薬物事件で逮捕された場合、次のようなリスクがあります。
- 仕事や学校に影響が出る可能性
- 重い罰則が科される可能性
- 前科がつく可能性がある
逮捕後72時間以内の対応で、今後の生活が大きく変わる恐れもあります。
対応を間違い一生後悔しないためにも、弁護士への相談をご検討ください。
覚醒剤で大切な家族が逮捕されてしまったら、誰でも慌ててしまうでしょう。もしかしたら実刑を受けるかもしれない、依存症になっていたら抜け出すための支援をしなければならないなど、心配事は尽きません。
警察庁の公開した「令和元年における組織犯罪の情勢」によると、令和元年中に覚醒剤事件で検挙・逮捕された人数は1万2,020人でした。覚醒剤の検挙数は年々低下しているようです。
覚醒剤の魅惑から抜け出せずにいるのが、あなた自身やあなたの家族や友人・知人であり、突然逮捕されてしまうリスクがあることは十分に理解しておくべきです。
家族が逮捕された場合には、おちついて弁護士に相談することをおすすめします。弁護士に依頼すればさまざまなメリットが受けられ、被告であるご家族の権利をしっかりと守ることができるからです。
この記事では、覚醒剤事件を起こして逮捕された場合に「すぐに弁護士へ相談する」べき理由を解説します。
薬物事件で逮捕された場合、次のようなリスクがあります。
逮捕後72時間以内の対応で、今後の生活が大きく変わる恐れもあります。
対応を間違い一生後悔しないためにも、弁護士への相談をご検討ください。
覚醒剤事件を起こして警察に逮捕されてしまった場合は、ただちに弁護士を呼んで必要なサポートを受けましょう。
こんな考え方は危険です。
なぜただちに弁護士を呼ぶべきなのか、理由を挙げていきましょう。
警察に逮捕されると、逮捕後の48時間と勾留が決定するまでの24時間の合計72時間は外部との接触が一切できなくなります。外出や電話連絡はもちろん、たとえ家族であっても面会さえ認められません。
接見禁止がついているかどうかとは関係なく、逮捕後勾留決定までの間は、一般接見はできません。
この段階で逮捕されてしまった人と接触できるのは、自由な接見が認められている弁護士だけです。どのような状況で逮捕されたのか、会社などへの報告はどうするのかなど、本人と連絡しないとわからないことはたくさんあるので、弁護士が連絡役として橋渡しをします。
警察官、検察官の取調べは、非常に緊迫したなかで進みます。リラックスできない密室で強圧的な取調べを受けるケースもめずらしくありません。
いまだに暴力的な取調べや捜査官による誘導などの違法な取調べも隠れておこなわれているので、弁護士に相談して取調べに向けた助言を受けましょう。
とくに、違法な取調べの見分け方や報告の方法などについて詳しくアドバイスをもらっておくべきです。
弁護士が事件の行方を監視することで、証拠収集や取調べなどの捜査において違法行為がおこなわれていないかを判別できます。覚醒剤事件では、証拠収集において違法捜査がおこなわれることが絶対に無いとは言い切れません。
監視と言っても、弁護士が実際に取り調べ等の捜査に立ち会うことはできないので、弁護士に捜査状況の詳細を伝え、対応策のアドバイスをもらうことになります。
証拠の押収手続きに違法があれば無罪判決が下される可能性があるので、弁護士による監視は非常に大切です。
逮捕され、起訴されてしまった場合でも、再犯防止に向けた対策を講じることで執行猶予や減刑も期待できます。執行猶予・減軽を目指すには、弁護士のサポートが必須です。
真摯な反省の姿勢や、再犯防止に向けた具体的な対策を検察官・裁判官にアピールすることで、有利な処分が期待できます。
覚醒剤は、所持や使用などが禁止されています。とはいえ、だれがいつ覚醒剤を使っていたり、持っていたりするのかを外見で判断することは困難です。
では、覚醒剤事件はどのような経緯で発覚するのでしょうか?覚醒剤で逮捕につながるシチュエーションをみていきましょう。
覚醒剤事件の多くは、警察官による職務質問から発覚します。
不審な挙動や覚醒剤の常習者による特徴的な行動を察知した警察官から声をかけられて、質問だけでなく所持品の検査や車両内の検索も避けられない状態となるでしょう。
