会社のコピー機を無断で使うと違法になる!?

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公開日:2018.7.12
その他 弁護士監修記事

会社のコピー機を無断で使うと違法になる!?

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書類などを印刷する会社のコピー機。このコピー機を業務ではなく私的に利用することは、果たして罪になるのでしょうか?

 

コンビニなどでのコピーではどうしてもお金がかかってしまうため、『会社でコピーをしてお金を浮かせたい』と考えることもありますよね。

 

この行為がもしも罪に問われるとしたら、いったいどのような罪が考えられるのでしょう?

 

誰もがやってしまいがちなコピー機の私的利用について、解説していきます。

 

違法になる可能性のある罪とは?

会社のコピー機を私的に使用した場合、理論的には『窃盗罪』もしくは『業務上横領罪』に問われる可能性があります。

 

  • 窃盗罪

他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

引用元:刑法235条

 

窃盗とは相手の所持する物を、相手の意思に反し、自分の支配下に置いてしまう行為のことをいいます。お金を支払わずにお店の商品を持ち帰るなど、自分のモノではない他人のモノを盗む行為ですね。

 

10年以下の懲役または50万円以下の罰金という重い罪ですが、傾向としては3年以下の懲役、20~30万円程度の罰金のケースが多いようです。

参考:【ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)】窃盗罪とは

 

  • 業務上横領罪

業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。

引用元:刑法253条

 

横領とは自分が預かっている他人の所有物を自分のモノにしてしまう行為のことをいいます。例えば、他人から借りたゲームを中古ショップに無断で売り払うような行為がこれに該当します。

 

ポイントは、『自分が預かっている他人のモノを、相手との委託信任関係に背いて自分のモノとしてしまう』ことです。お互いの信頼関係のもと、自分が占有している相手のモノを自分の所有物のように扱えば、横領と評価される可能性があります。

 

 

会社のコピー機を無断使用したケースでは、コピーに使用した用紙に対する窃盗罪や業務上横領罪が成立する可能性があります。

 

コピー機そのものについては、占有を移転させていないので窃盗罪が成立することはありませんし、所有者の支配を排除していないので横領罪が成立することもありません。

 

そのため、仮に犯罪が成立するとしては極めて軽微であるため、実際に罪に問われる可能性はほとんどないといえるでしょう。

 

枚数によっては罪になる可能性も

何取ったか、データを残している会社もありますよ。
1~2枚なら許容範囲と考えてくれる会社もあるかもしれませんけど、100枚は常識はずれでしょう。

引用元:OKWAVE

 

コピー機によっては、何をコピーしたかの履歴が残っているものもありますし、それがあまりにも大量(例えば私的な印刷が1万枚など)であれば、被害も馬鹿になりません。そのため、過剰なケースでは罪に問われるリスクもゼロとはいえません。

 

何事も節度を持って行動したいですね。

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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