と傷害は裁判員裁判の対象ではないため、事件の場所を受け持つ本庁か支部で審理されます。
略式命令で罰金が決まる場合、命令を出すのは簡易裁判所です(刑事訴訟法第461条)。兵庫県内には神戸・明石・伊丹・尼崎・西宮・柏原・篠山・姫路・加古川・社・龍野・豊岡・浜坂・洲本の14の簡易裁判所があり、略式の手続きは書面で進むため、法廷に立つことはありません。
出典:兵庫県警察「犯罪統計書 令和7年」表3、兵庫県警察「組織・警察署」、裁判所「兵庫県内の管轄区域表」、検察庁「神戸地方検察庁」、法務省「拘置所・拘置支所の所在地一覧」、制度の参考:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第203条・第205条・第208条・第461条
兵庫県で暴行・傷害が問われる罪と刑罰
兵庫県内の事件でも、罪名を決める最初の基準は相手がけがをしたかどうかです。けががなければ刑法第208条の暴行罪、けががあれば第204条の傷害罪となり、法定刑の上限は2年から15年へ上がります。複数人で加わった、凶器を見せた、同じことを繰り返しているといった事情があれば、暴力行為等処罰法の重い規定が重なります。
| 罪名 | 条文 | 法定刑 |
|---|---|---|
| 暴行 | 刑法第208条 | 2年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金、または拘留・科料 |
| 傷害 | 刑法第204条 | 15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 |
| 傷害致死 | 刑法第205条 | 3年以上の有期拘禁刑(罰金の定めなし) |
| 凶器準備集合 | 刑法第208条の2 | 2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(人を集合させた者は3年以下の拘禁刑) |
| 集団で、または凶器を示しての暴行など | 暴力行為等処罰法第1条 | 3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金 |
| 常習としての傷害 | 同法第1条ノ3 | 1年以上15年以下の拘禁刑(罰金の定めなし) |
※刑名は令和7年6月1日施行の拘禁刑で表記しています。
けがの程度は問われません。打撲やすり傷のような軽いけがでも傷害罪は成立し、治療にかかった期間は処分と示談金の額を決める材料になります。反対に、相手の体に当たっていなくても、至近距離で物を投げつける、水を浴びせるといった行為は暴行にあたります。
複数人で手を出した事件では、誰の暴行でけがが生じたのか分からなくても、関わった全員が傷害の責任を問われることがあります。刑法第207条は、2人以上が暴行を加えて人を傷害し、誰の暴行によるけがか分からない場合について「共同して実行した者でなくても、共犯の例による」と定めています。その場にいた人数と、自分がしたこと・しなかったことを、接見に来た弁護士へ具体的に伝えてください。
複数人・凶器・常習で暴力行為等処罰法が重なる
暴力行為等処罰法第1条は、団体や多衆の威力を示す、凶器を示す、数人で共同するといった形で暴行・脅迫・器物損壊をした場合に、3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金と定めています。暴行罪の上限2年より重い規定です。常習として暴行や傷害を繰り返した場合は第1条ノ3が適用され、けがを負わせていれば1年以上15年以下の拘禁刑となり、罰金を選ぶ余地がなくなります。
令和6年に全国の地方裁判所で暴力行為等処罰法違反の判決を受けた204人のうち、実刑は109人(53.4%)で、残る95人が執行猶予でした。兵庫県外で受けたものも含めて、過去に同じような処分を受けたことがあるなら、その時期と内容を最初の相談で伝えてください。常習と評価されるかどうかの見通しが早く立ちます。
兵庫県の迷惑防止条例にも粗暴な行為の規定がある
手を出す前のすごみや絡みが問題になる場面では、県の条例が関わります。兵庫県の迷惑防止条例は、正式には「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」(昭和38年兵庫県条例第66号)といい、条例名に「兵庫県」は付きません。この条例は第3条第1項から第3項で、いわゆるぐれん隊行為や凶器の携帯などを禁じています。
| 区分 | 根拠 | 法定刑 |
|---|---|---|
| 通常(第3条第1項〜第3項の違反など) | 第17条第1項 | 50万円以下の罰金または拘留・科料 |
| 常習として違反した場合 | 第17条第2項 | 6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 |
※兵庫県条例第8号(令和7年3月25日公布・6月1日施行)により、第17条第2項の刑名は拘禁刑に改められています。施行日より前の行為には従前の例が適用されます。
条例違反の通常の罰則には拘禁刑がなく、罰金か拘留・科料にとどまります。一方で、相手に向けて実際に力を加えていれば刑法の暴行罪となり、上限は2年以下の拘禁刑まで上がります。どちらの規定で捜査されているかは、被疑事実の記載を弁護士に見せれば分かります。
制度の参考:e-Gov法令検索「刑法」第204条・第205条・第207条・第208条・第208条の2、e-Gov法令検索「暴力行為等処罰ニ関スル法律」、出典:兵庫県「例規集」、兵庫県公報「兵庫県条例第8号(令和7年3月25日公布)」、法務省「令和7年版犯罪白書」資料2-3
容疑を認める場合にすること
