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公開日:2018.2.19  更新日:2020.9.18

過失致死とは|過失致死の刑事的責任と事件後の対応

東京スタートアップ法律事務所
中川 浩秀 弁護士
監修記事
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過失致死(かしつちし)とは、殺害の意思がない状態(過失)で相手を死亡させてしまうことを言います。例え故意ではないとはいえ、人を死亡させてしまうことには罪も考えられ、逮捕されて刑罰を受けることも十分に考えられます。
 
今回は過失致死に関連する罪の種類と、万が一過失致死で逮捕されてしまった場合、どうなってしまうのか。過失致死での逮捕後の流れについてご説明していきます。

逮捕されたら弁護士へ早急に依頼することをおすすめします

過失で相手の方を死亡させた場合でも、弁護士へ依頼することで不起訴を獲得できる可能性はあります

期限は逮捕されてから23日以内です。

逮捕されて23日が過ぎてしまうと検察が起訴or不起訴の判決を下します。

不起訴減刑執行猶予の獲得を目指すなら、弁護活動に尽力する弁護士に依頼するのがおすすめです。

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過失致死とは過失により相手を死なせること

過失致死は、刑法の第28章「過失傷害の罪」に規定されている犯罪のひとつです。

過失傷害は不注意など、人に危害を与える行為について故意がない状態で他人に怪我をさせてしまう犯罪ですが、その結果としてもっとも重大な結果として「死」を招いた場合は過失致死の罪で処罰されます。

過失とは不注意や過ちのことを指す

過失致死という言葉を、前後で分解してみましょう。

「過失」には、「不注意でしでかしてしまった過ち」という意味があります。法律の考え方では、「一般的な注意・義務に単純に違反した場合」という意味です。

ここでいう一般的な「注意・義務」とは、人の生命や身体の安全に配慮しなければならないという法的義務のことです。この義務には、結果を予見するものと結果を回避するものの2つの義務があります。

「致死」は、そのまま「死亡する」と読み取れます。

つまり過失致死とは、「死に至るかもしれないという認識・予見があり、その結果を回避する義務があったのに、その注意・義務を怠ったために相手を死亡させた」と解釈できます。

刑法第210条|過失致死罪

過失致死は刑法第210条に規定されています。

過失により人を死亡させた者は、50万円以下の罰金に処する。

引用:刑法第二百十条 過失致死

過失致死罪の量刑に懲役刑はなく罰金のみ

過失致死罪の法定刑は、「50万円以下の罰金」のみです。

ほかの犯罪では、「◯年以下の懲役または◯万円以下の罰金」のように懲役あるいは罰金が刑罰として規定されているものが多数ですが、過失致死罪には懲役刑がありません。

つまり有罪判決が下されたとしても、刑務所に収監されることはないのです。検察庁で直接罰金を納めるか、検察庁から送られてくる納付書で金融機関に罰金を納めることになります。

しかし、最高で50万円という高額の罰金が支払えない場合、財産に対して強制執行がなされます。それでも罰金が支払えない場合には、労役場留置という制度があり、その人を刑務所(刑事施設内の労役場)に留置して作業をさせることになり、その日数は1日の留置を罰金5,000円相当と換算して決められます。

過失致死罪が適用された判例

過失致死罪が適用された判例としては、昭和31年に発生した「彌彦神社事件」が挙げられます。この事件は、大晦日から元日へと移り変わった直後の神社で発生した群集事故です。

二年参りのために多数の参拝客が押し寄せるなかで餅まきがおこなわれ、高い石段の中央部分で参拝客が滞留してしまい、前後から押しやられた参拝客が次々と高い石段の上から転落しました。

死者124名・重軽傷者77名という大事故に発展し、神社側の刑事責任が追及されることになり、過失致死罪での有罪判決が下されました。

神社側が参拝客の安全確保に配慮しないまま餅まきを実施し、雑踏整理や参拝者の誘導などの措置を怠った点に注目して「過失がある」と認めた事例です。

事件番号 昭和39(あ)2016

事件名  過失致死

年月日  昭和42年5月25日

裁判所  最高裁判所

行為により過失致死の罪は細分化して量刑も変わる

ニュースで耳にする過失致死事件は「業務上」や「自動車運転」というフレーズとともに報じられています。

実は、刑法第210条の過失致死罪が適用される事件はまれで、行為によってさらに細分化された別の犯罪として処罰を受けるケースが多数です。

過失致死に関連する別の犯罪についてもみていきましょう。

重過失致死傷罪

過失致死のなかでも「重大な過失」がある場合は刑法第211条後段に規定されている「重過失致死傷罪」に問われます。

(前略)、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

引用:刑法第二百十一条後段 重過失致傷

重大な過失とは「人が死傷する結果が容易に予見できるのにこれを怠る、あるいは予見できている場合に、その回避が容易であったのに措置を怠った」場合と解されています。

過去の判例では「泥酔者を着衣のまま水風呂にいれた」「闘犬を放し飼いにした」といった行為で人が死亡したものが代表的でしょう。また、近年では自転車を運転中の「ながらスマホ」でほかの歩行者に衝突して死亡させた事例にも適用されています。

法定刑は5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金です。過失致死と比較すると、懲役・禁錮が設けられているうえに罰金の上限額も2倍に引き上げられています。

