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仮釈放とは|条件と期間・身元引受人が必要不可欠な理由
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仮釈放とは|条件と期間・身元引受人が必要不可欠な理由

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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仮釈放(かりしゃくほう)とは、『刑務所内で更生の様子が見られた受刑者を刑務所から一度釈放し、①刑務所長が言い渡した一定期間罪を犯さない、②保護司(※)への報告をするなどの条件を満した場合に残りの刑期を免除する制度です。

 

※保護司とは

犯罪者の更生を支援する活動の担い手です。身分は国家公務員ですが、無給なのでボランティアとして考えられる場合があるようです。任務としては、犯罪者と話して更生を促したり、啓発したりすることがあげられます。

 

刑期終了前に仮に釈放する理由は、受刑者が刑務所内で反省、更生が認められるため、その後は一般社会において更生させることが適切と考えらえるからです。

 

つまり、刑罰の目的は“犯罪者の更生”であり、更生のためには社会生活に適合することが必須です。仮釈放制度は刑罰を維持しつつも、社会内の更生・復帰を目指すことで、犯罪者の更生をより促進する制度といえるでしょう。

 

この記事では仮釈放の条件や仮釈放になるまでの流れなどについてお伝えしていきたいと思います。

 

 

 

仮釈放と釈放・保釈・執行猶予の違いとは

仮釈放・釈放・保釈・執行猶予の違いをお伝えします。

 

 

時期

仮釈放

懲役刑を一定期間受けた後

釈放

刑期を満了した後

保釈

起訴後~刑事裁判の間

執行猶予

刑事裁判後

 

仮釈放

受刑者が一定期間の懲役刑を受けたときに、刑務所長の判断・審査と受刑者の意思で仮釈放措置を受けられます。仮釈放を受けると刑務所から出られますが、この間に犯罪行為におよんだり、刑務所長からの条件を反故にしたりすると刑務所に戻され、刑務所内で残りの刑期を過ごすことになります。

 

釈放

刑期を満了した場合に刑務所から身柄が解放されることをいいます。

 

保釈

保釈は仮釈放・釈放・執行猶予と違い、刑事裁判中の被告人の身体拘束を一時的に解く手続です。

 

保釈を受けるための条件については、保釈の条件と申請から保釈金を納めて解放されるまでの流れにて記載しておりますので、ぜひご覧ください。

 

執行猶予

執行猶予は懲役刑を言い渡す判決ですが、一定の猶予期間を設け、当該期間中に別の犯罪行為におよばなければ懲役刑を免除するというものです。

 

執行猶予は以下の2点を満たしている人が対象になります。

 

  1. 過去に禁固刑以上の刑に処せられたことがない、または直近の禁固刑から5年以上間が空いている人
  2. 3年以下の懲役または50万円以下の罰金刑の人

 

詳しいことについては執行猶予の仕組みを分かりやすく解説|執行猶予獲得する方法にてご説明しておりますので、ご覧ください。

 

 

仮釈放を受けるための条件

仮釈放の許可を受けるために必要な条件をお伝えします。なお、法令上は以下のような基準が定められています。

 

(仮釈放許可の基準)
第三十二条
 仮釈放は、次に掲げる事由を総合的に判断し、保護観察に付することが本人の改善更生のために相当であると認められるときに許すものとする。
一 悔悟の情が認められること。
二 更生の意欲が認められること。
三 再犯のおそれがないと認められること。
四 社会の感情が仮釈放を是認すると認められること。

引用元:刑法第32条

 

受刑態度が良好であること

仮釈放を受けるには刑務所長の許可が必要です。刑務所長の許可判断の基準は受刑者が反省・更生をしたかどうかです。日々の受刑態度が反省・更生の判断材料になるようです。しかし、どのようなケースで受刑態度が良好と言えるかどうか明確な基準はありませんので、これをすればよい、これをしてはダメということはいえません。

 

なお、過去に懲罰を受けていたとしても刑務所内での反省・更生が認められ、後は社会生活の中で更生を目指すのが適切であると認められれば、仮釈放の許可をもらえる可能性はあると思われます。

 

刑期のうち一定期間が経過していること

  • 有期懲役の場合:刑期の3分の1以上
  • 無期懲役刑の場合:10年以上

仮釈放の許可を得る最低条件として、刑期の内の一定期間が経過していることが必須となります。

 

事件に対して十分反省していること

刑務所内での反省・更生が十分であると認められる場合に限り、仮釈放の検討対象とされます。

 

真偽の程は定かではありませんが、仮釈放の前に面接があり、この面接では面接官によって挑発されることがあるそうです(あくまで噂です。)。

 

仮釈放審査にどのように影響するかは不明ですが、この時、怒りに任せた言動をしてしまった場合や適切な対応を取らなかった場合には仮釈放検討者から外されてしまうという噂もあります。ただ、反省したふりをすれば良いというわけでもないと思われますので、どのような対応が適切かは全く分かりません。

 

再犯のおそれがないこと

仮釈放はあくまで刑務所内での更生が認められ、社会生活での継続的更生が適切な場合に認められます。そのため、再犯の恐れがある場合には、そもそも刑務所内での更生が認められないと思われます。そのため、再犯のおそれがないといえることも重要でしょう。

 

本人が仮釈放を望んでいること

仮釈放を認めるかどうかは刑務所側の裁量的な判断に委ねられており、受刑者の権利ではありません。しかし、受刑者が仮釈放を望まない場合には仮釈放が認められることはありません。そのため、受刑者が仮釈放を臨んでいることも事実上の要件といえるかもしれません。

