北海道で正当防衛に強い弁護士一覧

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更新日:

たんざわ法律事務所

住所 〒040-0004
北海道函館市杉並町8-20オカダビル1階
最寄駅 函館市電 杉並町駅より徒歩2分
営業時間

平日:09:00〜17:30

弁護士 丹澤 友佑
定休日 土曜 日曜 祝日
1件中 1~1件を表示

北海道で利用できる公的な相談窓口

当番弁護士は4つの会ごとに番号も受付時間も違う

道内の当番弁護士は、札幌・函館・旭川・釧路の各弁護士会に電話番号が1本ずつあり、同じ会の中で地域ごとの番号はありません。逮捕された本人は、警察官・検察官・裁判官に「当番弁護士を呼んでほしい」と伝えれば呼んでもらえます。

弁護士会 電話 受付時間(各会の案内)
札幌弁護士会011-272-1010年中無休の9時〜17時。それ以外の時間は留守番電話
函館弁護士会0138-41-0232年中無休の9時〜17時。夜間・休日は留守番電話
旭川弁護士会0166-52-1790会の公式サイトに受付時間の記載なし
釧路弁護士会0154-41-0214平日9時〜17時(祝日・年末年始を除く)

※番号は日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」(2026年6月24日現在)によります。札幌・函館の案内では、電話する人の氏名と連絡先、逮捕された人の氏名・性別・生年月日、留置されている警察署、分かれば逮捕の日時と罪名、本人との関係を伝えるよう求めています。旭川の番号は弁護士会の代表番号(0166-51-9527)とは別です。

逮捕される前なら弁護士会の法律相談

逮捕される前や、在宅で捜査を受けている段階なら、弁護士会の法律相談を予約できます。札幌弁護士会はすべての分野の相談が無料で、札幌法律相談センター(011-251-7730)は月・水・金の18時〜19時30分にも枠を設けています。函館法律相談センター(30分5,000円・0138-41-0232)、旭川法律相談センター(約30分5,500円・0166-51-9527)、釧路弁護士会の釧路・帯広などの相談センター(30分5,000円・0154-41-3444、帯広は0155-66-4877)は有料です。刑事の相談を明記しているのは札幌法律相談センターだけなので、ほかの会場では予約の電話で刑事事件の相談だと伝えてください。

先に攻撃された側としての相談先

正当防衛を主張する人は、先に手を出された被害者の立場でもあります。自分のけがや壊された持ち物のことは、次の北海道内の窓口に相談できます。

窓口 電話 受付
北海道警察 警察相談専用電話#9110/011-241-911024時間
北海道被害者相談室011-232-8740平日10時〜16時
札幌弁護士会 犯罪被害者弁護ライン011-251-7822月曜10時30分〜12時30分、水曜17時〜19時
地方検察庁の被害者ホットライン札幌 011-261-9370/函館 0138-41-1655/旭川 0166-51-6259/釧路 0154-41-6133平日
法テラス 犯罪被害者支援ダイヤル0120-079714平日9時〜21時、土曜9時〜17時
北海道立女性相談支援センター(配偶者からの暴力)011-666-9955平日9時〜17時。DVの電話相談は平日18時〜20時と土日祝9時〜18時も

※北海道警察の「相談センターの紹介」は、#9110を毎日24時間受け付けるとし、本部の警察相談センターの番号として011-241-9110を載せています。犯罪被害者弁護ラインを使えるのは、道内に住んでいる人と、道内で起きた犯罪の被害に遭った人です。北海道被害者相談室は北海道公安委員会の指定を受けた犯罪被害者等早期援助団体です。女性相談支援センターは12月29日〜1月3日が休みです。

相手の行為について被害届を出すか告訴するかは、争う方針とあわせて弁護士と決めてください。自分の被害の訴えと、取調べでの正当防衛の説明が食い違う事態を防げます。

出典:札幌弁護士会「当番弁護士」、函館弁護士会「当番弁護士」、釧路弁護士会「法律相談・当番弁護士制度」、日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」、札幌弁護士会「法律相談のご案内」、函館弁護士会「法律相談」、旭川弁護士会「法律相談センター」、北海道警察「相談センターの紹介」、北海道警察「北海道被害者相談室」、札幌弁護士会「犯罪被害者弁護ライン」、札幌地方検察庁「被害者等支援制度」、法テラス「犯罪被害者支援」、北海道「北海道立女性相談支援センター」

