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北海道で公然わいせつに強い弁護士一覧

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北海道で利用できる公的な相談窓口

当番弁護士の申込先は札幌・函館・旭川・釧路の4会

当番弁護士の電話は札幌・函館・旭川・釧路の弁護士会に1本ずつで、会の中に地域別の番号はありません。本人が警察官などに頼むこともできますが、家族は本人の申出を待たずに電話してください。

弁護士会 当番弁護士の電話 受付の案内
札幌弁護士会011-272-1010毎日9時〜17時、それ以外の時間は留守番電話
函館弁護士会0138-41-0232毎日9時〜17時、夜間・休日は留守番電話
旭川弁護士会0166-52-1790受付時間は会の公式サイトに記載なし
釧路弁護士会0154-41-0214平日9時〜17時(祝日・年末年始を除く)

※番号は日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」(2026年6月24日現在)と各会の案内によります。札幌・函館の案内では、申し込む人の氏名と連絡先、逮捕された人の氏名・性別・生年月日、いる警察署、分かれば逮捕の日時と罪名、本人との関係を電話で伝えます。

在宅のうちに使える弁護士会の法律相談

逮捕される前や、在宅で呼び出しを受けている段階なら、弁護士会の法律相談センターを使えます。札幌弁護士会は全分野の相談料が無料で、函館・旭川・釧路には有料の会場があります。刑事を相談内容に明記しているのは札幌法律相談センターの一般相談だけなので、ほかの会場では予約の電話で刑事事件の相談だと伝えてください。

弁護士会 会場と夜間の枠 相談料 予約の電話
札幌札幌弁護士会館2階の札幌法律相談センター。夜間は月・水・金の18時〜19時30分無料011-251-7730
函館函館弁護士会館の函館法律相談センター。夜間は第2・第4水曜の17時30分〜19時30分30分以内5,000円0138-41-0232
旭川旭川弁護士会館の旭川法律相談センター。火曜は17時30分〜19時30分1回約30分5,500円0166-51-9527
釧路釧路弁護士会館(木曜16時〜19時)と帯広会館(木曜13時30分〜16時30分)30分以内5,000円0154-41-3444(帯広は0155-66-4877)

※札幌弁護士会は新さっぽろ・小樽・滝川・岩見沢・室蘭・苫小牧・岩内・日高にも相談センターを置いています。函館弁護士会は八雲・せたな・松前・七飯などの会場なら相談料がかかりません。北見・網走・根室でも、釧路弁護士会の相談日があります。

本人の心の相談と、被害を受けた側の窓口

繰り返してしまう悩みは、住所に応じて道か札幌市の精神保健の窓口が受けます。

窓口 電話 受付
北海道立精神保健福祉センター(札幌市民以外の道民)こころの電話 011-864-1294/来所の予約 011-864-7000来所相談は予約制(予約は月〜金 8時45分〜17時30分)
札幌こころのセンター(札幌市民)011-622-0556平日9時〜17時
北海道警察 少年相談110番(20歳未満の少年のこと)0120-677-110平日8時45分〜17時30分、時間外は留守番電話
性暴力被害者支援センター北海道(SACRACH)#8891/0120-8891-77平日10時〜20時、時間外は夜間休日コールセンター
北海道警察 性犯罪被害110番#8103/0120-756-31024時間
各地方検察庁の被害者ホットライン札幌 011-261-9370/函館 0138-41-1655/旭川 0166-51-6259/釧路 0154-41-6133平日

※SACRACHは道と札幌市が共同で運営する公的な窓口で、札幌市の案内は相談内容の例として露出やのぞきも挙げています。性犯罪被害110番は、#8103が使えない回線からはフリーダイヤルか、札幌地区の固定電話011-242-0310にかけます。

