大麻で逮捕されたらどうなる?2024年改正後の罰則と逮捕後の流れ・対処法を解説
大麻で逮捕され、「会社や家族に知られるのではないか」「前科がついて人生が終わるのではないか」と強い不安を抱えている方も多いはずです。
2024年12月の法改正で大麻は「麻薬」に位置づけられ、新たに使用も処罰の対象となりました。
所持や譲渡の罰則も引き上げられ、規制は大きく厳しくなっています。
ただし、逮捕されても早い段階で適切な弁護活動を始めれば、不起訴や執行猶予によって前科を避けられる可能性は十分にあります。
特に逮捕直後の72時間の動きが、その後を大きく左右します。
本記事では、改正後の罰則と量刑相場、逮捕後の流れ、そして懲役を回避するための具体的な方法までをわかりやすく解説します。
大麻事件とは|依存性が強く心身に悪影響を及ぼす有害成分を無許可で扱う犯罪
大麻事件とは、大麻草やその有害成分(THC)を、免許や許可なく扱うことで成立する犯罪です。
THCには依存性があり、心身への悪影響も大きいのが特徴です。
所持・使用・譲渡などの行為が、法律で厳しく禁止されています。
2024年12月の法改正で、次のように規制の対象も広がりました。
- 大麻草とその製品:形状を問わず規制(種子・成熟した茎は除く)
- 有害成分そのもの:Δ9-THC・Δ8-THCが新たに規制の対象内に
- 基準値超えの製品:政令の基準を超えるΔ9-THCを含むものも違法
従来は大麻草のどの部位かで規制していましたが、現在は有害成分そのものに着目した仕組みへ移行しています。
無許可での所持や使用は、重い刑事罰の対象であり、最新の基準を正しく知っておくことが大切です。
法改正によって大麻に関する規制や刑罰が大幅に変更された
2024年12月12日より、大麻取締法と麻薬及び向精神薬取締法の改正法が施行されました。
大きな変更点は、これまで罪に問われなかった大麻の使用が新たに犯罪となり、最長7年の懲役刑の対象になりました。
従来は最長5年だった所持・譲渡・譲受も、最長7年へと引き上げられています。
| 大麻で逮捕される行為 | 2024年12月11日以前(旧法) | 2024年12月12日以降(新法) |
| 使用 | なし | 最長7年の懲役 |
| 所持・譲渡・譲受 | 最長5年の懲役 | 最長7年の懲役 |
| 栽培・輸出入 | 7年以下の懲役 | 最短1年・最長10年の懲役 |
大麻は新たに麻薬として位置づけられ、規制全体が厳しくなりました。
大麻に関わる行為は、以前にも増して重い責任を問われるため注意が必要です。
また、2022年の刑法改正で懲役と禁錮が統合され、2025年6月1日から拘禁刑が施行されました。
刑罰の目的が罰の付与から社会復帰支援・再犯防止へと明確にシフトし、処遇の個別最適化が重視されます。
本記事では、一般的に広く知られている「懲役刑」という表現を使用して解説します。
【旧法・新法を比較】大麻で逮捕される行為と罰則
大麻で逮捕される行為ごとに、最新の罰則を整理します。
2024年12月の法改正で、罰則は次のように変わりました。
| 逮捕される行為 | 逮捕後に科される罰則 |
| 大麻の使用 | 7年以下の懲役 |
| 営利目的での大麻の使用 | 1年以上10年以下の懲役および情状により300万円以下の罰金 |
| 大麻の所持・譲渡・譲受 | 7年以下の懲役 |
| 営利目的での大麻の所持・譲渡・譲受 | 1年以上10年以下の懲役および情状により300万円以下の罰金 |
| 栽培・輸出入 | 1年以上10年以下の懲役 |
| 営利目的での大麻の栽培・輸出入 | 1年以上20年以下の懲役および情状により500万円以下の罰金 |
以下で、それぞれの行為や罰則について詳しく見ていきましょう。
大麻を使用した場合
2024年12月12日より、大麻は麻薬及び向精神薬取締法上の麻薬に位置づけられました。
新たな位置づけにより、使用も明確に禁止行為となっています。
具体的には、以下のとおりです。
| 旧法(~2024.12.11) | 新法(2024.12.12~) | |