相手に手を出したことを認めるなら、弁護活動の中心は謝罪と被害の弁償、そして示談です。暴行も傷害も、告訴がなくても起訴できる非親告罪なので、相手が「もういい」と言っただけで手続きが止まるわけではありません。それでも検察官は、起訴するかどうかを決めるときに「犯罪後の情況」を考えられます(刑事訴訟法第248条)。勾留の満期までに示談書を検察官へ出せるよう、認めると決めた日に弁護士へ示談交渉を頼んでください。兵庫県内の事件なら、神戸地方検察庁の本庁か、事件を受け持つ支部の検察官に提出します。
暴行は略式の罰金、傷害は公判が増える
全国の検察統計では、暴行と傷害で処分の形が違います。
| 令和6年・全国の検察庁の処理 | 暴行 | 傷害 |
|---|---|---|
| 起訴 | 4,614人 | 5,629人 |
| うち略式命令請求 | 3,935人(85.3%) | 3,615人(64.2%) |
| うち公判請求 | 679人(14.7%) | 2,014人(35.8%) |
| 不起訴 | 12,099人 | 13,318人 |
| うち起訴猶予 | 10,427人 | 10,086人 |
| 起訴率(算出) | 27.6% | 29.7% |
※法務省「検察統計調査」令和6年年報の全国値で、割合は公表値から算出しました。暴行の既済は20,452人、傷害は25,200人で、傷害致死は別に集計されています。
暴行で起訴された人の85.3%は略式命令の請求で、法廷を開かずに罰金が決まっています。傷害でも略式が6割を超えますが、公判請求は2,014人にのぼります。傷害致死では、令和6年に全国で起訴された72人の全員が公判請求でした。
不起訴の中身は起訴猶予が大半で、暴行では不起訴12,099人のうち10,427人(86.2%)、傷害では13,318人のうち10,086人(75.7%)です。裁判所は起訴猶予を、嫌疑が十分あっても諸般の事情に照らして起訴する必要はないと考えるときの処分だと説明しています。被害を回復した事実は、その「諸般の事情」として検察官に示せる材料です。
略式に応じるかどうかは本人が選べる
検察官は略式命令を請求する前に、略式手続によることに異議がないかを本人に確かめ、本人は異議がなければ書面でそれを明らかにします(刑事訴訟法第461条の2)。罰金も有罪であり、前科として残ります。事実を争いたいなら、その書面に署名する前に弁護士へ伝えてください。略式命令の告知から14日以内なら正式裁判も請求できます(同法第465条)。
起訴されて裁判になった場合
令和6年に全国の地方裁判所で傷害の判決を受けた1,877人のうち、全部執行猶予は1,220人(65.0%)、実刑は657人(35.0%)でした。実刑のうち3年を超えたのは111人です。暴行は地方裁判所で自由刑を言い渡された人員の統計に区分がなく、罰金が処分の中心です。前科を避けたいなら、検察官が処分を決める前に示談を成立させましょう。
相手の連絡先が分かっていても、本人や家族から直接連絡しないでください。口裏合わせや威圧を疑われれば、勾留が続く理由や、起訴後に保釈が認められない理由(刑事訴訟法第89条第4号・第5号)として扱われます。相手への連絡は、弁護士が検察官を通じて進めます。
兵庫県内の暴行・傷害事件で示談の際に話し合う主な項目
- 治療費と通院の交通費(領収書と診断書をもとに算定する)
- 仕事を休んだ期間の休業損害
- けがの痛みや通院の負担に対する慰謝料
- 壊れた眼鏡・衣類・スマートフォンなどの物の損害
- 今後接触しない取り決めと、処罰を求めない意思(宥恕)を示談書に入れるかどうか
制度の参考:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第89条・第248条・第461条の2・第465条、出典:法務省「検察統計調査」令和6年年報 表24-00-08、法務省「令和7年版犯罪白書」資料2-3、裁判所「検察官による起訴・不起訴の決定」
容疑を否認する場合に知っておくこと
先に手を出されたのか、身を守るための反撃だったのか、そもそも触れていないのか。どの争い方でも、また兵庫県内のどの警察署で取調べを受けても、次の権利は刑事訴訟法で守られています。
黙秘権と、在宅での出頭
取調べの前に、捜査機関は自分の意思に反して供述する必要がないことを告げなければなりません(刑事訴訟法第198条第2項)。起訴後の法廷でも、被告人は終始黙っていることも、個々の質問に答えないこともできます(同法第311条第1項)。在宅で呼び出されている人は、逮捕・勾留されていない限り、出頭を断ることも、出頭したあといつでも退去することもできます(同法第198条第1項ただし書)。いつ応じるかを含めて、弁護士と決めてから出向いてください。
酒に酔って覚えていない部分を推測で補うと、あとから出てくる防犯カメラの映像と食い違います。どこまで話すかを、最初の取調べの前に弁護士と決めておきましょう。
調書への署名押印は拒める
調書ができると、取調官は内容を読み聞かせるか閲覧させ、誤りがないかを尋ねなければなりません(同法第198条第4項)。違う点を指摘すれば、その申立ても調書に書き加えられます。そのうえで署名押印を求められますが、同条第5項は「これを拒絶した場合は、この限りでない」と定めており、署名押印は義務ではありません。「一方的に殴った」と書かれた調書に署名すると、法廷ではその記載を前提に審理が進みます。納得できない調書には署名せず、そのやり取りを接見に来た弁護士に伝えてください。
傷害致死になると取調べは録音・録画される
取調べの録音・録画が義務になるのは、裁判員裁判の対象事件と、検察官が独自に捜査を始めた事件に限られます(同法第301条の2第1項)。兵庫県内では、傷害致死になると審理する庁も変わります。
| 事件 | 録音・録画の義務 | 兵庫県内で審理する庁 |
|---|---|---|
| 暴行(2年以下) | 対象外 | 事件の場所を受け持つ本庁・支部(略式は簡易裁判所) |
| 傷害(15年以下) | 対象外 | 事件の場所を受け持つ本庁・支部(略式は簡易裁判所) |
