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窃盗罪に該当する行為と罰則|窃盗事件で弁護士に相談すべき4つの理由

窃盗により家族が逮捕されたら直ちに弁護士に相談を

起訴され裁判となった場合、その有罪率はおよそ99%です。

窃盗で罰金や懲役を回避するためには「そもそも起訴されない」ことが重要になります。

そのためには、弁護士に依頼し早期の対応が必要です。

弁護士に依頼すると次のようなメリットがあるからです。

 

  1. 逮捕直後から接見がおこなえ、取り調べのアドバイスをもらえる
  2. 示談交渉・損害賠償がおこなえる
  3. 反省などを示して起訴猶予を目指せる

 

相談しなかったことで一生後悔しないためにも、お近くの窃盗事件が得意な弁護士にご相談ください。

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窃盗は、日常生活にもっとも身近な犯罪といえるでしょう。

令和元年版の犯罪白書によると、全刑法犯の認知件数817,338件のうち、窃盗事件の認知件数は582,141件で、全刑法犯の約71%を占めています。

刑法犯 認知件数の罪名別構成比

引用元:令和元年版 犯罪白書

「つい魔が差した」という表現があるように、窃盗は自分の甘さや物欲しさやスリルといった衝動によって、誰もがやってしまいかねない犯罪といえます。

他人の物やお金を盗む行為は「窃盗罪」に該当し、10年以下の懲役または50万円以下の罰金を科せられます。

コンビニでレギュラーサイズのコーヒーカップを購入してラージサイズ分のコーヒーを注いだり、お店で充電が許されていないのに勝手にコンセントを使ってスマホを充電するなどの行為も、状況によっては窃盗罪になる可能性があります。

本記事では、窃盗罪になる可能性のある行為や該当した場合どのような罰則を受けるのか、逮捕されたときに弁護士ができることなどについてわかりやすく解説します。

窃盗罪とは?量刑と時効、未遂だった場合の処罰も解説

窃盗罪は刑法第235条に規定されており、他人の財産を侵害する犯罪(窃盗、強盗、詐欺、恐喝、横領など)の一つとされています。

(窃盗)
第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

引用元:刑法第235条

どのような状況で何を盗んだのかによって、窃盗罪はさまざまな手口に分類されます。

窃盗罪の手口分類は非常に多岐にわたりますが、ここではその一部を挙げます。

手口の名称 内容
万引き 店舗で陳列している商品を盗むこと
空き巣 留守宅に侵入して金品を盗むこと
ひったくり スキを見て他人がもっているものを強引に盗むこと(強盗罪に該当する場合もある)
スリ 他人が身につけている金品を、その人に気づかれないようにすばやく盗み取ること
スリ 他人が身につけている金品を、その人に気づかれないようにすばやく盗み取ること
仮睡盗 駅や電車などで眠り込んでいる人から財布や鞄などを盗むスリの手口の一つ
野荒らし 他人が所有する田畑から作物を盗むこと
車上狙い(車上荒らし) 自動車等の積荷や車室内から現金や品物を盗むこと
自販機狙い 自動販売機を壊して中身の現金を盗むこと
自転車盗/自動車盗 駐輪中の自転車・自動車を盗むこと

また、窃盗の機会に相手に暴行を行った場合は強盗罪となり、窃盗罪よりも重い5年以上の有期懲役が科せられます。

窃盗罪に科される量刑と罰金相場

窃盗罪は、10年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されますが、実際の量刑は事件の内容によって大きく変わります。

悪質と判断されれば、罰金刑では済まされず懲役刑が科せられ、場合によっては執行猶予がつくこともなく実刑判決がくだされる可能性もあるでしょう。

窃盗罪で罰金刑が科される場合、法律上は50万円以下と規定されていますが、実際には上限となる50万円の罰金が科せられるケースはまれです。

実際に窃盗事件で罰金刑がくだされたケースをみると、罰金額の相場は20万~30万円程度となることが多いようです。

なお、以前は、窃盗罪は懲役刑のみで罰金刑が規定されていませんでした。

これは経済的に困っているからこそ窃盗を犯すのだから、罰金刑は意味がないという発想に基づくものでしたが、近年経済的に困っていなくても万引きなどの窃盗を犯す人が増えてきたことなどを受け、平成18年の刑法改正によって罰金刑が加えられました。