出典:札幌弁護士会「当番弁護士」、函館弁護士会「当番弁護士」、釧路弁護士会「法律相談・当番弁護士制度」、日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」、札幌弁護士会「法律相談のご案内」、函館弁護士会「法律相談」、旭川弁護士会「法律相談センター」、北海道立精神保健福祉センター「相談のご案内」、札幌市「こころの相談のご案内」、北海道警察「少年相談」、北海道「性暴力被害者支援センター北海道(SACRACH)」、札幌市「性暴力被害者支援センター北海道 SACRACH」、北海道警察「性犯罪被害110番」、札幌地方検察庁「被害者等支援制度」

北海道で公然わいせつの疑いがかかったときに最初にすること

公然わいせつ罪(刑法第174条)の刑は6月以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金、または拘留・科料です。罰金で終わっても有罪の裁判なので、前科として残ります。道内で令和6年に認知された公然わいせつは182件、検挙された人は56人でした。処分を決めるのは、事件のあった地域に応じて札幌・函館・旭川・釧路のいずれかの地方検察庁です。逮捕されていなくても、検察官が処分を決める前に弁護士へ相談してください。謝罪や通院の取り組みを処分に間に合わせられます。

いまの状況別・最初にすること

家族が道内の警察署で逮捕された
本人のいる警察署の地域を受け持つ弁護士会へ電話して、当番弁護士の派遣を頼んでください。札幌・小樽・倶知安・岩見沢・室蘭・苫小牧などの道央は札幌弁護士会(011-272-1010)、函館・北斗・江差・八雲などの道南は函館弁護士会(0138-41-0232)、旭川・富良野・名寄・稚内・留萌・紋別などの道北は旭川弁護士会(0166-52-1790)、釧路・帯広・北見・網走・根室などの道東は釧路弁護士会(0154-41-0214)が窓口で、1回目の面会は無料です。
警察署から後日の出頭を求められた
道内で令和7年に刑法犯で検挙された人のうち、約7割(算出)は逮捕されないまま調べを受けています。出頭の日より前に弁護士へ相談し、認めるか争うかを決めてから署へ行ってください。札幌法律相談センター(札幌弁護士会・011-251-7730)の一般相談は民事・刑事の全般を扱い、予約すれば相談料はかかりません。
露出をやめられず、繰り返してしまう
札幌市民以外の道民は北海道立精神保健福祉センター(こころの電話 011-864-1294)、札幌市民は札幌こころのセンター(011-622-0556・平日9時〜17時)で話せます。相談や通院を始めた記録は処分を決める検察官に示せるので、処分を待たずに連絡しましょう。

出典:札幌弁護士会「当番弁護士」、函館弁護士会「当番弁護士」、釧路弁護士会「法律相談・当番弁護士制度」、日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」、警察庁「令和6年の犯罪」、警察庁「犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)」、札幌弁護士会「法律相談のご案内」、北海道立精神保健福祉センター「相談のご案内」、札幌市「こころの相談のご案内」

北海道で公然わいせつの疑いで逮捕されたあとの流れ

警察は逮捕から48時間以内に事件を検察官へ引き継ぎ、検察官は24時間以内に勾留請求の有無を決めます。勾留は原則10日間で、延長されれば合計20日間まで続き、その間に不起訴・略式命令による罰金・公判請求のいずれかが選ばれます(刑事訴訟法第203条・第205条・第208条)。段階ごとに弁護士が動けることは逮捕後の流れ・身柄事件に関する記事で詳しく説明しています。

札幌・函館・旭川・釧路の4地域で手続きが進む

北海道警察の警察署は令和8年4月1日から58署で、交番310か所・駐在所382か所とあわせて道内を受け持っています。札幌方面は道警本部が直接担当し、ほかの地域には函館・旭川・釧路・北見の4方面本部があります。一方で、処分を決める地方検察庁と審理する地方裁判所は札幌・函館・旭川・釧路の4つずつで、警察の方面とは区切りが一致しません。業務を続けている拘置支所は札幌と名寄の2か所だけで、道内に独立した拘置所はありません。