| 娯楽目的の使用 | 処罰なし(使用罪なし) | 7年以下の懲役 |
| 医薬品としての使用 | 不可(免許ありでも治療目的は不可) | 免許がある場合に限り合法 |
乾燥大麻や大麻リキッドを娯楽目的で使う行為は、形を問わず禁止です。
ただし、大麻取扱者の免許を持つ人が医薬品の製造・研究・治験など正当な目的で使う場合に限り、認められています。
使っただけなら大丈夫という認識は通用せず、尿検査で陽性が出れば立件される可能性があります。
大麻を栽培・輸出入した場合
免許や許可なく大麻を栽培・輸出入する行為は、明確な法律違反です。
栽培には、厚生労働大臣や都道府県知事が発行する特別な免許が必要です。
無免許での栽培は、原則として禁止されています。
| 旧法(~2024.12.11) | 新法(2024.12.12~) | |
| 栽培・輸出入 | 7年以下の懲役 | 1年以上10年以下の懲役 |
| 営利目的の栽培・輸出入 | 10年以下の懲役+300万円以下の罰金 | 1年以上20年以下の懲役+500万円以下の罰金 |
栽培・輸出入は、所持や譲渡よりも重く処罰される傾向にあります。
新法では、営利目的かどうかにかかわらず厳格化。
最短でも1年以上の懲役が科される点に注意が必要です。
大麻を所持・譲渡・譲受した場合
大麻を所持・譲渡・譲受した場合、たとえ自分用であっても逮捕の対象です。
以下では、犯した行為によって科せられる刑罰を旧法・新法別にまとめました。
| 旧法(~2024.12.11) | 新法(2024.12.12~) | |
| 所持・譲渡・譲受 | 5年以下の懲役 | 7年以下の懲役 |
| 営利目的の所持・譲渡・譲受 | 7年以下の懲役+200万円以下の罰金 | 1年以上10年以下の懲役+300万円以下の罰金 |
法改正によって、罰則の上限は大きく引き上げられました。
金銭目的で売買すれば営利目的と扱われ、懲役に加えて罰金まで科されます。
大麻で逮捕された後の流れ

大麻で逮捕されると、その後は刑事手続きにそって進みます。
逮捕から判決までの流れは、大麻に限らず刑事事件に共通するものです。
ここでは、大麻で逮捕されたあとの流れを6つのステップで見ていきましょう。
STEP①:逮捕
大麻に関する罪の容疑で、まず逮捕されます。
2024年12月の改正により、使用・所持・譲渡・譲受は麻薬及び向精神薬取締法、栽培は大麻草の栽培の規制に関する法律で処罰されます。
もっとも多いのは、所持していた大麻を見つけられる現行犯逮捕です。
主に、職務質問や持ちもの検査などがきっかけになるケースが多いです。
中には、家族や第三者の通報によって、使用を疑われて後日逮捕される場合もあります。
逮捕されると、警察での身柄拘束が始まります。
48時間以内に、検察へ送致するか、いったん釈放するかが判断されます。
STEP②:警察による取調べ
逮捕後は留置場などに身柄を置かれ、警察の取調べを受けます。
大麻事件では、使用の有無を調べるため尿検査が実施されるのが一般的です。
尿検査は拒否することもできますが、警察が裁判所から強制採尿令状を得て、強制的に検査するケースがあります。
家族としては、すぐ面会できるか気がかりなはずですが、逮捕直後は家族であっても面会できないのが原則です。
ただし、弁護士だけは接見が認められています。
STEP③:検察官に送致
警察での取調べを終えると、事件は検察官へ送致されます。
送致後は、検察官による取調べが始まり、起訴に向けてさらに詳しく事情聴取がおこなわれます。
検察官が身柄を拘束できる時間は、送致から24時間以内です。
逮捕から数えると、最長72時間は家族との面会ができません。
家族が動揺している間も手続きは進行するため、早い段階で弁護士に接見を依頼することが有効な一手になります。
STEP④:勾留請求・勾留の決定
取調べの結果をふまえ、検察官は勾留を請求するかどうかを判断します。
裁判官が勾留を認めると、被疑者はさらに10日間、身柄を拘束されます。
捜査が終わらなければ、もう10日の延長も可能です。