| 傷害致死(3年以上の有期) | 対象(裁判員裁判の対象事件) | 神戸地方裁判所の本庁か姫路支部 |
※対象事件では、逮捕・勾留中の被疑者の取調べを録音と録画を同時に行う方法で記録します(同条第4項)。例外は、機器の故障、本人が記録を拒んだ場合、指定暴力団の構成員による犯罪、加害や畏怖のおそれがある場合です。
暴行と傷害の取調べは、取調室でのやり取りが映像に残りません。その日に何を聞かれ、何と答えたかを、接見のたびに弁護士へ話してください。弁護士の手元に記録が積み上がり、あとで出てくる調書の中身と照らし合わせられます。
弁護士とは立会人なしで会える
逮捕・勾留されている人は、弁護人や弁護人になろうとする弁護士と立会人なしで面会できます(同法第39条第1項)。捜査機関が面会の日時を指定できるのは起訴前に限られ、その指定も防御の準備をする権利を不当に制限してはならないとされています(同条第3項)。兵庫県は東西にも南北にも広く、神戸市内の事務所から但馬の豊岡・南但馬・美方の各署や、淡路島の洲本・淡路・南あわじの各署へ向かうには移動の時間がかかります。面会を断られた、時間を短く区切られたといったことがあれば、その日時と説明の内容を弁護士へそのまま伝えてください。
先に手を出されたと主張するとき
急に殴りかかられ、身を守るためにやむを得ず反撃した行為は、刑法第36条第1項の正当防衛として罰せられません。ただし、防衛の程度を超えれば過剰防衛となり、情状によって刑が減軽・免除されることはあっても、罪そのものは成立します(同条第2項)。正当防衛を主張するなら、相手の攻撃を裏づける映像や目撃者の証言を早くそろえる必要があります。
兵庫県は地域安全まちづくり条例にもとづき、令和5年度から、市町が進める防犯カメラの設置を県が補助金で支える方式をとっています。街頭のカメラ、店舗や駅のカメラと設置者は分かれており、映像は一定の期間がたつと上書きされます。現場の住所と時刻が分かるうちに弁護士へ依頼し、映像の保全を急いでもらってください。
制度の参考:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第39条・第198条・第301条の2・第311条、e-Gov法令検索「刑法」第36条、e-Gov法令検索「日本国憲法」第34条・第38条、出典:兵庫県(防犯カメラの設置補助)
暴行は3年、傷害は10年で公訴時効が完成する
公訴時効が完成すると、検察官は起訴できなくなります。刑事訴訟法第250条を各罪の法定刑に当てはめると、次のとおりです。
| 罪名 | 法定刑の上限 | 当てはまる条文 | 公訴時効 |
|---|---|---|---|
| 暴行 | 2年 | 第250条第2項第6号 | 3年 |
| 傷害 | 15年 | 第250条第2項第3号 | 10年 |
| 傷害致死 | 20年(3年以上の有期拘禁刑) | 第250条第1項第2号 | 20年 |
| 暴力行為等処罰法第1条 | 3年 | 第250条第2項第6号 | 3年 |
| 常習傷害(同法第1条ノ3) | 15年 | 第250条第2項第3号 | 10年 |
※傷害致死は「人を死亡させた罪」にあたるため、第2項ではなく第1項の年数が適用されます。
数えはじめは犯罪行為が終わった時で(同法第253条第1項)、共犯がいる事件では、最後の一人の行為が終わった時から全員の時効が進みます(同条第2項)。犯人が国外にいた期間や、逃げ隠れていて起訴状の謄本を届けられなかった期間は時効が止まり(同法第255条第1項)、共犯の一人が起訴されれば他の共犯の時効も止まります(同法第254条第2項)。事件のあと兵庫県外や国外で暮らした時期があるなら、その期間と行き先を弁護士へ伝えてください。時効がいつ完成するかを正確に見積もれます。
刑事の時効とは別に、被害者は損害賠償を民事で請求できます。民法第724条は、損害と加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年で請求権が消えると定めています。ただし暴行・傷害のように人の身体を害する不法行為では、第724条の2により3年が5年に延びます。刑事の処分が決まっても示談が済んでいなければ、神戸地方裁判所などへ民事の訴えを起こされることがあります。支払いの計画は、刑事の手続きと並行して弁護士と立ててください。
制度の参考:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第250条・第253条〜第255条、e-Gov法令検索「民法」第724条・第724条の2
起訴されたあとは保釈を請求できる
保釈は、保証金を納めて身柄の拘束を解いてもらう制度です。請求できるのは起訴されたあとだけで、刑事訴訟法第88条第1項は請求できる人を「勾留されている被告人」と弁護人・家族などに限り、第207条第1項ただし書は起訴前の勾留を扱う裁判官の権限から保釈を外しています。
暴行は起訴されても略式の罰金で終わる形が中心ですが、傷害で公判請求されると、神戸地方裁判所の本庁や支部で判決が出るまでに数か月かかることがあります。その間を神戸拘置所や尼崎・姫路・豊岡の拘置支所で過ごすか、自宅から法廷へ通うかで、仕事を続けられるかが決まります。
保釈が認められない6つの場合
刑事訴訟法第89条は、6つの除外事由に当たらない限り保釈を「許さなければならない」と定めています(権利保釈)。暴行と傷害は刑の下限がないため第1号に当たりませんが、傷害致死は短期3年なので第1号に当たり、権利保釈の対象から外れます。
| 除外事由 | 内容 | 暴行・傷害事件での当たり方 |
|---|---|---|
| 第1号 | 死刑・無期・短期1年以上の拘禁刑に当たる罪 | 傷害致死が当たる。暴行・傷害は当たらない |