地域(振興局・主な市) 道警の担当 地方裁判所(本庁・支部) 当番弁護士の申込先 拘置支所
道央(石狩・胆振・日高と、空知・後志の大部分。札幌・千歳・岩見沢・滝川・小樽・倶知安・室蘭・苫小牧・浦河など)道警本部(札幌方面)札幌地裁の本庁、岩見沢・滝川・室蘭・苫小牧・浦河・小樽・岩内の各支部札幌弁護士会 011-272-1010札幌(札幌市東区東苗穂)
道南(渡島・檜山と、後志の寿都町・黒松内町・島牧村。函館・北斗・森・八雲・江差など)函館方面本部函館地裁の本庁、江差支部函館弁護士会 0138-41-0232なし
道北(上川・留萌・宗谷と、空知の深川市・雨竜郡、オホーツクの紋別市と周辺4町村。旭川・富良野・名寄・稚内・留萌など)旭川方面本部(紋別市と周辺4町村は北見方面本部)旭川地裁の本庁、名寄・紋別・留萌・稚内の各支部旭川弁護士会 0166-52-1790名寄(名寄市)
道東(釧路・根室・十勝と、オホーツクの大部分。釧路・帯広・根室・中標津・北見・網走など)釧路方面本部(釧路・根室・十勝)、北見方面本部(オホーツク)釧路地裁の本庁、帯広・網走・北見・根室の各支部釧路弁護士会 0154-41-0214なし

※裁判所の欄は裁判所「北海道内の管轄区域表」(市町村名は平成21年10月5日現在の行政区画による表示)、警察の欄は北海道警察の所在地一覧によります。当番弁護士の欄は、弁護士会が地方裁判所の管轄区域ごとに置かれる(弁護士法第32条)ことにもとづく整理です。58署を方面別にみると札幌24・函館8・旭川11・釧路9・北見6で、小樽拘置支所は業務を停止しています。

公然わいせつは裁判員裁判の対象ではなく、公判請求された場合は、事件を受け持つ地裁の本庁・支部か簡易裁判所で審理されます。合議事件を扱う支部は岩見沢・室蘭・小樽・帯広・北見の5つに限られ、函館地裁と旭川地裁では合議事件も本庁だけが扱います。警察の方面と裁判所の管轄がずれる地域もあります。事件のあった市町村名と警察署の名前を、最初の相談で弁護士に伝えてください。手続きが進む庁に合わせて、接見と出頭の段取りを組んでもらえます。

出典:北海道警察「方面本部・警察署などの所在地・電話番号」、北海道警察「北海道警察の紹介」、北海道警察「警察署の機能強化に向けた再編整備計画」、裁判所「北海道内の管轄区域表」、札幌地方検察庁「アクセス」、法務省「刑事施設の所在地一覧」、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」

北海道で公然わいせつが問われる罪と刑罰

道内で人前での露出や性的な行為が問題になると、刑法第174条(公然わいせつ)、北海道迷惑行為防止条例第2条の2第1号ウ(卑わいな言動)、軽犯罪法第1条第20号(身体の露出)のどれかが当てはめられ、罰金の上限も公訴時効も違ってきます。道警の警察官から告げられた罪名と条文をメモし、そのまま弁護士に見せてください。

刑法第174条は場所を問わない

刑法第174条が処罰するのは「公然とわいせつな行為をした者」です。「公然と」は不特定または多数の人が認識できる状態を指し、実際に誰かが見たかは問われないため、人通りの少ない夜道でも成立し得ます。わいせつな画像や動画をインターネットで公開すると、第175条のわいせつ物頒布等罪(2年以下の拘禁刑もしくは250万円以下の罰金・科料、または併科)が問われることもあります。撮影や配信をしていたなら、その事実も最初の相談で弁護士に話してください。

北海道の条例は公共の場所・乗物にいる人への卑わいな言動を禁じる

北海道迷惑行為防止条例(昭和40年北海道条例第34号)の第2条の2は、正当な理由がないのに、公共の場所または公共の乗物にいる人に対し、著しく羞恥させ、または不安を覚えさせるような方法で行う行為を禁じ、その第1号ウに「卑わいな言動をすること」を挙げています。公共の場所には道路・公園・駅・飲食店など、公共の乗物には電車やバスなどが含まれ、特定の人に向けた露出や卑わいな言葉がこの号で扱われることがあります。

