【私立なら違法にならないってホント?】裏口入学はどんな罪?

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【私立なら違法にならないってホント?】裏口入学はどんな罪?
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公開日:2018.7.23
ニュース 弁護士監修記事

【私立なら違法にならないってホント?】裏口入学はどんな罪?

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いわゆる『裏口入学』とは、賄賂(支援金)を渡したり縁故を利用したりして、正規の試験を受けずに、または、試験は受け、本来不合格の点数なのに入学させること。

 

最近では、文部科学省の前局長が、便宜を図る代わりに息子を大学に入学させた容疑で逮捕されました。1991年にも、芸能人の裏口入学が発覚し、大々的なニュースになっています。他にも発覚していないだけで、一定数の裏口入学はあるのかもしれません。

 

真剣に受験勉強をして入学した人からすれば、このような行為は許しがたいのではないでしょうか。また、お金や権力に頼り、子供を入学させるという親の行為は、倫理的にどうなのかと疑問に思う人もいると思います。

 

今回の事件のように、裏口入学が発覚し逮捕・起訴された場合、どんな罪になるのでしょうか。また、入学した学生には処罰が下るのかについて解説します。

 

具体的な裏口入学の2つのケース

裏口入学の方法を大まかに分けると、下図のような2つのケースになると考えられます。

 

 

1つめは、受験生の親または親族が、直接学校の人と接触し、金品を贈って入学させてもらうケース。

 

2つめは、受験生の親または親族と学校の間に、別の仲介人を挟むケースです。

 

子供を入学させたい学校にまったくつながり(コネ)がない場合、仲介人に依頼して学校関係者に紹介してもらえるよう頼むようです。仲介人というのは、専用の業者がいるわけではありません。

 

文部科学省の事件で言えば医療コンサル会社の役員などがこれに該当します。

 

裏口入学の1番の問題点は『公務員による賄賂の授受』

裏口入学の1番の問題点は、学校の先生(公務員)が賄賂を授受していることです。賄賂に関しては、刑法第197条により以下のように定められています。

 

公務員が、その職務に関し、賄賂ろを収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。この場合において、請託を受けたときは、七年以下の懲役に処する。(引用:刑法第197条 受託収賄罪)

 

公立学校の職員へ賄賂を贈り、裏口入学した場合、公立学校側の職員は受託収賄罪(じゅたくしゅうわいざい)が成立し、学生側の親には贈賄罪(ぞうわいざい)が成立します。

 

公立学校側の職員は、入学を約束した時点で、5年以下の懲役、不正に入学した時点で7年以下の懲役が科せられます。また、学生側の親は、賄賂を贈り入学を約束した場合3年以下の懲役または、250万円以下の罰金が科せられるのです。

 

また、実際に不正入学させた時点で、学校側職員に加重収賄罪(※かじゅうしゅうわいざい)と背任罪(※はいにんざい)が成立すると思われます。

 

加重収賄罪

公務員が、賄賂を受け取り、見返りを約束した上で、その約束を果たすために、不正な行いをした場合に該当する。

背任罪

他人のためにその事務を処理する者が、その立場を利用して自己もしくは第三者に便宜を図る、または、本人に損害を加える目的で、その任に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときに該当する罪。5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処される。

 

私立学校は職員が公務員ではないから違法にならない?

受託収賄罪では、罰則の対象を『公務員』だけに限定しています。私立学校の職員は、公務員ではないため受け取った側にも渡した側にも収賄関係の犯罪は成立しません。

 

しかし、学校側職員が金品を受け取って不正に入学処理を行えば、学校に対する背任行為として背任罪が成立する可能性はあると考えます。

 

この場合、金品を渡して不正行為を頼んだ学生側の親も背任罪の共犯となる可能性があります

 

まとめ|仲介人に対する罰則もある!

裏口入学の仲介は、刑法第197条の4により禁止されています。

 

裏口入学の仲介をして、公務員に不正な行為をするようにあっせんすること、またはしたことの報酬として賄賂の一部を受け取り、相手の要望を約束した場合は5年以下の懲役に科せられます。

 

裏口入学は、立派な犯罪です。ほとんどの人は裏口入学にはまったく縁がないかもしれません。この記事は、文部科学省前局長の裏口入学の問題を考える際の参考にしてみてください。

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
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編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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