| 第2号 | 過去に死刑・無期・長期10年超の拘禁刑に当たる罪で有罪の宣告を受けた | 以前に傷害で有罪判決を受けていると当たる |
| 第3号 | 常習として長期3年以上の拘禁刑に当たる罪を犯した | 暴力行為等処罰法第1条ノ3の常習傷害が当たる |
| 第4号 | 罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由 | 目撃者が友人や同僚で、口裏合わせを疑われる場面。複数人の事件で壁になる |
| 第5号 | 被害者・関係者やその親族に害を加え、または畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由 | 同居の家族・職場・近所など、相手との接点が続く関係で問題になる |
| 第6号 | 氏名または住居が分からない | 住民票の住所に住んでいないと当たる |
暴行・傷害で保釈の壁になりやすいのは第4号と第5号です。相手が同居の家族や同じ職場の人であるほど、釈放後の接触が問題にされます。釈放後に身を寄せる先と、相手と生活圏が重ならない通勤経路を家族と決めて、弁護士に伝えてください。第5号に当たらないことを具体的に説明できます。
除外事由に当たっても、裁判所は第90条の裁量で保釈を許せます。考慮されるのは、逃亡や罪証隠滅のおそれの程度に加えて、拘束が続くことで被告人が受ける健康上・経済上・社会生活上・防御の準備上の不利益です。傷害致死のように第1号で権利保釈から外れる事件では、この裁量保釈が入口になります。勤務先からの休職や解雇の通知、通院中の病気の記録、扶養している家族の暮らしぶりが分かる資料を弁護士に渡してください。
保証金と、保釈が取り消される場合
保証金の額は、犯罪の性質と情状、証拠の証明力、被告人の性格と資産を考えて裁判所が決めます(第93条第1項・第2項)。金額の分布や平均を示した公的な統計はありません。正当な理由なく出頭しない、逃げる、証拠を隠す、被害者や関係者に働きかけるといった行為があれば、保釈は取り消され、保証金の全部または一部が没取されます(第96条)。
令和5年の改正では、保釈中の報告命令(第95条の4)と、同意を得た人を監督者に選ぶ制度(第98条の4)が加わりました。身元を引き受ける親族が監督者になれるなら、弁護士に伝えてください。保釈の条件を組み立てる材料が増えます。
起訴前に使えるのは勾留の執行停止
| 項目 | 保釈 | 勾留の執行停止(第95条) |
|---|---|---|
| 使える時期 | 起訴後のみ | 起訴前も使える |
| 始め方 | 本人・弁護人・家族の請求、または裁判所の職権 | 裁判所の職権だけ |
| 保証金 | 必要 | 不要 |
| 期間 | 判決の確定まで | 日時を区切って指定できる |
勾留の執行停止は保証金が要らない代わりに、本人や家族から請求する規定がありません。葬儀、入院や手術、試験など日程の決まった事情があるときは、日時と場所が分かる書面を弁護士に渡し、裁判所へ上申してもらってください。起訴前には、勾留の取消請求(第87条)や準抗告(第429条第1項第2号)で身柄の解放を求める方法もあります。
全国ではどれくらい保釈されているか
最高裁判所の司法統計年報によると、令和7年に全国の地方裁判所で第一審を終えた被告人のうち勾留されていた人は35,125人で、保証金を納めて実際に釈放された人は11,132人でした。
| 全国の地方裁判所 | 令和5年 | 令和6年 | 令和7年 |
|---|---|---|---|
| 勾留された被告人 | 31,947人 | 33,947人 | 35,125人 |
| うち保釈された人 | 10,185人 | 10,956人 | 11,132人 |
※司法統計年報 刑事編 第32表の全国の数値です。統計表に載っているのは人員だけで、保釈率という公表値はありません。保釈された人は、保釈の許可を受け、保証金を納めて現実に釈放された人数です。
勾留された人のおよそ3人に1人が保釈されています。そもそも請求しなかった人も分母に含まれるため、請求しても3人に2人が退けられるという意味ではありません。兵庫県内で起訴の連絡を受けたら、その日のうちに保釈請求の準備を弁護士に頼んでください。勤務先に籍を残したまま裁判を受けられる可能性が上がります。
制度の参考:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第87条〜第98条の4・第207条・第429条、出典:最高裁判所事務総局「令和7年 司法統計年報 2 刑事編」第32表、法務省「令和7年版犯罪白書」第2編第3章第3節6「勾留と保釈」、兵庫県警察(ストーカー・DVの状況)
外国籍の人が暴行・傷害で有罪になったときの在留資格
兵庫県内で暮らす外国籍の人にとって、暴行・傷害は在留資格に直接響く罪です。結論として、就労や留学などの在留資格の人は、暴行罪や傷害罪で拘禁刑に処せられると、執行猶予が付いても退去強制の対象になります。
暴行・傷害は「4号の2」のリストに入っている
入管法第24条第4号の2は、別表第一の在留資格(技術・人文知識・国際業務、留学、技能実習など)で在留する人が、指定された罪で拘禁刑に処せられた場合を退去強制事由としています。対象には刑法第2編第27章「傷害の罪」が含まれ、暴行罪・傷害罪・傷害致死・凶器準備集合はいずれもこの章の罪です。暴力行為等処罰法の第1条・第1条ノ2・第1条ノ3の罪も、刑法第222条と第261条に係る部分を除いて対象に入ります。この号には、執行猶予が付いた場合を除く定めがありません。
| 在留資格 | 根拠 | 暴行・傷害で有罪になった場合 |
|---|---|---|
| 別表第一 技術・人文知識・国際業務/留学/技能実習/技能 など | 第24条第4号の2 | 拘禁刑なら執行猶予付きでも退去強制の対象。罰金なら当たらない |