事務所・教室・タクシーなどの「集会場等」が条文に登場するのは、撮影とカメラの設置を禁じる号だけです。こうした場所での卑わいな言動は北海道の条例の対象に入っておらず、刑法第174条などで判断されます。

条例の刑は通常と常習の2段階

罰則は第11条にあり、通常は6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、常習なら1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。記録を残したかどうかで刑が上がる規定はありません。令和7年6月1日以降の行為には拘禁刑の表記が適用され、根拠は令和6年12月27日公布の北海道条例第85号です。それより前の行為には改正前の規定が使われます(同条例附則)。

軽犯罪法は身体の露出を拘留・科料で処罰する

軽犯罪法第1条第20号は、公衆の目に触れる場所で、しりやももなど身体の一部をみだりに露出し、周りの人に嫌悪の情を抱かせる行為を拘留または科料の対象にしています。わいせつの程度に至らない露出が、この号で処理される例があります(情状による刑の免除や、拘留と科料の併科も可能・第2条)。

項目 刑法第174条 北海道の条例 第2条の2第1号ウ 軽犯罪法 第1条第20号
どこでの行為か限定なし公共の場所・公共の乗物にいる人に対して公衆の目に触れるような場所
法定刑6月以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金、または拘留・科料6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(第11条第1項)拘留または科料
常習による加重なしあり:1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(第11条第2項)なし
公訴時効3年3年1年
北海道の検挙(令和6年)73件・56人87件・59人(条例違反全体)109件・104人(軽犯罪法違反全体)

※条例は北海道例規類集と北海道警察が掲載する全文(令和6年北海道条例第85号まで反映)、刑法・軽犯罪法はe-Gov法令検索の現行規定によります。公訴時効の年数は、刑事訴訟法第250条第2項第6号・第7号に法定刑を当てはめたものです。検挙は警察庁「令和6年の犯罪」の北海道の値で、条例と軽犯罪法は法令全体の数字です。

出典:e-Gov法令検索「刑法」第174条・第175条、北海道例規類集「北海道迷惑行為防止条例」、北海道警察「北海道迷惑行為防止条例」全文、北海道公報 号外(令和6年12月27日・北海道条例第85号)、e-Gov法令検索「軽犯罪法」、警察庁「令和6年の犯罪」

容疑を認める場合と否認する場合

認めるなら起訴猶予を目標に材料をそろえる

全国の検察庁が令和6年に処理した公然わいせつでは、起訴された840人のうち673人が略式命令の請求で、不起訴の633人のうち534人は起訴猶予でした。起訴猶予は、事件の内容や本人の事情、事件後の対応を踏まえて起訴が見送られる処分です。見た人が分かっている事件では、弁護士を通じて謝罪と示談を申し入れます。本人や家族が直接連絡を取ると、働きかけを疑われて身柄の解放が遠のくおそれがあるため、やり取りは弁護士に任せてください。相手が特定できない事件では、贖罪寄付、通院やカウンセリングを始めた記録、家族が生活を見守る誓約書が材料になります。札幌・函館・旭川・釧路のどの地検が処分する事件でも、決定の前に弁護士の意見書と一緒に出してもらいましょう。

否認するなら取調べで使える権利を押さえる

否認する事件では、その場所が「公然」といえたか、行為が「わいせつ」にあたるかが争点になりやすく、目撃者や通報者の説明が主な証拠になります。取調べの初めには供述を拒めることが告げられ(刑事訴訟法第198条第2項)、調書は読み聞かされたうえで訂正を求めることも、署名押印を断ることもできます(同条第4項・第5項)。公然わいせつや条例違反の取調べは録音・録画が義務づけられていない(同法第301条の2)ので、聞かれた内容と答えた内容をその日のうちに書き留め、接見に来た弁護士へ渡してください。接見は、稚内や根室の署であっても立会人なしで行われます(同法第39条第1項)。

