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量刑判断とは?刑事裁判で刑罰の重さが決まる流れと有利になる要素について解説

量刑判断とは?刑事裁判で刑罰の重さが決まる流れと有利になる要素について解説

刑事裁判において、自分がどのような刑罰を受けるのかを考えると、不安を感じる方が多いのではないでしょうか。

刑罰は、犯罪事実に対して自動的に決まるわけではありません。

実際は、被告人の反省の態度や被害者との示談の有無といった、さまざまな要素をもとに量刑判断をしたうえで決定されます。

そのため、万が一罪を犯してしまった場合でも、有利な量刑判断を得るためには、刑が確定する前の流れやポイントを押さえて、しっかりと理解しておくことが大切です。

そこで本記事では、量刑判断がどのような意味をもち、どのように進められるのかをわかりやすく解説します。

また、量刑判断をできるだけ有利に進めるために、おさえておくべき重要なポイントを紹介します。

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量刑判断とは?どの程度の刑罰にするか決める手続きのこと

量刑判断とは、刑事裁判において、裁判官が被告人に対してどのような刑罰にするかを決定する手続きを指します。

刑罰の決定は裁判官の自由裁量に委ねられていますが、個人的な感情や主観だけで判断するわけではありません。

あくまでも、法律に定められた「法定刑」や、法律上または裁判上の加重・減軽事由を踏まえた「処断刑」の範囲内で、慎重に刑罰を決定するのです。

刑事裁判で量刑を決めるときの大まかな流れ|4ステップ

量刑判断は、4つのステップに沿って進みます。

  1. 犯罪の内容を決める
  2. 法定刑の種類を決める
  3. 法定刑の重軽を考慮する
  4. 最終的な法定刑を決定する

ここでは、各ステップについてそれぞれ解説します。

1.犯罪の内容を決める

裁判官は、まず罪刑法定主義に基づき、被告人がおこなった犯罪の内容を確定させ、犯罪に適用される法律の条文を決定します。

罪刑法定主義とは、犯罪行為に対して刑罰を科すためには、その行為が事前に法律で規定されている必要があるという原則です。

この原則に従い、裁判官は法律に定められた具体的な条文を適用し、被告人の行為を犯罪として認定します。

2.法定刑の種類を決める

法定刑の種類が複数定められている場合、裁判官は被告人の行為の性質や背景を考慮して、法定刑の種類を決定します。

たとえば、窃盗罪(刑法第235条)の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」と定められています。

法定刑に基づき、被告人に「懲役」または「罰金」のいずれの処分を科すべきかを決定します。

3.法定刑の重軽を考慮する

次に、法定刑で定められた刑罰の範囲内で、どのような処罰を科すのが適切かを判断します。

具体的には、窃盗をおこなって法定刑を科すと決めた場合、「(1ヵ月以上)10年以下の懲役」という幅の中から、どの程度の処罰を科すのか決定するのです。

刑罰の決定にあたってはさまざまな要素が考慮されますが、考慮要素は「犯情」と「一般情状」の2つに分けられます。

犯情とは、事件の内容を判断するための事実をいい、一般情状とは、被告人に関する事情や事件後に生じた事情をいいます。

ただし、実務上では、一般情状に関する要素よりも犯情に関する要素のほうが重視されています。

犯情に関する要素と、一般情状に関する要素の具体例は、以下のとおりです。

犯情に関する要素

  • 犯行方法および犯行態様の悪質性
  • 犯罪の動機
  • 犯罪結果の重大性(怪我の程度や被害額)

一般情状に関する要素

  • 被告人の性格
  • 被告人の年齢や家庭環境、健康状態
  • 被告人の前科、余罪
  • 被告人の反省の程度
  • 被害者の処罰感情
  • 社会的影響 失職等既に受けている社会的制裁の有無

