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当て逃げの罰則・加算点数とは?事故が発覚する理由とその後の対処法も解説

東日本総合法律会計事務所
加藤 惇
監修記事
当て逃げの罰則・加算点数とは?事故が発覚する理由とその後の対処法も解説

当て逃げをすると、以下の3種類の責任を問われる可能性があります。

  • 刑事責任:拘禁刑や罰金刑などの刑事罰
  • 行政責任:違反点数の加算および免許停止処分
  • 民事責任:物損事故での弁償

通常の物損事故では、人身事故のように事故結果そのものについて刑事責任を問われるケースは多くありません。ただし、事故原因となった安全運転義務違反などについて刑事・行政上の責任を問われる場合があります。また、業務上必要な注意を怠り、または重大な過失によって他人の建造物を損壊した場合には、道路交通法116条により刑事責任が生じることもあります。

しかし、物損事故を起こして現場から逃げる「当て逃げ」になると、逃走行為について刑事責任や行政責任などを問われ、以下のような罰則を受ける可能性が出てきます。

刑事責任 3ヵ月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金刑
1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金刑
行政責任 危険防止措置義務違反:5点
安全運転義務違反:2点
免許停止:合計6点以上

本記事では、当て逃げの罰則や逮捕される可能性、当て逃げを起こした際にやるべきことなどを解説します。

当て逃げを起こしてしまった方へ

当て逃げ行為には、刑事罰があります。

したがって、いきなり自宅に警察が来て逮捕されることもあり得るのです。

 

当て逃げを起こして不安に駆られている方は、弁護士への相談・依頼がおすすめです。

弁護士に相談・依頼することで、以下のようなメリットがあります。

  • 今後の対応のアドバイスをもらえる
  • 被害者との示談交渉を任せることができる
  • 自首のときに同行してもらえる など

 

逮捕前から弁護士に依頼しておくことで、逮捕後の弁護活動もスムーズに進められます。

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目次

当て逃げでは警察に逮捕される可能性がある

当て逃げでは刑事責任が生じ、警察による捜査がおこなわれて逮捕される可能性があります。

逮捕は突然おこなわれるため、いきなり自宅に警察が来て逮捕されるケースもあります。

当て逃げの場合、すでに逃走している経緯があるため、警察が「逃走のおそれがある」と判断して逮捕を強行することがあります。

事故後しばらくは何もなく普通に過ごせていても、数ヵ月後に突然逮捕や任意同行となることも珍しくありません。

良心の呵責に囚われ続けるくらいなら、早いうちに自首して被害者との示談交渉などに進んでいったほうが、迅速に解決できる可能性が高まります。

人身事故(ひき逃げ)になれば検挙率も上がる

「駐車場などで無人の車にぶつけた」というような物損事故ではなく、人が乗っている車と事故を起こして立ち去ってしまった場合、自分では当て逃げかひき逃げかを判断することはできません。

現場に留まっておらず、具体的な被害状況がわからないからです。

自分では「ちょっとこすっただけだ」と思っていても、相手の車にはそれなりの衝撃があり、むちうちなどで医師から診断を受けているかもしれません。

被害者がけがを負った場合には「ひき逃げ」となり得ます。

ひき逃げ事件|法務省

引用元:3 ひき逃げ事件|法務省

上図のとおり、2023年のひき逃げの検挙率は70%以上となっており、当て逃げに比べて罰則も重くなります。

事故を起こしているにもかかわらず逃げ続けると、大きな不安を抱え続けなくてはなりません。

当て逃げで問われる3つの責任|罰則や加算される点数

当て逃げをした場合、以下の3つの責任が問われて罰則を受けたりする可能性があります。

問われる責任の種類 罰則・処分の内容
刑事責任
  • 1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金刑
  • 3ヵ月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金刑
行政責任
  • 危険防止措置義務違反:5点
  • 安全運転義務違反:2点
民事責任
  • 物損の弁償

なお、当て逃げではなく通常の物損事故の場合、刑事責任や行政責任を問われることは原則ありません。

もし事故を起こした直後に本記事をご覧の方は、警察に報告して迅速に対応してください。

1.当て逃げの刑事責任|拘禁刑や罰金刑などの刑事罰

ドライバーは交通事故を起こした場合、適切な措置を講じて警察に報告しなければならない義務があります。

(交通事故の場合の措置)