逮捕からの拘束は、最長で23日間にも及びます。
大麻などの薬物事件では、勾留が認められやすい傾向です。
証拠隠滅や再使用、逃亡のおそれがあるとみなされやすいためです。
長期の拘束は仕事や学業に直結するため、勾留を防ぐための働きかけが早期の社会復帰につながります。
STEP⑤:起訴・不起訴の決定
勾留期間中に、検察官が起訴するか不起訴にするかを決めます。
不起訴になれば裁判は開かれず、前科もつかないためそのまま釈放されます。
起訴された場合は、通常1ヵ月ほどで裁判が開かれます。
裁判までの間は、保釈を請求することが可能です。
一般的に、大麻事件では保釈が比較的認められやすい傾向にあります。
ただし前科がある場合や証拠隠滅のおそれがあると判断されると、保釈が認められない可能性があります。
STEP⑥:刑事裁判・判決
審理を経て、裁判所から判決が言い渡されます。
日本では、起訴後の有罪率が99.9%と非常に高いのが実情です。
起訴されれば、ほとんどが有罪になりますが、有罪になったらすぐに刑務所に入るわけではありません。
判決に執行猶予が付けば、勾留されていても判決後に釈放され、自宅へ戻れます。
初犯で内容が比較的軽い場合は、執行猶予が付くケースも珍しくありません。
起訴されても、あきらめずに執行猶予を目指すことが大切です。
大麻事件の現行犯逮捕・後日逮捕について
大麻事件での逮捕には、大きく2つのパターンがあります。
ひとつは、その場で捕まる現行犯逮捕。
もうひとつは、後から逮捕状で捕まる後日逮捕です。
「現場で捕まらなかったから安心」とは言い切れません。
2つの違いを、順に見ていきましょう。
現行犯逮捕
大麻事件の現行犯逮捕は、その場で違法な物品や陽性反応が確認されたときにおこなわれます。
主なきっかけは、職務質問や税関検査がおこなわれたタイミングなどです。
目の前で犯罪が明らかな場合、逮捕状を待たずに身柄を拘束できると法律で認められています。
具体的なケースは、次のとおりです。
- 持ちもの検査で大麻が見つかった、直後の尿検査で成分が検出された
- 海外から大麻を輸入しようとして、税関の荷物検査によって発見された
上記のケースは、大麻を所持している証拠をその場で押さえられるため、言い逃れは極めて困難です。
逮捕直後から、厳しい取調べが始まります。
後日逮捕
現場で帰宅を許されても、後日あらためて逮捕される場合があります。
裁判官の逮捕状にもとづき、警察が自宅などへやってきます。
簡易検査だけでなく、本鑑定・共犯者の供述・通信記録などで疑いが固まった段階で逮捕に踏み切ります。
よくあるのは、次のようなケースです。
- 証拠物の鑑定が必要な場合、結果が出たタイミングで逮捕される
- 購入先が先に検挙され、顧客リストややり取りから購入が判明する など
その場で捕まらなかったから安心とは言えません。
ある日突然、家宅捜索とともに逮捕されるリスクが残ります。
大麻事件で逮捕された場合の量刑相場は何年か
大麻で起訴されると、どのくらいの刑になるのか気になるところです。
大麻による量刑は、初犯か再犯か・所持量はどれくらいか・営利目的かどうかで大きく変わります。
その中でも、営利目的の有無は実刑か否かを分ける大きな要素です。
ここでは、初犯・非営利と、初犯・営利の2つに分けて相場を見ていきましょう。
大麻所持の初犯かつ非営利目的の場合|執行猶予が付く可能性が高い
初犯で自分用(非営利)の場合、執行猶予が付く可能性は高いといえます。
初犯は更生の余地があると判断されやすく、すぐに収監するより、社会内での更生が選ばれやすいためです。
相場としては、懲役6ヵ月~2年に対し、執行猶予3年~4年が付くのが一般的なラインです。
実際の判決でも、執行猶予付きが多くみられます。
ただし、初犯=必ず執行猶予ではありません。
再犯になると実刑のリスクが急増し、刑務所行きの可能性が高まります。
最終的な判断は、前科の有無や反省の度合いによって分かれます。
大麻所持の初犯かつ営利目的の場合|初犯でも実刑になる可能性が高い
