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【専門家に聞く】インターネットが身近にある子どもたちに迫る危険

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公開日:2020.10.15  更新日:2020.10.15
その他 弁護士監修記事

【専門家に聞く】インターネットが身近にある子どもたちに迫る危険

Boy tablet

2020年の東京都の調査によると、小学校高学年のスマートフォン所持率は34.6%で、中学生になると75.4%になります。さらに高校生のスマートフォン所持率は92.4%と、非常に高い数値です。

もはや子どもたちにとって、スマートフォンは持っていて当然のものといっても過言ではありません。

これからのIT社会に出ていく子どもたちにとっては、恵まれた環境ではありますが、一方でトラブルや事件になることもあります。

大人社会との距離の近さや、遠隔でも連絡がとれる状態にあっては、インターネットの使用に注意が必要です。

インターネットが身近にあることによって、子どもたちの身に起こりえるトラブルや事件、家庭での向き合い方について、専門家である東北学院大学の稲垣忠教授に話を伺いました。

【情報参照】家庭における青少年の携帯電話・スマートフォン等の利用等に関する調査|東京都

 

稲垣教授のこれまでの経歴をおしえてください

tohoku_gakuin_university金沢大学の教育学研究科を修了し、その後2003年に関西大学で情報学の博士号を取得しました。

博士号取得後は東北学院大学で教鞭を執りつつ研究を進め、現在に至ります。

東北学院大学に着任した当時は教養学部人間科学科におりましたが、2018年からは文学部教育学科に移籍しました。

また今年からは、学長特別補佐に任命され、コロナ禍での全学オンライン授業の体制づくり等にも取り組んでいます。

稲垣忠教授関連書籍

学校間交流学習をはじめよう(2004-三晃書房) 稲垣忠編著

学校アップデート(2020-さくら社) 堀田龍也・稲垣忠ら共著

デジタル社会の学びのかたち(2020-北大路書房) 稲垣忠編訳

 

現在の研究分野に興味を持たれたきっかけをおしえてください

現在の研究分野は、教育工学という名称になります。エデュケーショナル・テクノロジーの日本語訳です。

ICTなどのテクノロジーを、どのように教育に活かすのかというイメージをもたれがちですが、ICTだけではなく、授業をどのように組み立てるのか、学習支援のための環境をどうデザインするのかも含む領域です。

私は、小中高の教員・子どもを対象とした研究がメインです。

きっかけとしては、総合情報学研究科の博士課程での研究が挙げられます。

小学生の子どもたちがテレビ会議システムなどを活用して学習する学校間交流学習のプロジェクトを、NHKと連携してサポートしていました。

そのプロジェクトに強くリアリティを感じたのです。

一般的な授業は先生が正解を知っていて、子どもは先生に向けて学びがちですが、交流学習をすることで、離れた地域の同年代の子どもたちが議論を通して共通理解を作る学びは、正解がなく、新たな学びになり得ると感じ、興味を持ちました。

 

インターネットが身近にあることによって現代の子どもたちにはどんなリスクがありますか?

Girl looking at a smartphone長時間利用による依存、SNSでの対人関係のトラブル、個人情報の漏洩により、自宅の住所がバレてしまうといったリスクがあります。

他にも、ゲームの課金による高額請求、ネットショッピング詐欺、悪ふざけをした動画の投稿を行って炎上するなど、ありとあらゆるリスクがあります。

 

インターネット上の子どものトラブルについてケースごとの原因と対策

Elementary school students looking at their phones in a dark room

ケース1:子どもがSNS上でイジメを行ってしまった

対面のイジメの状況と、SNS上のイジメの大きな違いは、周囲には見えづらい点です。

もちろん対面でも見えないところで行われることもありますが、SNS上では第三者からはみえないグループ内で行われたり、グループから外されたり、裏で別のグループがつくられるなど、状況を把握しづらくなっています。

とくにLINEのように、グループをつくってコミュニケーションすることが中心のSNSで起こりがちです。

 

また、文字上のやりとりで行われるだけでなく、相手の画像を加工して中傷する、暴行を受けている場面を動画で流されるなど、対面状況と組み合わさって行われることもあります。

TwitterやYouTubeのように第三者に広く見せることを前提としたSNSでこうしたトラブルがあります。

さらには、LINEのやりとりをTwitterで拡散するなど、サービスを横断して行われることもあります。

 

またSNS上のいじめは、学校の中で完結せず、いつでもどこでもイジメがついてまわる点も、大きな特徴です。

インターネットが普及する以前の対面のイジメの場合、家に帰れば少なくとも安心できる場所がありましたが、SNSやメールはどこにいてもメッセージが来ます。

使わなければいい、見なければいいと思っても、本人からは見えないところで中傷が続いたり、本人がそれが起きていないか不安に思ったりするなど、ずっとイジメが続いてしまいます。

 

インターネット上でのイジメが起きてしまうきっかけとは

きっかけについては対面と変わらず、過度に同質性を求める学校文化が背景にあるかと思います。

ただ、オンラインの特徴としては、文字によるコミュニケーションが基本なので、少しの齟齬がきっかけでイジメが始まってしまうことがあります。

たとえば語尾の解釈の違いや、誤送信などからイジメが起こり得ることを考えると、心の問題だけではなく、コミュニケーションの技術の問題でもあることを知る必要があります。