第七十二条 交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。

この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。同項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置(第七十五条の二十三第一項及び第三項において「交通事故発生日時等」という。)を報告しなければならない。

引用元:道路交通法第72条

ただの物損事故ではなく、現場から逃走する当て逃げという行為は、必然的に違反することとなります。

当て逃げの場合、以下のような罰則を受ける可能性があります。

1-1.報告義務違反|3ヵ月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金刑

上記の報告義務に違反した場合、3ヵ月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金刑に処されるおそれがあります。

第百十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三月以下の拘禁刑又は五万円以下の罰金に処する。

(中略)

十七 第七十二条(交通事故の場合の措置)第一項後段に規定する報告をしなかつた者

引用元:道路交通法119条第1項17号

報告とは「警察への通報」です。

事故を起こしたのであれば、被害の大小にかかわらず必ず警察に通報してください。

当て逃げの場合、当然警察への通報もしないということになりますから、まずは報告義務違反での罰則を受ける可能性が出てきます。

1-2.危険防止等措置義務違反|1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金刑

事故を起こした運転手は、ただちに運転を停止し、負傷者の救護と道路における危険を防止する措置を講じる必要があります。

負傷者のいない当て逃げも例外ではなく、事故によって道路上に危険が生じた場合、運転手は危険を防止する措置を講じなければなりません。

適切な措置を講じなかった場合、1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金刑に処されるおそれがあります。

第百十七条の五 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。

一 第七十二条(交通事故の場合の措置)第一項前段の規定に違反した者(第百十七条の規定に該当する者を除く。)

引用元:道路交通法117条の5第1項1号

当て逃げ行為は危険防止等措置もおこなっていないわけですから、責任を問われる可能性は十分にあります。

1-3.救護義務違反(ひき逃げの場合)|5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金刑

死傷者が出た事故の場合、事故を起こした運転手に救護義務が生じることになります。

人が乗っている車などにぶつける事故を起こし、そのまま現場から逃走してしまえば、けがや死亡の有無を把握することはできません。

自分では当て逃げと思って逃走したとしても、死傷者が出ている人身事故だった場合は「ひき逃げ」となり、以下のようなより厳しい罰則を受ける可能性が出てきます。

第百十七条 車両等(軽車両を除く。以下この項において同じ。)の運転者が、当該車両等の交通による人の死傷があつた場合において、第七十二条(交通事故の場合の措置)第一項前段の規定に違反したときは、五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。

引用元:道路交通法117条第1項

さらに、その死傷が当該運転者の運転に起因する場合には、10年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金となります。

当て逃げは器物損壊罪には該当しない

なかには、事故によって人の物を壊したとして器物損壊罪(3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金刑もしくは科料)での逮捕を心配している方もいるでしょう。

結論として、基本的に当て逃げ(物損事故)で器物損壊罪に問われることはありません。

器物損壊罪は、故意に物を壊したときに成立する犯罪です。

物損事故の多くは過失によるものであるため、器物損壊罪の適用外です。

例外として、もしわざとぶつけて逃走するような行為があったのであれば、器物損壊の罪も問われる可能性があります。

2.当て逃げの行政責任|違反点数の加算

通常の物損事故の場合、刑事責任と同様に行政責任も問われることはありませんので、事故を起こしたことで違反点数が加算されることはありません。

しかし、物損事故後に逃走した当て逃げの場合、さらに、事故原因について安全運転義務違反が認定されると以下のような違反点数が加算される可能性があります。

  • 危険防止措置義務違反:5点
  • 安全運転義務違反:2点
  • 救護義務違反(ひき逃げの場合):35点

免許停止になる点数は6点以上です(前歴なしの場合)。

当て逃げをすることによって、一発で免許停止処分となる可能性も出てきます。

なお、ひき逃げの場合は一発で免許取消しになり、最低でも3年間は再び免許を取ることができなくなります。

3.当て逃げの民事責任|破損させた物に対する損害賠償

逃走の有無にかかわらず、物損事故を起こして自分に過失がある場合、民事責任として被害分を弁償する損害賠償責任が出てきます。

項目 内容
車の修理費用 傷ついた車体を修理するために支払った費用
代車費用 車が運転不可能な状態となり代車を呼んだ際に支払った費用
車の評価損 事故により市場価値の減少が認められる場合の減少額
休車損害 タクシーやバスなどの営業車が破損した場合、事故がなければ受け取れたであろう収入について生じた損害
(代車費用とは両立しません)
積荷損 トラックなどに積載していた荷物が破損した場合の、破損分の損害
(ケースによって請求できる金額の範囲には幅があります)