| 別表第二 永住者/日本人の配偶者等/永住者の配偶者等/定住者 | 第24条第4号リ | 無期または1年を超える拘禁刑で対象。刑の全部の執行猶予が付けば除かれる |
罰金にとどまれば拘禁刑ではないため、第4号の2には当たりません。全国の統計では、傷害で起訴された人の35.8%が公判請求されています。別表第一の在留資格で兵庫県内に住み、働いたり学んだりしている人は、罰金で終える道があるかを起訴前の段階で弁護士と話し合ってください。
身柄の拘束が長引くと在留資格の取消しも問題になる
別表第一の在留資格の人が、その活動を継続して3か月以上行っていないことは在留資格の取消事由です(入管法第22条の4第6号)。勾留で仕事や通学が止まった期間がこれに当たり得るため、兵庫県内で勾留された時点で、在留資格の種類と在留期限を弁護士へ伝えてください。正当な理由の説明を早めに組み立てられます。退去強制されると再入国も制限され、第5条第1項第9号は退去強制の回数や時期に応じて上陸拒否の期間を1年・5年・10年と定めています。
退去強制事由に当たっても法務大臣が在留を特別に許可する制度があります(第50条)が、退去強制令書が出たあとは申請できません(同条第3項)。判断の枠組みは令和6年3月改定の「在留特別許可に係るガイドライン」(令和6年6月10日運用開始)に示されています。判決が確定する前に、入管手続を扱える弁護士へつないでもらってください。
出入国在留管理庁の集計では、令和7年の入管法違反事件18,442人のうち、刑罰法令違反を主な理由とするものは503人でした(前年は384人)。罪名別の内訳は公表されていません。在留手続の一般的な相談は、外国人在留総合インフォメーションセンター(0570-013904)が日本語・英語・中国語・韓国語・ベトナム語など11言語で受け付けており、兵庫県内からも利用できます。
制度の参考:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」第5条・第22条の4・第24条・第50条、出典:出入国在留管理庁「在留特別許可に係るガイドライン(令和6年3月改定)」、出入国在留管理庁「令和7年における入管法違反事件について」図表2、出入国在留管理庁「外国人在留総合インフォメーションセンター」
暴行・傷害事件で弁護士に依頼できること
兵庫県内の暴行・傷害事件で弁護士が担う仕事は、示談の成立と身柄の解放が柱です。
被害者との示談をまとめる
検察官を通じて相手の連絡先を受け取り、治療費や慰謝料の支払いを取り決めます。処分の前に成立させられれば、不起訴となる可能性が上がります。進め方は被害者との示談交渉に関する記事で説明しています。
勾留を避ける・身柄を解く
勾留を請求しないよう検察官へ意見を出し、決定には準抗告、起訴後は保釈請求で対応します。県内46署のどこに身柄があるかで、接見の距離と回数が変わるため、早い依頼ほど動ける日数が増えます。
映像と目撃証言を確保する
先に手を出されたのであれば、その経緯を裏づける材料が要ります。防犯カメラの映像は上書きされる前に保全を求めます。
診断書と治療の経過を点検する
けがの程度と治療期間は、示談金の額と処分の両方に響きます。記載と実際の負傷が見合っているかを確かめたうえで交渉に入れます。
処分に向けた意見を出す
不起訴を求める意見書の提出や、略式に応じるかどうかの判断を支えます。処分の種類ごとの違いは不起訴・刑罰・刑事処分に関する記事で扱っています。
兵庫県で暴行・傷害事件に対応する弁護士の選び方
依頼先は、最初の電話で次の4点を聞けば絞り込めます。兵庫県の暴行は逮捕の多くが現行犯なので、比べる時間よりも動き出す早さを優先してください。
兵庫県で依頼先を決める前に聞く4点
- いま身柄がある警察署へ、今日中に接見へ行けるか
- 夜間・休日に電話がつながるか
- 防犯カメラの映像や目撃者の確保に動いた経験があるか
- 着手金に加えて、接見1回ごとの日当と交通費がいくらか
現行犯逮捕の当日に動けるか
兵庫県警察の令和7年の統計では、暴行で逮捕された850人のうち592人が現行犯でした。事件は逮捕から48時間以内に検察官へ送られ、その後24時間以内に勾留を請求するかが決まります。勾留の請求前に弁護士が検察官へ意見を出せれば、勾留されずに釈放される可能性が上がります。当番弁護士の電話は休日・夜間に留守番電話へ切り替わるので、夜間でも連絡のつく私選の事務所を並行して探してください。
接見に通える距離かどうか
兵庫県は神戸・阪神から播磨、但馬、淡路島まで広く、当番弁護士の受付も5つのブロックに分かれています。身柄のある警察署と、裁判を担当する庁の組み合わせは次のとおりです。
| 当番弁護士のブロック | 対象の警察署 | 裁判を担当する主な庁 |
|---|---|---|
| 神戸 | 神戸西を除く神戸市内の11署・三田・三木・篠山・丹波・洲本・淡路・南あわじ | 本庁/柏原支部(丹波市・丹波篠山市)/洲本支部(淡路島) |
| 阪神 | 尼崎東・尼崎北・尼崎南・西宮・甲子園・芦屋・伊丹・宝塚・川西 | 尼崎支部/伊丹支部 |
| 明石 | 明石・神戸西 | 明石支部 |
| 播磨 | 姫路・飾磨・網干・加古川・高砂・加西・福崎・たつの・相生・赤穂・宍粟・加東・西脇・小野 | 姫路支部/社支部/龍野支部 |
| 但馬 | 豊岡・南但馬・美方 | 豊岡支部(朝来市の旧生野町は姫路支部) |
※裁判を担当する庁は事件が起きた場所で決まり、警察署の所在地と一致しない場合があります。
神戸市内の事務所から但馬や淡路島の署へ通う場合、接見のたびに移動の日当と交通費がかかります。見積もりの段階で、接見の想定回数と1回あたりの金額を出してもらいましょう。尼崎・西宮など阪神の署であれば、大阪市内の事務所も接見に通える距離に入ります。
当番弁護士・国選弁護人・私選弁護人の違い
| 区分 | 呼び方 | 費用 | 兵庫県での押さえどころ |