制服を着た警察官は日ごろから覚醒剤事件を念頭においた職務質問の訓練を受けているので、覚醒剤の所持や使用による現行犯逮捕は珍しくありません。
嫌がらせとして匿名者から警察に通報するケースや、覚醒剤の使用をやめさせたいと考えた家族などの身内が警察に情報を提供するケースも考えられます。
いわゆる「タレコミ」と呼ばれるもので、警察官にマークされて現行犯逮捕されるか、内偵捜査で証拠を押さえられて逮捕状によって逮捕されるでしょう。
覚醒剤事件は、末端から売人へ、売人から末端への「芋づる式」で捜査が進められます。
売人が検挙された際には、顧客リストや電話帳などが押収され、通話の履歴やメッセージのやり取りなどから覚醒剤の使用・所持が疑われる末端までもが逮捕されるのです。
覚醒剤を使用すると、幻覚症状やショック症状、オーバードーズなどにより病院に搬送されることがあります。
検査をおこない覚醒剤の反応がでた場合、医師には管轄の警察への通報が義務付けられているため、病院からの通報で逮捕されるケースも少なくありません。
すでに病院の検査結果や血液採取などによって証拠が固められているため、病状が回復すればすぐに通常逮捕されます。
京都府警は、知人宅のアパートで覚醒剤11袋を所有していたとして、大阪市東淀川区の無職の男性被告を逮捕しました。
男は密売のために覚醒剤133g(末端価格約851万円相当)や計量器などを所持していたということです。
SNSで不特定多数の人に覚醒剤を販売していた、石川県金沢市の男が逮捕され、懲役8年、罰金250万円の実刑判決を受けました。
判決によれば、男はSNSを使って合計228回密売を行っており、得た収益は720万円だったそうです。
熊本県の漁港から覚せい剤を密輸しようとしたとした台湾国籍の男性に無期懲役と罰金1,000万円が言い渡されました。
男は密輸グループの統括役で、覚醒剤586キロ、末端価格352億円を密輸しようとしていました。
覚醒剤事件では、窃盗や暴行・傷害事件のように示談を交渉する相手がいません。
「謝って許してもらう」ことができないので、少しでも処分を軽くするには反省と再犯防止策が重要になります。
覚醒剤事件で執行猶予や刑の減軽を期待するのであれば、なによりもまず深い反省を示すことが大切です。
覚醒剤事件を起こしてしまったことを悔いてしっかりと反省している態度を示し「再犯のおそれが低い」と判断されれば、処分が軽くなる可能性が高まります。
検察官や裁判官から有利な処分を得るためには、「再犯防止」への対策が必須だと心得ておきましょう。
覚醒剤事件においては再犯防止が非常に重要です。令和元年版の犯罪白書によると、以前に覚醒剤事件を起こして令和元年中に再び検挙された人数は5,687人にのぼり、再犯率は66.3%という過去最高の数値を記録しています。
再犯率が高い今だからこそ、ふたたび覚醒剤に手を染めることがないことを誓い、その実現に向けて行動を起こすことで厳しい処分の回避が期待できるでしょう。
再犯防止のためには、薬物関連の人間関連を断ち切ることが重要です。
覚醒剤をはじめとした違法薬物は、友人・知人・恋人などの人間関係のなかで連鎖する傾向があります。いくら「反省している」と述べても、同じような人間関係を続けている限り覚醒剤の誘惑は途切れません。
単に「もう交際しない」と宣言するだけでは足りません。それまで使用していた携帯電話を解約して電話番号データを消去する、家族の管理下におくなど、物理的な対策が求められるでしょう。
覚醒剤は、非常に依存性が高い薬物です。頭では反省していても身体が覚醒剤を求めてしまい、再犯に走る危険があります。
そのため再犯防止には専門の更生施設での取り組みや、医学的なサポートが重要となるでしょう。再犯防止に向けた活動に取り組む姿勢をアピールすることで、処分の軽減が期待できます。
どのような施設やサポートがあるかは、刑事事件・薬物犯罪の解決実績や経験がある弁護士に相談すると、具体的なアドバイスをもらえるでしょう。
覚醒剤事件とは、「覚醒剤取締法」に違反したケースを指します。覚醒剤取締法に違反すると、どのような刑罰を受けることになるのでしょうか?