主に上記の費用を話し合って決定しますが、現場から逃走していないただの物損事故であれば、民事責任のみで済ませることができます。

なお、慰謝料請求を心配している方もいるかもしれませんが、基本的に物損事故で慰謝料請求まで認められることはありません。

慰謝料とは「精神的苦痛に対する損害賠償」のことであり、物損事故では上記の実害分の弁償によって精神的苦痛が回復すると考えられているからです。

ただし、被害者がよっぽど大切にしていた物が壊れた場合などは、まれに慰謝料請求が認められることもあります。

たとえば「事故で被害者のペットが死亡した」というようなケースでは、慰謝料請求もあり得ます(法律上、ペットは物として扱われます)。

当て逃げに気づかなかった場合の罰則

当て逃げしたことに気づいていなかった場合、刑事責任に関しては問われないのが原則です。

道路交通法の報告義務や危険防止措置義務などは「事故を認識していたこと」が前提となるため、そもそも当て逃げ自体に気づいていなければ原則として罪に問われません。

ただし、実際に「当て逃げに気づかなかった」という主張が認められるかどうかは、個別の状況によって異なります。

事故当時の衝撃や車両の損傷具合などの事情を総合的に考慮したうえで判断され、なかには「当て逃げに気付いていた」と判断されて処分を受けることもあります。

当て逃げが起こる4つの理由

ここでは、当て逃げが起こってしまう主な理由を解説します。

  • かすった程度で事故に気付かなかったから
  • 気が動転して怖くなってしまったから
  • 弁償や罰金などが嫌だから
  • ほかの交通違反もおこなっていたから

1.かすった程度で事故に気付かなかったから

物損事故では「そもそもぶつかったことに気づけない」という場合もあります。

特に車体をかすった程度であれば衝撃や音も小さく、ぶつかったことに気づかないまま事故現場から立ち去ってしまうこともあるでしょう。

実際に事故を起こした認識がなければ、当て逃げの責任を問われる可能性は低いかもしれません。

しかし、捜査機関側は「事故に気がつかなかった」という弁解を容易には信用しないため、信じてもらうのは一苦労かもしれません。

2.気が動転して怖くなってしまったから

事故は頻繁に起こることではありません。

冷静な状態であれば「当て逃げはよくない」と当然理解していても、実際に事故を起こしてしまうと、気が動転して怖くなってその場から逃げてしまう方もいるでしょう。

上記のようなケースでは、当て逃げについて行政責任や刑事責任を逃れることはできません。

3.弁償や罰金などが嫌だから

なかには、事故直後に以下のようなリスクが頭に浮かんだりして、逃れるために現場から離れてしまう方もいます。

  • 被害者から車の修理代を請求されてしまう
  • 罰金を課されてしまう
  • 違反点数が加算されてしまう など

上記のようなケースでも、発覚すれば行政責任や刑事責任は不可避でしょう。

4.ほかの交通違反もしていたから

飲酒運転や無免許運転など、ほかの交通違反の自覚がある場合、警察に通報することで違反がバレることをおそれて現場から逃走してしまう方もいるでしょう。

ほかの交通違反をしている場合、以下のように単なる当て逃げよりも厳しい罰則を受ける可能性が出てきます。

違反行為 刑事罰 違反点数
酒酔い運転 5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金刑
(道路交通法第117条の2第1号)
35点
酒気帯び運転 3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金刑
(道路交通法第117条の2第1項3号)
13点~25点
無免許運転 3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金刑
(道路交通法第117条の2の2第3号)
25点
スピード違反 6ヵ月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金刑
(道路交通法第118条)
1点~12点

