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公開日:2018.7.24  更新日:2022.9.16

仮釈放とは|条件と期間・身元引受人が必要不可欠な理由

当社在籍弁護士
監修記事

仮釈放(かりしゃくほう)とは、刑務所内で更生の様子が見られた受刑者を刑務所から一度釈放し、以下のような条件を満した場合に残りの刑期を免除するという制度です。

  1. 一定期間罪を犯さない
  2. 保護司()への報告をする

刑期終了前に仮に釈放する理由は、「受刑者が刑務所内で反省や更生が認められるため、その後は一般社会において更生させることが適切」と考えられるためです。

仮釈放の許可を得るためには、定められた手続きに則って申請しなければいけません。また、仮釈放が認められた場合でも、生活態度に気を付けないと仮釈放が取り消される恐れがあるなど、注意すべきポイントがさまざまあります。

この記事では、仮釈放を受けるための条件や手続きの流れ、仮釈放中のルールや取り消しを受けるケースなどについて解説します。

保護司とは

犯罪者の更生を支援する活動の担い手です。身分は国家公務員ですが、無報酬です。任務としては、犯罪者と話して更生を促したり、啓発したりすることがあげられます。

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この記事に記載の情報は2022年09月16日時点のものです
目次

仮釈放とは?釈放・保釈・執行猶予との違い

冒頭でもお伝えしたように、仮釈放とは「刑務所に収監されていて更生の様子が見られる受刑者を一度釈放し、条件を満たすことで刑期が免除される制度」です。

また、刑事手続きにおいては、身柄の解放を意味する言葉として「釈放」「保釈」「執行猶予」などもあり、それぞれの違いを解説します。

 

意味・時期など

釈放

一般に、身体拘束から解放されること(逮捕勾留段階や、刑事裁判後に刑期満了した後の身柄解放を含む)

仮釈放

懲役刑を一定期間受けた後に、収容期間満了前に釈放されること

保釈

起訴後~刑事裁判の間の、被告人勾留による身体拘束を一時的に解くこと

執行猶予

有罪の判決に対し、刑の全部又は一部の執行を猶予すること(執行猶予付判決が得られれば、被告人はそのまま社会復帰が可能)

釈放

釈放とは、一般的に身体拘束から解放されることをいいます。

刑期を満了した場合に、刑務所から身柄を解放されることも「釈放」といいますが、刑期満了前の身柄解放は「仮釈放」と呼ばれ、区別されています。逮捕後や勾留など、刑事裁判の前に身柄を解かれることも釈放といいます。

以下の記事では、主に刑事裁判前の釈放について解説しています。

仮釈放

受刑者が一定期間の懲役刑を受けたときに、刑務所長の判断・審査と受刑者の意思で仮釈放措置を受けられます。

仮釈放を受けると刑務所から出られますが、この間に犯罪行為に及んだり、刑務所長からの条件を反故にしたりすると刑務所に戻され、刑務所内で残りの刑期を過ごすことになります。

仮釈放期間中は多少の制限は受けますが、特に問題を起こすこともなく条件を守って生活することができれば、普通の社会生活を送ることが可能です。

保釈

保釈は、仮釈放・釈放・執行猶予と違い、刑事裁判中の被告人の身体拘束を一時的に解く手続きです。

あくまでも一時的ですので、被告人はその後に刑事裁判に出廷する必要がありますし、刑事裁判によって懲役刑の実刑判決を受けてしまえば、そのまま刑務所に収監されてしまいます。

執行猶予

執行猶予は、刑事裁判で有罪判決を下される際、あわせて言い渡される処分です。刑の執行を一定期間猶予して、当該期間中に別の犯罪行為におよばなければ刑を免除するというものです。

執行猶予付き判決が下された場合には、判決が言い渡された後に身柄が解放され、執行猶予期間中に犯罪を起こさなければ刑務所に入れられることもありません。

上記のうち、仮釈放については許可を得られるケースが限られており、定められた手続きに則って申請しなければいけません。たとえ許可が下りたとしても、その後の生活環境が乱れていたりすると取り消しを受けることもあります。

弁護士であれば、申請書類の作成や必要資料の収集などのサポートが受けられるほか、仮釈放後はどのようなことに注意すればよいかなどのアドバイスも望めますので、心強い味方になってくれます。