業務上過失致死罪

過失致死の罪のなかでももっともメジャーなものが「業務上過失致死傷罪」です。

業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に処する。

引用:刑法第二百十一条前段 業務上過失致傷

ここでいう「業務上」とは、仕事・職業といった考え方に限られるわけではありません。業務上過失致死における業務とは、次のように定義されています。

社会生活上の地位に基づき反復継続しておこなう行為であって、生命や身体に危険を生じうるもの

事件番号 昭和29(あ)2523

事件名  業務上過失傷害

年月日  昭和33年4月18日

裁判所  最高裁判所

一般的に「業務」として誰もが認めやすい事例としては、次のような事件が挙げられるでしょう。

  • ダイヤ改正によって電車を最高速度で運行しないといけない事態になったのに、鉄道会社が事故防止の措置をとらなかった結果、脱線事故が起きて多数の乗客が死傷した
  • 自社が製造するバスやトラックなどに重大な欠陥があることを知りながらリコール等の改善措置を講じなかったため、走行中の脱輪事故によって通行人らが死傷した
  • スキューバダイビングの講習において、誘導がなければ溺死の危険がある受講生に対して、後方の確認がないまま前進して受講生が溺死した

一方で、一般的なイメージと違うものとして「趣味の狩猟を終えて散弾銃の片付けをしていた最中に誤って発砲し、狩猟仲間を死亡させた」という事例があります。

仕事ではなく趣味としての狩猟でも「業務上」とみなされた事例です。

自動車運転過失致死罪

自動車の運転によって人を死亡させると、平成19年以前は刑法の業務上過失致死に問われていました。

ところが悲惨な交通死亡事故に対する厳罰化の声が高まり、業務上過失致死から独立して「自動車運転過失致死罪」へと変更されました。さらに平成26年には、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(通称:自動車運転処罰法)」が施行されています。

自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

引用:自動車運転処罰法第五条 過失運転致死傷

注目すべきは法定刑が「7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金」に引き上げられているという点です。

令和元(平成31)年中は、全国で3,215名もの方が交通事故によって尊い命を落としています。昭和23年に統計を開始して以後、史上最小を更新したことになりますが、自動車の運転自体が「相当な注意を要する危険な行為」とみなされると考えるべきでしょう。

過失致死と殺人罪の違いは故意の有無

「人を死亡させる」という結果が生じている点だけをみれば、過失致死も殺人も大きな違いはないでしょう。

ただし過失致死の法定刑が「50万円以下の懲役」であるのに対して、刑法第199条の殺人罪は「死刑または無期もしくは5年以上の懲役」が規定されており、刑罰の重さに格段の差があります。

過失致死と殺人を区別するのは故意」の有無です。故意とは「わざと」という意味ですが、法律の考え方では「罪を犯す意思があること」を指します。

まったく同じ結果が発生していても、不注意によって死亡させてしまえば過失致死に、殺すつもりで死亡させれば殺人に問われます。

殺人事件のニュース報道で「容疑者は『殺意を否認』しています」と報じられるのをよく耳にしますが、刑罰にこれだけの差があることを考えれば当然でしょう。

執行猶予や無罪になる可能性はあるのか

過失致死事件では、行為が過失であっても「人が死亡した」という重い事実が生じているので、厳しい判断が下される事態になるおそれがあります。

上記のような過失致死の罪に問われた場合でも、執行猶予や無罪判決は期待できるのでしょうか?

不起訴のために弁護士へ相談するのがベター

過失致死によって逮捕された場合、厳しい刑罰が下されることに強い不安を感じる方は少なくありません。

「罪を犯せば刑罰が科せられる」のは当然に感じるかもしれませんが、実は事件を起こしても必ず刑罰を科されるわけではありません。令和元年版の犯罪白書によると、平成30年中の全事件における処理の割合は次のような結果になっています。

起訴

公判請求

8.4%

略式命令請求

22.6%

不起訴

起訴猶予

57.1%

その他

6.4%

家庭裁判所送致

5.5%

参考:令和元年版 犯罪白書|法務省

起訴・不起訴の割合を比較すると、起訴31%に対して不起訴は63.5%です。

この統計では、起訴、とくに公判請求をうけて刑事裁判に発展するケースは1割に満たず、6割以上の事件は不起訴処分になっていることがわかります。

不起訴処分を獲得するには、被害者との示談成立が有効といえるでしょう。ただし犯罪の被害者は、加害者に対して怒りや嫌悪の感情を抱えていることが多いので、示談をもちかけても強く拒絶されるケースが少なくありません。

弁護士に依頼すれば、加害者の代理人として示談交渉を進めてくれます。加害者やその家族が相手では示談交渉を受けることさえも叶わないおそれがあるので、弁護士を代理人として示談交渉を進めるのがベストです。

起訴された場合も執行猶予を目指せる

単なる過失致死ではなく、重過失致死・業務上過失致死とみなされた場合や、交通死亡事故を起こして自動車運転過失致死の罪に問われると、懲役刑が科せられるおそれがあります。

たとえ起訴が回避できない状況でも、ある程度の注意を払っていた・危険は回避できなかったという証拠を示せば、過失の割合が低下して刑の減軽が期待できるでしょう。

また、起訴後でも被害者との示談が成立すれば「被害に対する弁済がなされている」と評価され量刑判断において有利に傾く可能性があります。

起訴が避けられない状況でもあきらめず、早急に弁護士に相談して弁護活動を依頼することを強くおすすめします。

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まとめ

たとえ不注意やちょっとしたミスによる行為でも、相手が死亡してしまえば過失致死として罪に問われてしまいます。殺人罪などの犯罪と比べれば軽い刑罰が規定されていますが、たとえ罰金刑でも前科になってしまうので、最善を尽くして不起訴処分を目指すのが賢明でしょう。

刑事事件の弁護はスピード勝負です。逮捕されてしまえば最初の72時間でどのような対応ができたのかによって身柄拘束の期間が決まってしまいます。

過失致死の容疑がかけられてしまった場合は、ただちに弁護士に相談して弁護活動を依頼しましょう。

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この記事の監修者
東京スタートアップ法律事務所
中川 浩秀 弁護士 (東京弁護士会)
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編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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