転売など利益目的の場合、初犯でも実刑になる可能性が高まります。
大麻を流通させる行為は社会への害が大きく、個人使用より重く処罰すべきと法律で定められています。
法定刑の目安は次のとおりです。
- 所持・譲渡・譲受:1年以上10年以下の懲役+情状により300万円以下の罰金
- 栽培・輸出入:1年以上20年以下の懲役+情状により500万円以下の罰金
実際の判決でも、営利の譲渡・譲受は懲役3~5年程度の実刑が多い傾向にあります。
営利目的と認められると、懲役に加えて高額な罰金まで科され、非常に重い責任を問われます。
大麻事件で逮捕された場合に懲役刑を回避するための方法5つ
大麻事件で逮捕された場合に懲役刑を回避するには、大きく5つの方法が挙げられます。
逮捕の段階や状況に応じて、取れる手は変わります。
逮捕直後から判決まで、それぞれの場面で有効な手立てを見ていきましょう。
①速やかに弁護士に相談する
逮捕後どれだけ早く弁護士の助言を受けるかが、その後の人生を左右します。
取調べでの供述ひとつで営利目的に分類されたり、裁判で不利になったりするリスクを防ぐ必要があります。
特に逮捕からの72時間は、家族でも面会できない期間。
動けるのは弁護士だけです。
弁護士からは、次のような防御術を早期に得られます。
- 黙秘権の適切な使い方
- 事実と異なる調書への対応
- 違法な取調べの記録方 など
本人が動けなくても、家族からの依頼で弁護士は接見に向かえます。
不利な証拠を固められる前に、プロの助けを借りることが実刑回避に向けた最初の一歩です。
②早期釈放および保釈を目指す
逮捕後の勾留を防ぐか起訴後に保釈されれば、早期の社会復帰を目指せます。
一般的に、大麻事件は勾留される割合が高く、何もしなければ長期の拘束で仕事や学業を失うおそれがあります。
勾留とは起訴前の拘束、保釈は起訴後に保証金を預けて釈放してもらう制度であり、いずれもタイミングが異なります。
弁護士による働きかけの一例は、次のとおりです。
- 逃亡や証拠隠滅のおそれがないことの主張
- 不起訴による釈放や、起訴後の保釈請求 など
大麻事件は、覚醒剤に比べて保釈が認められやすい傾向にあります。
社会生活へのダメージを最小限に抑えるには、身柄解放に向けた専門的な働きかけが欠かせません。
③懲役刑を免れるために不起訴を目指す
前科をつけず懲役を避ける最善の道は、検察官による不起訴処分を得ることです。
不起訴になれば裁判は開かれず、有罪判決も刑罰もなくなるためです。
前科がつかないため、就職や資格への影響も抑えられます。
たとえば、検察官には次のような事情を訴えることが重要です。
- 大麻の所持量がごく少量である
- 所持している大麻の直接的な証拠が乏しい
- 家族による監督体制が十分に整っている など
加えて、薬物治療の開始など再犯防止への取り組みを示すことも効果的です。
大麻事件には被害者がいないため、反省の姿勢や環境の立て直しが判断を左右します。
統計上も、起訴される割合は全体の一部にとどまります。
不起訴を引き寄せるには、再犯防止策を示すなど、戦略的な弁護活動が欠かせません。
④執行猶予を目指して実刑を回避する
起訴されてしまった場合は、執行猶予を得て実刑を避けることに力を尽くしましょう。
執行猶予が付けば、すぐに刑務所へ行く必要がなく、社会の中で更生を目指せます。
猶予期間を問題なく過ごせば、刑の言い渡しそのものが効力を失います。
裁判官に対しては、次のような取り組みを見える形で示すことが重要です。
- 専門機関での薬物治療の開始
- 家族による具体的な支援計画 など
初犯で内容が軽微なケースほど、執行猶予は認められやすい傾向にあります。
統計でも、起訴後に執行猶予が付くケースは少なくありません。
実刑を避けられるかどうかは、再犯防止の具体策をどれだけ示せるかにかかっています。
⑤大麻事件発覚前の場合は自首も検討する
事件が警察に発覚する前であれば、自首によって刑の減軽が期待できます。
刑法第42条にもとづき、自発的に罪を認める姿勢は反省の表れとみなされ、判決で有利に働く規定があります。