ちなみに以前は、「覚せい剤取締法」と表記されていました。しかし令和2年4月1日の法改定から名称の変更が施行されて「覚醒剤取締法」と表記されるようになりました。
覚醒剤を使用すると、10年以下の懲役に処されます。
ここでいう「使用」とは、覚醒剤を薬品として消費する一切の行為を指しており、血管への注射、経口摂取、気化吸引などのすべてが対象です。
また他人の身体に覚醒剤を注射する行為は、注射した者・注射された者の両方が「使用」とみなされます。
覚醒剤の所持・譲渡し・譲受けにも、使用の場合と同じく10年以下の懲役が科せられます。
覚醒剤は、特別な資格をもつ者でない限り、誰であっても所持が禁止されている薬物です。また他人に譲り渡す、他人から譲り受けることも一切禁止されています。
所持とは、ポケットの中に入れているような場合だけではありません。車の中や自宅の部屋などに保管している場合も、所持と判断されるでしょう。
ここで挙げた使用・所持・譲渡し・譲受けに対する刑罰は「個人の場合」です。営利目的で使用や所持があった場合は、次のようにさらに重い刑罰が科せられます。
ここで覚えておきたいのは、情状面が悪いと1年以上の懲役と500万円以下の罰金の両方が科せられることがあるという点です。
営利の目的で多数の人に対して覚醒剤を流通させたなどのケースでは、懲役刑と罰金刑の両方という非常に重たい処罰が科せられるおそれがあります。
覚醒剤事件における逮捕について、多くの方が抱いている疑問に答えていきましょう。
職務質問で覚醒剤と疑われる粉末状の薬物が発見されると、警察官は覚醒剤の簡易検査キットを使って対象物が覚醒剤なのかを調べます。
ここで覚醒剤の陽性反応がでた場合は覚醒剤取締法違反の現行犯として逮捕される、というのはテレビ番組などでもおなじみでしょう。
ただし、尿・血液・毛髪などからの検査では精度の高い検査キットがないため、任意または裁判所の令状によって採取したうえで詳しい鑑定結果を待つことになります。つまり、採取を受けたからといってその場で現行犯逮捕されることはありません。
身体から採取した資料から覚醒剤の陽性反応が認められた場合は、資料を採取した経緯や覚醒剤を使用した経緯の捜査がおこなわれたうえで逮捕状が請求され、後日に通常逮捕されます。
こんなケースでもやはり逮捕されてしまうのかという点は気になるところでしょう。
もし知らないまま覚醒剤を持っていたところで警察官の職務質問を受けて、持っていたものが覚醒剤だと判明した場合、逮捕は避けられません。「覚醒剤だとは知らなかった」と説明しても、この段階では「知らなかった」という弁明を証明するものがないからです。
ただし、逮捕と刑罰は別問題です。
警察官の取調べに対して、所持していた経緯や誰から預かったものなのかなどを詳しく供述し、その裏付けが取れれば、検察官が起訴を見送る可能性が高まるでしょう。
たとえ起訴されたとしても、弁護士による適切な弁護活動によって事実が証明できれば刑罰も回避できるはずです。
「保釈」とは、起訴された段階で保釈金を支払って一時的に身柄が解放される手続きです。保釈が認められれば、自由の身となって刑事裁判を受けながら判決を待つことになります。
「覚醒剤事件は保釈されにくい」というイメージがあるかもしれませんが、必ずしも保釈が認められないわけではありません。
保釈が認められないケースとしては、常習性が高く、自由の身となれば逃亡や出廷が予定されている証人に圧力をかけるおそれが高い場合です。
組織的な覚醒剤事件では、本人の安全を確保する意味でも保釈を認めない場合もあります。
また事実を否認している事件でも、証拠隠滅をはかるおそれがあるため保釈が認められにくくなります。
一方で、初犯の場合や、興味本位での使用・所持などのように深く反省して逃亡などの危険がない場合は、保釈が認められやすくなるでしょう。
覚醒剤事件の多くは、使用や所持といった犯罪の証明が比較的にシンプルなものばかりなので、逮捕されれば高い確率で起訴されてしまいます。
再犯として逮捕されれば重い刑罰がかせられてしまうおそれが高く、初犯で執行猶予が認められたとしても前科がついてしまうので、容疑がかけられた時点でただちに弁護士へ相談するのがおすすめです。
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