北海道で正当防衛を主張したいときに最初にすること

先に殴りかかってきた相手を押し返しただけでも、通報で駆けつけた北海道警察の警察官はまず双方から事情を聞き、暴行や傷害の当事者として扱います。正当防衛にあたるかを判断するのは現場の警察官ではなく、事件を受け取る札幌・函館・旭川・釧路の地方検察庁の検察官と、起訴されたときの地方裁判所です。道警の取調べで話した内容は調書に残るので、説明する前に弁護士の助言を受けてください。

いまの状況別・最初にすること

もみ合いの現場で、いま警察官に事情を聞かれている
その場を離れず、氏名と連絡先を警察官に伝えてください。犯行から間もない人が呼び止められて逃げようとすると、現行犯人とみなされます(刑事訴訟法第212条第2項第4号)。この段階で話すのは「相手が先に手を出した」「自分もけがをした」の2点にとどめ、いきさつの細部は弁護士と相談してから伝えましょう。
家族が道内の警察署で逮捕された
身柄のある警察署の地域を受け持つ弁護士会へ、当番弁護士の派遣を頼んでください。札幌・千歳・小樽・苫小牧・室蘭・滝川などは札幌弁護士会(011-272-1010)、函館・北斗・八雲・江差などは函館弁護士会(0138-41-0232)、旭川・富良野・名寄・稚内・紋別などは旭川弁護士会(0166-52-1790)、釧路・帯広・北見・網走・根室などは釧路弁護士会(0154-41-0214)で、1回目の面会は無料です。電話では「本人は相手から先に攻撃されたと話している」と添えてください。
後日、道内の警察署から呼び出しを受けた
令和7年に道警が刑法犯で検挙した9,431人のうち、6,548人は逮捕されずに捜査を受けています。呼ばれた日より前に弁護士へ相談し、正当防衛をどう説明するかを決めてから警察署へ向かってください。けがの診察をまだ受けていなければ、すぐに受診して診断書をもらいましょう。

出典:札幌弁護士会「当番弁護士」、函館弁護士会「当番弁護士」、旭川弁護士会「旭川弁護士会について」、釧路弁護士会「法律相談・当番弁護士制度」、日本弁護士連合会「当番弁護士連絡先一覧」、警察庁「犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)」、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第212条

北海道で正当防衛を主張する事件の逮捕と手続きの流れ

もみ合いの現場では、警察官でなくても現行犯人を逮捕でき(刑事訴訟法第213条)、相手や居合わせた人に取り押さえられて警察官へ引き渡される場合もあります。逮捕のあとは48時間以内に検察官へ送られ、検察官が24時間以内に勾留を請求するかを決めます。勾留は原則10日間、延長されると通算20日間までで(第203条・第205条・第208条)、この間に起訴か不起訴かが決まります。各段階の中身は逮捕後の流れを解説した記事にまとめています。

この間に、警察官・検察官・勾留を決める裁判官の3者が、それぞれ本人の言い分を聞きます(第203条・第205条・第207条第1項・第61条)。3回の説明が食い違うと、それ自体が主張を疑わせる材料になりえます。身柄が札幌の署でも稚内や根室の署でも、最初の接見で弁護士と説明の筋道を固めてください。

道内の警察・検察・裁判所は4つの地域に分かれる

北海道警察の警察署は58署(令和8年4月1日から)で、札幌方面は道警本部が直接受け持ち、ほかの地域は函館・旭川・釧路・北見の4つの方面本部が分担しています。起訴するかを決める地方検察庁と、起訴後に審理する地方裁判所は、どちらも札幌・函館・旭川・釧路に本庁を置き、支部が各地にあります。起訴後などに移される先になりうる拘置支所は、札幌と名寄の2か所だけです。