|---|---|---|---|
| 当番弁護士 | 家族や友人が兵庫県弁護士会の該当ブロックへ電話する | 1回目の面会は無料 | 5ブロックで番号が違う。平日9〜17時は職員、休日・夜間は留守番電話 |
| 国選弁護人 | 勾留された被疑者や起訴された被告人が請求する | 資力の要件あり(資力申告書が必要) | 勾留されるまで付かず、弁護士を選べない |
| 私選弁護人 | 本人か家族が直接依頼する | 事務所ごとの料金 | 逮捕直後から依頼でき、担当を自分で選べる |
示談を急ぎたい場合や、現行犯逮捕の翌日までに検察官へ意見を出したい場合は、私選で依頼する弁護士を選びましょう。当番弁護士に来てもらい、面会した弁護士にそのまま私選で依頼する方法もあります。
暴行・傷害事件の弁護士費用
暴行・傷害事件の弁護士費用は、総額で50万円から90万円程度が一つの目安です。在宅で示談交渉だけを頼む場合は下がり、起訴されて公判まで続く場合は上がります。内訳は刑事事件の弁護士選び・費用に関する記事でも扱っています。
| 項目 | 内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 相談料 | 弁護士に相談するときの費用 | 30分5,000円〜1万円程度(初回無料の事務所もある) |
| 着手金 | 依頼した時点で支払う費用 | 30万円〜50万円 |
| 報酬金 | 事件が終わったとき、結果に応じて支払う費用 | 20万円〜40万円 |
| 接見費用・日当 | 警察署や拘置施設での面会、公判への出席 | 1回あたり2万円〜5万円 |
| 実費 | 交通費や郵送費など | 数千円〜数万円 |
| 総額 | - | 50万円〜90万円程度 |
※被害者へ支払う治療費や示談金は、弁護士費用とは別に必要です。金額は事件の内容と弁護活動の範囲で変わります。
兵庫県内で見積もりを取るときは、着手金の額と一緒に、身柄のある警察署や拘置施設までの接見の日当を聞いてください。豊岡や洲本など神戸から離れた署に身柄がある場合は、移動の分が積み上がります。
費用を用意できないときは法テラスを使う
収入と資産が基準以下なら、日本司法支援センター(法テラス)の立替制度を使える場合があります。兵庫県内の拠点は神戸・尼崎・姫路の3か所で、受付はいずれも平日9時〜17時です。勾留された被疑者は、資力申告書を出して国選弁護人の選任を請求することもできます。
| 名称 | 所在地 | 電話 |
|---|---|---|
| 法テラス兵庫 | 神戸市中央区東川崎町1-1-3 神戸クリスタルタワー13F | 0570-078334(IP電話 050-3383-5440) |
| 法テラス阪神 | 尼崎市七松町1-2-1 フェスタ立花北館5F | 0570-078335(IP電話 050-3383-5445) |
| 法テラス姫路 | 姫路市北条1-408-5 光栄産業(株)第2ビル | 0570-078336(IP電話 050-3383-5448) |
※法テラス兵庫の無料法律相談は月曜から金曜の10時〜12時、13時〜16時です。法テラス兵庫法律事務所と阪神法律事務所は初めて連絡する人の相談を受け付けていないため、新規の相談は地方事務所・支部へ申し込みます。
暴行・傷害事件の示談金の相場
暴行・傷害の示談金について、金額の分布や平均を示した公的な統計はありません。裁判所の司法統計にも法務省の統計にも示談金額を集計した表はなく、インターネットで見かける「相場」は各事務所の経験にもとづく目安です。実際の金額は、けがによって生じた損害を一つずつ積み上げて交渉します。
| 項目 | 中身 | 金額を決める材料 |
|---|---|---|
| 治療費 | 通院・入院にかかった費用 | 病院の領収書と明細 |
| 通院交通費 | 病院へ通うためにかかった交通費 | 通院の回数と経路 |
| 休業損害 | 仕事を休んで減った収入 | 休んだ日数と収入の資料 |
| 慰謝料 | けがの痛みや通院の負担に対する償い | けがの程度と治療期間(診断書) |
| 物の損害 | 壊れた眼鏡・衣類・スマートフォンなど | 購入した時期と価格 |
※けがのない暴行では、慰謝料と物の損害が話し合いの中心になります。
兵庫県内の事件では、金額以外の条件が合意の決め手になることもあります。相手と同じ職場や近所、同じ学校に通う関係なら、今後接触しない取り決めや、通勤・通学の経路を変える約束を示談書に盛り込めます。神戸・阪神・播磨など同じ生活圏で暮らし続ける前提なら、用意できる金額の上限と受け入れられる条件を、交渉の前に弁護士へ伝えてください。相手に提示できる案が増えます。
兵庫県の暴行・傷害事件の検挙状況
ここでは、兵庫県内でどれだけの暴行・傷害事件が扱われているかを県警の統計で示します。暴行は令和7年に2,265件が認知されて前年より増え、傷害は1,312件で令和5年から2年続けて減りました。
| 区分 | 令和5年 | 令和6年 | 令和7年 |
|---|---|---|---|
| 暴行 認知件数 | 2,222件 | 2,100件 | 2,265件 |
| 暴行 検挙件数 | 1,889件 | 1,856件 | 1,983件 |
| 暴行 検挙人員 | 1,866人 | 1,890人 | 1,929人 |
| 傷害 認知件数 | 1,427件 | 1,355件 | 1,312件 |
| 傷害 検挙件数 | 1,285件 | 1,271件 | 1,183件 |
| 傷害 検挙人員 | 1,481人 | 1,396人 | 1,390人 |
※兵庫県警察「犯罪統計書」令和7年版と令和6年版の公表値です。令和5年の数値は令和6年版の前年欄によります。傷害は傷害致死を含みます。令和7年の検挙率は暴行87.5%、傷害90.2%と公表されています。
