殺人未遂罪の成立条件|加害者が知っておくべき殺人未遂の減軽基

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刑事事件コラム
2017.5.7

殺人未遂罪の成立条件|加害者が知っておくべき殺人未遂の減軽基準

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殺人未遂罪とは刑法第203条で定められている未遂罪であり、加害者が殺意をもって殺害行為をしたものの被害者である相手が死ななかった場合に成立するとされます。殺人未遂罪での刑罰は基本的には5年以上の懲役になりますが、未遂減免により減軽されるケースが多くなります。

 

殺人未遂事件では必ずしも被害者を殺すつもりだった場合だけでなく、逆に被害者に襲われて殺されそうになったことでの正当防衛を理由にケガをさせてしまい、自分が容疑者(加害者)になってしまった事情も考えられるでしょう。

 

しかし、犯罪者のレッテルを貼られてしまった以上は警察や検察より厳しい目で見られることもあります。加害者として適切な供述を取らなければ自分が不利になってしまい、不当に重い罪を科せられる可能性もあるでしょう。そこで今回は、殺人未遂罪で逮捕された場合に取るべき行動や量刑を減軽させる基準について解説しますので、よく確認していきましょう。

 


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 【目次】
殺人未遂罪の成立条件
殺人未遂罪は刑法第203条で規定されている
殺意の有無が最も重要
被害者が無傷でも殺人未遂罪は成立する
殺人未遂罪の量刑を決める基準
刑法上は殺人罪と同等レベルの量刑が一つの基準
未遂罪における減軽が適用されるため殺人罪より罪が軽くなる
殺人未遂罪における減軽は懲役2年6ヵ月まで
殺人未遂罪で減軽される3つのポイント
犯行態様や動機などの情状
殺意がないことの表明
被害者への明確な謝罪と示談交渉
殺人未遂事件に関する量刑の減軽は3パターンに分かれる
単純な懲役刑の減軽
傷害罪での成立による減軽
執行猶予付きの懲役刑
殺人未遂罪で逮捕されてからの流れ
殺人未遂事件の公訴時効は25年
釈放されるタイミング
弁護士に依頼する時期は早い方がよい
まとめ

 

殺人未遂罪の成立条件

刑法を参考に殺人未遂罪の成立条件を下記にてまとめました。裁判所で刑罰の重さを決める量刑の基準と相場については次項で取り上げますが、基本的には殺人罪も殺人未遂罪も同じカテゴリーの罰則で規定されています。

 

殺人未遂罪は刑法第203条で規定されている

殺人未遂罪は以下の通り、刑法第203条で罰則が決められています。第203条では具体的な刑罰は記載されていませんが、第199条にある殺人罪の刑罰を適用できるという解釈がされます。

 

(殺人)

第百九十九条  人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

引用元:「刑法 第199条

 

(未遂罪)

第二百三条  第百九十九条及び前条の罪の未遂は、罰する。

引用元:「刑法 第203条

 

殺意の有無が最も重要

殺人未遂罪の成立する条件として、殺意があることが重要となります。参考までに実際に発生した殺人未遂事件を引き合いに出しますが、夫に毒入りの焼酎を飲ませて殺害しようとした30代の女性が逮捕された事件で、求刑懲役5年のところ懲役4年の判決を言い渡されました。
参考:「夫に毒入り焼酎、殺人未遂の妻に実刑判決

 

裁判長の見解では焼酎60ミリリットルで半数致死量(投与した動物の半数が死亡すると推定される量)に至ることを理由に悪質かつ危険だと判断したため、加害者側の殺意が認められて殺人未遂罪が成立しました。殺意の有無については被害者を殺そうとした方法や計画性が基準になるでしょう。

 

被害者が無傷でも殺人未遂罪は成立する

例え被害者が無傷であっても、加害者が殺傷能力の高いナイフや拳銃などの武器を持っていた場合において殺人未遂罪が成立する可能性もあるといえます。また、上記の殺人未遂事件でも結果的には夫が毒入りの焼酎を飲まずに済んだため被害者は無事でしたが、明らかな殺意が確認できれば殺人未遂罪として罰せられます。

 

殺人未遂罪の量刑を決める基準

殺人未遂罪に関する量刑は上記で取り上げた刑法を見ると分かるように、基本的には殺人罪と同じ刑罰が科せられますが、未遂という部分が加味されて懲役刑が軽くなる可能性が高くなります。

 

刑法上は殺人罪と同等レベルの量刑が一つの基準

殺人未遂罪が成立した場合の刑罰は死刑または無期懲役、もしくは懲役5年以上になります。ただし以下の通り、未遂罪における減軽が適用されるため、殺人未遂罪で死刑や無期懲役になることはまずありません。