地域(主な市町) 道警の担当 暴行・傷害の裁判(地裁) 相手が亡くなった事件 当番弁護士
道央(札幌・千歳・小樽・余市・倶知安・岩見沢・滝川・室蘭・苫小牧・浦河など)道警本部(札幌方面)札幌地裁の本庁か7支部(岩見沢・滝川・室蘭・苫小牧・浦河・小樽・岩内)札幌地裁本庁(札幌市)札幌弁護士会 011-272-1010
道南(函館・北斗・七飯・森・八雲・江差・松前・せたな、寿都・黒松内・島牧)函館方面本部函館地裁の本庁か江差支部函館地裁本庁(函館市)函館弁護士会 0138-41-0232
道北(旭川・深川・富良野・士別・名寄・稚内・留萌・紋別など)旭川方面本部(紋別市と周辺4町村は北見方面本部の紋別署)旭川地裁の本庁か4支部(名寄・紋別・留萌・稚内)旭川地裁本庁(旭川市)旭川弁護士会 0166-52-1790
道東(釧路・根室・中標津・帯広・北見・網走・遠軽など)釧路方面本部・北見方面本部釧路地裁の本庁か4支部(帯広・網走・北見・根室)釧路地裁本庁(釧路市)釧路弁護士会 0154-41-0214

※裁判所「北海道内の管轄区域表」(市町村名は平成21年10月5日現在の行政区画による表示)によります。当番弁護士の欄は、弁護士会が地方裁判所の管轄区域ごとに設けられている(弁護士法第32条)ことから、身柄のある警察署の地域で分けています。方面別の署数は、札幌24・函館8・旭川11・釧路9・北見6です。罰金刑のある暴行などで略式命令が請求されると、道内33の簡易裁判所のうち事件を受け持つ庁が扱います。拘置支所は札幌市東区と名寄市にあり、小樽拘置支所は業務を停止しています。

相手が亡くなり、傷害致死や殺人で起訴された事件は裁判員裁判となり、北海道では4つの地裁の本庁しか扱いません。帯広・北見・網走・根室の事件は釧路市、稚内・名寄・留萌の事件は旭川市、江差の事件は函館市、室蘭・苫小牧・小樽の事件は札幌市の本庁で審理されます。裁判員裁判以外の合議事件を扱える支部も、岩見沢・室蘭・小樽・帯広・北見の5つに限られます。最初の相談では、身柄のある警察署の名前と、事件のあった市町村名の両方を弁護士へ伝えてください。

出典:北海道警察「方面本部・警察署などの所在地・電話番号」、北海道警察「警察署の機能強化に向けた再編整備計画」、裁判所「北海道内の管轄区域表」、札幌地方検察庁「アクセス」、法務省「刑事施設の所在地一覧」、旭川弁護士会「旭川弁護士会について」、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第61条・第203条・第205条・第207条・第208条・第213条

正当防衛が認められる3つの条件と問われる罪

北海道で起きた事件でも、正当防衛が成り立つかは刑法第36条第1項で判断されます。条文は「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない」で、一般に次の3つの条件に分けて検討されます。

条件 求められる中身 争いになりやすい場面
急迫不正の侵害違法な攻撃が目前に迫っているか、すでに始まっている相手が手を止めて離れたあとに反撃した
防衛の意思自分や他人の権利を守るための行為である仕返しのつもりや、この機会に痛めつけようとした反撃
やむを得ずにした行為身を守る手段として必要な範囲にとどまっている素手の相手に刃物や棒を使った、倒れた相手をさらに殴った

3つがそろえば犯罪は成立しないので、捜査の段階で認められれば不起訴、裁判で認められれば無罪となり、前科はつきません。防衛の程度を超えた反撃は過剰防衛で、罪は成立したうえで、情状により刑が減軽または免除されることがあるにとどまります(同条第2項)。攻撃してきた本人ではない第三者やその持ち物に害が及んだ場面は、主に第37条の緊急避難で判断されます。

捜査される罪名ごとの法定刑と公訴時効

正当防衛そのものは罪名ではなく、「罪にならない」という主張です。法定刑も時効の年数も、道警がその事件をどの罪で捜査しているかで決まるので、告げられた罪名を書き留めて弁護士に見せてください。

捜査される罪名 法定刑 公訴時効
暴行(刑法第208条)2年以下の拘禁刑、30万円以下の罰金、拘留または科料3年
数人共同・凶器を示しての暴行(暴力行為等処罰法第1条)3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金3年
傷害(刑法第204条)15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金10年
傷害致死(刑法第205条)3年以上の有期拘禁刑20年
殺人(刑法第199条)死刑、無期または5年以上の拘禁刑なし

