一部の犯罪には、依存性のあるものがあります。たとえば万引きや置き引きなどを繰り返してしまう窃盗への依存は、クレプトマニアという精神疾患としてWHOに認められているほどです。
その他にも、覚せい剤や合成麻薬などを使用した結果、薬物依存になってしまう例も有名でしょう。
また痴漢や盗撮といった性犯罪も、依存症になってしまっている事例があります。
万引きや置引きを繰り返してしまう窃盗症(クレプトマニア)
窃盗症は、クレプトマニアといった言葉でも非常に有名でしょう。有名な女性のアスリートがクレプトマニアになってしまったことでも、日本国内では有名になりました。
クレプトマニアにとって、窃盗する物や金銭自体は目的ではなく、窃盗することそのものが目的にあります。緊張と開放感からストレス発散になってしまうパターンや、うつ病・摂食障害などと併発するパターンも多いようです。
「ただの甘え」と切り捨てられてしまう人もいますが、脳機能の異常や過度に万引き等の行為をしたくなってしまう心理状態などといった、自律心だけで解決できるものではありません。
適切な治療・回復支援や周囲のサポートにより、脱却を目指すべき病的な状態のひとつです。
薬物依存
覚せい剤、大麻、MDMA、LSD、コカイン、ヘロインなど、取り締まり対象となる違法薬物は多岐にわたります。
そして都心部に限らず、違法薬物を使用して、依存症になっている人は少なくありません。有名女優や芸能人など、見た目だけでは判断できず、周囲も止めてあげることが難しい依存です。
薬物依存も他の依存と同様に、自律心が足りないという意思や根性の問題ではありません。薬物を求め続けてしまう病的な状態になってしまうのです。
薬物依存の状態になってしまった場合には、民間施設や医療機関等の利用によって回復を目指す必要があります。
性犯罪依存
痴漢・盗撮・レイプなど、卑劣な性犯罪は数多くあります。いずれも迷惑防止条例や強制わいせつ罪、強制性交等罪といった形で、重罪として罰せられることがある行為です。
しかし性犯罪行為に依存している場合、刑罰だけで更生・再犯防止になるとは限りません。何度も繰り返す人の中には、「痴漢は特に問題ない行為」だと考えてしまっている人もいます。
そのため、まずは痴漢や盗撮行為に対し依存状態に陥っていることを受け入れ、治療や更生プログラムに取り組むべきでしょう。
犯罪の依存症を相談できる場所
心療内科や精神科など、医療機関で治療を受けることも有効です。
ただ、すべての医療機関が依存症の治療に取り組んでいるわけではありません。依存症の治療に取り組んでいる医療機関を探すところから始める必要があるでしょう。
その他、依存症に対して回復や更生のプログラムを行っている法人に相談する、という方法も考えられます。
1人で回復が難しければ誰かに頼ろう
「問題(犯罪行為等)を起こしているのはわかっているが、止められない」
「止めようと色んなことを試そうとするが、続けられない」
「止められるなら止めたいが、止め方が分からない」
「自制しててもまたやってしまいそう…」
上記のように問題行為の繰り返しに悩んでいる人は、1人で問題に立ち向かわずに、誰かのサポート受けることも検討してみてください。
更生プログラムや自助グループへの参加など、再犯防止の取り組みを続けている間、まったく問題行動を起こさずに生活できている例は珍しくありません。
こうした状態を長期間続けることで、少しずつ自制が苦痛ではなくなることがあります。誰かに頼って更生を目指すことは、孤独に依存に立ち向かうことよりも有効な手段なのかもしれません。
以下、依存症の問題を抱える方の支援に取り組む民間団体を紹介します。
一般社団法人ワンネスグループ
一般社団法人ワンネスグループは、犯罪に関する依存だけに限らず多くの依存症状に対して、回復プログラムや支援を受けられる法人です。
世界基準のプログラムを積極的に取り入れ、対話を通じて経験者同士が支え合う治療共同体モデル(TC)を採用しています。
また、近年注目されているポジティブ心理学やウェルビーイングの理論を導入し、生き甲斐を持って社会復帰するための就業支援や、家族への支援プログラム、理解を広めるためのセミナー・講演などにより、包括的に依存の問題解決に取り組んでいます。
依存の種類と対象
依存の種類は、薬物や窃盗、性犯罪に限りません。犯罪ではないゲーム依存やタバコ依存、アルコール依存やギャンブル依存など、身の回りのさまざまなものに依存の可能性があります。
物質に対する依存、行為に対する依存、人間関係の依存。依存というものは一元的に語ることはできず、さまざまなものがあるのです。
ワンネス財団はそれらのものが1つだけとは限らないと考えていて、2つ3つの複数依存が合併するクロスアディクションに対しても、回復プログラムを行います。
依存回復の8つのポイント
ワンネス財団の依存回復プログラムには、8つのポイントがあります。
- 「治療共同体メソッド」に基づいた効果のある施設生活
- 依存の背景にある「生きづらさ」を深く見つめる良質なプログラム
- 社会復帰を目指して包括支援を実現
- 弁護士を通じて司法サポートに対応
- インタベンションによる早期介入
- 本人と同じように家族を支援
- 世界の支援団体を連携
- 通所プログラム・オンラインによるプログラムを提案
共同生活施設への入所が難しい場合には、週末通所支援方やオンラインによる在宅プログラムも受けられます。
悩みを持つ人の希望を取り入れながら、本人にとってより良いプログラムで依存からの回復を目指せます。
医学的な支援
ワンネス財団では、医学的な観点からの支援にも力を入れています。前述の通り、依存は自覚の足りなさだけで片付けられるものではありません。
うつ病などの精神疾患や様々な障がいとの併発も考えられるため、十分な医学的支援を必要とする場合もあるのです。
そのため地域の医療機関(病院・クリニック)と連携しています。ただ回復プログラムを進めることではなく、可能な手段を尽くして、依存からの回復を目指せるでしょう。
こうした包括的な依存回復の支援・サポートを受けて、依存から回復したいと考えている人は、ワンネス財団への問い合わせを検討してみましょう。
一般社団法人ワンネスグループ ONENESS GROUP
ワンネスグループ メール相談フォーム
まとめ
なんとか自分を抑制できていたころとは違い、「一度だけ…」、「これで終わりにする…」と思いつつ繰り返しているうちに、依存状態が悪化し、再犯の重ねてしまう結果になることがあります。
いずれも依存状態になってしまっては自律心だけで更生できる可能性は低く、精神疾患のひとつとして受け入れ、治療や更生・回復プログラムを受けた方が良いと思います。
今回紹介したワンネス財団では、うつ病や摂食障害といった他の精神疾患との併発や、周辺環境などさまざまな事情を鑑みて、あらゆる支援を受けることが可能です。
まずは自分と同じような人がどれだけいるかを知れるだけで、更生の励みになるかもしれません。第一歩として、支援が受けられるところへの問い合わせを検討してみてください。