「電車やバスの車内、人が多く集まる場所で誘惑に負けて痴漢行為をしてしまった」このような痴漢行為と逮捕が会社に知られると、解雇されてしまうのでしょうか。
また逮捕されただけですぐ解雇されるとは限りませんが、欠勤が長びくと解雇のリスクも高くなるでしょう。
できる限り逮捕された事実を会社に知られないで、早期に解決するには、弁護士に依頼して早期釈放へ向けた活動を開始する必要があります。
今回は会社に痴漢行為を知られたときに解雇されるリスクの程度、解雇を避けるための効果的な方法をご紹介します。
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痴漢で逮捕されたときに適用され得る罪

痴漢で逮捕されたらどのような犯罪が成立するのでしょうか?
各自治体が定めている迷惑防止条例違反
痴漢行為は、「迷惑防止条例違反」になるケースがあります。迷惑防止条例は、「暴力的な行為や迷惑行為を禁止するために」各自治体が定めている条例です。
痴漢行為も一種の迷惑行為として禁止されており、違反すると罰則が適用されます。
罰則の内容は自治体によって異なりますが、東京都や千葉県、神奈川県や埼玉県の場合には「6か月以下の懲役または50万円以下の罰金刑」とされています。
ただし、迷惑防止条例違反になるのは、「公共の場所」における痴漢行為です。
「家の中」などの閉じられた空間内でわいせつな行為をした場合、迷惑防止条例違反にならず、後述の「強制わいせつ罪」が適用される可能性が高いでしょう。
悪質な場合は強制わいせつ罪が適用される可能性も
痴漢行為が悪質な場合には、迷惑防止条例違反で済まない可能性があります。
たとえば被害者の下着の中にまで手を突っ込み、直接性器をなで回した場合や、無理矢理キスしたり抱きついたりした場合などには、「強制わいせつ罪」が成立する可能性が高いです。
強制わいせつ罪の刑罰は、「6か月以上10年以下の懲役刑」です。
痴漢による逮捕で会社を解雇される理由の一部

痴漢で逮捕されても、逮捕されたこと自体は法的な解雇理由になりません。「逮捕された」だけで解雇すると、その解雇は違法な不当解雇になる可能性が高くなります。
というのも逮捕された時点では、被疑者が犯罪に手を染めたと確定していない状態なのです。
ただし社内規程によって、逮捕そのものが解雇事由になると事前に通告されている場合や、欠勤が続くことが解雇事由になると規定されている場合は、解雇されてしまう可能性があるでしょう。
痴漢で逮捕されたときに解雇される理由の多くは、以下のようなものです。
①拘留・勾留による長期間の欠勤
逮捕されると、勾留が確定するまでに最長で3日の身柄拘束が行われます。
引き続いて勾留が決定された場合、最長で20日間は身柄拘束されたままの状態が続くでしょう。
その後起訴されて通常裁判になると、保釈請求をして許可されない限り、留置場または拘置所でさらに長期間身柄拘束を受けたままとなります。
このように逮捕されると、刑事手続上の身体拘束により長期間出勤できないケースがあるのです。
痴漢の現行犯で突然逮捕された場合、会社への連絡をとることもできない場合があります。
その場合は無断欠勤という形になってしまい、連絡もとれずに懲戒処分を検討されてしまうリスクもあるのです。
逮捕後に会社へ連絡はとれるのか?
痴漢で逮捕されたときに「無断欠勤」を避けるためには、会社へ連絡を入れる必要があります。
しかし、身体拘束をされている被疑者本人が会社に連絡を入れるのは非常に困難です。留置場ではスマホもパソコンも利用できません。
外部に電話もメールできず、施設内で利用できるのは「手書きの手紙」だけです。警察による検閲も入り、特殊な印をつけられます。
逮捕後に勾留に切り替わるまでは、家族でさえ接見してもらうことはできません。
そのため理想的な会社への連絡手段としては、逮捕後すぐに弁護士に接見に来てもらい、弁護士から会社に連絡を入れて適切な説明をしてもらうことでしょう。
②痴漢容疑そのものによる懲戒処分
痴漢で逮捕された事実を会社に知られると、懲戒処分される可能性があります。ただし、前述のように逮捕されても「実際に犯罪行為をした」ことにはなりません。
日本の司法制度では裁判により有罪判決が出るまで、推定無罪がはたらくためです。犯罪行為が懲戒事由になる場合、本来は逮捕時点で懲戒を検討される必要はありません。
しかしそういった法的知識十分でない場合、「逮捕された」と聞いた時点で、懲戒解雇に踏み切ってしまう例もあります。復帰後の不利益を避けるためにも、会社にはなるべく逮捕を知られないようにすべきでしょう。
ただし逮捕時点での解雇は、法的に問題があることが考えられます。もし逮捕を理由に解雇された場合、この点についても弁護士に相談してみるのも良いかもしれません。
逮捕されたことを会社に連絡されてしまうのか?
逮捕されても、必ずしも会社に知られるわけではありません。警察から勤務先に対して、「御社の従業員を痴漢で逮捕しました」などと連絡を入れることは、通常ありません。
また逮捕後勾留されなければ、2~3日程度で留置場から出られて、出社できる状態に戻ります。
その程度の欠勤日数であれば「病気にかかっていた」、「身内に不幸があった」といった言い訳をすることが考えられますが、虚偽を述べることになるので各自の責任において対処すべき事柄でしょう。
さらに勾留されたとしても、不起訴処分を獲得すれば身柄を解放してもらえます。勾留期間が長引かないうちに不起訴処分を獲得できれば、会社に痴漢事件を知られずに復帰できる可能性があります。
一方、身柄拘束期間が長引いて出社できない期間が長くなると、会社が不審に思い家族に追及するケースが考えられるでしょう。家族としても言い訳ができなくなり、逮捕された事実を言わざるを得なくなるでしょう。
痴漢による逮捕の事実を知られたら解雇のリスクもあるので、逮捕されたときには一刻も早い身柄の解放を目指すべきです。