出典:法務省「検察統計調査」令和6年年報、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第39条・第198条・第301条の2

公然わいせつ事件の保釈・公訴時効・在留資格

保釈は起訴されてから請求する

保釈の請求は起訴されたあとです(刑事訴訟法第88条第1項・第207条第1項ただし書)。上限6月の公然わいせつは第89条第1号に当たらず、問題になりやすいのは罪証隠滅のおそれ(第4号)と、目撃した人への働きかけのおそれ(第5号)です。令和7年の司法統計年報で、道内4つの地裁管内の勾留人員と保釈人員を罪名を問わずに比べると、次のとおりです。

地裁管内(令和7年) 勾留 保釈 保釈の割合(算出)
札幌地裁管内839人331人39.5%
函館地裁管内93人23人—
旭川地裁管内122人38人31.1%
釧路地裁管内187人78人41.7%
4地裁管内の合計1,241人470人37.9%
全国35,125人11,132人31.7%

※裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」第32表。各管内の数字には管内の簡易裁判所の分も入り、保釈を請求しなかった人も勾留の人数に含まれます。保釈は保証金を納めて実際に釈放された人数です。函館地裁管内は母数が小さいので、割合は空欄にしました。

起訴の知らせを受けたら、家族の身元引受書と、勤め先や通学先が分かる書類をすぐ弁護士に渡してください。保釈請求の資料として裁判所に出せます。

公訴時効は3年、軽犯罪法で扱われれば1年

公訴時効は、刑法第174条と北海道の条例違反が3年(刑事訴訟法第250条第2項第6号)、軽犯罪法違反が1年(同項第7号)です。行為が終わった時から数え始め(第253条第1項)、起訴で止まり(第254条第1項)、国外にいた期間は進みません(第255条第1項)。いつの行為が問われているかを弁護士と整理しておけば、起訴され得る範囲を早い段階でつかめます。

外国籍の人の在留資格

北海道の在留外国人は7万7,401人(令和7年末)で、1年で14.7%増えました。外国人スキー客が集まる冬には、倶知安署が外国語対応の職員を置いた「ニセコひらふ臨時交番」を開いています。公然わいせつ罪が属する刑法第2編第22章は、執行猶予でも退去強制になる入管法第24条第4号の2に入っていません。退去強制の判断に使われるのは第24条第4号リで、1年を超える拘禁刑の実刑が要件です。公然わいせつの上限は6月、北海道の条例は常習でも1年なので、この要件にも届きません。気をつけたいのは住居侵入罪(刑法第2編第12章)も成立している場合で、就労や留学など別表第一の在留資格なら、拘禁刑に処せられると執行猶予でも退去強制の対象です。在留資格とほかに問われている罪を最初の接見で弁護士に伝え、当番弁護士の申込みでは通訳の要否も伝えてください。

出典:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第87条〜第89条・第250条・第253条〜第255条・第429条、裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」第32表、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」、出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」、北海道警察「北斗の安全」令和7年版 第12章、日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」

公然わいせつ事件で弁護士に依頼できることと選び方・費用

弁護士に任せる中心は、処分を軽くする材料づくりと、早い身柄の解放です。

示談と反省の材料

見た人が特定できれば謝罪と示談を申し入れ、相手がいない事件では寄付や通院の記録を整えます。示談の流れは被害者との示談交渉に関する記事で紹介しています。

身柄の解放

勾留を求めないよう検察官や裁判官に意見書を出し、勾留が決まれば準抗告を申し立てます。早く自宅へ戻れれば、仕事や学校を長く休まずに済みます。処分の種類は不起訴・刑罰・刑事処分に関する記事で解説しています。

札幌から離れた署にいるなら、接見の距離と総額で比べる

北海道の面積は8万3,422km²で国土の約22.1%を占め、釧路弁護士会の区域だけで約3万3,000km²、旭川弁護士会の区域も南北350kmに広がっています。稚内・中標津・網走・江差などの署へ札幌の事務所から通うと、接見のたびに移動時間と交通費がかさみます。まずは地元の弁護士会の当番弁護士を呼び、私選の事務所には次の3点を尋ねてください。