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仮釈放を受けるための条件

以下では、仮釈放の許可を受けるために必要な条件を解説します。簡単にまとめると、以下のような条件に該当した場合に仮釈放が認められることになります。

  • 刑期のうち一定期間が経過していること
  • 受刑態度が良好であること
  • 罪を犯したことを十分に反省していること
  • 再犯のおそれがないこと
  • 本人が仮釈放を望んでいること

なお、法令上は以下のような基準が定められています。

(仮釈放)

第二十八条 懲役又は禁錮に処せられた者に改悛の状があるときは、有期刑についてはその刑期の三分の一を、無期刑については十年を経過した後、行政官庁の処分によって仮に釈放することができる。

【引用】刑法第28

(仮釈放及び仮出場を許す処分)

第三十九条 刑法第二十八条の規定による仮釈放を許す処分及び同法第三十条の規定による仮出場を許す処分は、地方委員会の決定をもってするものとする。

【引用】更生保護法第39条第1

(仮釈放許可の基準)

法第三十九条第一項に規定する仮釈放を許す処分は、懲役又は禁錮の刑の執行のため刑事施設又は少年院に収容されている者について、悔悟の情及び改善更生の意欲があり、再び犯罪をするおそれがなく、かつ、保護観察に付することが改善更生のために相当であると認めるときにするものとする。ただし、社会の感情がこれを是認すると認められないときは、この限りでない。

【引用】犯罪をした者及び非行のある少年に対する社会内における処遇に関する規則 第二十八条

刑期のうち一定期間が経過していること

  • 有期懲役の場合:刑期の3分の1以上
  • 無期懲役刑の場合:10年以上

仮釈放の許可を得る最低条件として、刑期の内の一定期間が経過していることが必須となります。

ただ、後述しますが、実際に仮釈放される期間はもっと後になることがほとんどで、受刑者が70%以上の刑期を終えた頃に仮釈放になることが多いです。

例えば、懲役10年の場合、3年と数ヶ月を過ぎれば仮釈放される期間には達しますが、実際は7年以上経過した頃でないと滅多に仮釈放は認められません。

受刑態度が良好であること

仮釈放を受けるには、刑務所長に仮釈放の申請をしてもらうことが必要です。仮釈放の許可判断の基準の一つは「受刑者が反省・更生をしたかどうか」であり、日々の受刑態度が反省・更生の判断材料になるようです。

しかし、どのようなケースで受刑態度が良好と言えるのかは明確な基準がありませんので、「これをすればよい、これをしてはダメ」ということは一概には言えません。

なお、過去に懲罰を受けていたとしても、刑務所内で反省・更生をし、「後は社会生活の中で更生を目指すのが適切である」と認められれば、仮釈放の許可をもらえる可能性はあるでしょう。

罪を犯したことを十分に反省していること

刑務所内での反省・更生が十分であると認められる場合に限り、仮釈放の検討対象とされます。

仮釈放の前に、面談でも真摯な態度で反省・更生の意思を示せると良いでしょう。

再犯のおそれがないこと

仮釈放はあくまで刑務所内での更生が認められ、社会生活での継続的更生が適切な場合に認められます。

そのため、再犯の恐れがある場合には、そもそも刑務所内での更生が認められないでしょう。

本人が仮釈放を望んでいること

受刑者が仮釈放を望まない場合には、仮釈放が認められることはありません。受刑者が仮釈放を臨んでいることも事実上の要件といえるでしょう。

仮釈放になる確率と仮釈放される時期

実際に仮釈放される人は受刑者の約半数で、刑期を7割以上経過した人が大半を占めています。上記で解説したよりも仮釈放のハードルは高いものだと思っておいた方が良いでしょう。

ここでは、仮釈放される受刑者の割合と仮釈放される期間について解説します。

仮釈放率は50~60%

出所受刑者人員_仮釈放率の推移

【引用】令和元年版犯罪白書

犯罪白書によると、平成30年の仮釈放率は58.5%となっており、毎年50~60%の間を推移しています。

仮釈放の条件を満たせていない方は、仮釈放される可能性を大幅に下げてしまいますし、仮に全ての条件を満たしていたとしても、確実に仮釈放されるというものではありません。