盗んだものの価値に関わらず窃盗罪が適用され得る

刑法の規定では「財物を窃取」した場合に窃盗罪が成立するとされています。

対象となる「財物」については、財産権の目的となる物であれば足りるとされているため、たとえば、空き缶やペットボトルなどであっても「財物」に該当するといえるでしょう。

なお、窃盗罪の被害額は「時価」で算出されます。

たとえば、定価10万円の腕時計が盗まれた場合でも、長く肌身はなさず使い続けていて古くなっている場合では、その時点の状態でどのくらいの価格で流通しているかを参考に被害額が算出されます。

罰金刑であっても前科がつく

罰金刑が科せられた場合、裁判官が決定した罰金額を納めることで刑罰が終了します。

つまりは「お金を支払うことで償いとみなされる」わけですから、刑罰としては軽いものだと認識している方もいるでしょう。

たしかに、略式で罰金刑が科される場合には刑事裁判を受けることはないですし、実刑判決を受け刑務所に収容されてしまうことと比べると、罰金刑は軽い刑罰のように感じられます。

ただし、罰金刑といえども「前科」がつくことには変わりがなく、一定の職業に就けなくなったり、場合によっては勤めている会社で解雇されたりする可能性が生じるなど、さまざまなデメリットがあります。

窃盗未遂の場合の処罰

刑法243条によって、窃盗罪の未遂に関しても処罰がおこなわれる旨が明確にされています。

(未遂罪)
第二百四十三条 第二百三十五条から第二百三十六条まで、第二百三十八条から第二百四十条まで及び第二百四十一条第三項の罪の未遂は、罰する。

引用元:刑法第243条

たとえば「Aさんのサイフをすろうと思ってサイフに手を掛けたところで、気が付いたAさんに捕まった場合」は窃盗未遂ということになります。

この場合にも窃盗罪と同様に処罰の対象になり、刑罰が科される可能性があるというのが未遂犯の規定です。

未遂犯の場合は「刑を減軽することができる」とされており、一定の条件を満たした場合には「刑の減軽や免除」が認められています。

窃盗罪の時効

罪を犯したあと、一定期間を過ぎると検察官が公訴できる権限が消滅します。

これを「公訴時効」といいます。

公訴時効は刑事訴訟法250条に規定されており、刑の重さによって期間が定められています。

第二百五十条 時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの(死刑に当たるものを除く。)については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。
一 無期の懲役又は禁錮に当たる罪については三十年
二 長期二十年の懲役又は禁錮に当たる罪については二十年
三 前二号に掲げる罪以外の罪については十年

② 時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの以外の罪については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。
一 死刑に当たる罪については二十五年
二 無期の懲役又は禁錮に当たる罪については十五年
三 長期十五年以上の懲役又は禁錮に当たる罪については十年
四 長期十五年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については七年
五 長期十年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については五年
六 長期五年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については三年
七 拘留又は科料に当たる罪については一年

引用元:刑事訴訟法第250条

窃盗罪は長期10年以下の懲役に当たる罪ですので、公訴時効は7年となります(刑事訴訟法250条2項4号)。

窃盗罪に該当する可能性のある行為

具体的にどういった行為が窃盗罪に該当するのか、また窃盗罪に該当しなくても他の犯罪に該当するのかをまとめました。

空き巣・万引き・ひったくり

空き巣・万引き・ひったくりは、典型的な窃盗罪ということができます。

とくに万引きは、窃盗罪と認識していない人もいるようですが、安価なものだからと軽い気持ちで盗んでしまってあとから大変なことになったというケースも少なくありません。

空き巣の場合、住居侵入罪も問題になりますし、窃盗の機会に被害者や目撃者に対して暴行・脅迫をおこなうと強盗罪・事後強盗罪が成立する可能性もあります。

窃盗にはさまざまな手口があり、空き巣や事務所荒らしなどを「侵入盗」、自転車やバイク・自動車等を盗むことを「乗り物盗」、駅や電車などで眠り込んでいる人から財布や鞄などを盗む「仮睡盗」、万引き・ひったくり・置き引き・車上荒らしなどを「非侵入盗」と呼んでそれぞれ区別することもあります。

いずれの窃盗であっても具体的な犯罪態様によって刑罰は変わってくるので、安価なものだから罪も軽くなるとは限らないことに注意が必要です。

一時使用(使用窃盗)とは?