私選の事務所に電話で尋ねる3点

  • 本人のいる警察署へ、いつまでに最初の接見に行けるか
  • 接見1回ごとの日当と交通費はいくらか、分割払いに応じるか
  • 勤務先や学校への伝わり方について助言してもらえるか

当番弁護士・国選弁護人・私選弁護人

区分 頼める時期と方法 費用
当番弁護士逮捕の直後から。家族が身柄のある地域の弁護士会へ電話するか、本人が警察官などに申し出る同じ事件で原則1回、面会が無料
国選弁護人勾留されたあと、本人が裁判官に請求する資力の基準があり、資力申告書を出す
私選弁護人逮捕前や在宅捜査の段階から、本人や家族が契約できる事務所の料金表による

逮捕されずに捜査が進む事件では、起訴前に国選弁護人は付きません。呼び出しを受けている段階なら、出頭の日より前に私選の弁護士へ相談しましょう。

費用の目安と道内4か所の法テラス

着手金・報酬金・接見の日当・実費を合わせた総額は40万円から70万円程度が目安で、在宅事件なら下がり、繰り返していて公判請求される事件では上がります。示談金や寄付は別で、札幌から遠い署への接見が続けば日当と交通費が加わります。費用の項目ごとの説明は刑事事件の弁護士選び・費用に関する記事にあります。

道内の法テラスは支部や出張所を持たず、地方事務所が札幌(0570-078388)・函館(0570-078390)・旭川(0570-078391)・釧路(0570-078392)にあるだけです。勾留される前の段階で費用を用意できないときは、弁護士費用を援助する仕組みを使えるか当番弁護士に聞いてください。

出典:北海道「北海道データブック2025 地勢」、釧路弁護士会「釧路弁護士会について」、日本弁護士連合会「旭川弁護士会」、札幌弁護士会「当番弁護士」、法テラス「法テラス札幌」、法テラス「法テラス函館」、法テラス「法テラス旭川」、法テラス「法テラス釧路」

北海道の公然わいせつの検挙状況

道内の件数は警察庁「令和6年の犯罪」の都道府県別の表で分かりますが、令和7年の公然わいせつの北海道分はまだ公表されておらず、令和6年が最新です。

公然わいせつ(北海道) 令和5年 令和6年
認知件数209件182件
検挙件数126件73件
検挙人員82人56人

※警察庁「令和6年の犯罪」「令和5年の犯罪」の都道府県別・罪種別の表によります。令和6年の検挙人員56人のうち7人は少年です。

令和6年は認知182件に対して検挙73件で、検挙件数を認知件数で割ると40.1%(算出)です。同じ年の道内の刑法犯全体の検挙率は48.3%(公表値)でした。道警は、札幌市のすすきの地区と大通・札幌駅前通地区の公共空間に計51台の街頭防犯カメラを設置しています。その場で捕まらなかった事件でも、あとから特定されて呼び出しや逮捕に至ることがあるので、警察から連絡が来た時点で弁護士に依頼してください。

逮捕か在宅かは刑法犯全体の数字だけ

逮捕か在宅かの内訳を罪名ごとに出した北海道の統計はありません。令和7年の刑法犯全体でみると、検挙9,431人に対して逮捕は2,883人で、約3割(30.6%・算出)にとどまります。5つの方面のうち最も低いのは北見方面の26.6%、最も高いのは函館方面の34.1%でした(いずれも算出)。

条例違反と軽犯罪法違反の検挙

法令(北海道・検挙) 令和5年 令和6年
北海道迷惑行為防止条例—87件・59人
軽犯罪法86件・77人109件・104人

※警察庁「令和6年の犯罪」「令和5年の犯罪」の特別法犯の表によります。令和5年の表には迷惑防止条例の欄がありません。いずれも法令ごとの合計で、露出や卑わいな言動に限った件数ではありません。

道警・警察庁の資料には、迷惑防止条例違反のうち卑わいな言動が何件かという内訳が見当たりません。自分の事件の見通しは、行為の場所と内容、初めてかどうかを弁護士に話して聞いてください。

出典:警察庁「令和6年の犯罪」、警察庁「令和5年の犯罪」、警察庁「犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)」、北海道警察「北斗の安全」令和7年版 第8章

北海道の公然わいせつ事件でよくある質問

Q1. 家族が逮捕されました。札幌・函館・旭川・釧路のどの弁護士会に電話しますか?