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当て逃げが見つかってしまう2つの理由

当て逃げは見つかる場合と見つからない場合がありますが、当て逃げが発覚する主な理由としては以下のようなものがあります。

  1. 被害者や目撃者がナンバーを覚えていた
  2. 防犯カメラやドライブレコーダーに車が映っていた

当て逃げでは刑事責任を問われ、見つかれば逮捕となる可能性もあります。

なお、人身事故(ひき逃げ)の場合は、さらに高い確率で検挙・逮捕されることになるでしょう。

1.被害者や目撃者がナンバーを覚えていた

当て逃げが発覚するかどうかは、同乗者や目撃者の有無などによって大きく左右されます。

被害者や周囲の人などがナンバーを覚えていて警察に通報されれば、捜査が始まってじきに特定されるでしょう。

いつ警察が来るのかは、被害届が出された時期や捜査状況などにもよるため、ケースバイケースです。

明日かもしれませんし、数ヵ月後かもしれません。

2.防犯カメラやドライブレコーダーに車が映っていた

防犯カメラやドライブレコーダーなどの映像データが証拠として使われる場合もあります。

特に防犯カメラに関しては、街中のあらゆるところに設置されています。

警察は防犯カメラなどの記録をくまなく調べますので、そこから犯人にたどり着くことはよくあります。

当て逃げをしてしまった際の4つの対処法

当て逃げをしてしまった場合、どのような対応を取ればよいのでしょうか?

自分が何かしらの罰則を受ける不安があるからこそ本記事をご覧になっているでしょうが、不安を解消して迅速に問題解決するためにも以下のような方法を検討してください。

  1. 弁護士に相談する
  2. 警察に自首をする
  3. 被害者と示談をする
  4. 保険会社に連絡する

1.弁護士に相談する

当て逃げの場合、逮捕や刑事罰を受ける可能性があるため、弁護士に相談して今後の対応を直接アドバイスしてもらいましょう。

弁護士なら、後述する自首の同行や被害者との示談交渉の代理などにも対応しており、相談することで今後やるべきことが明確になります。

ただし、弁護士であっても今後逮捕されるかどうかを明確に答えることはできません。

当て逃げをした以上、逮捕される可能性は多少なりともありますが、被害者が被害届を出しておらず事件に発展せずに終了することもあります。

2.警察に自首をする

「いつか逮捕や罰則を受けるかもしれない」と不安な毎日を過ごすくらいなら、警察への自首を選択したほうが結果的に良い場合も多いです。

自首は、法律上の任意的減軽事由のひとつとして刑法で定められています。

(自首等)

第四十二条 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。

2 告訴がなければ公訴を提起することができない罪について、告訴をすることができる者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも、前項と同様とする。