たとえば、「試験に遅刻しそうなAさんが、駅に止めてあった自転車を所有者Bさんに無断で使用したが、試験が終わった2時間後にきちんと元の場所に戻した」というケースがあります。

このとき、自転車を盗んだという点では窃盗罪が成立しそうですが、使用者の権利を排除したのはあくまでも一時的な時間であり、最終的に元通りに戻したため、他人の物を領得する(自分のものにする)という不法領得の意思がないとみなされ、一時使用(使用窃盗)として窃盗罪が成立しないとされることがあります。

使用窃盗になるかどうかは使用態様や時間、行為者の意思などから判断されることになりますが、大まかな目安としては「自動車のような価値の高いものに関しては短時間の使用窃盗であっても窃盗罪が成立する可能性が高い」こと、「乗り捨てるなどの意思がある場合は放棄という処分行為をする意思が認められるため、窃盗罪が成立する可能性が高い」ということができます。

このような一時使用目的の有無は客観的態様から判断されますので、加害者が「一時使用目的だった」といえば罪に問われないという意味ではありません。

電気窃盗(盗電)

刑法245条は、窃盗および強盗の罪について、電気を財物として扱う旨を規定しています。

(電気)
第二百四十五条 この章の罪については、電気は、財物とみなす。

引用元:刑法第245条

つまり、自宅以外の場所で勝手にコンセントを利用し携帯電話やゲーム機等を充電することで、窃盗罪が成立する可能性があるわけです。

たとえば、カフェやファストフード店などで「ご自由にご利用ください」と明記されているコンセントを利用することは何の問題もありませんが、利用の可否を確認せずに無断でコンセントを利用してしまうと、電気代が1円程度しかかかっていない場合であっても窃盗罪に問われるリスクがあります。

電気窃盗はよほど悪質でなければ通報される可能性は低いでしょうが、一言確認すれば利用の可否は分かるはずです。

手間を惜しまずに店員や施設管理者に確認することをおすすめします。

ゴト行為(不正な方法でパチンコ等の出玉を獲得する行為)

パチンコやスロットで不正な手段を用いて出玉などを獲得する行為をゴト行為といい、それを生業とする人をゴト師と呼んだりします。

ゴト行為は、遊技台に不正部品を取り付けたり、持ち込んだ出玉を交換したりするなどさまざまな態様がありますが、これらによって玉やメダルを獲得することは窃盗罪にあたるとされています(最決平成19年4月13日)。

また、ゴト行為を目的とする入店自体が建造物侵入罪に該当しますし、行為態様によっては詐欺罪にも問われる可能性もありますので、安易な考えでゴト行為をおこなうことはやめましょう。

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窃盗罪になる可能性がある5つの例

窃盗罪は、あなたの身近なところでも十分に起こり得る犯罪です。

こちらでは、窃盗罪になりえる5つの行為を紹介します。

  1. 他人の自転車を無断で借りる
  2. 他人の傘を無断で借りる
  3. レジでお釣りを多くもらう
  4. 無料配布の物を規定以上に持ち帰る
  5. 他人の携帯電話を操作して番号を入手する

1.他人の自転車を無断で借りる

駅の駐輪場でカギがかかっていないからといって他人の自転車を勝手に乗り回していると、窃盗罪に問われるおそれがあります。

「借りたつもりだ」と言い訳をしても、本人の承諾なく長時間乗り回していれば罪に問われる可能性があるでしょう。

自転車の盗難トラブルで非常に多いのが、誰かが盗んで放置された自転車を乗り回していたケースです。

このようなケースでは、すでに持ち主の占有を離れた状態になるので、窃盗罪ではなく占有離脱物横領罪に問わる可能性が高いです。

いずれにしても罪に問われる可能性があるため、他人の自転車を乗り回す行為は絶対にやめましょう。

2.他人の傘を無断で借りる

不意に雨が降り始めたので、「店舗や施設の傘立てにあった誰かの傘を無断で使った」という経験はありませんか?