※公訴時効は刑事訴訟法第250条によります。傷害致死は同条第1項第2号、暴行・傷害などは第2項の各号にあたり、人を死亡させた罪のうち死刑に当たる殺人はどちらにも含まれないため時効がありません。

当事者が複数いたもみ合いでは、2人以上が暴行を加えて誰の行為によるけがか分からないとき、共同で実行していなくても共犯の例によるという規定があります(刑法第207条)。その場にいた一人ひとりの動きを分けて書き出し、北海道内の留置先へ接見に来た弁護士に渡してください。

制度の参考:e-Gov法令検索「刑法」第36条・第37条・第199条・第204条・第205条・第207条・第208条、e-Gov法令検索「暴力行為等処罰ニ関スル法律」第1条、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第250条

正当防衛を争うか、示談で終えるか

正当防衛が認められる事件で目指すのは、嫌疑不十分や罪とならずを理由とする不起訴です。北海道内の事件では、札幌・函館・旭川・釧路の各地方検察庁の検察官がこれを判断します。処分ごとの人数の規模は、全国の検察統計(令和6年)でつかめます。

令和6年・全国 暴行 傷害
起訴4,614人5,629人
 うち略式命令の請求3,935人3,615人
不起訴12,099人13,318人
 うち起訴猶予10,427人10,086人
 うち嫌疑不十分1,585人2,840人

※法務省「検察統計調査」令和6年年報の全国値で、道内4つの地方検察庁の数値ではありません。嫌疑不十分の人数には、正当防衛の主張が認められた事件だけでなく、行為自体を立証できなかった事件も入っています。

暴行の不起訴12,099人のうち10,427人を占める起訴猶予は、罪が成立することを前提に起訴を見送る処分です。示談や謝罪を重ねるほど近づく一方で、手を出したと認める言葉が記録に残ります。争うか示談で早く終えるかは、証拠を見た弁護士と一緒に、逮捕されていれば勾留の最初の数日で、在宅なら最初の呼び出しの前に決めてください。示談の手順は被害者との示談交渉に関する記事にまとめています。

略式の罰金に同意する前に

全国で暴行により起訴された4,614人のうち3,935人(85.3%・算出)は略式命令の請求で、法廷を開かずに罰金が科されています。略式手続には本人の同意が必要で、検察官は通常の裁判を受けられることを説明し、本人は異議がないことを書面で示します(刑事訴訟法第461条の2)。罰金も前科になるため、正当防衛を主張するなら、同意の書面に署名する前に弁護士へ相談してください。略式命令の告知から14日以内なら、正式な裁判を求められます(第465条第1項)。

取調べでの一言が過剰防衛の材料になる

「やりすぎた」「悪かった」という言葉は、防衛の程度を超えたと自分で認めた供述として調書に残ることがあります。取調べの前には、自分の意思に反して話さなくてよいと告げられます(第198条第2項)。調書は読み聞かせのあとで誤りがないかを問われ、本人は訂正を申し立てられ、署名押印を断ることもできます(同条第4項・第5項)。「押し返した」と「突き飛ばした」では同じ動きでも受け取られ方が変わるので、自分の言葉と違う表現は、その場で直すよう求めてください。

取調べの録音・録画が義務になるのは裁判員裁判の対象事件などに限られ(第301条の2)、暴行や傷害として道内の警察署で調べられている事件は対象外です。相手が亡くなり、傷害致死や殺人で逮捕・勾留されている場合の取調べは対象に入ります。記録が残らない事件では、取調べのたびに聞かれたことと答えたことをメモし、接見に来た弁護士へ渡してください。弁護士とは、道警のどの警察署にいても立会人なしで面会できます(第39条第1項)。

出典:法務省「検察統計調査」令和6年年報 表24-00-08、裁判所「北海道内の管轄区域表」、制度の参考:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第39条・第198条・第301条の2・第461条の2・第465条

正当防衛の事件の保釈・公訴時効・在留資格

保釈は起訴されたあとに請求できる

保釈を求められるのは起訴されたあとの被告人だけです(刑事訴訟法第88条第1項・第207条第1項ただし書)。暴行や傷害で起訴された事件は、権利保釈の除外事由の第89条第1号にあたりません。傷害致死や殺人で起訴されると第1号にあたり、第90条の裁量保釈で判断されます。争っている事件で壁になりやすいのは、罪証隠滅のおそれ(第4号)と、被害者や目撃者などに害を加えたり怖がらせたりするおそれ(第5号)です。目撃者に連絡を取ることや映像を集めることは、本人や家族が自分で動かず、弁護人に任せてください。