ただし、減軽はあくまで任意なので必ず軽くなるとは限らない点には注意が必要です。
すでに警察に把握されたあとの出頭は自首にあたらないため、タイミングが重要になります。
ひとりで警察署へ行くのが不安な場合は、弁護士への同行依頼も可能です。
事前に準備を整えて出頭すれば、逃亡や証拠隠滅のおそれが低いと判断され、在宅での捜査になる可能性もあります。
自首は、刑を軽くできる可能性がある権利です。
効果を最大化するには、事前の法的な準備が大切です。
大麻で逮捕されたら弁護士に相談すべき5つの理由
大麻取締法違反で逮捕されたら、できるだけ早く弁護士に相談することが重要です。
初動の対応が、その後の処分や裁判の結果を大きく左右します。
弁護士に依頼すれば、勾留の回避や不起訴、執行猶予といった結果に近づける可能性があります。
具体的なメリットを、5つの観点から見ていきましょう。
①勾留を回避できる場合があるから
弁護士の介入により、勾留を回避できる場合があります。
弁護士は、被疑者の立場を的確に主張し、早期釈放に向けた弁護活動をおこなってくれます。
大麻事件では、証拠隠滅や逃亡のおそれを理由に勾留が請求されやすい傾向です。
認められれば、最大20日近く拘束されるケースもあります。
長期の拘束は、会社の解雇や退学に直結するからこそ、勾留前の働きかけが重要になります。
弁護士が裁判所に主張してくれる主なポイントは、次のとおりです。
- 初犯で本人が事実を認めていること
- 家族が身元引受人となり、監督体制が整っていること
- 被疑者には定まった住居があり、逃亡のおそれがないこと
主張が通れば、勾留請求が却下されたり、在宅捜査に切り替わったりする可能性が生まれます。
万一勾留が決まっても、決定への不服申立て(準抗告)で釈放を目指せるケースもあります。
②不起訴処分となる可能性が高まるから
弁護士の弁護活動で、不起訴処分の可能性が高まります。
日本では起訴後の有罪率が99.9%と高く、起訴される前に不起訴を得られるかが大きな分かれ目になります。
検察官は、有罪を確実に立証できる事件にしぼって起訴する傾向です。
裏を返せば、起訴前の働きかけには意味があります。
不起訴には、証拠が足りない嫌疑不十分と、情状を考慮した起訴猶予があります。
弁護士は、反省の態度や更生の意志、身元引受人の存在などを検察官に的確に伝えることが可能です。
あわせて、二度と繰り返さないための再犯防止策を具体的に示すことも有効です。
訴えが届けば、不起訴につながるケースもあります。
前科が付くのを避けたいのであれば、起訴前の弁護活動が欠かせません。
③執行猶予が付くケースもあるから
起訴されても、弁護活動しだいで執行猶予が付くケースがあります。
大麻事件の刑罰は、懲役か、懲役と罰金の併科が基本です。
実刑を避けるには、執行猶予付き判決を得ることが重要になるためです。
執行猶予とは、一定期間、刑の執行を待ってもらう制度のことです。
期間を問題なく過ごせば刑務所に入らずに済みますが、執行猶予が付けば前科は残るものの、社会で生活しながら更生を目指せます。
獲得に向けては、薬物治療の開始や家族の支援計画を、裁判官に見える形で示します。
再犯防止に本気で取り組む姿勢が伝われば、猶予が認められやすくなります。
早く動くほど、選べる手は増えるため、実刑回避を目指すならできるだけ早い相談が有効です。
④法的なアドバイスをもらえるから
弁護士からは、手続きや取調べへの対応について、的確な法的アドバイスを受けられます。
刑事事件では、接見等禁止処分が付く場合があります。
接見禁止処分とは、刑事事件で逮捕・勾留された被疑者や被告人に対し、弁護人以外の者との面会や手紙のやり取りを禁止する処分のことです。
弁護士との接見では、黙秘権の使い方や調書への署名で気をつける点について助言が得られます。
取調べは密室でおこなわれ、つい不利な供述をしてしまう人も少なくありません。
弁護士から事前にアドバイスを受けておけば、事実と異なる自白を防ぐことが可能です。