4.最終的な法定刑を決定する

さまざまな要素を考慮したうえで、裁判官が最終的な法定刑を決定します。

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量刑判断の際により有利になる可能性が高い3つの要素

犯罪をおこなった事実は変えられませんが、犯行後の行動によっては、量刑に関する判断を有利に進められる可能性があります。

ここでは、有利に働く可能性が高い3つの要素について詳しく解説します。

1.被害者へ謝罪し、示談をしていること

犯行後、被害者に対して謝罪して示談を成立させていれば、量刑において有利に働く要素となります。

なぜなら、示談が成立した場合には、被害者の処罰感情がないとして一般情状として考慮される可能性が高いからです。

示談を成立させるためにも、犯罪をしたことについて被害者に対して心から謝罪することが重要です。

被害者への謝罪の意を示す手紙を送るなど、被告人が具体的にどのような行動を取ったかも重要視されることがあります。

2.再犯防止策を検討し、実行していること

被告人への再発防止策を検討し、具体的に実行しているかどうかも、量刑判断に大きな影響を与える要素です。

再犯防止策の内容としては、たとえば、家族が被告人と同居して生活を見守ることや、生活環境を整えることが挙げられます。

アルコール依存症や薬物依存症、性依存症などが関係する場合には、専門の支援機関などを利用して、時間をかけて症状の改善に取り組む必要があるでしょう。

また、被告人が策定された再犯防止策に真摯に取り組んでいることが評価されれば、量刑が軽くなる可能性が高まります。

3.罪を認めており、十分反省していること

罪を犯したことを認め、反省の態度を示していれば、量刑において有利に働く要素となります。

裁判官は、被告人が自分の犯行をどれだけ認識し、深く反省しているかを重視します。

そのため、罪を認めず、犯罪を否認し続ける場合、社会や被害者に対する責任感や反省が欠如していると捉えられ、量刑判断の際に不利に働く可能性は高くなります。

反対に、自分の行為を素直に認め、十分反省している姿勢を見せることは、裁判所に対して良い印象を与え、量刑判断の際に有利に働く可能性があります。

量刑判断で有利になるには弁護士に依頼するのがおすすめ!

量刑判断にはさまざまな要素が考慮されるため、できるだけ量刑を軽くするためには、被告人にとって有利となる事情を裁判所に適切に伝える必要があります。

しかし、裁判に慣れていない個人が適切に伝えるのは容易ではありません。

そのため、できるだけ早い段階で弁護士に相談・依頼しておくのがおすすめです。

具体的には、弁護士に相談・依頼することで、以下のようなメリットを得られます。

刑事事件を弁護士に相談・依頼するメリット
  • 被告人に有利となる事情を洗い出してもらえる
  • 被害者との示談交渉をスムーズに進められる
  • 再犯防止策に関するアドバイスをもらえる

とくに、刑事事件に精通した弁護士であれば、裁判官に対して説得力のある弁護活動をおこない、有利な結果へと導いてくれる可能性が高まります。

さいごに|刑事事件の量刑はさまざまな要素が考慮されて決定される!

刑事事件の量刑は、法定刑で定められている刑罰の範囲内で、犯情に関する要素や一般情状に関する要素を考慮して決定されます。

被害者への謝罪や示談、再犯防止策の実施、真摯な反省の姿勢などが認められれば、量刑が軽くなる可能性が高いです。

しかし、適切な弁護活動がなければ、これらの事情を十分に主張できず、不当に重い量刑が科されてしまうリスクがあります。

刑事事件に巻き込まれた場合は、早めに刑事事件に弁護士に相談し、適切な弁護を受けましょう。

なお、「ベンナビ刑事事件」を利用すれば、刑事事件に得意な弁護士を簡単に検索できます。

量刑判断を有利に進めたい場合には、ぜひご活用ください。

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この記事の監修者
磯田 直也 (兵庫県弁護士会)
当事務所では、少年事件や無罪を争う事件など、非常に難易度の高い事件にも対応した実績がございます。豊富な経験を基に、タイミングごとに事態を見極めて最善の弁護活動をいたしますので、お早めにご相談ください。
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編集部

本記事はベンナビ刑事事件を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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