「一時的に借りる」という行為は、使用窃盗といって刑法の窃盗罪では処断されません。

ただし、勝手に他人の傘を使っているその場で問い質された場合は「借りただけで返すつもりだった」という説明では納得してもらえず、窃盗罪を疑われる状況になるでしょう。

使用窃盗と窃盗の境界は非常に難しい問題ですが、その傘を使って雨をしのいで移動し、さらに元の場所から遠くに移動しているような状況であれば窃盗罪に問われるおそれは十分にある、と考えるべきです。

3.レジでお釣りを多くもらう

コンビニで買い物をして、店員のミスでお釣りを多く渡されてしまった経験がある方も少なくないでしょう。

このケースでは、お金を「窃取」したわけではないので、窃盗罪は成立しません。

しかし、お釣りを手渡されたあとで「多い」と気づいたのに申告せず、黙って釣銭を受領した場合は詐欺罪に問われるおそれがあります。

コンビニやスーパーのレジ付近には防犯カメラが設置されていることが多く、とくにコンビニではレジの直上から撮影して手元がはっきりと記録されているケースもあるようです。

単なる道徳心だけではなく、お釣りが多いと気づいたときには正直に申告しなければなりません。

4.無料配布の物を規定以上に持ち帰る

無料で配布しているものでも「お一人さま◯個まで」といった規定を無視して過度に持ち去るケースは窃盗罪にあたるおそれがあります。

店舗が用意しているサービスの範囲を超えてしまえば「窃取した」と判断され、窃盗罪が成立する可能性があります。

たとえば、スーパーの製氷機から大量に氷を持ち帰ったり、無料のビニール袋をロールごと持ち帰ったりする行為は窃盗にあたるおそれがあります。

ただし、このようなケースでいきなり現行犯逮捕されるケースはまれです。

注意を受けたのにやめなかったり、バレていないと思って何度も繰り返したりしていると、厳しい処分を受けることになるでしょう。

5.他人の携帯電話を操作して番号を入手する

誰かの連絡先を知りたくて、他人の携帯電話を操作し電話帳データを盗み見るという行為も、ある意味では窃盗罪にあたるのでは?と考える方もいるかもしれません。

もっとも、電話番号などの情報はどんなに価値のある情報であっても「財物」ではないので窃盗罪は成立しません。

ただし、他人の携帯電話を操作するためにその場から持ち去った場合は、たとえ番号を入手したあとでもとに戻す意思があったとしても「携帯電話を盗んだ」とみなされて窃盗罪に問われるおそれがあります。

また、他人の携帯電話で勝手にメールやLINEにアクセスしてダウンロードするなどの行為をすると不正アクセス禁止法違反にもなり得るでしょう。

連絡先などを知りたい場合は、知っている人の許可を得て教えてもらうなどの方法で情報を入手するのが賢明です。

罰金が高額になりえるケース

罰金刑になったとしても、犯行が悪質であれば罰金額が高額になることもあります。

また、ケースによっては懲役刑を受ける可能性もありえます。

再犯であった場合

以前にも窃盗事件を起こし刑罰を受けた過去があれば「再犯」として扱われることがあります。

再犯であれば、法定刑の長期が2倍となるため、窃盗罪の場合には20年以下の懲役刑(罰金の上限金額は変わりません)となりますので、懲役刑を科される場合には罪が重くなる可能性があります。

また、罰金刑の場合も、以前の事件を反省していないと評価され、罰金額が高額になるおそれがあります。

盗んだものが高価だった場合

窃盗の罪の重さは、盗んだものの価値によって大きく左右されます。

盗んだものが高価であればそれだけ罪が重くなり、罰金額も高くなる場合が多いです。

被害が弁償できなかった場合

判決がくだされるまでの間に被害を弁償できなかった場合、罰金額が高額になるおそれがあります。

弁償できないほど高額なものを盗んだ、弁償できる程度のものなのに故意に弁償しなかった場合は、量刑判断において不利な状況になるでしょう。

証拠が明らかなのに否認した場合

防犯ビデオに犯行が記録されている、鑑識によって科学的に事件が証明されているなど、明らかな証拠がある状況で否認していると「反省していない」と評価されて罰金額が高くなる可能性があります。

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窃盗罪での示談の効果はどの程度?