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解雇を避けるには早期段階での弁護士への依頼を検討

痴漢で逮捕されたときに解雇を避けるには、できるだけ早い段階で弁護士に依頼すべきです。
無罪や不起訴といった、有利な結果を目指した弁護活動をしてもらえることはもちろんですが、そのための時間の猶予も重要になります。
それぞれの詳細を確認しておきましょう。
勾留までの早期解放を目指した弁護士活動
痴漢行為による逮捕後、もっとも早く解放されるのは「勾留されなかった場合」です。勾留されなければ3日以内には釈放されて会社に戻れます。
勾留の要件は「逃亡のおそれ」と「証拠隠滅のおそれ」なので、この2点がないことを検察官に納得させることができれば勾留されない可能性が高くなります。
弁護士に刑事弁護を依頼したら、弁護士が家族に「身元引受書」を書いてもらって検察官に提出し「逃亡のおそれ」がないことを示します。
また本人がしっかり反省していて、普段は真面目に働いている前提であれば、「証拠隠滅のおそれ」もないといった旨を説明します。
このように弁護士が勾留請求しないように働きかけることにより、勾留されず在宅捜査になる可能性が高まります。
無罪・不起訴処分獲得に向けた弁護活動
勾留されてしまった場合でも、弁護士は被害者と示談交渉を進めたりしてなるべく早期の「不起訴処分」獲得を目指します。
痴漢事件では起訴前に被害者と示談できれば、不起訴にしてもらえて身柄を解放される可能性が高くなります。
本当は痴漢をしていなくて冤罪の場合には、弁護士が「証拠不十分」なので不起訴にすべきであると主張したり、「やっていないこと」の証拠を探して検察官に提示したりして、不起訴処分の意見書を提出・申入れを行います。
弁護士に弁護活動をしてもらうことにより、早期に不起訴にできれば会社に知られずに事件を終わらせることが可能です。
痴漢による逮捕後の流れ

痴漢で逮捕された場合、どのような流れで手続が進むのかを確認しておきましょう。
逮捕後
逮捕されたら48時間以内に、送致が必要かどうかを判断されます。送致とは、逮捕された被疑者の身柄を検察官のもとへ送ることです。
事件の手続きを警察のもとへ送ることから、ニュースといった報道現場では、送検と呼ばれることもあります。
ただし痴漢が軽微で被害者と示談できた場合などには、検察官に送られずに済む可能性もあります。
送致後
検察官のもとに送られると24時間以内に、「勾留」をして捜査を続けるのか、釈放して「在宅捜査」にするかが決定されます。
勾留が必要と判断された場合、検察は裁判所に対して勾留請求を行い、却下されない限りは勾留が決定するでしょう。
勾留請求されず身柄が自由になれば出勤可能
検察官から勾留請求されずに在宅捜査となった場合には身柄が解放され、会社に出勤できる状態になります。
ただし、事件が在宅捜査になっても事件が終わったわけではなく、無期限で捜査が進行して起訴・不起訴が確定するでしょう。
捜査の進捗状況が知らされることは原則として考えられないので、対策をしなければ「いつの間にか起訴が確定した」という状況になり得ます。
勾留後
勾留された場合には、その後10日間警察の留置場で身柄拘束を受けます。その間痴漢事件についての取調べを受けて供述調書が作成されます。
10日で捜査が終了しない場合、さらに10日(合計で最大20日)勾留期間が続くでしょう。
逮捕から勾留期間の満了までの期間は最大23日間で、この間出社できない状態が続きます。
起訴されてしまうと99%以上の確率で有罪になる
捜査が終了すると、検察官は逮捕した被疑者を起訴するか不起訴にするかを決定します。
起訴されたとしても、略式起訴であれば罰金を払えば身柄を解放してもらえます。その後は普通に出社できる状態になりますが、痴漢(迷惑防止条例違反や強制わいせつ罪)の前科がつきます。
起訴されて通常裁判になった場合には、身柄拘束が解けません。ただし「保釈請求」ができる状態となるので、早期に保釈を受けて自宅に戻り、出社するのが良いでしょう。
なお刑事裁判になると、99%以上のケースで「有罪判決」になり「前科」がつきます。
不起訴になれば釈放されて事件が終了する
不起訴になったら身柄拘束を受けていた方も釈放されて会社に出勤できますし、前科もつきません。
痴漢で逮捕されたときに被疑者が不利益を小さくするには、不起訴処分の獲得が非常に重要です。
さらに前述の通り、刑事裁判では有罪になる確率が高いので、無罪判決よりも不起訴処分の獲得を目指すことがもっとも現実的ともいえます。
なるべく早めに弁護士に対応を依頼して不起訴処分を目指しましょう。
まとめ
会社員の方が痴漢で逮捕されると、「解雇されるのではないか?」と不安な気持ちになるものです。
解雇を防ぐには早期に弁護士に依頼して「在宅捜査」や「不起訴処分」に向けた活動を開始すべきです。
ご家族が痴漢で逮捕された場合、地域にいる性犯罪・刑事事件に強い弁護士を探して早期に接見を依頼して下さい。