県内の刑法犯は3年続けて増え、令和7年は39,899件でした。そのなかで暴行と傷害の検挙率は9割前後に達し、窃盗の35.5%や詐欺の14.2%を大きく上回ります。認知された事件の9割近くが検挙に至っているということです。その場を立ち去ったあとでも、兵庫県警から連絡が来る前に弁護士へ相談してください。出頭の仕方と示談の申し入れを先に準備できます。
検挙された人のうち逮捕された割合(算出)は、暴行44.1%、傷害53.7%で、刑法犯全体の39.0%を上回ります。けががある傷害は、暴行よりも身柄を取られやすい罪です。
検挙される人の年齢
| 罪種(令和7年・兵庫県) | 検挙人員 | 14〜19歳 | 65歳以上 | 65歳以上の割合 |
|---|---|---|---|---|
| 暴行 | 1,929人 | 106人 | 373人 | 19.3% |
| 傷害・傷害致死 | 1,390人 | 150人 | 138人 | 9.9% |
| 刑法犯総数 | 11,675人 | 1,398人 | 2,538人 | 21.7% |
※兵庫県警察「犯罪統計書 令和7年」表8(被疑者年齢別の検挙人員)の公表値です。
暴行で検挙された人の約5人に1人(373人)が65歳以上です。一方の傷害では、14〜19歳の150人が65歳以上の138人を上回っています。高齢の家族が暴行で、10代の子が傷害で検挙されるという事態は、どちらも兵庫県の統計に表れています。本人が高齢でも未成年でも、逮捕されたら家族から兵庫県弁護士会の当番弁護士へ電話してください。
少年の粗暴犯と、家庭のなかの暴力
兵庫県警察少年課の暫定値では、令和7年の刑法犯少年2,422人のうち、暴行・傷害などの粗暴犯は600人でした。20歳未満の事件は家庭裁判所へ送られ、兵庫県内で少年保護事件を扱うのは神戸家庭裁判所の本庁と尼崎・姫路・豊岡・洲本の各支部の5庁だけです。明石・伊丹・柏原・社・龍野の各支部では扱いません。
家庭のなかの暴力も暴行罪・傷害罪にあたり、兵庫県警察が令和7年に認知したDVは3,922件、検挙は690件でした。配偶者や交際相手への暴力で家族が逮捕されたときは、釈放後にどこで暮らすかが勾留や保釈の判断に直結します。身を寄せる先の候補を、接見に来た弁護士に早めに伝えてください。
ここで示した数値は、兵庫県内で扱われた事件の全体像です。一人ひとりが逮捕される確率や、処分の見通しを表すものではありません。見通しは、けがの程度、示談の成否、関わった人数、前科の有無を聞いた弁護士から説明を受けてください。
出典:兵庫県警察「犯罪統計書 令和7年」表1・表3・表8、兵庫県警察「犯罪統計書 令和6年」、兵庫県警察(少年非行の状況・令和7年12月末暫定値)、兵庫県警察(ストーカー・DVの状況)、裁判所(神戸家庭裁判所の所在地)
兵庫県の暴行・傷害事件でよくある質問
Q1. 西宮で家族が逮捕されました。当番弁護士はどこへ電話しますか?
西宮署と甲子園署は阪神ブロックなので06-6412-8030です。尼崎東・尼崎北・尼崎南・芦屋・伊丹・宝塚・川西の各署と尼崎拘置支所も同じ番号です。平日9時〜17時は弁護士会の職員が受け、休日・夜間は留守番電話に切り替わります。夜間の逮捕であれば、夜間対応の私選事務所にも並行して連絡してください。
Q2. 姫路や加古川の警察署にいる場合は、神戸と同じ番号ですか?
違います。姫路・飾磨・網干・加古川・高砂の各署は播磨ブロックで079-224-7115です。たつの・相生・赤穂・宍粟・加西・福崎・加東・西脇・小野の各署と姫路拘置支所も同じ番号になります。神戸ブロックの番号にかけると取り次ぎに時間がかかるため、警察署の名前を聞いてから発信してください。
Q3. 淡路島の警察署で逮捕されました。連絡先と裁判所はどこですか?
洲本・淡路・南あわじの各署は、島内の署でも神戸ブロック(078-341-2940)の担当です。裁判は洲本市・淡路市・南あわじ市を管轄する神戸地方裁判所洲本支部で開かれます。淡路島の外の事務所に依頼するなら、接見の交通費と日当を見積もりの段階で出してもらってください。
Q4. 豊岡の警察署に身柄があります。どこに頼めばいいですか?
豊岡・南但馬・美方の各署は但馬ブロック(078-360-8301)です。裁判は神戸地方裁判所豊岡支部の担当で、起訴後は豊岡拘置支所(0796-22-2219)へ移ることがあります。ただし朝来市のうち旧生野町で起きた事件は姫路支部の担当です。接見に通える範囲に事務所があるかを最初の電話で聞いてください。
Q5. 兵庫県では、暴行はその場で逮捕されることが多いのですか?
兵庫県警察の令和7年の統計では、暴行で逮捕された850人のうち592人が現行犯逮捕でした。刑法犯全体では逮捕のうち現行犯は4割ほどで、暴行は約7割と高い水準です。一方で、検挙された1,929人のうち1,079人は逮捕されずに捜査を受けています。逮捕されていなくても、呼出しの段階から弁護士に相談してください。
Q6. 相手が亡くなってしまいました。裁判はどこで開かれますか?
傷害致死(3年以上の有期拘禁刑)は裁判員裁判の対象で、兵庫県内では神戸地方裁判所の本庁か姫路支部で審理されます。取調べは録音・録画の対象になり、公訴時効は20年です。令和6年に全国で傷害致死により起訴された72人は、全員が公判請求でした。権利保釈の対象からも外れるため、逮捕の段階から弁護士に依頼してください。
Q7. 暴行・傷害の裁判は、神戸地方裁判所のどこで開かれますか?
事件が起きた場所で決まります。神戸市の西区以外と三木市・三田市は本庁、明石市と神戸市西区は明石支部、尼崎市・西宮市・芦屋市は尼崎支部、伊丹市・宝塚市・川西市・猪名川町は伊丹支部、姫路市・加古川市・高砂市・相生市・赤穂市は姫路支部です。罰金の略式命令で終わる場合は、県内14の簡易裁判所が書面で命令を出すため、法廷に立つことはありません。
Q8. 高校生の息子が傷害で逮捕されました。家庭裁判所はどこになりますか?