窃盗罪を犯して逮捕されてしまうと、まず考えるのが被害者との示談でしょう。

しかし、示談の効果がどの程度なのか、本当に示談がよいのか疑問に思われる方も少なくありません。

ここでは、窃盗罪と示談の関係について紹介します。

窃盗罪で示談は有効か

軽微な窃盗事件の場合、被害者と示談をおこなって損害を賠償することにより、逮捕や起訴を避けることができる可能性が大きくなります。

たとえば、コンビニなどで万引きを行った際に店主が家族を呼び出すケースでは、損害の賠償をおこなうことで警察へ通報することを止めてもらえることもあるでしょう。

常習窃盗犯の場合は難しいかもしれませんが、初犯の場合は被害者と示談交渉をおこなって損害賠償を済ませることで、たとえ逮捕後であってもその後の刑事手続きが有利に運ぶ確率がぐんと上がります。

示談が成立することで不起訴処分を得られたり、略式の罰金刑で処分してもらえたり、起訴された場合でも執行猶予付きの判決が得られる可能性は充分あるので、窃盗罪に該当しうる場合は、速やかに示談をおこないましょう。

示談を検討している方は弁護士へ相談を

保護者や家族が被害者に呼び出されて話合いをおこなうケースはともかく、加害者の逮捕後に加害者やその関係者が示談交渉を望む場合には、弁護士を間に挟んだ方がスムーズに話が進むでしょう。

というのも、刑事事件に詳しい弁護士ならば相手方と冷静に交渉が可能ですし、被害者としても加害者と直接やり取りをしなくて済む分、示談交渉のための連絡に応じてくれやすくなる場合が多いです。

被害者が何を望んでいるのかをきちんと聞き取るには第三者である弁護士が適していますし、示談の際に支払うべき金額も適正なものになる場合が多いです。

弁護士をつけて早く示談が成立できれば、それだけ加害者にとってもメリットが大きいため、窃盗罪で示談を考えている場合は刑事事件の経験豊富な弁護士へ相談することをおすすめします。

窃盗で逮捕|弁護士に相談すべき4つの理由

窃盗で逮捕された場合、なぜ弁護士に相談すべきなのか、以下をご覧いただければおわかりになるのではないでしょうか。

  1. 起訴・不起訴まで最長20日間の勾留
  2. 起訴されれば99%有罪になる
  3. 被害額が大きい、再犯の場合などには実刑となる可能性がある
  4. 未成年者の場合、不利な証言をする可能性がある など

①起訴・不起訴まで最長20日間勾留される可能性

逮捕された場合、最長20日間勾留される可能性があります。

勾留は、検察が裁判所に勾留請求をおこない、認められれば原則10日間、延長の請求が認められればさらに10日間身柄を拘束されます。

この勾留満期までに、検察は起訴・不起訴を判断します。

法務省の2019年犯罪白書の統計によると、勾留請求率は91.8%にもなりますので、逮捕されれば勾留されると考えられるでしょう。

勾留が20日間もの長期間となれば、その間は当然職場にも学校にも行くことができませんので、仕事を解雇されたり、学校を退学になったりする恐れがあります。

したがって、一刻も早く弁護士に依頼して身柄解放につながる弁護活動をしてもらう必要があるのです。

②起訴されれば99%有罪になる

逮捕された場合に、弁護士へ相談すべき大きな理由は、日本の刑事裁判の有罪率が99%であるという点です。

そのため、窃盗罪で起訴されれば、冒頭で紹介したとおり、窃盗罪の罰則である10年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性が高いということになります。