 

犯行方法や被害者のケガの程度などで変わってきますが、殺人未遂罪における量刑の相場は懲役3年~15年だとされていて、殺人未遂罪に関与する全体の判決のうち、実際には懲役3年前後からおよそ7年程度までが半数以上を占めるとされています。
参考:「殺人未遂における量刑の相場

 

未遂罪における減軽が適用されるため殺人罪より罪が軽くなる

刑法第43条では犯罪を実行しても最後まで成し遂げられなかった場合において、刑罰を軽くすることが定められています、また、被告人(加害者)自身の判断で犯罪行為を注意した場合は刑罰の減軽に加えて免除も考慮されます。

 

第八章 未遂罪

(未遂減免)

第四十三条  犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。

引用元:「刑法 第43条

 

なので、殺人未遂容疑で逮捕されても後の供述で加害者が犯行を自分の意思で止めたことが分かった場合、殺人未遂罪が不成立になる可能性もあるといえます。

 

殺人未遂罪における減軽は懲役2年6ヵ月まで

また、減軽の具体的な度合いについては刑法第68条で規定されていて、有期懲役の場合ではその長期及び短期の2分の1を減らすことができるとされています。殺人未遂罪(殺人罪)の刑罰は最小で懲役5年であるため、その半分である2年6カ月が最も短期間になる懲役刑であることが分かります。

 

第十三章 加重減軽の方法

(法律上の減軽の方法)

第六十八条  法律上刑を減軽すべき一個又は二個以上の事由があるときは、次の例による。

一  死刑を減軽するときは、無期の懲役若しくは禁錮又は十年以上の懲役若しくは禁錮とする。

二  無期の懲役又は禁錮を減軽するときは、七年以上の有期の懲役又は禁錮とする。

三  有期の懲役又は禁錮を減軽するときは、その長期及び短期の二分の一を減ずる。

四  罰金を減軽するときは、その多額及び寡額の二分の一を減ずる。

五  拘留を減軽するときは、その長期の二分の一を減ずる。

六  科料を減軽するときは、その多額の二分の一を減ずる。

引用元:「刑法 第68条

 

また、別途説明しますが殺人未遂罪において可能性のある懲役2年6カ月~3年の間で判決が下された場合、執行猶予付きの懲役刑になる可能性があります。執行猶予付きの判決だと実刑と違い、執行猶予期間が満了すれば懲役刑を免れられるため刑務所へ入らずに済みます。

 

殺人未遂罪で減軽される3つのポイント

殺人未遂罪で逮捕された加害者が刑罰を軽くするために覚えておくべき3つのポイントについて以下でまとめました。殺人未遂罪の成立条件になる殺意の有無に加えて、被害者へ誠意を見せることや適切な示談交渉についても必要になるでしょう。

 

犯行態様や動機などの情状

犯行に関する実際の状態や事情については一般的に『情状』と呼ばれます。加害者側の情状をくみ取った上で『情状酌量の余地がある』と見なされる場合において減軽されます。主な情状の項目は以下の通りです。

 

犯行態様

被害者を襲った方法や使用した凶器など

犯行動機

被害者への恨みがあった場合は同情の余地がある

被害結果

被害者のケガの程度や肉体的・精神的な後遺症の有無など

加害者の年齢や性格

年齢が低いと更生できる可能性は比較的高くなる

再犯の可能性

加害者の前科などが考慮される

 

殺意がないことの表明

上記の情状を加害者側が伝えた上で、被害者への殺意が無かったことを明確にするべきでしょう。ただし、単純に「殺すつもりはなかった」と言うだけでは殺意がないことの証明にはなりません。

 

殺意の有無を判断するためには加害者の主張だけでなく、犯行方法や計画性も加味されます。仮に前もって凶器を準備していたり、第三者に見つかりにくい場所に被害者をおびき寄せるなどの入念な計画をしていたことが判明されれば、加害者がどう弁解しようと十分な殺意があったと見なされてしまいます。

 

被害者への明確な謝罪と示談交渉

誠意を伝えることで量刑が軽減されることもあります。犯罪を起こしたことを後悔して被害者へ謝りたい思いをハッキリと表しましょう。言葉だけでなく反省文として裁判で提出する方法が、より確実に謝罪を伝えられると思われます。

 

また、裁判前に被害者との示談が成立している点も減軽の対象になります。被害者とのわだかまりが消えてお互いに納得している状況であれば、加害者の刑罰が軽くなる可能性があるでしょう。

 

被害者との示談交渉では加害者本人が立ち会うより、弁護士に対応してもらうのが良いとされています。加害者と直接対応することを被害者が拒否する場合もありますので、弁護士を通して被害者に謝罪や示談の連絡を取るようにしましょう。