令和7年に第一審を終えた被告人のうち、勾留された人と、保釈保証金を納めて釈放された人の数は、道内4つの地裁管内で次のとおりです。札幌地裁管内と釧路地裁管内は全国の割合を上回りました。起訴の知らせを受けたら、その日のうちに保釈請求の準備を弁護士へ頼んでください。

令和7年 勾留 保釈 割合(算出)
札幌地裁管内839人331人39.5%
函館地裁管内93人23人—
旭川地裁管内122人38人31.1%
釧路地裁管内187人78人41.7%
全国35,125人11,132人31.7%

※裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」第32表。地裁管内の人数は管内の簡易裁判所の分を含み、罪名は分けられていません。4つの地裁管内を合わせると勾留1,241人・保釈470人です。函館地裁管内は人数が少ないので割合を出していません。

公訴時効と民事の請求期限

時効は犯罪行為が終わった時から進み(第253条第1項)、起訴されると止まり(第254条第1項)、犯人が国外にいる間も止まります(第255条第1項)。刑事手続きとは別に、相手が損害賠償を求める権利は、身体を害した場合、損害と加害者を知った時から5年、行為の時から20年で消滅時効にかかります(民法第724条・第724条の2)。道内の地方検察庁で不起訴になっても民事の請求は別に残るので、自分のけがの診断書と当日の記録は、民事の期限が過ぎるまで捨てずに保管しましょう。

外国籍の人の在留資格

北海道の在留外国人は7万7,401人(令和7年末)で、在留資格では技能実習1万7,657人、特定技能1万6,675人の順に多くなっています。どちらも入管法の別表第一の資格で、暴行・傷害(刑法第2編第27章)と殺人(第26章)は第24条第4号の2の対象です。別表第一の資格の人は、拘禁刑の全部に執行猶予が付いても退去強制の対象になります。永住者など別表第二の人は、第24条第4号リにより、1年を超える拘禁刑の実刑かどうかで判断されます。

どちらの号も「刑に処せられた」ことが条件で、正当防衛が認められて不起訴になれば退去強制の理由にはなりません。勾留が長引き、就労や通学が3か月以上止まると、在留資格の取消し(第22条の4第6号)も問題になります。在留カードに書かれた在留資格と期限を、最初の接見で弁護士に伝えてください。

出典:裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」第32表、出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」、制度の参考:e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第88条〜第90条・第207条・第253条〜第255条、e-Gov法令検索「民法」第724条・第724条の2、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」第22条の4・第24条

正当防衛を争うとき弁護士に依頼できることと選び方・費用

正当防衛は、本人の説明だけでは認められにくい主張です。相手が先に攻撃してきたことと、反撃が必要な範囲にとどまっていたことを、映像・診断書・目撃者の話で裏づけます。北海道内の事件で弁護士に任せる中心は、次の2つです。

証拠の保全

店舗・駅・商業施設の防犯カメラの映像は短い期間で上書きされるため、管理者へ保存を申し入れ、捜査機関にも確保を求めます。自分のけがの診断書、その場にいた人の連絡先、当日のメッセージや通話の記録も、証拠としてまとめます。

取調べへの備えと身柄の解放

接見で話す順序と言葉を決め、警察・検察官・裁判官の前での説明をそろえます。検察官には勾留を請求しないよう意見書を出し、勾留が決まったら準抗告を申し立て、起訴されたら保釈を求めます。不起訴の見通しの立て方は不起訴・刑罰・刑事処分に関する記事で解説しています。

遠い警察署への接見と否認事件の経験で選ぶ

北海道の面積は8万3,422km²で、国土の約22.1%を占めます。釧路弁護士会が受け持つ区域だけで約3万3,000km²と全国52の弁護士会で最も広く、旭川弁護士会の区域も南北350kmに及びます。札幌の事務所が稚内・根室・網走などの署へ通うと、移動の時間も交通費も大きくなります。示談を急ぐ方針の事務所では、争える余地があっても謝罪と弁償の話が先に進みます。最初の電話で次の4点を聞き、条件の合う事務所に早めに決めてください。