 

 

 

仮釈放期間はどのように決定されるのか

刑務所長が地方更生保護委員会に申請をして、該当受刑者の審査をします。受刑者の態度、日々の行いや他の受刑者たちとの連帯責任などをこの審査で判断し、仮釈放期間が決定されます。

 

 

服役中から仮釈放になるまでの流れ

仮釈放の許可を得るまでの流れをお伝えいたします。

 

反省や予定身元引受人の連絡先などを受刑者が提出

受刑者が事件に対する反省や予定身元引受人の連絡先などが記載された指導票を刑務所に提出します。それらを受け取った刑務所長は、地方更生保護委員会および保護観察所に指導票を送付します。

 

保護司が予定身元引受人の意思と条件を確認

仮釈放を受けるための条件』にてお伝えしましたが、身元引受人として認められるためには満たすべき要件があります。

 

その条件を指導票に記載されている予定身元引受人が満たしているかどうかを保護司が確認しに行きます。

 

受刑者が仮面接を受ける

刑務所長が、本人に反省・更生しているかどうかや仮釈放の意思があるか仮面接で確認します。提出した指導票と仮面接時のやり取りに食い違いがある場合は厳しく突き詰められます。

 

受刑者が本面接を受ける

本面接では、仮面接時のやり取りとの食い違いを見られます。

          

刑務所長が地方更生保護委員会に対して仮釈放の申請書を提出する

刑務所長が地方更生保護に仮釈放の申請書を提出して、承認されれば仮釈放の準備が完了します。

 

 

 

仮釈放を要求する方法

刑務所長が許可を出さないと仮釈放にはなりません。しかし、受刑者側から仮釈放の認可の催促が可能ですので、方法についてお伝えいたします。

 

受刑者が刑務所長に仮釈放希望の旨を伝える

法律によって、刑務所長は6か月に一度は受刑者の仮釈放を検討することが義務付けられています。

 

受刑者は刑務所長宛に書面を用いての仮釈放の審査の催促を行うことが可能です。

 

受刑者家族が受刑者に催促するように伝える

刑務所長に仮釈放審査の催促をできるのは受刑者のみです。そのため、家族ができることは、受刑者に書面で刑務所長への審査要請を推奨することくらいでしょう。

 

 

仮釈放中に設けられる制限

仮釈放中は完全に自由というわけではなく、受刑者にはいくつかの制限が課されます。どのような制限を設けるかは刑務所長の裁量的判断に委ねられているといえますが、例えば以下のような条件を付されることが予想されます(あくまで参考です。)。

 

決められた頻度で保護司と面談する必要がある

受刑者には仮釈放中でも月に数回は外での行動や気持ちの変化について保護司へ報告する義務があるようです。

 

就労すること

社会復帰を果たすために就労することが条件とされることもあると思われます。

 

犯罪性のあるものとは付き合わない・近づかないこと

  • いかがわしい場所
  • 麻薬や覚せい剤が出回っている地域
  • 大量のアルコール摂取

 

再犯防止、更生の観点から、上記のような行為をしたり、場所に近づいたりということが制限される可能性もあるでしょう。

 

 

仮釈放が取り消される場合

仮釈放期間中に仮釈放の許可が取り消される場合についてお伝えします。法律上は以下のような場合に、仮釈放を取り消すことが出来るとされています。

 

第二十九条  次に掲げる場合においては、仮釈放の処分を取り消すことができる。
一  仮釈放中に更に罪を犯し、罰金以上の刑に処せられたとき。
二  仮釈放前に犯した他の罪について罰金以上の刑に処せられたとき。
三  仮釈放前に他の罪について罰金以上の刑に処せられた者に対し、その刑の執行をすべきとき。
四  仮釈放中に遵守すべき事項を遵守しなかったとき。
2  仮釈放の処分を取り消したときは、釈放中の日数は、刑期に算入しない。

引用元:刑法第29条

 

仮釈放中に罪を犯した場合

仮釈放中に犯罪行為を行い、罰金以上の刑に処せられた場合、仮釈放が取り消される可能性が高いです。

 

仮釈放中に順守すべき事項を遵守しなかった場合

仮釈放中に設けられる制限」を守れなかった場合、仮釈放は取り消されることがあります。

 

 

 

仮釈放期間を満了した場合・取り消されたときの流れ

仮釈放期間を満了した・仮釈放期間中に仮釈放許可を取り消されたときの流れについてお伝えします。

 

仮釈放の期間を満了した場合

刑務所長に言い渡された仮釈放期間を満了した場合はそのまま釈放となります。

 

仮釈放を取り消された場合

仮釈放中を取り消された場合は、仮釈放中の期間は刑期に参入されませんので、仮釈放前の残刑期について刑務所に拘束されることになります。

 

例えば、【仮釈放期間5か月】で出所したものの、仮釈放期間4か月目で戻ったとした場合、その4か月刑罰期間にカウントされず、残りの5か月丸々を刑務所で過ごすことになります。

 

 

まとめ

受刑者が反省している場合において刑務所長によって検討される仮出所。受刑者に家族がいたり、会社で重要なポストについている場合は、少しでも早く出所して社会復帰をすることが望まれます。

 

実際に、刑罰を真面目に受け、反省した人の中には仮釈放を受けられた人がいます。

 

犯罪行為におよんでしまった場合には、自分の過ちをしっかりと反省し、いち早い社会復帰を目指してください。

 

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は刑事事件弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※刑事事件弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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