伊賀総合法律事務所（弁護士 亀井 宏寿）の事務所情報

刑事事件でお困りのご相談者様へ

私は，これまで，紹介者を通じて相談や依頼をされた方についての刑事事件を受任してきましたが，ネットによる弁護士照会にも応じることにしました。

今までどおり，紹介者を通じてのご相談や依頼には特に変更はありません。このネットを見て，相談される方については，当分の間，初回の３０分だけ無料ということにさせていただきます。
私は現在，国選の事件を受任していなので，弁護を引き受ける際には，着手金・成功報酬を含む弁護士費用の負担をお願いすることになります。次にご紹介する弁護士を依頼した場合の利点と，依頼される側の費用負担との兼ね合いを考え，依頼するか否かをご検討ください。

弁護士 亀井の伝えたい事

１　「自白」の強要

刑事事件の手続は，被疑者・被告人について「無罪の推定」がなされ，身柄の拘束は慎重かつ最小限度の範囲で行われるものとし，「自白」の強要は許されず，また，補強証拠がない状態で「自白」のみを根拠として有罪と認定することは出来ないとされています。

(1) しかし，現実には，被疑者が逮捕された時点で，その氏名・職業が報道機関によって公開され，捜査機関の見立てが既に動かし難い事実であるかのように扱われます。最近まで，住所の地番まで平然と公開している新聞すら存在していました（ただし，静岡地方裁判所令和３年（２０２１年）５月７日判決で，地番の公開は違法であるとされました。残念ながら，控訴審は，賠償義務を否定しましたが，全国の報道機関の扱いは，もはや地番の公開は許されないとすることで確定しています。）。

(2) また，「人質司法」などと揶揄されるように，捜査機関から身柄を拘束（勾留）したいという請求があれば，裁判所は，「罪証隠滅」，「逃亡」の恐れがあるとして，「原則として身柄を拘束し続ける」という扱いが広く行われています。このため，実際には無実であるのに，身柄の拘束を解いて貰おうとして，有罪であると自認してしまう人もいます。

(3) 更に，弁護人の立会を排斥した密室の取調べにより，「自白」を得ることは当然とされています。自白以外の証拠によって認定できるか，ということではなく，自白の内容が有罪と認定する決定的な証拠であるという運用が未だに広く行われています。

(4) そういうわけで，捜査機関から，いったん犯罪の嫌疑を掛けられると，それを晴らすのは容易なことではありません。身に覚えがないことで犯罪を疑われ，身柄拘束を伴わない事情聴取や，逮捕・勾留によって身柄を拘束された場合には，出来るだけ早い段階で弁護士に相談し，実際とは異なった自白調書が作成されないようにする必要があります。

２　犯罪事実の誇張は避けるべきです

身に覚えがないわけではない犯罪の嫌疑により，取調べを受けているという場合であっても，捜査機関の言いなりになってしまうと，認定される犯罪の内容が誇張されるようなことがあります。

私の経験では，捜査機関の側にはそうするつもりがなくても，被疑者・被告人の弁解を充分に顧みないまま，供述調書が作成されてしまうことが寧ろ一般的です。

したがって，「身に覚えがないわけではない」場合であっても，やはり弁護士に依頼することによって，犯罪事実を誇張される危険性を避けるべきです。

３　弁護士を介した示談交渉もご検討ください

被害者が存在する犯罪については，依頼した弁護士（弁護人）を通じて，被害者に対し，謝罪・賠償を行うことは有益です。それによって，被害者も権利の救済を受けることができ，被疑者の場合には，不起訴や起訴猶予という処分がなされ，公判請求（起訴）に至らず，「前科・前歴」が残らない場合もあります。被告人の場合には，拘禁刑の執行を猶予する事情として斟酌される可能性があります。

４　外国人被疑者の弁護もいたします

私は，外国人被疑者の弁護をするため，東海や北陸など，かなり遠方に出向くことがあります。その場合は，交通費などを負担していただくことになります。

外国人の場合は，在留資格の維持という観点から，一般の刑事事件とは趣が異なるところがあります。永住資格を有する場合は別として，在留期間の満了が何時になるかということを意識した弁護活動が必要となり，在留期間の満了が近い場合は，出入国在留管理局において，「取次弁護士」として，被疑者
被告人の在留期間更新許可申請を提出することになります。

５　手錠・腰縄の暴露を避ける

公判請求（起訴）をされた時点で勾留されており，第１回公判期日に至っても保釈が認められていない事件（身柄事件）の弁護を引き受ける場合は，その都度，法廷内で被告人の手錠・腰縄の暴露を避けるように申し入れています。裁判所の対応は，裁判体ごとに異なっていますが，趣旨を理解してそれなりの手当をされる裁判官もおられます。

無罪の推定がなされている被告人にとって，手錠・腰縄をされた姿を家族や無関係の第三者に見られたくないという要望は，今後も続けるようにします。