しかし、2019年の窃盗罪の起訴率は41%となっています。

これは、しっかりとした弁護活動をおこなってもらい、被害者との示談をおこなうなど、適切な弁護活動がなされれば、不起訴処分となる可能性も十分にあるということを意味しています。

刑事事件で最も重要なのは、起訴されるまでの弁護活動なのです。

ただちに弁護士へ相談すべき理由がお分かりいただけたのではないでしょうか。

③再犯や被害額によっては実刑の可能性がある

窃盗の再犯や執行猶予中の犯行、被害額によっては実刑判決がくだされる可能性があります。

日本の刑事司法は窃盗の初犯に対しては寛容な場合が多いですが、以下のような場合、実刑判決を受ける確率が高まります。

  • 再犯や執行猶予中の犯行
  • 被害額が大きい
  • 空き巣などで住居侵入を伴う犯行で悪質である
  • 被害者と示談が成立していない

このような場合、弁護士に依頼して、以下のような適切な弁護活動をおこなってもらう必要があります。

  • 被害者との示談・被害金の弁済
  • 具体的な再犯防止策の提示
  • 事案に応じて情状酌量が得られるような事情を準備する

④未成年者は特に不利な証言をする可能性がある

警察や検察は刑事手続きのプロです。

成人であっても、取調べの段階で不利な状況に追い込まれたり、長期の勾留で心が折れ、やってもいない罪を認めてしまったりするケースがあります。

まして、逮捕されたのがあなたの息子さんや娘さんで、未成年者である場合、警察や検察の取調べに対して、うまく自分の意見が伝えられず、実際よりも不利な状況に陥ったり、冤罪に巻き込まれてしまったりすることも十分にあり得ます。

未成年者だからこそ、弁護士の適切な助言が不可欠なのです。

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窃盗事件で逮捕されたときに弁護士にできる3つのこと

逮捕直後の接見

窃盗で逮捕されてしまった場合、弁護士に依頼すれば速やかに接見をおこなってくれるでしょう。

逮捕後は警察署で最大48時間、その後検察に送致(送検)されて最大24時間以内に勾留の要否が判断されます。

この逮捕直後から勾留までの最大72時間の間、被疑者は外部との連絡はもちろん、家族との接見も許されません。

接見可能なのは弁護士だけです。

また、弁護士であれば、取調べに対する助言や、今後の流れについての説明はもちろん、弁護士を介して家族だけでなく学校の先生や会社の上司などとやりとりすることもできます。

出社前に逮捕されるケースの多い通常逮捕の場合、困るのが『会社への連絡』です。

この場合であっても、本人の意見を確認し、適切な助言をしてくれるでしょう。

身柄解放のための弁護活動

前述したような長期の勾留を阻止すべく、以下のような弁護活動をおこなってくれます。

  • 勾留前に勾留が不要であることを検察官や裁判官に訴える
  • 勾留された場合、勾留の取消しを求めて準抗告などを申し立てる

また、不起訴処分を獲得するために、被害者との示談や、被害金の弁済、具体的な再犯防止策の提案などを行ってくれます。

被害者との示談・被害金の弁済

弁護士に依頼することで、被害者との示談や被害金の弁済をおこなってくれます。

被害者との示談成立や被害金の弁済は、事件の解決を意味し、その後の刑事処分に有利な事情として働く可能性があるので非常に重要です。

あなたがご家族であれば、被害者と直接示談交渉をおこなうことは物理的に不可能ではありません。

しかし、被害者の処罰感情が強い場合、示談をしてもらえない可能性が高く、連絡自体を拒否されるケースも少なくありません。

もし示談に応じてもらえても、金額が不相当に高額になってしまうこともあり得ます。

弁護士なら被害者感情に配慮し、適切に交渉してくれることが期待できますし、示談成立の可能性を高めることができるでしょう。

窃盗で逮捕された場合どうやって弁護士を呼べばいい?

