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公開日:2018.2.19  更新日:2021.4.2

拘留と勾留の違い|拘留になる犯罪も併せて解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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拘留と勾留の違いについて、明確に区別がついている人は少なくないかもしれません。ともに「こうりゅう」と読み、「人を拘束しておくこと」という点が共通していますが、両者の間には明確な違いがあります。

どちらもニュースや新聞などで目にすることが多いため、違いを把握しておけばより理解が深まるでしょう。なお、拘留は「てこうりゅう」、勾留は「かぎこうりゅう」と呼んで区別することがあります。覚えておくとよいです。

この記事では、拘留とは何か、勾留とどういった違いがあるのかについて「拘留」に焦点をあてながら解説します。「勾留」についてくわしく知りたい人は「勾留とは|拘束される期間と要件・早期釈放を目指す5つの方法を解説」を参考にしてください。

拘留と勾留の違い

早速、拘留と勾留の違いを見てみましょう

拘留とは

拘留とは、日本の刑事罰の1つで、1日以上30日未満の期間、刑事施設に収監することです。拘留の収監先としては、刑務所、拘置所、留置所などがあります。

(刑の種類)

第九条 死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。

(拘留)

第十六条 拘留は、一日以上三十日未満とし、刑事施設に拘置する。

引用:刑法

現在日本にある刑事罰を大きく3つに分類すると

  • 生命刑(受刑者の生命を断つ:死刑)
  • 自由刑(受刑者を刑事施設に収監する:懲役刑など)
  • 財産刑(金銭による刑罰:罰金刑など)

となり、拘留はこの中で、自由刑に属します。自由刑にはほかに、懲役、禁錮がありますが、拘留は最も期間の短い自由刑です。

拘留と懲役・禁錮の違い

拘留・懲役・禁錮はそれぞれ身体を拘束する自由刑ですが、拘束期間の長さ、労役があるかどうかといった違いがあります。

拘留の場合、拘束期間は30日未満で労役義務は(本人が申し出れば認められることもある)ありません。一方、懲役と禁錮は有期の場合1ヶ月以上20年以下と拘束期間は共通していますが、懲役が労務義務があるのに対し、禁錮には課されないという違いがあります。

拘留に執行猶予はつかない

拘留の特徴として、執行猶予がつかないといった点が挙げられます。

執行猶予とは、裁判では有罪となったものの、刑罰の失効が一定期間猶予される措置のことです。執行猶予期間中に新たに犯罪を行わない場合、刑罰を受ける必要はありません。

拘留は執行猶予がつかないので、事前に保釈金を支払い自宅にいた場合も、判決後ただちに身柄を拘束され、すぐに拘留が執行されます。

勾留とは

「拘留」が既に判決が下された後の刑罰の一種に対し、「勾留」は刑罰ではありません。

勾留とは、逮捕された被疑者が逃亡や証拠隠滅などをする可能性がある場合に、逮捕後も継続して刑事施設に身柄を拘束しておくことをいいます。

「また刑が確定していない人の身体を拘束するなんてひどい」と思う人もいるかもしれませんが、特に殺人などの重大な事件では刑を逃れるために証拠隠滅や逃亡などを行う可能性があります。

そういった事態を防ぐために、勾留は認められているのです。

ニュースや大手メディアでも間違えていることがあるので注意

非常に紛らわしい「拘留」と「勾留」ですが、ニュースなどでも間違えて使われていることをよく目にします。この場合、前後の文脈から判断するしかありません。例えば「◯◯逮捕!2週間ほど拘留される予定」と書いてあれば、本来は「勾留」が使われるべきです。

拘留の判決を受けることは非常に珍しい

死刑

5件

無期懲役

16件

懲役・禁錮

4万9,162件

拘留

3件

罰金

19万4,404件

科料

1,556件

無罪

96件

その他

295件

合計

24万6,677件

上の表は、犯罪白書によって報告された、「令和元年度の刑事裁判での全判決の内訳」です。見ていただければ分かるように、24万回行なわれた刑事判決で、拘留の判決はわずか3回です。

これは、令和年だけが極端に少なかったのではなく、毎年数件程度の拘留判決しか出ていません。拘留判決が少ない理由には以下の理由が考えられます。

拘留の期間が短い

既に述べているように、拘留での刑罰の期間は、最大でも29日間です。

勾留期間も拘留の対象期間となる

このように期間が短い事もある上に、判決前の勾留期間も拘留での対象期間となります。つまり、刑事裁判の前に既に29日以上勾留されているとその後の判決で拘留刑になることはまずありません。

通常、逮捕後から起訴まで最大23日、起訴後から刑事裁判まで1ヶ月程度かかります。通常の流れで勾留され続けていた場合、自ずと29日の拘留の上限を超えてしまします。

また、起訴までの勾留期間が最大23日と述べましたが、犯罪が軽微で被疑者も十分に反省しているようであれば、それまでの勾留による身体拘束により事実上の制裁を受けているとして不起訴処分を受けることもあります。

このようなことから、拘留刑の判決は非常に少なくなっています。

拘留が法定刑として設けてある犯罪

法定刑として拘留が設けられている犯罪は、

  • 暴行罪
  • 公然わいせつ罪
  • 侮辱罪
  • 軽犯罪法違反

などがあります。法定刑で拘留が設けられている犯罪も少ないので、拘留判決も少ないと言えるでしょう。

まとめ

拘留は勾留とよく間違えられますが、拘留に関しては、刑事罰の種類の1つです。

更に、拘留判決を受けることも非常に少なくなっています。繰り返しますが、判決前の「勾留」期間を短くしたい・早く釈放されたいと考えられている方は「勾留とは|勾留される要件と早期に身柄を釈放してもらうための対処法」もご覧ください。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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