最初の電話で聞く4点

  • 身柄のある道内の警察署へ、今日か明日のうちに接見に行けるか
  • 否認事件や正当防衛の主張を扱ったことがあるか
  • 防犯カメラの映像の保存を申し入れた経験があるか
  • 札幌から離れた署への接見1回ごとの日当・交通費と、分割払いの可否

当番弁護士・国選弁護人・私選弁護人

区分 頼める時期と方法 費用と注意点
当番弁護士逮捕の直後から。家族が地域の弁護士会(道内4会のいずれか)へ電話するか、本人が警察官などに頼む同じ事件で原則1回、面会が無料。続けて弁護してもらうには改めて依頼する
国選弁護人勾留を請求された段階から、本人が裁判官に請求する資力の基準があり、資力申告書を出す。弁護士は選べない
私選弁護人逮捕前や在宅捜査の段階でも、本人や家族が事務所と契約できる事務所ごとの料金

防犯カメラの映像が消える前に手を打つ必要がある正当防衛の事件では、逮捕や呼び出しの直後から動ける私選弁護人に依頼しましょう。

費用の目安と道内4か所の法テラス

正当防衛を主張して争う場合の総額は、60万円から120万円程度が目安です。起訴されて地裁の本庁や支部で公判を争えば出廷の日当が加わり、示談で終える事件より高くなります。札幌から離れた署への接見が重なると日当と交通費がふくらむため、着手金と一緒に見積もりをもらってください。内訳は刑事事件の弁護士選び・費用に関する記事にまとめています。

※弁護士費用を集計した公的な統計はないため、一般的な目安を示しています。

北海道の法テラスは地方事務所が札幌(0570-078388)・函館(0570-078390)・旭川(0570-078391)・釧路(0570-078392)の4か所だけで、支部も出張所もありません。札幌・函館の両弁護士会は、経済的な事情があれば弁護人の費用を援助する仕組みがあると案内しています。国選弁護人を頼めない勾留前の段階で費用が足りないときは、援助の制度を使えるかを当番弁護士に聞いてください。

出典:北海道「北海道データブック2025 地勢」、釧路弁護士会「釧路弁護士会について」、日本弁護士連合会「旭川弁護士会」、札幌弁護士会「当番弁護士」、函館弁護士会「当番弁護士」、法テラス「法テラス札幌」、法テラス「法テラス函館」、法テラス「法テラス旭川」、法テラス「法テラス釧路」

北海道の暴行・傷害事件の検挙状況

犯罪統計に正当防衛という区分はなく、争われる事件は暴行や傷害などの件数に含まれます。北海道の暴行・傷害の件数は、2026年9月の時点で令和6年(2024年)の値が最新です。道内の暴行の認知件数は令和6年に2,146件、傷害は874件で、どちらも前年を下回りました。

年 暴行 認知件数 暴行 検挙人員 傷害 認知件数 傷害 検挙人員
令和5年(2023年)2,183件2,411人999件939人
令和6年(2024年)2,146件2,276人874件842人

※警察庁「令和5年の犯罪」「令和6年の犯罪」第3表の北海道の値です。令和7年の暴行・傷害の北海道分は公表されていません。令和6年に暴行で検挙された2,276人のうち574人(25.2%・算出)が女性、70人が少年です。検挙件数から算出した令和6年の検挙率は、暴行92.7%、傷害89.1%です。

暴行・傷害・脅迫・恐喝などをまとめた粗暴犯は、道警の集計で令和5年3,468件、令和6年3,301件、令和7年3,562件でした。令和8年1〜8月の暫定値は2,777件で、前年の同じ時期より386件多くなっています。

逮捕されずに捜査を受ける人が多い

罪種ごとの逮捕の内訳は北海道分が公表されていませんが、刑法犯全体では、令和7年に検挙された9,431人のうち逮捕されたのは2,883人(30.6%・算出)でした。方面別でも、北見方面の26.6%から函館方面の34.1%の範囲です(いずれも算出)。在宅のままでも、送致されれば地検の検察官が起訴するかを決めます。呼び出しの電話や書面を受け取った時点で、弁護士へ依頼してください。店舗の映像が上書きされる前に保存を頼む時間を確保できます。