引用元:刑法第42条

自首が成立することで罰則が軽減されることもありますし、逮捕されずに捜査が進められる可能性も高まります。

3.被害者と示談交渉をおこなう

当て逃げ事故では、被害者との示談交渉も取るべき対応のひとつです。

示談交渉では、民事責任での弁償代相当や示談金を支払い、和解を求めます。

被害者と和解できれば、提出された被害届を取り下げてもらえるかもしれませんし、示談成立したことが評価されて刑事罰を受けずに済む可能性も高まります。

もし被害者の連絡先がわからない場合は、弁護士に代理人になってもらいましょう。

弁護士に動いてもらうことで、警察経由で連絡先を入手できる可能性が高まりますし、適正な示談金額での交渉成立も期待できます。

4.保険会社に連絡する

当て逃げ事故を起こした場合は、自分が加入している任意保険会社にも連絡しましょう。

事故の報告が遅れると、保険会社が保険金の支払いなどに応じてくれないおそれもあるため、なるべく事故後速やかに連絡してください。

保険会社に連絡すれば、今後の対応についてアドバイスしてくれたり、被害者との示談交渉を代行してくれたりする場合もあります。

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当て逃げの時効

当て逃げの場合、刑事事件と民事事件の2種類の時効があります。

現場から逃走して事故の詳細がわからない以上、被害がどれほどなのか・被害届が出されているのかなどは一切把握できません。

数年もの間「いつ逮捕されるのかわからない」と不安な日々を過ごすくらいなら、弁護士に相談のうえで自首なども検討したほうがよいでしょう。

ここでは、それぞれの時効期間について解説します。

1.刑事事件の公訴時効|3年

刑事事件には、犯罪から一定期間を過ぎた場合に検察官が被疑者を起訴できなくなる「公訴時効」という制度が定められています。

公訴時効の期間は法定刑によって異なり、当て逃げの場合は「当て逃げ事故を起こして現場を去ってから3年」です(刑事訴訟法第250条2項6号)。

ただし、実際には人身事故で救護義務違反が成立する場合や、別の犯罪が成立する場合には、公訴時効の期間も異なります。

滅多にないでしょうが、事故後1年~2年ほど経ってから、警察から当て逃げの件で呼び出しを受ける可能性は否めません。

公訴時効が完成すると、被疑者は刑事裁判にかけられることがなくなるため、拘禁刑や罰金刑などの刑罰が科されずに済み、当然前科もつきません。

2.民事事件の消滅時効|3年または20年

当て逃げ事故の被害者が持つ損害賠償請求権には、消滅時効が定められています。

消滅時効の期間は、以下のいずれか早いほうが適用されます。

  • 被害者が損害や加害者を知ったときから3年
  • 当て逃げ事故の発生から20年
参考元
民法第724条

刑事事件の場合と同様、事故後しばらく経ってから被害者や裁判所などから連絡を受けたりする可能性は否めません。

時効期間を経過したのち、被害者に対して時効援用の連絡をすると消滅時効の完成となり、被害者は加害者に対して損害賠償請求ができなくなります。

当て逃げの罰則に関するよくある質問5選

ここでは、当て逃げの罰則に関するよくある質問について解説します。

1.当て逃げをすることで罰則は重くなる?

当て逃げをすると、通常の物損事故に比べて罰則は重くなります。

通常の物損事故では民事責任のみが原則問われることになりますが、当て逃げでは刑事責任や行政責任なども生じて罰則を受ける可能性があります。

それ以前に、危険防止措置などのきちんとした対応を取らないことで、新たな事故を誘発してしまう原因にもなります。

さらに、被害者の「加害者を許せない」という感情も強くなり、示談交渉などが揉める要因にもなるため、事故後は逃走しないことが第一です。

2.当て逃げは一発で免停ですか?

当て逃げの場合、一発で免停になる可能性があります。

当て逃げでは、危険防止等措置義務違反の「5点」と安全運転義務違反の「2点」の合計7点が加算されるおそれがあります。

累積点数が6点以上になると免許停止処分となるため、前歴がない方でも一発免停の対象となります。

3.当て逃げの罰金の相場はいくら?

当て逃げの罰金に関して、明確な相場というものはありません。

ただし、刑事罰としての罰金額の上限は定められており、報告義務違反の場合は5万円(道路交通法119条第1項17号)、危険防止等措置義務違反の場合は10万円(道路交通法117条の5第1項1号)です。

なお、当て逃げでは被害者に対する賠償金も支払うことになりますが、賠償金額に関しても被害状況によって大きく変動するためケースバイケースです。

4.当て逃げがばれる日数は?

当て逃げが発覚するまでの日数は、状況によって大きく異なります。

目撃者の証言やドライブレコーダーの記録などによって即日発覚するケースもあれば、被害者が後日当て逃げされたことに気付いたりして数日ほどで発覚するケースもあります。

なかには、被害者が当て逃げになかなか気付かなかったり、時間が経ってから決定的な証拠が見つかったりして数ヵ月以上かかることもあります。

「いつか警察に逮捕されるかもしれない」と不安になっているのであれば、まずは弁護士に相談して今後の対応をアドバイスしてもらうことをおすすめします。

5.当て逃げをして自首したらどうなる?

当て逃げ後に自首をした場合、重い処分の回避が期待できます。

自首は任意的減刑事由のひとつとして定められており、加害者側に有利な事情として考慮される場合もあります(刑法第42条)。

事故後速やかに警察署に出向いて自首が成立すれば、在宅事件として扱われて逮捕を回避できたり、不起訴処分となって刑罰や前科が付かずに済んだりする可能性も高まります。

まとめ

当て逃げをすると、民事責任だけでなく刑事責任や行政責任なども問われて、拘禁刑や免許停止などの重い罰則を受けるおそれがあります。

物損事故であれば、正しく対応すれば過大な不利益を被るようなことはありませんので、逃走せずに適切な対応を取ることが第一です。

もし、すでに当て逃げをしてしまっている場合には、弁護士に相談のうえ、自首なども検討して今後の対応を真摯におこなっていきましょう。

あなたの対応次第では、厳しい罰則を免れることができるかもしれません。

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編集部

本記事はベンナビ刑事事件を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ刑事事件に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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