また、内輪でのやりとりだと思っていても、スクリーンショットを撮って拡散すれば秘匿性があるとはいえない点など、リテラシー面の知識不足によって問題状況がさらに複雑になることもあります。

 

インターネット上でのイジメをしてしまった子どもの更生を望めるのか

イジメをしてしまった子どもの心理的な面の更生は、対面と同様に大切です。

一方で、その後のことを考えると、対面的な暴力等はもちろんすべきではありませんし、SNS上でも暴言や悪質な使用はすべきではありませんが、一生SNSやインターネットを利用しないというわけにはいかないと思います。

そうしたことを考えると、反省は当然に必要ですが、並行してインターネットやSNSの特性などの理解を促すことが、更生につながるかと思います。

 

ケース2:娘がネットで募集して大人の男性と会ってしまった

Spycam興味本位の場合もあるでしょうし、学校や家族など周囲とのコミュニケーションで満たされないところなどが背景にあるのかもしれません。

インターネットがなければ、近い範囲で起きてしまうか、家出など大きな問題に発展することで発覚していました。

ネット上では全世界のさまざまな人とつながれることで、通常生活している範囲では出会うことがなかったような人ともつながり、リアルで会うきっかけが生じやすくなったのが現状ですね。

 

そうしたコミュニケーションを安全にとるためには?

あからさまな出会い系はもちろん避けるべきですが、共通の趣味や関心などをきっかけにネット上のつながりが広がり、そこからリアルで会う場合もあります。

ネット上でやりとりしていた相手が、対面でも同じように接する保証はありません。

 

少なくとも1対1になるシチュエーションを避けるとか、密室や人目がない場所には行かないなど、身の安全を守るような指導が必要です。

中高生だと、保護者との関係性にもよりますが、GPS等で居場所を伝えておくことも安全につながります。

 

ケース3:プログラミングが得意でコンピュータウイルスを作り警察沙汰になってしまった

A criminal who sends a computer virusデータを消去する、情報を拡散させるなどプログラムを作り・配布することは、技術的には難しいことではありません。

いたずら心でやることは、YouTubeやTwitterで迷惑動画を発信してしまうことと、ある意味で根っこは同じです。承認欲求(誰かに認められたい、自分の価値を知ってほしい)の表れの1つでしょう。

対面状況ではその場限りで済む話であっても、インターネット上では第三者が拡散に介在したり、他者がプログラムを改造し、さらに悪質なもの・拡散性の高いものが作られたりする可能性があります。

自分の行いがどこまで広がるかといった、想像力がインターネット利用には必要です。

 

そうしたトラブルを未然に防ぐ方法は?

自分が創作したプログラムや作品が、どういうところまで拡散し、どんな人がアクセスする可能性があるのかといったことを技術的な知識に基づいて想像することが大切です。

また、プログラミングについていうと、個人ではなく共同で役割分担しながら開発することも少なくありません。

2022年から、高等学校の学習指導要領が改訂され、情報系教科の内容が大幅に充実します。

学習指導要領とは

文部科学省が告示する、初等教育・中等教育での教育課程の基準。公立・私立ともに適用されるが、特に公立学校に強く影響する。教育課程の中で何を教育していくか、ということのガイドラインのようなもの。

 

個人によるプログラミングだけではなく、チームで協力して情報システムやコンテンツを開発する学習が取り上げられます。

一人のモラルや倫理観だけで判断するのではなく、チームとしてどう振る舞うかということも、今後、教育の一環として大事になるかと思います。

 

家庭ではどのようなことに注意して子どもにインターネットを利用させるべきでしょうか

Mother and daughter looking at a smartphone中高生の多くがスマホを所持しており、インターネットの利用はかなり自由になっています。

とはいえ、未成年の場合、何かトラブルがあったとき、最終的に責任を負うのは保護者であることを、子どもに伝えておくことが原則です。

その上で、できるだけ子どもがどのようにインターネットを使用しているのか保護者が理解しておくことが望ましいですが、目が届きづらいのも事実です。

 

子どもの自室や目の届かない場所での利用については、時間帯でWi-Fiの使用を制限する方法もありましたが、携帯電話キャリア企業がYouTubeやSNSなどの通信量をカウントしないプランを用意しているため、意味がない場合もあります。

そのため、子どもが自分で使い方をコントロールできるようにすることが重要です。

 

たとえばiPhoneでは、毎週何のアプリを何時間ほど使ったかを報告してくれる、スクリーンタイムという機能があります。

1つ1つのやりとりを親が監視するというのは中高生にはなじまないとは思いますが、スクリーンタイムのように数値で客観的に利用状況を確認し、自己管理につなげていくとよいでしょう。

また、明細などでも毎月の通信量は把握できますから、請求金額が変わっていなくても、通信量を参考に親子で管理できるようにしていくことが大切です。

 

まとめ

インターネットが身近になったことで、子どもが触れられる情報や、コミュニケーションの幅が格段に広がりました。

結果として、良い方向性につながることもあれば、さまざまなトラブルが起きてしまう可能性が高まったことも事実です。

しかし十分な家族間のコミュニケーションや、リテラシー教育を行うことで、それらを防げる可能性があります。

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この記事の監修者
当社在籍弁護士
弁護士登録後、地方で一般民事・家事、刑事事件を中心に様々な案件を手掛ける。次第に司法アクセスの改善に課題を感じ、2020年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。
編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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