仮釈放される時期

定期計刑の仮釈放許可人員の刑の執行率の区分別構成比の推移等

【引用】令和元年版犯罪白書

仮釈放されるには、最低でも以下の刑期を過ぎている必要があります。

  • 有期懲役の場合:刑期の3分の1以上
  • 無期懲役刑の場合:10年以上

ただ、上のグラフをみてわかるように、実際に仮釈放されている人の約99%が70%以上の刑期を過ぎた受刑者となっています。

懲役10年を受けた受刑者は、実際には7年以上の刑期を終了しないことには仮釈放される可能性も低いということです。

仮釈放の期間と仮釈放期間を過ぎた場合の扱い

仮釈放期間中は、後述する制限を受ける以外に特に大きな影響なく、他の人と同じように社会生活を送ることができます。

仮釈放期間の長さと、仮釈放を終えた後にどうなるのかについて、以下で解説します。

仮釈放の期間

有期刑の場合

有期刑の場合、残りの刑期が仮釈放の期間になることがほとんどです。

例えば、懲役10年で、刑務所内で7年刑期を過ごした後に仮釈放を受けた場合、3年間が仮釈放の期間となります。

無期刑の場合

無期刑の場合でも仮釈放を受ける場合がありますが、無期刑の場合は残りの刑期がありませんので、その後はずっと仮釈放期間ということになります。

仮釈放後の処遇

仮釈放期間を問題なく過ごしたのであれば、正式に釈放となり刑期を満了したことになります。

ただ、仮釈放期間中に犯罪を起こしたり、遵守すべき事項を守らなかったりした場合には、仮釈放が取り消される場合があります。仮釈放が取り消された場合、再び刑務所に収容されて、残りの刑を全うすることになります。

仮釈放の取り消しについては、後で詳しく解説します。

仮釈放中に設けられるルール

仮釈放中は完全に自由というわけではなく、受刑者には以下のようないくつかのルールを守ることが要求されます。どのようなルールを設けられるかは人により異なりますので、あくまでも参考です。

決められた頻度で保護司と面談する

仮釈放中でも、月に数回は外での行動や気持ちの変化などについて保護司へ報告するよう要求され、どのぐらいの頻度で面談するのかはケースによって異なります。

就労する

仮釈放中には、社会復帰を果たすために就労することが条件とされることもあります。

犯罪性のあるものとは付き合わない・近づかない

再犯防止・更生の観点から、以下のような行為について制限を科される可能性もあるでしょう。

  • いかがわしい場所に近づく
  • 麻薬や覚せい剤が出回っている地域に近づく
  • 大量のアルコールを摂取する

仮釈放が取り消される場合

ここでは、仮釈放期間中に仮釈放の許可が取り消される場合について解説します。法律上は、以下のような場合に仮釈放を取り消すことが出来るとされています。

第二十九条  次に掲げる場合においては、仮釈放の処分を取り消すことができる。
一  仮釈放中に更に罪を犯し、罰金以上の刑に処せられたとき。
二  仮釈放前に犯した他の罪について罰金以上の刑に処せられたとき。
三  仮釈放前に他の罪について罰金以上の刑に処せられた者に対し、その刑の執行をすべきとき。
四  仮釈放中に遵守すべき事項を遵守しなかったとき。
2  仮釈放の処分を取り消したときは、釈放中の日数は、刑期に算入しない。

【引用】刑法第29

仮釈放中に罪を犯した場合

仮釈放中に犯罪行為を行い、罰金以上の刑に処せられた場合、仮釈放が取り消される可能性が高いです。

仮釈放中に順守すべき事項を遵守しなかった場合

仮釈放中に設けられるルールを守れなかった場合、仮釈放が取り消されることがあります。

仮釈放が取り消されると刑務所に収容されて残りの刑を受ける

もし仮釈放が取り消されるようなことがあれば、再び刑務所に収容され、残りの刑を全うすれば釈放されることになります。ここでの注意点は、仮釈放中は刑期が加算されないということです。

仮釈放の処分を取り消したとき、又は前項の規定により仮釈放の処分が効力を失ったときは、釈放中の日数は、刑期に算入しない。

【引用】刑法第29条3

例えば、懲役10年の人が7年の刑期を過ぎた時点で仮釈放を受けたのであれば、残り3年を問題なく過ごせば釈放されることになります。

しかし、仮釈放から1年経過して問題行動を起こして仮釈放が取り消された場合、仮釈放での1年は刑期に算入されず、再び刑務所で残り3年の刑期を過ごすということになります。