逮捕直後なら、当番弁護士の制度で一度は無料で弁護士を呼べます。
早い段階で専門家とつながることが、その後の対応を左右します。
精神的に追い詰められやすい場面で、弁護士の存在は大きな支えになるでしょう。
⑤再犯防止に向けた支援を受けられるから
弁護士を通じて、大麻事件の再犯防止に向けた支援を受けることが可能です。
大麻は依存性のある薬物とされ、再発を防ぐには周囲のサポートが欠かせません。
家族の助けはもちろん大切ですが、専門家の客観的な支援も大きな力になるでしょう。
法律事務所の中には、裁判での弁護だけでなく、次のような支援をおこなうケースもあります。
- 臨床心理士の紹介
- カウンセリングの手配
- 薬物依存症の回復プログラムへの橋渡し など
取り組みの一つひとつは、再犯を防ぐだけでなく裁判で有利な情状にもなります。
多方面からのサポートを受ければ、再犯リスクを下げ社会復帰をスムーズに進めやすくなります。
本人と家族だけで抱え込まず、専門家を最大限頼ることが回復の近道です。
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大麻によって逮捕され後に弁護士へ依頼して不起訴・執行猶予を得た3つの事例
次に、ベンナビ刑事事件を通じて弁護士に依頼し、不起訴や執行猶予を得た事例を3つ紹介します。
いずれも、逮捕後に弁護士が早期に動いたおかげで結果につながったケースです。
実際の流れを知るうえで参考にしてください。
【30代男性】大麻所持で逮捕されたが、不起訴を獲得したケース
最初に紹介するのは、店舗でのいざこざに警察が駆けつけた事案です。
居合わせた客のカバンの中の衣服から大麻が見つかり、その衣服が依頼者のものだったことから、逮捕・勾留されました。
家族からの依頼を受け、弁護士が弁護活動を開始。
所持の認識や経緯について、依頼者の立場を的確に整理し、検察官へ主張しました。
最終的に、検察は不起訴処分を決定。
前科をつけずに、事件を終えることができました。
認識が曖昧なケースほど、早期の弁護活動が結果を左右することがわかる事例です。
【10代男性】大麻所持で逮捕されたが、不起訴を獲得したケース
次に紹介するのは、車内で大麻を保管していたところを職務質問で発見された事案です。
警察官が車内を調べた結果、大麻が見つかり、その場で現行犯逮捕されました。
逮捕後、弁護士が早期に接見し、取調べへの対応をアドバイス。
反省の態度や更生の意志を、検察官へていねいに伝えました。
再犯防止に向けた環境づくりもあわせて主張した結果、不起訴処分を獲得。
10代という将来のある段階で、前科を避けられた意義は大きいといえます。
【50代男性】大麻所持で逮捕されたが、勾留を回避して執行猶予を得たケース
最後に紹介するのは、自宅への家宅捜索がきっかけとなった事案です。
捜索の結果、スポーツバッグからパケに入った少量の大麻草が見つかり、依頼者は現行犯逮捕されました。
弁護士は、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを、資料とともに主張。
身柄拘束の長期化を防ぐ働きかけをおこないました。
最終的に勾留を回避し、起訴後には執行猶予付きの判決を獲得。
少量・初犯でも油断はできませんが、早期の弁護活動が身柄解放と実刑回避につながった事例です。
大麻の逮捕に関するよくある質問
最後に、大麻の逮捕についてよくある質問にお答えします。
刑罰の年数や逮捕の条件、営利目的の判断基準など、不安につながりやすい点を中心にまとめました。
気になる項目から確認してください。
Q1.大麻で逮捕されると懲役は何年くらい?
大麻で科される懲役は、行為の内容によって変わります。
罪状が使用・所持・譲渡・譲受の場合は最長7年の懲役、栽培・輸出入の場合は、1年以上10年以下の懲役が科される可能性があります。
営利目的の有無や所持量、過去の前科などによって、実際の長さは個別に判断されます。
初犯で非営利なら、執行猶予が付くことも多い傾向です。
Q2.大麻で逮捕される具体的な条件は何?