本人がいる警察署の地域を受け持つ会です。弁護士会は地方裁判所の管轄区域ごとに置かれるため(弁護士法第32条)、会の区域も4つの地裁に合わせて分かれています。たとえば伊達署や静内署なら札幌弁護士会、松前署や江差署なら函館弁護士会、富良野署や深川署なら旭川弁護士会、帯広署や中標津署なら釧路弁護士会です。警察署名が分かった日のうちに、その会へ申し込んでください。

Q2. 稚内や中標津の警察署にいます。札幌の弁護士でも接見に来てもらえますか?

来てもらえます。ただ、稚内は旭川弁護士会、中標津は釧路弁護士会の区域で、札幌から通うと移動の負担が大きくなります。先に地元の会の当番弁護士を呼び、私選を頼む事務所には日当と交通費の見積もりを出してもらってください。

Q3. 紋別市・白老町・北見市常呂の事件は、どこの裁判所の管轄ですか?

いずれも警察と裁判所の区切りがずれる地域です。紋別市と滝上・興部・西興部・雄武の4町村は北見方面本部の紋別署が受け持ちますが、裁判所は旭川地裁の紋別支部です。白老町は苫小牧署の区域でも札幌地裁の室蘭支部の管内で、北見市のうち旧常呂町の区域は釧路地裁の網走支部の管内です。後志にある寿都町・黒松内町・島牧村は、函館地裁の区域に入ります。事件の場所を町名まで伝えれば、当番弁護士の申込先と裁判の庁を弁護士がその場で判断できます。

Q4. 北海道の条例と刑法のどちらで扱われますか?

手がかりは、行為をした場所と、特定の相手に向けたかどうかです。北海道の条例の第2条の2第1号ウは公共の場所や公共の乗物にいる人に対する卑わいな言動を対象にし、刑法第174条は場所を限りません。当時いた場所と周りにいた人の様子を弁護士に話してください。どちらで扱われる見込みかを早めに知ることができます。

Q5. 住宅の窓をのぞいたことも疑われています。北海道の条例違反になりますか?

北海道の条例がのぞき見を罰するのは、公共の場所や公共の乗物で、衣服に覆われた身体や下着をのぞく行為だけです(第2条の2第1号イ)。住居・浴場・便所・更衣室でのぞき見る行為は条例の対象外ですが、軽犯罪法第1条第23号(拘留または科料)にあたり得ます。敷地や建物に入っていれば、住居侵入罪(刑法第130条・3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金)も問われます。どこから見たか、敷地に入ったかを弁護士に隠さず話してください。

Q6. 道庁や市町村の職員、道立学校の教員が検挙されたら、職を失いますか?

罰金なら失職しません。地方公務員法は、拘禁刑以上の刑に処せられた職員は、条例に特別の定めがない限り職を失うと定め(第16条第1号・第28条第4項)、執行猶予が付いても拘禁刑なら該当します。起訴による休職(第28条第2項第2号)や懲戒処分(第29条)は、刑事の処分とは別に判断されます。職への影響を抑えたいなら、処分が出る前に弁護士と方針を固めてください。

Q7. 高校生の子どもが疑われています。どこの家庭裁判所が扱いますか?