窃盗で逮捕されてしまった場合に、弁護士を呼ぶ方法は以下の2つです。

弁護士を呼ぶ方法 呼べる弁護士
事件が起きた地域の弁護士会に電話 当番弁護士
私選弁護人
インターネットで検索した弁護士事務所で相談 私選弁護人

刑事事件を担当する弁護士には、以下の3種類があります。

私選弁護人 費用を負担して依頼する弁護士です。
刑事事件の実績がある弁護士など、あなたが自由に選べます。
国選弁護人 国が費用を負担して選任してくれる弁護士です。
国選弁護人の場合、誰を弁護人にするか選ぶことはできず、国選弁護人が選任されるのは勾留状が発せられてからとなります。
当番弁護士 逮捕から起訴までに1度だけ無料で呼べる弁護士です。
当番弁護士が承諾すれば、別途契約をおこない費用を支払って私選弁護を依頼することも可能です。

弁護士会に電話する

事件が起きた地域の弁護士会へ電話することで、呼べるのが当番弁護士です。

当番弁護士は逮捕から起訴されるまでの間に1度だけ無料で呼べます。

ただし、可能なのは相談のみです。

逮捕直後の被疑者にとって非常に心強い味方ですが、相談以外の弁護活動をおこなうことはできません。

そのため、事件解決まで依頼したいのであれば、当番弁護士の了解を得て私選弁護人として選任するか、あなたが改めて弁護士を探すか、勾留後に国選弁護人を選任してもらうことになります。

当番弁護士は、1度きりではありますが無料です。

  • 「逮捕直後でどうしたらいいかわからない」
  • 「まだどんな弁護士に依頼していいかわからない」

といった方は、とりあえず呼んでみることをおすすめします。

インターネットで検索する

私選弁護人を探す方法は、知り合いから紹介してもらうか、インターネットで検索するのが通常だと思います。

『ベンナビ刑事事件』なら、窃盗事件を扱った実績のある弁護士や、無料相談を受けつけている弁護士事務所も掲載しています。

相談を行ったからといって、必ずしも依頼しなければならないわけではありませんので、まずは相談されてみることをお勧めします。

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窃盗で弁護士に依頼した場合の弁護士費用の相場

窃盗で弁護士に依頼した場合の弁護士費用は、着手金・報酬金合わせて50万~100万円になる場合が多いと思われます。

また、着手金・報酬金以外にも、相談料・接見費用・交通費などの実費・日当などがかかります。

弁護士費用とは別に、示談金の支払いにお金がかかることも留意しておかなければなりません。

関連記事では、弁護士費用の内訳や、費用を抑えるコツを紹介していますので、併せてご覧ください。

刑事事件でよい弁護士を見極めるポイント

刑事事件でよい弁護士を見極めるポイントはいくつかありますが、重視したいのは『実績』と『相性』です。

たとえば、『窃盗事件担当実績あり』や『不起訴〇件』などの具体的な実績のある弁護士を選ぶのも選び方の一つだと思います。

刑事事件を熟知している弁護士であれば、おのずと素早い対応をしてくれることと思います。

また、逮捕されてしまったのが未成年者であれば、少年事件となり、成人の手続きとは大きく異なります。

こういった場合は、少年事件を担当した実績がある弁護士に依頼することをおすすめします。

被害者との示談や、被害金の弁済をお考えであれば、交渉が得意な弁護士を選ぶのもよいでしょう。

以上を踏まえて、「この弁護士なら信頼できる!」と感じられる、あなたに合った弁護士を選んでください。

さいごに

刑事事件は起訴されるまでの限られた時間で進行していきます。

ただちに弁護士へ相談することで、早期に身柄を解放してもらえる可能性が高まるでしょう。

日本の刑事裁判における有罪率からすれば、ひとたび起訴されればほぼ有罪となってしまうといえるほどの確率ですが、窃盗の起訴率が2016年では41%であるように、起訴前に適切な弁護活動を受ければ、早期に身柄が解放され、また起訴されずに済む場合も多いです。

再犯の場合であれば、なおさら弁護士に相談されることをお勧めします。

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この記事の監修者
須藤泰宏 弁護士 (東京弁護士会)
性犯罪・違法薬物所持などの事件に多くの解決実績を持つ。また、事件になる前に弁護士へ相談したい方のために、事件化前サポートプランを提供。専用チャットを開通するなど、密にやり取りしながら解決に当たります。
編集部

本記事はベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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