家庭内のもみ合いも事件になる

道警の「北斗の安全」によると、令和6年に道警が受理した配偶者からの暴力事案の相談は3,535件で、配偶者暴力防止法以外の法令で検挙した325件のうち、暴行が156件、傷害が118件でした。家の中のもみ合いは、第三者の映像や目撃者が残りにくい場面です。反撃した側も、自分のけがの写真と診断書、当日のメッセージを消さずに残し、弁護士へ渡してください。

正当防衛が認められた件数や割合を集計した公的な統計は、道警・警察庁・法務省の資料にも見当たりません。北海道の事件でも、結論を分けるのは攻撃の順序、反撃の程度、残っている客観的な証拠です。

出典:警察庁「令和6年の犯罪」、警察庁「令和5年の犯罪」、北海道警察「市町村別犯罪発生概況(令和3年〜令和7年)」、北海道警察「北海道の犯罪状況 令和8年1月〜8月(暫定値)」、警察庁「犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)」、北海道警察「北斗の安全」令和7年版 第3章

北海道の正当防衛に関するよくある質問

Q1. 相手が先に手を出してきたので反撃しました。正当防衛は認められますか?

相手の攻撃が続いているあいだに、身を守るのに必要な範囲で反撃したのであれば、刑法第36条第1項の正当防衛が認められる可能性があります。相手が倒れたあとや、背を向けて離れたあとの追撃は、急迫不正の侵害という条件から外れます。どの瞬間に何をしたかを時系列で書き出し、道内の留置先へ接見に来た弁護士に渡してください。

Q2. 家族が逮捕されました。4つの弁護士会のどこに当番弁護士を頼めばいいですか?

身柄のある警察署の地域を受け持つ会です。弁護士会は地方裁判所の管轄区域ごとに置かれているので(弁護士法第32条)、余市署・倶知安署・浦河署なら札幌弁護士会(011-272-1010)、森署・松前署・江差署なら函館弁護士会(0138-41-0232)、富良野署・留萌署・紋別署なら旭川弁護士会(0166-52-1790)、帯広署・中標津署・網走署なら釧路弁護士会(0154-41-0214)です。署の名前が分かったら、その日のうちに電話してください。

Q3. 余市や倶知安で起きたけんかの事件は、どこの裁判所で扱われますか?

余市町・仁木町・赤井川村・古平町・積丹町は札幌地裁の小樽支部、倶知安町・ニセコ町などは札幌地裁の岩内支部の管内です。岩内支部の管内の合議事件は小樽支部が扱い、相手が亡くなった事件の裁判員裁判は札幌市の本庁で開かれます。ほかにも、紋別市は警察が北見方面本部の紋別署でも裁判所は旭川地裁の紋別支部、苫小牧署が受け持つ白老町は札幌地裁の室蘭支部、北見市の旧常呂町は釧路地裁の網走支部と、警察と裁判所の区分がずれる地域があります。事件のあった場所を町名まで弁護士に伝えてください。

Q4. 相手が亡くなりました。帯広で起きた事件でも、裁判は帯広支部で開かれますか?

傷害致死や殺人で起訴されると裁判員裁判になり、北海道では札幌・函館・旭川・釧路の4つの地裁の本庁だけが扱います。帯広の事件は、合議事件を扱う帯広支部ではなく、釧路市柏木町の釧路地裁本庁で審理されます。裁判員裁判の弁護を担当した経験があるかを聞き、起訴される前から依頼してください。

Q5. すすきので絡まれてもみ合いになりました。防犯カメラの映像は残っていますか?

道警の「北斗の安全」は、札幌市のすすきの地区と大通・札幌駅前通地区の公共空間に、計51台の街頭防犯カメラが設置されていると紹介しています(令和6年時点)。ただし、周りの店舗やビルのカメラの映像は、管理者のもとで短い期間に上書きされることがあります。もみ合いの時刻と場所をできるだけ細かく書き出し、映像の保存の申し入れと捜査機関への確保の求めを弁護士に任せてください。

Q6. 17歳の息子が喧嘩で相手にけがをさせ、正当防衛だと言っています。

少年の事件は家庭裁判所が扱い、道内で少年保護事件を扱うのは10庁です。札幌家裁は本庁・岩見沢・室蘭・苫小牧・小樽、釧路家裁は本庁・帯広・北見が扱い、函館家裁と旭川家裁は本庁だけです。観護措置がとられたときの収容先は、札幌・旭川の少年鑑別所か、函館・釧路の少年鑑別支所です。少年でも黙秘権は使えるので、警察の取調べが始まる前に、少年事件に詳しい弁護士へ相談してください。道警の少年相談110番(0120-677-110・平日8時45分〜17時30分)でも相談を受けています。

Q7. 家族が札幌拘置支所に移されたと聞きました。面会はできますか?