大麻で逮捕される条件は、大麻取締法違反の疑いがあり、かつ逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断される場合です。
大麻事件では、証拠となる大麻製品を隠したり捨てたりするリスクが高いとみられがちです。
結果として証拠隠滅のおそれが認められやすく、逮捕につながるケースが多いとされています。
ごく少量でも、所持や使用が確認されれば逮捕の対象です。
「少しだから大丈夫」という考えは通用しないので注意が必要です。
Q3.大麻の営利目的の判断基準は何?
営利目的かどうかは、所持量や動いた金額など、客観的な状況から総合的に判断されます。
本人が「自分用だ」と主張しても、個人では消費しきれない量や売買をうかがわせる記録があれば、拡散のリスクが高いとみなされます。
判断材料になるのは、次のような要素です。
- 個人消費の範囲を超える所持量か
- 過去に大麻を売買した履歴があるか
- 秤などの小分け用の道具を所持しているか など
営利目的と認められると、実刑のおそれが大きく高まります。
不利な認定を避けるためにも、早い段階での弁護士相談が欠かせません。
Q4.大麻の所持って具体的にどんなもの?
所持とは、手に持っているときだけでなく、車や自宅など自分の支配下にある状態全てを指します。
物理的に触れていなくても、本人が管理・処分できる状態にあれば、法律上の所持が成立しているとみなされます。
どの箇所を所持しているかによって、次のように扱いが変わる点にも注意が必要です。
- 大麻草:ごく少量なら不起訴になることもある
- 樹脂:凝縮されているため、少量でも起訴されるのが通常
ポケットに入っていなければ大丈夫という認識は誤りであり、管理する場所に大麻があるだけで逮捕・起訴のリスクがあります。
Q5.大麻の売買は現行犯逮捕される?
大麻の売買は、路上での現行犯逮捕だけでなく、取引記録などから後日逮捕されるケースも多くあります。
警察は売人の顧客リストやスマホの通信記録を徹底的に調べるため、現場で見つからなくても、後から購入者が特定されるためです。
逮捕された場合の防御策は、次のとおりです。
- 弁護士を通じて、入手の経緯や反省の情を適切に伝える
- 悪質性が低いことを主張して、処分の軽減を目指す など
取引の瞬間に捕まらなくても、安心はできません。
芋づる式に発覚するリスクを、常に抱えることになるので注意が必要です。
Q6.大麻使用の未遂や予備は捕まるの?
大麻の使用そのものに、未遂罪や予備罪はありません。
使用は体内に取り込んだ時点で犯罪が成立し、その手前の段階を罰する規定が設けられていないためです。
ただし、栽培や輸出入には予備罪があり、栽培のために種子や専用ライトを用意した段階でも、栽培予備罪に問われる可能性があります。
輸出入や譲渡を準備する行為も、同様に重く扱われます。
まだ大麻を吸っていない・準備しただけという理屈は通用せず、行為の種類によっては着手前でも逮捕の対象なので注意が必要です。
Q7.2024年12月11日までの大麻使用は本当に捕まらない?
旧法では、当時の大麻取締法に大麻の使用を直接罰する規定がなく、使用罪単体では処罰されませんでした。
ただし、車内に吸い殻が残っていれば所持罪、SNSに購入記録があれば譲受罪など、別の罪で逮捕されるケースはゼロではありませんでした。
実際、使用の前提として大麻の所持を伴うことがほとんどです。
現在の新法では、大麻の使用そのものが犯罪であるため、最新の規制を前提に考える必要があります。
まとめ|大麻で逮捕されたら一刻も早く弁護士への相談を
大麻で逮捕されても、早い段階で弁護士に相談すれば、不起訴や執行猶予によって前科を避けられる可能性は十分にあります。
2024年12月の法改正で大麻は麻薬に位置づけられ、使用も新たに処罰の対象となりました。
所持や譲渡の罰則も引き上げられて規制は厳しくなりましたが、初犯や少量のケースでは反省や再犯防止の取り組み次第で処分が軽くなる余地があります。
特に重要なのが、家族でも面会できない逮捕直後の72時間の動きです。
この時間に動けるのは弁護士だけなので、早く相談するほど取れる手は広がるでしょう。
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