駐車監視員(緑のおじさん)は何者?文句を言うと公務執行妨害で逮捕?

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公開日:2018.7.30  更新日:2021.4.27
道交法違反 弁護士監修記事

駐車監視員(緑のおじさん)は何者?文句を言うと公務執行妨害で逮捕?

街を歩いていると見かける駐車監視員。緑色の制服を着て活動していることから、通称『緑のおじさん』と呼ばれることもあります。

 

駐車監視員は、違法駐車車両を確認する警察官が不足していたことを受け、2006年に道路交通法が改正(違法駐車車両の取り締まりを民間委託するよう体制変更)されたことで、活動開始しました。

 

しかし、そもそも駐車監視員とは何者なのでしょうか?

この記事では、駐車監視員の業務内容や、法令上の立場などについて解説します。

 

駐車監視員の業務内容

駐車監視員は、違法駐車車両の確認・記録を行うのが仕事です。

違法駐車車両を発見した場合は、車両前部にステッカーを貼り付けたのち、カメラで撮影するなどして記録します。

 

地域によって細部は異なると思われますが、8時間程度のシフト制で、土日祝日を含めてほぼ毎日活動している、というところが多いようです。

 

また、2人1組で活動しており、『どの時間帯・どの道路を重点的に回るか』など、活動について細かくガイドラインが定められている地域もあります。

 

引用元:駐車監視員活動ガイドライン

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駐車監視員になるためには?

駐車監視員は、誰でもなれるわけではありません。

駐車監視員になるためには駐車監視員資格を取得する必要があり、取得のためには各都道府県の警察で講習を受講したのち、試験に合格しなければいけません。

 

駐車監視員には『運転手指導』『車両移動』などの強制力がない

駐車監視員は、あくまでも違法駐車車両の確認・記録が仕事です。

したがって、運転手への指導や、車両を移動させたりするだけの強制力は持っていません。それらについては警察官が対応します。

 

駐車監視員に暴行を加えると『公務執行妨害罪』となる

駐車監視員はみなし公務員(※)であるため、刑法上は警察や消防と同じ公務員として扱われます。

したがって、駐車監視員に暴行を加えて、職務を妨害した場合は公務執行妨害罪が、駐車監視員に賄賂を渡すなどして、違法駐車の見逃しのために金品を差し入れた場合は贈賄罪が成立する可能性があります。

 

公務執行妨害罪の法定刑は、3年以下の懲役もしくは禁錮、または50万円以下の罰金(刑法第95条)、贈賄罪の法定刑は、3年以下の懲役または250万円以下の罰金です(刑法第198条)。

 

また実際に、駐車監視員に暴行を加えたことで、公務執行妨害容疑で逮捕された事例などもあります。

 

<事例>

2018年4月に埼玉県にて、違法駐車を取り締まっていた駐車監視員に暴行を加えたとして、公務執行妨害容疑で男性が逮捕された事件。男性は「駐車監視員の言動や行動に腹が立ったので犯行に及んだ」と、犯行を認めているそうです。

 

参考元:違法駐車の処理中、監視員に暴行「かわいそうじゃねえか。やめろ」 容疑の男逮捕/東入間署|埼玉新聞

 

※みなし公務員

公務員ではないものの、刑法上は公務員と同等の扱いを受ける職業のこと。

 

まとめ

皆さんも車を運転する際は、『ちょっと駐車するだけだから』と適当なところに駐車せず、キチンと定められた場所に駐車するよう注意しましょう。また、もし違法駐車しているところを発見された場合は、冷静に対応することです。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件(旧:刑事事件弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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