 

殺人未遂事件に関する量刑の減軽は3パターンに分かれる

殺人未遂事件において減軽の条件を満たした場合、判決時に言い渡される量刑が求刑より軽くなりますが、減軽のパターンは3つに分かれます。無罪を除けば、執行猶予付きの懲役刑が最も軽い刑罰になるといえるでしょう。
※求刑とは、検察官が妥当だと考える度合いの刑罰を裁判所に求めることを意味します。

 

単純な懲役刑の減軽

殺人未遂罪は成立したものの、懲役期間が短くなった場合は減軽の一つです。例えば、『殺人未遂罪の成立条件』で取り上げた殺人未遂罪の事例が該当します(求刑懲役5年のところ判決では懲役4年)。

 

傷害罪での成立による減軽

殺人未遂罪が不成立になった場合、傷害罪や公務執行妨害などに対する刑罰が科されるようになります。傷害罪の罰則規定は下記の通りであり、刑法上での懲役刑は15年以下となっていますが、実際は懲役1年~3年ほどの軽い量刑になる可能性が高いとされています。

 

第二十七章 傷害の罪

(傷害)

第二百四条  人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

引用元:「刑法 第204条

 

執行猶予付きの懲役刑

また、懲役3年以下の判決が下された場合において執行猶予が付くケースが考えられます。詳しくは「殺人未遂事件で執行猶予判決になる基準」にて解説していますが、執行猶予付きの懲役刑になるためにはいくつかの条件があり、執行猶予期間中も行動が制約されますが実刑判決より社会復帰がしやすくなるでしょう。

 

殺人未遂罪で逮捕されてからの流れ

刑事事件で逮捕されてから流れについては、以下図の通りになります。警察での取り調べや検察での捜査では終了する時間が規定されていますが、途中で容疑が晴れたり不起訴であった場合に加害者は釈放されるようになります。

 

 

殺人未遂事件の公訴時効は25年

刑事事件については『公訴時効』が定められていて、公訴の提起である起訴が可能な期間が法律で決まっています。原則として殺人未遂事件に関する公訴時効は25年であるため、逃げ切れることはまずないと思った方が良いでしょう。
参考:「殺人未遂における公訴時効の基準

 

なお、時効のタイミングは逮捕時ではなく起訴になるため、実際には時効満了日の3週間前くらいには逮捕しないと時効が成立してしまう可能性が高くなります。

 

釈放されるタイミング

逮捕された場合は上記の図の通り、釈放されない限りは拘束され続けます。場合によっては懲役刑で刑期満了するまで解放されないケースもありますが、釈放されるタイミングは主に以下の通りです。

 

容疑が晴れた場合

警察の捜査や供述により犯人でないことが確定した場合に釈放されますが、具体的な時期は下記のいずれかになります。

 

  • 逮捕から72時間以内(警察の取り調べ+検察への送検)
  • 勾留満期(勾留から10日目、または20日目)
  • 不起訴の場合

 

保釈請求をする場合

起訴後の加害者は拘置所に移動されますが、裁判所の許可が下りれば保釈金を支払って釈放してもらうことも可能になります。保釈される場合にはいくつかの条件を満たす必要がありますが、詳しくは「保釈の条件と申請」で取り上げていますのでご参考ください。

 

執行猶予付きの判決が下された場合

執行猶予付きの判決が出れば、被告人(加害者)はその日のうちに釈放されます。しかし実刑判決の場合であると上訴しない限りは刑罰が確定してしまうので、釈放されずに刑務所に入れられることになります。

 

弁護士に依頼する時期は早い方がよい

逮捕されてからある程度時間が経過すると、加害者自身の認識とは違う供述調書を作成されてしまう恐れもありますので、加害者にとって不利な情報が集まってしまう前に早めに弁護士に相談した方が良いでしょう。

 

弁護活動は加害者にとって大きなメリットになります。逮捕直後に弁護士に依頼すれば正しい主張方法を取れるようになり、殺人未遂罪を成立せずに不起訴処分で済む可能性もあるため、早急な弁護士への相談をオススメします。

 

 


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まとめ

殺人未遂罪で逮捕された場合の対応方法や量刑を減軽させるポイントについてお分かりいただけましたでしょうか。

 

自分が加害者になってしまっても、弁護士という味方はいます。被害者を殺すつもりがなく心の底から本当に反省しているのであれば、弁護士の力を頼って正しい供述方法を取るようにしましょう。被害者とその家族に許してもらうためには、加害者自身の誠意をしっかりと見せるべきです。

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編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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