ハッカー=犯罪者ではない!ホワイトハッカーがサイバーテロを防ぐ?
企業や個人のネットワークに侵入して、機密情報や個人情報に不正アクセスするハッキング。
2017年に警視庁が公開した広報資料によると、特に10代による犯行が年々増加傾向にあるとのこと。また最近では、仮想通貨に関するハッキングなども登場しています。
今後も、ハッキング被害は一定数発生するものと予想され、企業や個人でもそれぞれ対策をとる必要があるといえるでしょう。
政府は、IT技術者の育成に積極的な姿勢を示しており、同様の考えを持つ企業も増えているようです。この記事では、ホワイトハッカーの現状や今後の流れ、ハッキング行為の罰則などについて解説します。
ハッカー=犯罪者ではない?
ハッカーと聞くと、『インターネットで悪事を働く犯罪者』という、ネガティブなイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし、ハッカーは悪事を働く者ばかりではなく、外部による攻撃からの被害を防ぐハッカーも存在します。
すべてを一括りにして『ハッカー』と呼ぶこともありますが、悪事を働くハッカーを『ブラックハッカー』、そして『ブラックハッカー』による攻撃を防御するハッカーをホワイトハッカーと呼び分けることもあります。この記事では後者について紹介します。
ホワイトハッカーは、サイバーテロやサイバー犯罪への対処や、インターネットサイト・アプリなどの脆弱性の診断・改善などのような、サイバーセキュリティを行います。
現在、世界的にサイバーセキュリティを重要視する流れがあるようで、市場調査会社の中には、『2020年までに、サイバーセキュリティの世界市場は、約2,320億ドル規模まで成長する』と予想する声もあるそうです。
参考元:サイバーセキュリティ市場が膨張を続ける!2022年までに2,320億ドル規模へ |DX LEADERS
年々高まるホワイトハッカー需要
2017年には、原子力規制委員会がサイバー攻撃対策チームを設置しました。また、2020年に開催される東京オリンピックに向けて、サイバーテロ対策チームが発足されるなど、日本におけるホワイトハッカーの重要性・注目度は年々高まっています。
政府は今後、ホワイトハッカーの育成を積極的に行うべきとの姿勢を明らかにしており(IT人材を巡る現状について|経済産業省)、2017年にはホワイトハッカーを育成するセキュリティスクールが開校。また、2019年4月には、日本初のホワイトハッカー育成のための専門学校が開校予定です。
ちなみに、2017年にソニー生命保険が行った、『中高生が思い描く将来についての意識調査(中学生男女100名ずつ、高校生男女400名ずつを対象)』によると、男子中学生・男子高校生ともに1位がITエンジニア・プログラマーだったとのことです。
参考元:中高生が将来なりたい職業は?|マイナビニュース
若者の注目度が高いIT技術者。育成体制が整備されていくことで、次々と優秀なホワイトハッカーが登場する未来も遠くないかもしれません。
ハッキング行為を取り締まる法律
ブラックハッカーによる、不正アクセスなどのハッキングは、不正アクセス禁止法によって禁止されています。
不正アクセス禁止法では、『何人も不正アクセス行為をしてはならない』と定めており、法定刑は、3年以下の懲役または100万円以下の罰金です(不正アクセス行為の禁止等に関する法律第3条、11条)。
また、ID・パスワードの不正要求などの『不正アクセスの準備行為』や、第三者に他人のID・パスワードを口頭で漏らすなどの『不正アクセスの助長行為』なども禁止されています。
法定刑は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金です(不正アクセス行為の禁止等に関する法律第12条)。
まとめ
日本では、2020年に東京オリンピック開催を控えていることを考えると、大規模なサイバーテロの標的とされる可能性も十分に考えられます。サイバーテロに限らず、個人間でのハッキング被害の未然防止なども含めて、ホワイトハッカーの育成に積極的に動く必要があるといえるでしょう。
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