服役中から仮釈放になるまでの流れ

以下では、仮釈放の許可を得るまでの流れを解説します。

反省や予定身元引受人の連絡先などを受刑者が提出する

受刑者が、事件に対する反省や予定身元引受人の連絡先などが記載された指導票を刑務所に提出します。それらを受け取った刑務所長は、地方更生保護委員会および保護観察所に指導票を送付します。

保護司が予定身元引受人の意思と条件を確認する

身元引受人として認められるためには、満たすべき要件があります。その条件を指導票に記載されている予定身元引受人が満たしているかどうかを保護司が確認しに行きます。

受刑者が仮面接を受ける

刑務所長が、本人が反省・更生しているかどうかや、仮釈放の意思があるかどうかなどを仮面接で確認します。提出した指導票と仮面接時のやり取りに食い違いがある場合は、厳しく突き詰められます。

受刑者が本面接を受ける

本面接では、仮面接時のやり取りとの食い違いがないかどうか、確認が行われます。

刑務所長が地方更生保護委員会に対して仮釈放の申請書を提出する

本面接で問題がなければ、刑務所長が地方更生保護に仮釈放の申請書を提出し、承認されれば仮釈放の手続きが進められます。

受刑者が仮釈放を要求する方法|刑務所長に仮釈放希望の旨を伝える

刑務所長は、6か月に一度は受刑者の仮釈放を検討することが義務付けられており、受刑者は刑務所長宛に書面を用いて仮釈放の審査の催促を行うことが可能です。

もちろん、審査を催促しても日頃の受刑態度が良くなければ仮釈放されることもないでしょうから、仮釈放の条件で解説した通り、日頃の行動から良くしておく必要があります。

受刑者家族(身元引受人)が仮釈放のためにできること

受刑者家族が仮釈放獲得のために直接できることは限られていますが、仮釈放後の生活環境を整えてあげることで、仮釈放後に取り消しを受けるような問題を起こさないよう、サポートすることができます。

受刑者家族が受刑者に催促するように伝える

刑務所長に仮釈放審査の催促をできるのは受刑者のみです。そのため、家族が直接できることは、受刑者に書面で刑務所長への審査要請を推奨することぐらいでしょう。

受刑者とコミュニケーションを取る

数年間刑務所で過ごした受刑者にとって、仮釈放後の社会生活は非常に不安で一杯なことが多いです。「世間から白い目で見られるくらいなら刑務所で過ごした方が居心地が良い」と考えて、自ら仮釈放を拒む人もゼロではありません。

仮釈放を受けた受刑者が、その後の社会生活になじめずストレスを抱えてしまい、お酒やギャンブルにのめり込んだり、再び犯罪に手を染めてしまったりすることも起こり得ます。

家族などの身近な方が定期的に面会に行くなど、コミュニケーションを取っておくことで良い結果につながるでしょう。

仮釈放後の環境を整える協力をする

生活環境を整えて、監督・支援する体制を作っておくことも大事です。

数年間刑務所に入所していれば、就職面でも難しい部分が出てくるでしょう。仮釈放後の仕事探しや資金面でのサポートをしたり、本人が問題行動を取らないような監督体制を取っておいたりすることが重要です。

受刑者に対して世間が厳しい目を向けることがあるかもしれませんが、受刑者本人が社会復帰に前向きな姿勢を見せているのであれば、身近な人こそが全面的に味方になってあげるべきです。

まとめ

仮釈放を獲得できるケースは限られており、刑期の進行状態・受刑態度・罪に対する反省具合・再犯の可能性などをもとに、刑務所長によって審査・検討が行われます。

仮釈放が認められた場合も、完全に自由になるわけではありません。保護司との面談や就労など、ケースに応じてルールを守るように要求され、著しく生活態度が悪い場合には仮釈放が取り消されることもあります。

不備なく手続きを進めて仮釈放を獲得するためには、弁護士に依頼するのが有効です。

弁護士であれば、申請書類の作成や必要資料の収集などのサポートが受けられるほか、釈放後の暮らし方などに関するアドバイスも望めますので、心強い味方になってくれます。

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この記事の監修者
当社在籍弁護士
弁護士登録後、地方で一般民事・家事、刑事事件を中心に様々な案件を手掛ける。次第に司法アクセスの改善に課題を感じ、2020年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。
編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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