道内で少年保護事件を扱う家庭裁判所は10庁で、札幌家裁は本庁と岩見沢・室蘭・苫小牧・小樽の5庁、釧路家裁は本庁と帯広・北見の3庁が受け持ちます。函館家裁と旭川家裁は本庁だけなので、留萌市や紋別市の事件は旭川市、八雲町の事件は函館市の本庁が扱います。観護措置になれば、札幌か旭川の少年鑑別所、または函館か釧路の少年鑑別支所で過ごします。学校への伝え方も含め、付添人になる弁護士と早めに方針を決めましょう。

Q8. 起訴後に移される拘置支所で、家族はいつ面会できますか?

道内で業務をしている拘置支所は札幌と名寄の2か所です。受付時間は、札幌拘置支所(札幌市東区東苗穂2条1-1-1・011-781-2211)が午前8時30分から11時30分と午後1時から4時、名寄拘置支所(名寄市西4条南9丁目・01654-2-7030)が午前8時30分から11時30分と午後0時30分から4時です。接見禁止が決まっている間、家族は面会できず、弁護士だけが会えます。面会に向かう前に、接見禁止の有無を担当の弁護士に尋ねてください。

Q9. 罰金で終わりますか? 前科は残りますか?

略式命令による罰金で終わる場合があり、道内33の簡易裁判所のうち事件を受け持つ簡裁が書面だけで命令を出します。罰金も有罪の裁判なので、前科として残ります。検察官は請求の前に、略式手続に異議がないかを本人に確かめ(刑事訴訟法第461条の2)、命令を受けたあとも14日以内なら正式裁判を請求できます(第465条)。前科を避けたいなら、略式手続の説明を受ける前に弁護士へ相談してください。

Q10. やめたいのに、やめられません。

札幌市民以外の道民は北海道立精神保健福祉センター(来所の予約 011-864-7000)、札幌市民は札幌こころのセンター(011-622-0556)で相談できます。保護観察になった場合、性的な欲求が犯罪の原因や動機になっている人は、罪名が公然わいせつでも法務省の性犯罪再犯防止プログラムの対象になり得ます。相談や通院を始めた記録は検察官に示せるので、処分を待たずに今週のうちに電話しましょう。

出典:裁判所「北海道内の管轄区域表」、北海道警察「方面本部・警察署などの所在地・電話番号」、e-Gov法令検索「軽犯罪法」、e-Gov法令検索「刑法」第130条、e-Gov法令検索「地方公務員法」第16条・第28条・第29条、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第461条の2・第465条、法務省「面会受付時間一覧」、法務省「少年鑑別所の所在地一覧」、北海道立精神保健福祉センター「相談のご案内」、札幌市「こころの相談のご案内」、法務省「保護観察所における性犯罪再犯防止プログラムについて」

北海道で公然わいせつ事件の弁護士を探す 身柄のある署と処分を決める地検を踏まえて選んでください

接見に向かえる地域や夜間・土日の対応、初回相談料は事務所ごとに違います。逮捕されているなら、身柄のある警察署へ今日のうちに接見に行ける事務所へ電話してください。呼び出しを待っている段階なら、出頭の日より前に相談できる事務所から順に連絡しましょう。

参考資料・更新情報

※本コンテンツは2026年9月29日時点で確認できた公表情報をもとに作成しています。北海道の公然わいせつの件数と、迷惑防止条例・軽犯罪法の検挙は警察庁「令和6年の犯罪」「令和5年の犯罪」の値(令和7年の北海道分は未公表)、刑法犯の身柄措置と方面別の逮捕の割合は警察庁「犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)」から算出した値です。処分の人員は法務省「検察統計調査」令和6年年報の全国値、保釈の人員は裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」、在留外国人数は令和7年末、北海道の面積は2025年1月1日現在、警察署・交番・駐在所の数は令和8年4月1日現在、街頭防犯カメラの台数は「北斗の安全」令和7年版(令和6年のデータ)の値です。北海道迷惑行為防止条例の刑名は、令和7年6月1日施行の改正後の拘禁刑表記です。制度や窓口の情報は変更される場合があるため、利用前に各機関および法律事務所の公式情報をご確認ください。本コンテンツは一般的な情報提供を目的とするもので、個別の事件についての法的助言ではありません。

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