北海道に独立した拘置所はなく、札幌市東区東苗穂にあるのは札幌刑務所の札幌拘置支所(011-781-2211)です。面会の受付は8時30分〜11時30分と13時〜16時で、駐車場は18台です。道北の名寄拘置支所(01654-2-7030)は8時30分〜11時30分と12時30分〜16時です。裁判所が接見禁止を付けている間は家族も会えず、面会できるのは弁護士だけです。出かける前に、接見禁止が付いていないかを弁護士から聞いておいてください。無駄足を防げます。

Q8. 教員や道職員が暴行・傷害で検挙されたら、仕事はどうなりますか?

報道は報道機関の判断ですが、身分への影響は法律で決まっています。地方公務員法は拘禁刑以上の刑に処せられた職員は、条例に特別の定めがない限り職を失うと定めています(第16条第1号・第28条第4項)。執行猶予が付いても拘禁刑なら対象で、罰金にとどまれば対象外です。懲戒処分(第29条)は刑事処分と別に判断され、起訴されると休職を命じられることもあります(第28条第2項第2号)。道庁や道内の市町村の職員、道立・市町村立学校の教員にも同じ規定が適用されます。起訴するかが決まる前に弁護士へ依頼し、正当防衛を理由とする不起訴を目指してください。

出典:裁判所「北海道内の管轄区域表」、北海道警察「方面本部・警察署などの所在地・電話番号」、北海道警察「北斗の安全」令和7年版 第8章、同 第11章、法務省「面会受付時間一覧」、法務省「少年鑑別所の所在地一覧」、北海道警察「少年相談」、制度の参考:e-Gov法令検索「刑法」第36条、e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第301条の2、e-Gov法令検索「地方公務員法」第16条・第28条・第29条

北海道で正当防衛を争える弁護士を探す 映像が上書きされる前に、留置先へ通える事務所へ

道内の裁判所と弁護士会は札幌・函館・旭川・釧路の4地域に分かれ、相手が亡くなった事件の裁判は4つの本庁でしか開かれません。接見に通える範囲、否認事件の経験、夜間・休日の対応は事務所ごとに違います。家族がすでに道内の警察署に留置されているなら、今日中に接見へ向かえる事務所へ電話してください。呼び出しを受けて出頭日を待っているなら、初回の相談料がかからない事務所から順に話を聞いてもらいましょう。

参考資料・更新情報

※本コンテンツは2026年9月28日時点で確認できた公表情報をもとに作成しています。北海道の暴行・傷害の件数は警察庁「令和5年の犯罪」「令和6年の犯罪」の値(令和7年の北海道分は未公表)、粗暴犯の件数は北海道警察の市町村別犯罪発生概況(令和7年確定値まで)と令和8年1〜8月の暫定値、刑法犯の身柄措置は警察庁「犯罪統計資料(令和7年1〜12月分【確定値】)」、配偶者からの暴力事案と街頭防犯カメラは北海道警察「北斗の安全」令和7年版(令和6年のデータ)の値です。処分の統計は法務省「検察統計調査」令和6年年報の全国値、保釈の人員は裁判所「司法統計年報 刑事編(令和7年)」第32表の道内4地裁管内と全国の値、在留外国人数は令和7年末、北海道の面積は2025年1月1日現在、警察署の数は令和8年4月1日現在の値です。正当防衛が認められた件数を集計した公的な統計は存在しません。刑名は令和7年6月1日施行の拘禁刑に合わせて記載しています。制度や窓口の情報は変更される場合があるため、利用前に各機関および法律事務所の公式情報をご確認ください。本コンテンツは一般的な情報提供を目的とするもので、個別の事件についての法的助言ではありません。

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