兵庫県内で少年保護事件を扱うのは、神戸家庭裁判所の本庁と尼崎・姫路・豊岡・洲本の各支部の5庁だけです。明石・伊丹・柏原・社・龍野の各支部では扱いません。令和7年に県内で傷害により検挙された1,390人のうち、14〜19歳は150人でした。被害者への弁償は家庭裁判所の判断にも関わるため、送致の前から弁護士に進めてもらってください。神戸家庭裁判所尼崎支部の少年係は06-7670-9555です(令和7年4月1日現在)。学校や生活のことで悩みがあれば、兵庫県警察の少年相談室「ヤングトーク」(0120-786-109・月〜金9時〜17時)も利用できます。
Q9. 夫婦げんかで配偶者を叩いてしまい、通報されました。
家庭内であっても、けががなければ暴行罪、けががあれば傷害罪にあたります。兵庫県警察が令和7年に認知したDVは3,922件、検挙は690件でした。同居している相手が被害者の場合、釈放後の接触が勾留や保釈の判断で問題になります(刑事訴訟法第89条第5号)。実家など、しばらく身を寄せられる先を用意して弁護士に伝えてください。接触しない形を具体的に示せます。
Q10. 高齢の父が近所の人を突き飛ばして、暴行で検挙されました。
兵庫県内で令和7年に暴行で検挙された1,929人のうち、65歳以上は373人(19.3%)です。年齢に関係なく暴行罪は成立し、起訴されれば罰金でも前科になります。近所の人が相手なら、今後の接触の仕方まで含めた示談を、家族から弁護士に依頼してください。検察官が処分を決める前に成立させられれば、不起訴となる可能性が上がります。
Q11. 相手が被害届を取り下げれば、手続きは終わりますか?
暴行・傷害はいずれも非親告罪なので、取下げだけで手続きは止まりません。ただし示談が成立した事実は、検察官が処分を決めるときの材料になります。令和6年の全国の統計では、不起訴のうち起訴猶予が占める割合は暴行で86.2%、傷害で75.7%でした。兵庫県内の事件なら、神戸地方検察庁の処分が出る前に示談書を届けてもらいましょう。
Q12. 手は出していませんが、すごんだだけで兵庫県の条例違反になりますか?
兵庫県の迷惑防止条例(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)は、第3条でいわゆるぐれん隊行為などを禁じており、違反すると第17条により50万円以下の罰金または拘留・科料、常習なら6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。被疑事実の記載を弁護士に見せれば、条例と刑法のどちらで扱われているかが分かります。
Q13. 外国籍です。罰金で終われば退去強制の対象になりませんか?
入管法第24条第4号の2は、別表第一の在留資格の人が傷害の罪などで拘禁刑に処せられた場合を対象としています。罰金は拘禁刑ではないため、この号には当たりません。一方で拘禁刑なら、執行猶予が付いても退去強制の対象です。兵庫県内で勾留されたら、在留資格の種類と在留期限を最初の接見で弁護士に伝えてください。
兵庫県は神戸・阪神・明石・播磨・但馬で当番弁護士の連絡先が分かれるほど、地域によって事情が違います。初回相談料、夜間・休日の対応、兵庫県内のどこまで接見に向かえるかは事務所ごとに異なります。逮捕されているなら、本人のいる警察署へ今日のうちに接見に向かえる事務所へ電話してください。在宅で呼出しを待っている段階なら、初回相談が無料の事務所から順に相談しましょう。
参考資料・更新情報
- 兵庫県警察「犯罪統計書 令和7年」
- 兵庫県警察「犯罪統計書 令和6年」
- 兵庫県警察「組織・警察署」
- 兵庫県警察(少年非行の状況・令和7年12月末暫定値)
- 兵庫県警察(ストーカー・DVの状況)
- 兵庫県警察(相談窓口の一覧)
- 兵庫県警察「少年相談室 ヤングトーク」
- 兵庫県「例規集」(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)
- 兵庫県公報「兵庫県条例第8号」(令和7年3月25日公布・同年6月1日施行)
- 兵庫県(防犯カメラの設置補助)
- 兵庫県(犯罪被害者等の相談窓口)
- 裁判所「兵庫県内の管轄区域表」
- 裁判所(神戸家庭裁判所の所在地)
- 検察庁「神戸地方検察庁」
- 法務省「拘置所・拘置支所の所在地一覧」
- e-Gov法令検索「刑法」
- e-Gov法令検索「暴力行為等処罰ニ関スル法律」
- e-Gov法令検索「刑事訴訟法」
- e-Gov法令検索「民法」第724条・第724条の2
- e-Gov法令検索「日本国憲法」
- e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」
- 法務省「検察統計調査」令和6年年報
- 法務省「令和7年版犯罪白書」
- 裁判所「検察官による起訴・不起訴の決定」
- 最高裁判所事務総局「令和7年 司法統計年報 2 刑事編」
- 出入国在留管理庁「在留特別許可に係るガイドライン(令和6年3月改定)」
- 出入国在留管理庁「令和7年における入管法違反事件について」
- 出入国在留管理庁「外国人在留総合インフォメーションセンター」
- 兵庫県弁護士会「逮捕されたら(当番弁護士)」
- 兵庫県弁護士会「法律相談センター」
- 日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」(2026年6月24日現在)
- 日本司法支援センター(法テラス)
※本コンテンツは2026年9月24日時点で確認できた公表情報をもとに作成しています。兵庫県内の犯罪統計は兵庫県警察「犯罪統計書」の令和7年(2025年)中と令和6年(2024年)中の公表値、少年非行は令和7年12月末の暫定値、処分と科刑は法務省「検察統計調査」令和6年年報と「令和7年版犯罪白書」、勾留と保釈の人員は最高裁判所「令和7年 司法統計年報 刑事編」第32表、退去強制の人員は出入国在留管理庁の令和7年の公表値です。刑名は令和7年6月1日施行の拘禁刑表記に合わせています。制度や窓口の情報は変更される場合があります。本コンテンツは一般的な情報提供を目的とするもので、個別の事件についての法的助言ではありません。